嚆矢の意味・類語・例文とは?鏑矢との違いも|嚆矢として/嚆矢となる

「嚆矢として・となる」の言葉の意味をご存知でしょうか。かつて弓矢で鏑矢を放ち、戦の始まりを合図したことが言葉の語源となっています。この記事では、嚆矢・嚆矢濫觴の詳しい意味や類語・対義語、鏑矢とは何かについてまとめています。

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嚆矢とは?意味・読み方・語源は?

嚆矢(こうし)の意味とは物事の始まり・最初のこと

最初のこと

嚆矢(こうし)の意味とは物事の始まり・最初のことです。例えば、体操で笛の合図に合わせて体を動かしたり、徒競走ならピストルの合図で走り出したりしますが、嚆矢はそれらと同じことを表します。使用場面としては、物事を始める最初であることなど、何かの事の始まりを表したい場合に使います。

嚆矢の語源とは物事の始まりとして射ると音が鳴る矢を用いたことから

語源

嚆矢の語源とは、物事の始まりとして射ると音が鳴る矢を用いたことからです。武器の一つに弓矢がありますが、嚆矢は矢を放つことを指します。しかし、ただ矢を放つのではなく、嚆矢として放たれる矢は特別な造りがされており、射ると音が鳴ります。その音で周囲に始まりの合図を送ったことが語源となっています。

嚆矢濫觴とは?意味と使い方例文は?

嚆矢濫觴の意味とは物事の始まり

物事の始まり

嚆矢濫觴の意味とは物事の始まりです。こうしらんしょうと読みます。嚆矢の意味と同じく、戦の始まりに敵の陣営に向かって鏑矢という音の鳴る矢を放ったことが語源となっています。

濫觴の濫は溢れること、觴は酒の盃を表し、濫觴で川の水源を意味します。そこから変化して物事の始まりを表すようになりました。なぜそんな意味になったのかというと、大きな川も水源までたどれば、觴(さかずき)が溢れるほどのわずかな水の流れだからだ、とされています。

嚆矢濫觴の例文と使い方は事の起こりを説明したい場合に

説明したい

嚆矢濫觴の例文と使い方は事の起こりを説明したい場合に使います。基本的に意味が一緒の嚆矢と同じ使い方ができます。使用場面としては、企画や物事の始まり、きっかけについて表現したい場合が挙げられます。

例文を挙げてみましょう。例えば「この壮大な企画の嚆矢濫觴は、数年前の雑談だった」「彼との付き合いはこのチームの嚆矢濫觴のころから続いている」「先輩の一声は仕事の嚆矢濫觴を意味するものだった」「この計画の嚆矢濫觴を思い返すと懐かしくなる」などです。


鏑矢とは?意味・使い方例文と嚆矢との違いは?

鏑矢の意味とは矢じりに鏑をつけた音の鳴る矢のこと

音の鳴る

鏑矢の意味とは矢じりに鏑をつけた音の鳴る矢のことです。「かぶらや」と読みます。嚆矢と深い関係があり、鏑矢は音の鳴る矢として用いられていました。戦道具として使われたほか、現在では流鏑馬など古来から続く伝統の祭礼式などで使われています。また、邪気を払う縁起物の飾り矢でもあります。

鏑矢と嚆矢との違いは物事の始まりとなる矢本体か行為自体か

違い

鏑矢と嚆矢との違いは物事の始まりとなる矢本体か行為自体かです。鏑矢は射るときに使う矢そのものを指します。嚆矢は物事の始まりとして鏑矢を放つ行為自体を指します。それぞれの違いは、物体か射る行為かで違いがあります。どちらの言葉も矢がついていて混同しそうですが、意味が違うので気を付けましょう。

鏑矢の例文と使い方は一番初めに何かを始めたことを表すときに

一番初め

鏑矢の例文と使い方は、一番初めに何かを始めたことを表すときに使えます。鏑矢は物事の始まりを知らせるために放たれた矢を表すため、それを比喩表現として用いることができます。例えば、計画や物事の始まりを表したい場合に用いることができます。

例文を挙げてみましょう。例えば「この計画の鏑矢となったのは彼の何気ない一言だった」「祭りの太鼓の音が鏑矢のように機能し、周りの人が踊りだした」「気まずい雰囲気を打ち破る鏑矢となったのは、ある人物の一声だった」「事件の鏑矢となったのは深夜にかかってきた一本の通報からだった」などです。

嚆矢の使い方とは?例文3選!

嚆矢の使い方・例文①嚆矢となる

嚆矢となる

嚆矢の使い方・例文1つ目は、嚆矢となるです。最初・始まりであるということを表す言葉です。始まり・最初であること強調したい場合に使える表現です。例文を挙げてみますと、例えば「彼の宣言はある流行の嚆矢となるものだった」「商品普及の嚆矢となる活動を行った」「彼はこの運動の嚆矢となる人物だ」などです。


嚆矢の使い方・例文②嚆矢として

嚆矢として

嚆矢の使い方・例文2つ目は、嚆矢としてです。始まり・最初として考える、判断することを表す言葉です。何かを始めとして仮定したい・考えたいことを強調したい場合に使える表現です。例文を挙げてみますと、例えば「この前の宣伝は商品普及の嚆矢として機能したに違いない」「活動発足の嚆矢として発言する」などです。

嚆矢の使い方・例文③嚆矢と言える

嚆矢と言える

嚆矢の使い方・例文3つ目は、嚆矢と言えるです。始まり・最初だと言えるということを表す言葉です。最初だと言い切りたい、強調したい場合に使える表現です。例文を挙げてみますと、例えば「彼はこの業界の嚆矢と言える存在だ」「この紙の束が大ヒット作品の嚆矢と言える原稿だ」などです。

嚆矢の類語と使い方例文とは?

嚆矢の類語と使い方・例文①一番槍

一番槍

嚆矢の類語と使い方・例文1つ目は、一番槍です。戦において一番初めに敵陣に槍を突き入れる人・最初に手柄を立てること・人を指します。最初に物事を始めるという点で嚆矢と意味が共通しており、類語と言えます。例文を挙げてみますと、例えば「討論の一番槍を務める」「流行の一番槍となる」などです。

嚆矢の類語と使い方・例文②出発点

出発点

嚆矢の類語と使い方・例文2つ目は、出発点です。物事の初めの開始地点であることを指します。物事の始まりという点で嚆矢と意味が共通しており、類語と言えます。例文を挙げてみますと、例えば「全国を旅行する際の出発点を決める」「みんなで出し合ったアイデアが計画の出発点となった」などです。

嚆矢の対義語と使い方例文とは?

嚆矢の対義語と使い方・例文①殿(しんがり)


殿

嚆矢の対義語と使い方・例文1つ目は、殿(しんがり)です。最後・最後尾という意味です。戦において撤退するときに、軍の一番後ろで敵の追手を追い払う部隊を指します。最初を表す嚆矢と最後を表す殿は、意味が逆なので対義語といえます。使う場面としては、後からついていくことを表したい場合などに使います。

例文を挙げてみましょう。例えば「下校する子供の列の後ろに保護者が殿となってついていった」「一般人を先に歩かせて、後ろに警察が殿となって警備する体制となった」「リーダーはチームの殿となり、後からついてくることになった」などです。

嚆矢の対義語と使い方・例文②終点

終点

嚆矢の対義語と使い方・例文2つ目は、終点です。終わりの地点・終着点を指します。初めを表す嚆矢と終わりを表す終点とは意味が逆なため、対義語だといえます。電車の路線で末端に位置する駅も終点と呼びます。使い方としては、最後の地点であることを表したい場合などに使います。

例文を挙げてみましょう。例えば「電車の中で寝過ごして、駅の終点まで来てしまった」「漫画の物語の終点まで読み進めた」「ついに計画の終点までたどりついた」「彼の話は長く、終点はいまだ見えそうにない」「この映画は彼の俳優人生の終点となる作品だった」などです。

嚆矢の英語と使い方例文とは?

嚆矢の英語と使い方・例文①whistling arrow used~

arrow

嚆矢の英語と使い方・例文1つ目は、whistling arrow used to signal the start of battleです。意味は戦いの始まりの合図に使用される口笛の矢となります。嚆矢が具体的になんであるかを説明した場合には、こういった表現になります。

英語の意味についてそれぞれ説明してみますと、whistling arrowで口笛の矢、used to signalで合図に使用される、the start of battleで戦いの始まりを表しています。

嚆矢の英語と使い方・例文②start

start

嚆矢の英語と使い方・例文2つ目は、startです。始まる・起こるという意味です。初めを表す嚆矢と似た意味を持つ英語として、startが当てはまります。品詞には自動詞・他動詞・名詞があります。そのため動詞なら主語+start(+目的語)、名詞なら動詞の目的語として活用します。

startの例文を挙げてみましょう。例えば、自動詞的な使い方であれば、He started on a journey(彼は旅を始めた)、他動詞ならI start a journey(私は旅に出る)、名詞ならat the start(初めから)などです。

嚆矢の英語と使い方・例文③beginning

beginning

嚆矢の英語と使い方・例文3つ目は、beginningです。意味は初めのころ・初期・始まりを指します。beginの現在分詞形です。品詞は名詞と形容詞があり、動詞の目的語か名詞の修飾語として活用します。

beginningの例文を挙げてみましょう。例えば、名詞的な使い方であればbeginning of a book(巻頭)、形容詞的な活用法であればa beginning salesman(新米のセールスマン)などになります。

嚆矢の英語と使い方・例文④dawn

dawn

嚆矢の英語と使い方・例文4つ目は、dawnです。嚆矢の意味と同じく始まりという意味を持ち、ほかには兆し・夜明けを指します。品詞は名詞と自動詞があります。自動詞として使うなら主語+dawnの形になります。名詞の場合は動詞の目的語として使います。

dawnの例文を挙げてみましょう。例えば、動詞的な使い方ではa new era is dawning(新時代の始まり)、名詞の場合は、dawn of history(歴史の始まり)、at dawn(早朝に)などがあります。

嚆矢は物事の始まりを表す言葉

以上が嚆矢の意味や例文、類語などでした。言葉の見た目から意味を想像しづらいですが、最初を表すことが分かったと思います。もともとは、戦の開始を合図する鏑矢を放つことが言葉の語源となっています。この記事を見た機会に、嚆矢の意味をぜひ覚えてみてくださいね。

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