「衒い」の意味とは?使い方7選!鼻にかける/奇を衒う/てらいがない
衒い(てらい)という言葉を聞いたことがありますか?「奇を衒う」や「衒いがない」などと言った使い方をするのですが、意味が分からずに戸惑うこともあるようです。 この記事では衒いの意味や使い方の例文、似た言葉である外連との違いや、さらには類語や英語表現などをご紹介していきます。
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衒いの意味は?
衒いの意味①才能や知識を得意がって見せつけること

衒いの意味の1つ目は、才能や知識を得意がって見せつけることです。自分が持っている能力を相手に得意げに見せびらかす様子を表すときに使う言葉です。
「玉を衒いて石を売る」ということわざがありますが、これは、高価な玉を見本にみせびらかしておき、実際には価値のない石を売りつける様子を表しています。このことわざで衒いは高価な玉をわざと見せびらかすという意味で使われています。
衒いの意味②実際以上によく見せること

衒いの意味の2つ目は、実際以上によく見せることです。1つ目の意味では実際ある能力を見せびらかすことに対し、そこまでの実力や才能がないにも関わらず、あるように見せるためにはったりをかましたり、ごまかしたりしている様子を表しています。
いずれの意味も、本来は「衒う(てらう)」という動詞の意味なのですが、「衒い」は「衒う」の動詞の変化形なので意味自体は同じになります。
衒いの使い方は?
衒いの使い方①奇を衒う(きをてらう)

衒いの使い方の1つ目は、奇を衒う(きをてらう)です。これは、気を引くためにわざと普通と違う風変わりなことをする様子を言います。「奇」という言葉が持つ意味はいくつかありますが、ここでは珍しいこと、不思議なことなど普通とは違うことを表します。
また、奇を衒わないという使い方もします。奇を衒うを否定形にすると、自然体である様子や見せびらかしたりしない様子を表します。
衒いの使い方②衒いがない(てらいがない)・衒いなく(てらいなく)

衒いの使い方の2つ目は、衒いがない(てらいがない)です。これは、実際よりもよく見せようとする気持ちがない様子や、気取りのない様子、謙虚な様子を表します。もともと、衒うという言葉はネガティブな意味を持ちますが、否定形にすることでポジティブな意味で使うことができます。
衒いがないと同様の意味の使い方で、「衒いなく(てらいなく)」という使い方もあります。前後の言葉や、文脈によって使い分けます。
衒いの使い方③衒学(げんがく)・衒気(げんき)

衒いの使い方の3つ目は、衒学・衒気です。衒学は、「げんがく」と読みます。学問や知識があることを自慢し、ひけらかすことを言います。衒学的や衒学者といった使い方もされます。衒学的とは学問や知識をひけらかす様子をいい「衒学的な文章」などといった使い方をします。
衒気は「げんき」と読みます。才能や知識などを見せびらかし自慢したいと思う気持ちのことを言います。「あの人は衒気があり付き合いにくい」などという使い方をします。話言葉として使うと「元気」と混同するので、注意しましょう。
衒いの使い方例文7選
衒いの使い方例文①衒いなく平和を唱える

衒いの使い方の例文の1つ目は、「衒いなく平和を唱える」です。これは、素直な気持ちで平和を唱えるという意味です。立派なことを言っているにも関わらず、これ見よがしに、偉ぶることなく、ただ素直に平和を願っている様子を表しています。
衒いの使い方例文②彼女の笑顔は衒いがなく素敵だ

衒うの使い方の例文の2つ目は、「彼女の笑顔は衒いがなく素敵だ」です。これは、彼女の気取らず、飾り気のない素直な笑顔が素敵だという意味です。自分をより美しく見せようとする作られた笑顔ではなく、心からの笑顔には魅力を感じるものですよね。
衒いの使い方例文③彼の衒いのない言葉が彼女を安心させた

衒いの使い方例文の3つ目は、「彼の衒いのない言葉が彼女を安心させた」です。これは、彼が発した素直な言葉が彼女を安心させたという意味です。相手に好かれようとして、自分を良く見せようとしている上辺だけの言葉ではなく、飾らない等身大の言葉は、心に響きますよね。
衒いの使い方例文④才能がない人ほど奇を衒う言動をしがちだ

衒いの使い方例文の4つ目は、「才能がない人ほど奇を衒う言動をしがちだ」です。これは、才能がない人ほど、気を引くために、普通とは違う変わったことをしがちだという意味です。
面接などで、才能がないのに、気を引きたくて目立つことをする人もいると思います。ですが、実際仕事をしてみたら、実力が伴わないなんてこともあるかもしれませんね。
衒いの使い方例文⑤彼女は常に注目を浴びたくて奇を衒った髪形をしている

衒いの使い方例文の5つ目は、「彼女は常に注目を浴びたくて奇を衒った髪形をしている」です。これは、いつでも目立ちたいがために、風変わりな髪形をしているという意味です。個性は大切ですが、行き過ぎた個性は時としてマイナスのイメージになることもありますよね。
衒いの使い方例文⑥奇を衒わない作品のほうが共感できる

衒いの使い方例文の6つ目は「奇を衒わない作品のほうが共感できることが多い」です。この例文では、奇を衒うに否定の「ない」を付けて使っています。奇を衒うを否定形にすることで、自然体やわざとらしくない様子を表すことになります。
ですから、この例文の意味は、ストーリーに無理がなく自然体な作品のほうが共感できることが多いという意味になります。逆に奇抜で、普通ではあまりみられないような展開の作品は、興味深くはありますが共感はしにくいこともありますよね。
衒いの使い方例文⑦彼が話していることは衒学的な内容なのでわかりにくい

衒いの使い方例文の7つ目は、「彼が話していることは衒学的な内容なのでわかりにくい」です。これは、彼が話していることは、聞き手にわかるように言っているというわけではなく、自分に知識があるのをひけらかすために話しているのでわかりにくいという意味です。
本当に賢い人というのは、持っている知識を噛み砕き、優しい言葉で理解しやすいように話ができるものです。ただ知識をひけらかすために難しい言葉を使うだけでは、嫌味な人で終わってしまいますね。
衒いと外連の違いは?
外連(けれん)とは①見た目本位の派手な演出のこと

衒うと似た言葉である「外連(けれん)」の意味の1つ目は、歌舞伎や浄瑠璃、演劇などで見た目本位の宙吊りや早変わりなど、芸の本道から外れた演出のことをいいます。そのような演出をし始めたころは、よい顔をされなかったようですが、現在ではよく見聞きする演出になりましたね。
外連(けれん)とは②大げさなはったりやごまかし

外連の意味の2つ目は、大げさなはったりやごまかしという意味です。見た目を取り繕い良く見せようとすることを言います。1つ目の意味の、本質ではない見た目本位の受け狙いの演出というところから転じて、ごまかしやはったりという意味で使われるようになったと言われています。
衒いと外連の違いは内面と外面の違いで使い分ける

衒いも外連も、よく似た意味をもっていますが、使い方が同じというわけではありません。衒いは才能や知識などの内面を取り繕い良くみせようとすることです。一方、外連は、「見た目本位の」というように外面をよく見せようとする様子を表します。
つまり、衒いは、才能や知識など、内面を良く見せようとするはったりやごまかしの場合に使い、外連は、見た目重視の外面を良く見せようとする場合に使うことになります。ですので、衒いか外連かは、その事柄が内面を表すか外面を表すかで使い分けましょう。
衒いの類語は?
衒いの類語|鼻にかける・見識張る・見栄張り・自己顕示

1つ目の類語として、「鼻にかける(はなにかける)」という言葉があります。自慢する、得意がるといった意味を持ちます。2つ目の類語は、「見識張る」です。見識は、「優れた意見や考え」のことです。つまり、優れた意見や考えが無いにも関わらず、あるように振る舞う様子を意味します。
3つ目は、「見栄張り(みえはり)」です。この言葉は、自分を良く見せるため飾る様子を意味しています。衒いの類語の4つ目は、「自己顕示(じこけんじ)」です。意味は自分の存在を必要以上に人前で見せつけ目立つようにすることを言います。「自己顕示欲が強い」といった表現でよく耳にする言葉ですね。
これらの言葉は、どちらかといえば、衒うよりも普段の生活で耳慣れなれた言葉ですが、どれもあまり良い意味では使われません。こういった性格を持つ人は付き合いにくいことがありますね。そんなときの対処法を以下にご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
奇を衒うの類語|奇抜・突飛

奇を衒うの類語の1つ目は、「奇抜(きばつ)」です。普通では思いもよらないほどに変わっていることや、その様子を意味します。この奇抜という言葉には、衒うの意味に含まれる「実力や才能がないのに」という部分は含まれていないので、良い意味で使われることもあります。
2つ目は「突飛(とっぴ)」です。型破りで目立ち、常識に反している様子のことを言います。突飛は、常識に反するという意味が含まれるので、奇抜と違って、あまり良い意味では使われません。
衒いがないの類語|謙虚・気取らない・飾り気のない

衒いがないの類語の1つ目は、「謙虚(けんきょ)」です。控えめで、偉ぶることなく素直に相手の意見を受け入れ接することを意味します。ビジネスシーンでも謙虚な人が好まれやすいですね。
衒いがないの類語の2つ目は、「気取らない(きどらない・けどらない)」です。人や物が本来の姿や性質でいる様子や、勿体ぶるようなわざとらしい様子がないことを意味します。
衒いがないの類語の3つ目は「飾り気のない(かざりけのない)」です。自分を良く見せようとして、表面上を飾ろうとする様子が見られない自然体であることを意味します。「飾り気のない人」という表現は、飾ることなく自然体でいることが素敵な人という意味なので、ほめ言葉として使われます。
衒いの英語表現は?
衒いの英語表現はpretension・show offなど

衒いの英語表現はaffectation・pretension・show offです。affectationは見せかけ、気取り、キザなど、また、pretensionは主張、見せかけ、仰々しさ、気取りなどとも訳すことができます。この2つの単語は、形式ばったもので、日常で使われる言葉ではないようです。
日常会話で使われる衒いの英語表現として、show offがあります。こちらは、見せびらかすや、目立ちたがりという意味なので、衒いの意味が含まれています。「to show off」見栄をはる、「don‘t show off!」あんまり調子に乗らないで!といった使い方をします。
また、奇を衒うは英語で「make a display of being unusual」や「make a display of one’s eccentricity」などと表現されます。いずれの表現も衒いの意味に含まれる言葉なので、英語では詳細な様子を表す言葉に置き換えてることになりますね。
衒いがないの英語表現はwithout pretensなど

衒いがないもしくは、衒いのないという言葉を英語表現は、「without(with no) pretens」という表現がありますが、日常的には「気取らない」や「謙虚な」というような意味に置き換えて表現されることもあります。
気取らないは「unaffected」、謙虚なは「modest」または「humble」です。また、「unassuming」も同様な意味を持ちます。
「彼はてらいがない(気取らない)のでみんなに好かれています」は英語では「Everybody likes him because he is unaffected.」のように表現できます。
衒いがない言動を心掛けよう
この記事では、衒いの意味や使い方の例文、似た言葉である外連との違いや、さらには類語や英語表現を紹介しました。衒った言動は、どのような場面でも好まれるものではありませんね。ビジネスシーンなどにおいては自己アピールを必要とする場面もありますが、基本的には謙虚な人のほうが付き合いやすいものです。
自分の知識や教養に自信がない人でも、衒ってごまかすより、それを恥じず学ぶ姿勢を見せる方が好感が持てますね。衒いのない謙虚な言動を心掛け、プライベートでもビジネスシーンでもスムーズな人間関係を築きましょう。
衒いのない謙虚な人ってどのような人なのか、また、どうやったらなれるのかがイマイチわからないという方は、以下のリンクを参考にしてみてくださいね。
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