破棄・廃棄・処分するの意味の違いとは?廃棄する/破棄してください

私たち人間が生活する中で「破棄してください・廃棄してください」という言葉を1度は聞いたことはありませんか?どちらも漢字1字違いで読み方もとても似ています。しかし「破棄・廃棄」どちらをどの場面で使うかまでは詳しくはわかりませんよね?今回は「破棄・廃棄・処分」の意味の違いや使い方についてご紹介します。

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破棄とは?意味は?

破棄とは「捨てること」

捨てる

破棄とは「捨てる」という意味があります。ただ捨てるだけではなく、シュレッターやびりびりに破いて原型がなくなることを表しています。個人情報や会社の機密情報などが含まれる書類を捨てる際に使われることが多い言葉です。

破棄とは「取り消すこと」

取り消す

「事後審査を上級裁判所が上訴に理由があるとして原判決を取り消すこと」です。なんだか少し難しいですが、簡単に説明すると「一旦決まった原判決を取り消す」という意味になります。そしてもう1つですが「契約や1度決めたことを一方的に取り消す」という意味があります。

廃棄とは?意味は?

廃棄とは「捨てること」

捨てる

廃棄とは「不用なものを捨てること」です。ちなみに「ふよう」という漢字は「不要、不用とはいくつかありますがこちらの「不用」という漢字が当てはまります。こちらの漢字の意味は役に立たない・使わないという意味をもっています。

廃棄とは「無効にすること」

悲しい

廃棄とは「条約の効力を当事国の一方の意思で無効にする」です。こちらは少々難しい言い回しになっていますが、お互いに結んだ約束を一方的に無効にしてしまうという意味になります。

破棄と廃棄の違いとは?使い分け方は?

破棄と廃棄の違いは「原型があるかないか」

違いを調べる

「破棄」と「廃棄」の大きな違いは「原型があるのか・ないのか」です。破棄・廃棄はともに捨てるという意味をもっていますが、類語であり少し意味が違ってきます。

もし「破棄してください」という指示があった場合は「びりびりに破って捨ててください」という指示になり、原型がなくなってしまいます。そして「廃棄してください」という指示があった場合は「原型がある状態」で捨てることができます。言葉を聞き間違えてしまうと大変ですので注意が必要ですね。

使い分け方は漢字の意味を考える

考える

破棄と廃棄の使い分け方は「破と廃」の意味を考えて使い分けましょう。まず「破」には「紙や布を裂いたり穴を空ける」という意味があります。そして「廃」には「古くなって役に立たなくなる」という意味があります。

よって紙や布を破いたりして捨てる場合には「破棄」、不用になって捨てるものには「廃棄」というようになります。ただし、紙や布の場合でも不用になって捨てる場合「廃棄」を使用する事がありますので注意が必要です。

また、一旦決まった契約や約束事を取り消す場合には「破棄」が使用されます。日本語って本当に複雑ですね。こちらに「言葉遣い」と「言葉使い」の違いについての記事がありますので併せてご覧ください。

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破棄の使い方とは?例文3選!

破棄の使い方①書類を破棄してください

書類

破棄の使い方の例文の1つ目は、「個人情報が記載されている書類をシュレッターにかけて破棄してください」です。こちらは個人情報という大事な書類をシュレッターにかけるということで、原型がなくなります。原型がなくなっているので「破棄」が使用されます。

しかし、シュレッターにかけたり裂かないで捨てる場合には「廃棄」が使用されますので注意が必要になりますが、現代では個人情報についてたくさんの決まりがあるので大切な書類の場合は「破棄」が使われることが多いです。ですから「廃棄する」なのか「破棄する」なのか指示が出た場合違いに注意が必要ですね!

破棄の使い方②データの破棄してください

パソコン

破棄の使い方の例文の2つ目は、「パソコンを処分するのでデータを破棄してください」です。パソコンのデータは形はありません。しかし、「データを残らず消去する」という意味で「破棄」が使用されます。


破棄の使い方③約束を破棄する

約束

破棄の使い方の例文の3つ目は、「結婚を楽しみにしていたのに婚約破棄になってしまった」です。契約書等がなければ基本的には契約や約束にも形はありません。ではどのようにして違いを見分けたらよいでしょうか?

簡単な見分け方として、「破」には「は」の他に「やぶ」ると読むことができます。契約を「破る」、約束を「破る」このような言葉を見た事がありますよね!漢字の読み方と意味を考えると自ずと言葉の使い方が見えてきますね。

廃棄の使い方とは?例文3選!

廃棄の使い方①食品を廃棄

食品

廃棄の使い方の例文の1つ目は、「賞味期限の切れた食品は廃棄してください」です。自宅では「廃棄してください」と言うより「捨ててください」の方が使われることが多いと思いますが、食品を扱うお店やコンビニ、飲食店ではよく使われる言葉ではないでしょうか?

賞味期限の切れた食品は不用になったもの、捨てるものという認識になります。そして食品を捨てる時は書類のように穴をあけたり、裂いたりということはほぼないので「廃棄」が使用されます。

廃棄の使い方②家電などを廃棄

パソコン

廃棄の使い方の例文の2つ目は、「パソコンを廃棄する」です。上記でパソコンのデータは「破棄する」と説明しましたがパソコンの機器自体は形があるものなので「廃棄」が使用されます。紛らわしいので注意が必要です。その他家電などほとんど形があるまま捨てられますので「廃棄」となります。

廃棄の使い方③政治や外交など限定

約束

廃棄の使い方の例文の3つ目は、「外国との不平等な条約を廃棄する」です。この意味の場合は、政治や外交などの限定的な場合で使用します。個人的な約束や契約の場合は「破棄」を使用しましょう。

破棄の類語・英語と使い方例文とは?


破棄の類語「撤回・撤去・解消」など

撤回

破棄にはたくさんの類語があります。まず権威のある人物が以前に成されたことをなかったことにする行為を「撤去・撤回・破毀・撤退」、個人的や社会的分離(派閥など)を「不成立・中断・破裂・絶縁・断絶・決裂」と表します。

次に公式に取り消すという意味で「取り下げる・廃する・廃止・排棄・廃棄・」、廃止する行為を「解消」等と表します。実にたくさんの類義語がありますね!そして「廃棄」も破棄の類義語にあたります。

英語と使い方例文「Destroy・Dispose」

英語

英語を使った例文には「Destroy/Dispose」が用いられます。こちらは書類や文書、約束や契約に使用できます。                    

例文として「その請求書を破棄してください」を「Please dispose that bill」、「この資料を破棄してください」を「please destroy these documents」と表します。また約束や契約に対しては「Destroy」が使用できます。

例文として「婚約を破棄する」を「Destroy an engagement」と表すことができます。しかし上記で紹介した「Destroy/dispose」以外にも使用できる語彙があり、場合によっては「Quash」や「Cancel」を使用する事もあります。

廃棄の類語・英語と使い方例文とは?

廃棄の類語「放棄・撤回・廃止」など

放置

廃棄には破棄と同様にたくさんの類語があります。必要でないことを「放棄・手放す・捨てる」、公式に取り消すを「取り下げる・撤回」等が使用されます。

また、廃止する行為を「廃止・破毀・解消」、古い何かを処分する場合には「スクラップする・排棄」等が類義語として使用されます。

英語と使い方例文「Discard・Abolish」

英語

英語を使った例文には「Discard/Abolish」が用いられます。例文として「賞味期限切れの食べ物を廃棄する」をDiscardを用いて「Discard expired food」と表します。

また、「古くなった家電を廃棄する」にもDiscardを用いて「Discard old household appliances」と表すことができます。そして決まり事を廃止する場合にはAbolishを用いることができます。

例文として「階級を廃止する」を「Abolish class」と表すことができます。その他にも「Scrap」や「junk」も廃棄するという意味をもちます。

処分とは?意味・使い方と破棄・廃棄との違いは?

処分の意味と使い方「捨てる・罰を加える」

処分

処分とは「不要なものや余分なものなどを捨てる、売り払う、始末する」という意味があります。また、「規則や規約」等を破った者に「罰を加える」という意味もあります。「処分」の使い方として、「いらなくなった本や漫画を処分する」、「不要になった衣類をリサイクルショップで処分した」となります。

そして「罰を加える」という使い方で「会社の規則を破った社員が処分された」、「ルールを破った違反者が処分された」というように表されます。

会社でお勤めされている方でしたら1度は「懲戒処分」という言葉を聞いたことがあると思います。こちらも「罰を与える」という意味があります。懲戒処分についての記事がありますので併せてご覧ください。

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戒告の意味・事例とは?懲戒処分の種類や訓告・譴責との違いも

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破棄・廃棄との違いは「処分」には捨てる以外の意味をもつ

違い

破棄・廃棄との違いは、処分には「売り払う」や「罰を加える」という意味をもっています。しかし廃棄・破棄と同様に「捨てる」という意味もあります。

大まかに言ってしまうと、「処分」には「破棄・廃棄」の意味を含んでいて、「処分」という大きなカテゴリーに「破棄・廃棄」が入るイメージです。

豊富な語彙を身につけて正しい言葉を使用しましょう!

言葉

日本語は美しくとても複雑なもので同じ漢字でも意味が違っていたり、類語がたくさんありますね!今回は「破棄・廃棄・処分」についての記事になりましたが、言葉も意味もよく似ていました。

しかし「原型があるのか」あるいは「原型がないのか」で使用する漢字が違っていたり、「破棄・廃棄・処分」にはどれも捨てるという意味があるにも関わらず「処分」だけ「売り払う」や「罰を加える」という意味がありました。

類語があり言葉を使い分けることは簡単ではありませんが、多くの語彙を身につけることで言葉の使い方のスキルを上げることができます。正しい言葉を使える方ってとても素敵ですよね!


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