「寂寥感」の使い方と意味とは?読み方・寂しい気持ちを表す言葉の類語も
寂寥感という言葉を知っていますか?寂しい気持ち表す言葉として存在しますが、見慣れない感じが含まれているために読み方に苦労している人が多く存在しています。今回は、そんな寂寥感について紹介します。使い方や類語についてチェックしましょう。
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目次
寂寥感の言葉の意味・読み方は?
寂寥感の読み方は「せきりょうかん」
寂寥感の読み方は「せきりょうかん」です。これは、寂しい様子を表す漢字「寂」の音読み「せき」と、うつろで虚しい様子を表す漢字「寥」の音読み「りょう」、心が動く様子を表す「感」の音読みが組み合わさったものです。
つまり、これらを組み合わせることで「寂しいあまりうつろに感じる」という意味になります。また、同じ意味が含まれているため、より一層寂しい気持ち表す言葉として存在しているとも言えます。
寂寥感の意味とは「自分が感じる寂しい気持ち」のこと
この言葉の意味は、自分が感じている寂しい感情を表します。寂寥という熟語は元々存在しており、単体でも虚しくて寂しい気持ち表すことが可能ですが、そこに「感」を加えることで、「虚しさと寂しさが感じる」ということを表現しています。
主に寂しい気持ち表す際に使われている
この言葉は主に寂しい気持ち表す際に使われていますが、漢字検定1級ほどの難易度を持つ熟語なので日常会話で使われるのはほぼありません。ですが、ミステリー小説などの難解なものに使われたり、語彙力が高い人が何気なく使ったりするので、人生の中で見たり聞いたことがない人はあまりいない傾向にあります。
「安心感」や「充実感」といった言葉と対義語関係にある
この言葉は、「寂しい」や「孤独」といったニュアンスの言葉となるため、それらとは反対の状況にある言葉とは対義語関係になります。簡単に言えば、「寂しくない」や「孤独ではない」となりますが、この他にもいくつか存在します。
例えば、心が安らかに落ち着いている様子を表す「安心感」や、心が十分に満たされている様子を表す「充実感」などが挙げられます。この他にも、似たようなニュアンスが含まれている対義語があるので、下記のリストを見て参考にしましょう。
- ・安心感:心が安らかに落ち着いている様子
- ・充実感:心が十分に満たされている様子
- ・仲間意識:共通の関心事や利害を持った集団の連帯感
- ・賑やか:人が多く集まって活気のある様子
- ・連帯感:同じ仲間であるという意識、他と繋がっているという感情
寂寥感の対義語の一例
寂寥感の正しい使い方と例文は?
寂寥感の正しい使い方と例文①寂しい気持ち表す場合
寂寥感の正しい使い方と例文1つ目は、寂しい気持ち表す場合です。元々そのような感情を表す際に使われる言葉なので、使い方としても間違っていません。
しかし、日常的に使われるのはどちらかというと類語である「悲しげ」や「孤独感」が大半です。ですが、この言葉を覚えていれば、表現の幅が広がります。大勢の人の前で演説したり、難解な小説の中で使えば、受け取る側に気持ちが伝わるでしょう。
- ・衝撃の結末に、寂寥感を覚えずにはいられなかった。
- ・一人で作業する寂寥感を忘れたくて、集中して作業を続けた。
- ・一人で育て上げた息子が独り立ちをしたので、私は寂寥感に苛まれた。
寂しい気持ち表す場合の正しい使い方と例文
寂寥感の正しい使い方と例文②その場に哀愁が感じ取れる場合
寂寥感の正しい使い方と例文2つ目は、その場に哀愁が感じ取れる場合です。現在いる空間や、目の前に現れた風景を見た場合、心の中に物悲しげな感情が生まれた時の表現としてもこの言葉が使えます。この場合、個人的な感情を表現するのではなく、全体的な空気の状況を表すのがポイントとなります。
- ・さびれた街中には清涼感が漂っていた。
- ・会場は賑やかだったが、イベントが終わると物音が聞こえないほどの寂寥感であふれていた。
- ・荷物を運び出してもぬけの殻となった部屋には、寂寥感があった。
その場に哀愁が漂う場合の正しい使い方と例文
寂寥感の正しい使い方と例文③「〜感」という言葉と同じ使い方をする場合
寂寥感の正しい使い方と例文3つ目は、「〜感」という言葉と同じ使い方をする場合です。「罪悪感」や「虚無感」といった、最後に「感」という感じで終わる三文字の熟語と同じ使われ方をします。そのため、「寂寥」な心情を表す際にこの言葉が使われます。
- ・一人で山盛りの資料を片付ける必要があると考えると、寂寥感に捉われそうになった。
- ・悲しい気持ちになると噂のアニメを実際に見たら、本当に寂寥感に襲われた。
- ・周囲には自分を助けてくれる人がいないと考えると、寂寥感に苛まれそうになった。
「〜感」という言葉と同じ使い方をする場合の正しい使い方と例文
寂寥感の正しい使い方と例文④動詞と一緒に使う場合
寂寥感の正しい使い方と例文4つ目は。動詞と一緒に使う場合です。この言葉は名詞として扱われているため、動詞と一緒に使えば悲しい気持ちを表す文章として成立します。この関係性は会話や文章において重要な構成なので、覚えておきましょう。
一緒に使われる動詞として主に挙げられる言葉として、悲しみに苦しむ様子を表す「苛まれる(さいなまれる)」や、寂しい気持ちが突然訪れてくる様子を表す「襲われる」などが存在します。この他にも様々な動詞があるので、下記のリストを見てチェックしてみましょう。
- ・苛まれる:自分に与えられた寂しさによって苦しむ様子
- ・漂う:その場の雰囲気が悲しい様子
- ・襲われる:寂しい気持ちが突然やってくる
- ・捉われる:寂しさに拘束されて他の感情の妨げになる様子
- ・広がる:寂しい気持ちが大きくなる様子
- ・ある:寂しい気持ちが存在する様子
一緒に使える動詞とその意味の一例
- ・この先の山からは、寂寥感のある風景が見える。
- ・突然の出来事に、寂寥感に捉われそうになった。
- ・この漫画は全体的に寂寥感が漂っている。
動詞と一緒に使う場合の正しい使い方と例文
寂寥感の気を付けなければいけない間違った使い方は?
気を付けなければいけない間違った使い方①対義語と一緒に使う
気を付けなければいけない間違った使い方1つ目は、対義語と一緒に使うことです。寂しいという意味が含まれているのにもかかわらず、対照的な言葉を一緒に使ってしまうと違和感が生じます。
この言葉の対義語の一例としては、二つ以上のものが結びついている状態を表す「連帯感」や、満たされている状態を表す「豊か」といった言葉が挙げられます。これらと一緒に使わないようにしましょう。
- ・この風景は色彩豊かで寂寥感が漂っている。
- ・この映画は愉快なシーンが含まれているため寂寥感が漂っている。
- ・これは連携感が必要な寂寥感のある遊びだ。
対義語と一緒に使用している一例
気を付けなければいけない間違った使い方②二重表現を使用する
気を付けなければいけない間違った使い方2つ目は、二重表現を使用することです。二重表現とは、同じ意味が含まれている言葉を繰り返し使う用法で、間違った日本語として扱われています。また、「重複表現」や「重言」と呼ばれる場合もあります。
例えば、この言葉の前に「寂しい」を入れたり、後に「感じる」を入れると、二重表現になるためおかしくなります。人によっては使いがちな表現ですが、間違った日本語なので、特に公共の場では使わないようにしましょう。
- ・昔は盛んだった繁華街が寂れているのを見て、寂寥感を感じた。
- ・がらんどうになった自室を見て、彼の心は悲しい寂寥感であふれた。
- ・慌ただしかった葬式が一息ついた時、私は寂寥感を感じた。
二重表現を使用している一例
寂寥感の類語は?
寂寥感の類語①喪失感
寂寥感の類語1つ目は、喪失感です。自分にとって大切な人や物が失われた時に感じる悲痛な感覚や心情を指す言葉で、「心に穴が開いたようだ」というように形容される場合もあります。
どちらも心の中に虚しさを感じることを表すので、お互いに類語関係にあると言えます。しかし、寂寥感は全体の空気が静まり返るような悲しさを表すのに対して、喪失感は大切なものを失ったことによる悲しさを表すので、使い分けには気をつけましょう。
寂寥感の類語②心寂しい
寂寥感の類語2つ目は、心寂しいです。なんとなく寂しい気持ちを表す言葉で、主に孤独によって人恋しくなるような感覚を指しています。
どちらも周囲に賑やかなものがない様子を表すので、お互いに類語関係にあると言えます。しかし、寂寥感は理由なしに感じることを表すのに対して、心寂しいは孤独感による悲しさを表すのがほとんどなので、使い分けると良いでしょう。
寂寥感の類語③憂い
寂寥感の類語3つ目は、憂いです。思うようにならなくて辛く切ない気持ちや、様々な物事に対してあれこれ心配する様子を表す言葉です。
どちらも物事に対して物悲しい感覚に溢れることを意味するため、お互いに類語関係にあると言えます。しかし、憂いには「物事を心配する」ことを表すのに対して、寂寥感はその意味が含まれていないので、使い方には注意しましょう。
寂寥感の類語④孤独感
寂寥感の類語4つ目は、孤独感です。周囲に人がいなくてひとりぼっちだと思う感覚や、この場に自分の心と通じ合える人がいなくて寂しいと思う気持ちを表す言葉です。
どちらも一人で存在しているために悲しいという意味が含まれているため、お互いに類語関係にあると言えます。しかし、寂寥感は自分の感情だけでなく全体の空気感や物語の雰囲気といったものに使えるのに対して、孤独感は自分一人が物悲しい状態を表すので、使い分けには気をつけましょう。
こちらの記事では、孤独感の克服方法についてまとめられています。孤独感を持っている人の特徴として、友達が少なかったり責任感が強いといったものが挙げられます。しかし、これらを解決する手段をとれば、孤独感を感じずに済みます。一人が嫌という気持ちをなくすためにもこちらの記事を読んで、克服方法を探しましょう。
寂寥感を英語で表すとどんな言葉?
寂寥感の英語表記①desolation
寂寥感の英語表記1つ目は、desolationです。「荒廃」や「寂しさ」を意味する英単語で、名詞として扱われています。主に周囲が荒廃して寂しい状態であるのを表す際に使われています。
ちなみにこの英単語は、形容詞にすると「土地が荒れ果てた」や「惨めな」を意味し、動詞にすると「心細くする」や「荒廃させる」という意味になる「desolate」に、名刺にする働きを持つ接尾語の「ion」がついた言葉です。
- ・There was a scene of desolation in front of you.(目の前には寂寥感のある光景が広がっていた。)
- ・The shopping area, which used to be full of people, changed to a desolation with the times.(昔は大勢の人で溢れかえっていた商店街も、時代と共に寂寥感のあるものへと変貌した。)
- ・I took a breath at a sight of desolation.(寂寥感のある光景に息を飲んだ。)
desolationを使用する場合の一例
寂寥感の英語表記②forlornness
寂寥感の英語表記2つ目は、forlornnessです。「寂然」という意味があるこの言葉は、「孤独な」や「みじめな」という意味の「forlorn」に、「性質」や「状態」を表す接尾語の「ness」がついた英単語です。基本的には会話よりも小説などで使われている傾向にあります。
- ・This novel gave me a forlornness.(この小説は私に寂寥感を与えた。)
- ・This job makes me forget the forlornness.(この仕事は寂寥感を忘れさせてくれる。)
- ・I could not forget the forlornness that existed in that space.(あの空間に存在する寂寥感が忘れられなかった。)
forlornnessを使用する場合の一例
寂寥感の英語表記③lonely
寂寥感の英語表記3つ目は、lonelyです。「孤独な」や「心細い」という意味の英単語で、形容詞として扱われています。基本的には孤独な状態を表しますが、その状態のために寂しいことを表す際にも使われています。
この英単語は「一人で」を意味する「alone」とよく混合されますが、この違いは「状況」と「感情」にあります。aloneは一人でいる状態を表すのに対して、lonelyはそこに寂しいというニュアンスが含まれています。そのため、寂寥感を指す英単語としてaloneを使わないようにしましょう。
- ・I lost my word for a scene of lonely.(寂寥感のある光景に言葉を失った。)
- ・The feeling that my suffering is not understood makes me feel lonely.(私の苦しみが理解されないという思いが寂寥感を生んだ。)
- ・This drama has a story composition that is full of lonely.(このドラマは全体的に寂寥感が漂うストーリー構成となっている。)
lonelyを使用する場合の一例
寂寥感という言葉は正しく使いましょう!
寂しい気持ち表す時に使われるこの言葉は、日常会話で使われることはほぼありませんが、小説などで見かける可能性があります。もし、周囲に読めなくて困っている人がいたら、「せきりょうかん」と読むことを教えてあげましょう。また、使い方によっては相手に違和感を与えるので使い方には気をつけましょう。
こちらの記事では、満たされない心理についてまとめられています。どんな状況であっても心が満ち足りないと考えている人は、普段から人と比較しているために寂しい気持ちに捉われている可能性があります。そのような気持ちから解放されるためにも、こちらの記事を読んで、満たされない気持ちを解消する方法を学びましょう。
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