共感性羞恥心の意味とは?恥を掻くシーンが苦手な原因や治し方と論文も

共感性羞恥心を知っていますか?テレビや映画の中で、他人が恥を掻くシーンを見て、まるで自分の体験の様に感情が萎縮してしまう現象を指すと言われています。今回はそんな共感性羞恥について、原因や治し方を含めて紹介します。論文についてもチェックしましょう。

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共感性羞恥心の意味とは?

共感性羞恥心の意味とは「人が恥をかくシーンが自分事のように感じること」

見たくない女性

共感性羞恥心の意味とは、創作物の中で登場人物が、第三者から見て恥ずかしい行動をとったり良かれと思って行動した結果恥を掻くといった姿や光景を見て、まるで自分も辱めを受けている様な感覚に陥る現象を指します。

例えば、テレビでドラマを見ている時、主人公が恥ずかしながらも頑張って踊っているにもかかわらず周囲はドン引きして眺めているシーンが流れていた場合、その人の恥がまるで自分が受けているように動揺してしまうことが挙げられます。

同じシーンを他の人が見ても、なんとも思わなかったり面白くて笑ってしまうことでも、その人にとって顔を隠したくなるような光景の場合は楽しめずに苦しんでしまうのです。

共感性羞恥心をわかりやすく表現すると「いたたまれない」

落ち着かない

この言葉を聞いても意味がわからない人もいます。そんな人に一言で教えるとしたら「いたたまれない」が最適でしょう。これは「恥ずかしさのあまり落ち着けない様子」や「精神的な圧力を受けてこの場にいられない状態」を指す言葉です。日常会話でも使われているので、伝わりやすいでしょう。

共感性羞恥心について

共感性羞恥心が発生する場面はテレビを視聴している時など

映画

共感性羞恥心は主にテレビで映画やドラマを視聴していたり、雑誌で小説や漫画を読んでいる時に、見ていて恥ずかしくなってくるシーンに出くわしたり発生しそうになると現れるといいます。この様な人は、自分が苦しむ可能性があるために映像作品に没頭するほど楽しめない傾向にあります。

また、ドラマや漫画に限らず、ドッキリ系のテレビ番組や日常で見かけたときもこの現象が起きると言われています。そのため、人によっては笑い話でも現象に陥る人にとっては顔を覆いたくなる話であることが多々あります。

共感性羞恥心を感じるシーンは人によって様々

動画視聴

恥ずかしいと感じるシーンは人それぞれですが、人の数ほど存在しています。例えば、出会いサイトで人を騙す際に悪魔になりきって相手をおちょくっている光景や、自分が知らない情報が周囲に浸透しているせいで一人取り残されている状況などが挙げられます。

    共感性羞恥心を感じるシーンの一例

  • とある人物が集合時間を間違えて1時間早く到着した場面
  • 自販機の前で困っているおばあさんが操作方法をわからずにあたふたしている場面
  • 主人公が着ている服が尖ったものに引っかかったせいで集団の前で服が破れる場面
  • 探偵が集団の前で誤った推理を披露して失笑される場面
  • 周囲に人が大勢いる前で男が女にプロポーズしたけど振られてしまった場面
  • 授業中、学生が居眠りしていたら先生に起こされた場面
  • 失敗を犯した社会人が土下座して謝っている姿を見て周囲が笑っているシーン

共感性羞恥心が日本で浸透したきっかけはテレビ番組から

深夜番組

この言葉が浸透したきっかけは、2016年8月にテレビで放送されたバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」にて、「恥をかきそうなシーンを見られない」という内容のメールが来たのでそれについてトークを始めたからと言われています。

番組内でMCを務めていた「マツコ・デラックス」はその感覚に対して共感を示し、恥をかくシーンが苦手なためにドキュメンタリーが見られない事を明かしました。

共感性羞恥心の人は10人に一人と言われている

発表

テレビ番組の紹介では、この様な現象に陥る人は10人に一人と紹介されており、世界の人口から見ても少ない傾向にあります。そのため、他の人にこの感覚を理解してもらえずに落ち込む人が多数存在しており、逆にからかわれる人もいるでしょう。

しかし、Twitterでは紹介されていたテレビ番組を見た視聴者が、「身の回りにそのような人がいた」や「自分もそんな現象起きた」といった賛同の声や、「自分は違う」や「なんでそうなるの?」といった戸惑いの声などが大勢呟かれて、一部のタイムラインで盛り上がりを見せていました。

そのため、実際には取り上げられていたデータよりも多いのではという声も上がっており、テレビ番組で紹介されたことによって、悩身が解決されたり理解されるきっかけに繋がるだろうと言われています。

共感性羞恥心は病気ではない

医療

この言葉を知っている人の中には「心理・精神的な障害がある」と考えている人がいますが、実際は違います。共感性羞恥心を持っている人は感受性が高いゆえに同情しやすく、その人のようにショックを受けてしまう傾向が強いために恥ずかしくなってしまうだけなのです。

そのため、治し方を調べて無理に実行する必要はありませんが、中にはどうしても克服したいと考える人がいます。しかし、「必ず効く」治し方は未だにありません。どうしても治したい人は先駆書の情報を元に自己流の治し方を見つけるしか方法はありません。


共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴は?

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴①脳が自分の体験と置き換えてしまう

悶える

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴1つ目は、脳が自分の体験と置き換えてしまうからです。辱めを受けている相手に感情移入をした結果、相手の体験がまるで自分の体験の様に感じてしまうため、見ている側も恥ずかしくなってくると言われています。

相手や周囲に起きた自分とは関係ない出来事を、自分にとって特別な意味があるように感じて関係づけてしまう考え方を「関係念慮」と呼び、共感性羞恥を感じやすい人はこの考えに発展しやすい傾向にあると言われています。

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴②感受性が高い

共感

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴2つ目は、感受性が高いからです。このタイプの人は、外からの刺激や印象を受け入れる能力が高いため、他人の言動による失敗を自分に投影しやすいと言われています。そのため、どんなに些細なことでも自分のことの様に嫌がる傾向にあります。

こちらの記事では、感受性豊かな人についてまとめられています。謙虚で神経質な性格を持っているために気難しい人と思われがちですが、実はどんな物事にも敏感に反応できる心の持ち主と言われています。仕事や恋愛において円滑に付き合うためにもこちらの記事を読んで、感受性が強い人と心地よい関係を保ちましょう。

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共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴③恥をかくことに苦手意識を持つ

苦手意識

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴3つ目は、恥をかくことに苦手意識を持つからです。自分の失敗で自分が傷つくのを恐れているため、他人が責められたり失笑される様なシーンを見て自分もこうなるのではと感じています。

この様な人は、日頃から責められたくないと考えているため、慎重に行動していたり余計にでしゃばらない様にしている傾向にあります。

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴④繊細な感情を持っている


繊細

共感性羞恥を感じやすい人の原因や特徴4つ目は、繊細な感情を持っているからです。優しくて打たれ弱い心を持っているのが原因で、相手が恥をかいているというショッキングなシーンが耐えられずにいます。

こちらの記事では、繊細な人についてまとめられています。物事に対して優柔不断だったり様々な想像を繰り広げがちな性格を持っていますが、それゆえに優しくて他人に気遣いができる傾向にあります。人一倍傷付きがちな繊細な人との接し方を学ぶためにもこちらの記事を読んで、良い人間関係を築き上げましょう。

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共感性羞恥の治し方は?

共感性羞恥の治し方①テレビを見ているときは気をそらす

テレビ

共感性羞恥の治し方1つ目は、テレビを見ているときは気をそらすことです。自分にとって恥ずかしくなるシーンが来たら、その内容に注目するのではなく、「この俳優が来ている服かっこいいな」や「これはどこで撮影してるんだろ」といった作品のこだわりに注目しましょう。

この他にも、「今日の晩御飯何にしようかな」や「明日はどんな服でお出かけしようかな」といった、まったく関係ない事を考えても良いでしょう。とにかく、恥ずかしい出来事からそらすようにしましょう。

共感性羞恥の治し方②自分と他人は違うと考える

思考

共感性羞恥の治し方2つ目は、自分と他人は違うと考えることです。恥ずかしくなるようなシーンを見たら「相手の失敗は相手のせい、自分は関係ない」と考えて、自分とその人を結び付けないようにしましょう。感受性が強いほど難しい行為ですが、考えていくうちにそれが抑えられていくでしょう。

共感性羞恥の治し方③慣れるまで見直す

動画

共感性羞恥の治し方3つ目は、慣れるまで見直すことです。自分にとって見たくないと思うシーンを何度も見直すことで、次第に耐性がついて恥ずかしいという気持ちが薄れてきます。

見直すといってもただ見るているだけでなく、視聴しながら「これは自分に関係ないこと」と考える必要があります。最初は恥ずかしさで頭がいっぱいになって考えられないかもしれませんが、少しずつ考えるようにして、恥をかくシーンと自分を切り離すトレーニングを続けていきましょう。

共感性羞恥について書かれた論文は?

1987年に発表された論文が存在する

論文

この現象が発見されたきっかけは、1987年に発表された論文から来ていると言われています。それはRowland S. Miller氏が執筆しました。

その論文のタイトルは「Empathic embarrassment: Situational and personal determinants of reactions to the embarrassment of another」と言います。

長いタイトルですが、日本語に翻訳すると「共感性羞恥:他人の当惑に対する反応の状況的および個人的な決定要因」になります。ちなみに、「Empathic」は「共感的」、「embarrassment」は「恥ずかしい」という意味になります。

日本語の論文も存在する

教授

共感性羞恥の論文は日本人も書いています。2008年に桑村幸恵氏が論文を発表したのを皮切りに、2011年まで複数の論文を発表しました。ちなみに、2014年には原奈津子氏もそれに関係する論文を発表しています。

    桑村幸恵氏が発表した論文一覧

  • 自由記述による共感的羞恥喚起場面の収集
  • 共感的羞恥と心理的距離
  • 観察者羞恥の発生要因についての一考察
  • なぜ、人の行為を見て恥ずかしくなるのか : 共感性と行為者の態度を指標に
  • 観察者羞恥と役割取得・共感的配慮・個人的苦痛との関連

共感性羞恥を持っている人は自分と相手を切り離すトレーニングをしよう!

誰かにとってはなんともないシーンでも、その人にとっては動揺してしまう人たちは、相手の失敗を自分の失敗のように感じてしまうのが原因で苦しんでいます。それを解消するための治し方としてよく聞く方法としては、自分と相手を切り離したり無関係だと思い込むトレーニングが良いでしょう。

また、相手の気持ちをわかってあげるのはダメなことではありませんが、自分も苦しむほど考え込んでしまうと悪い結果を引き起こしがちです。無駄に自分を傷つけないためにも「自分は自分、相手は相手」と考えて、自分と相手を結び付けすぎないようにしましょう。


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