私情の意味とは？「私的な事情により」の使い方・類語・私事都合や私用も

「私情」の意味とは？

「私情」の意味とは①個人的感情

「私情」の意味の1つ目は「個人的感情」です。これは、「私情」の「私」の部分を「私の、個人の」、「情」を「感情」という意味で捉えると分かりやすいでしょう。感情とは人間が何かを見たり聞いたりなど何らかの体験をした際に湧き上がってくる心の動きのことを指します。

ビジネスは基本的に自分個人の感情で行うことはタブーとされています。理由は、感情的になると自分の理性で行うような正しい判断ができず、それは損失につながってしまう可能性があるからです。常に客観的な姿勢で仕事を行うにはこの「私情」をしっかりコントロールすることが求められます。

「私情」の意味とは②私欲を遂げようとする心のこと

「私情」の意味の2つ目は、「私欲を遂げようとする心のこと」です。「私欲」とは簡単に言うと「お金が欲しい」「車が欲しい」など自分の生活が良くなるものを欲することです。「私情」という言葉にはこれを成し遂げようとする心を表す意味もあるということです。

特に日本を含くめたアジアの文化では過度に欲を増大させることは良くないことだとされています。だからと言って誰かや何かの過度な犠牲になる人生も良くありませんが、この「私情」と自分の人生の中で上手く付き合っていくスキルも必要です。

「私情」の使い方は？

「私情」の使い方①「私的な事情・私事都合」という意味で多く用いられる

「私情」の使い方の1つ目は、「私的な事情・私事都合」と似た意味で多く用いられるです。後述する類語紹介の部分でも少し触れますが、「私情」という言葉は「私的な事情・私事都合」という言葉と類似した意味を持っています。これらは文字通り、「個人的な事情や都合」という意味を表す言葉です。

特に「私情」を使った例文では「私情により」という言い回しが非常に頻繁に使用されます。これと同じ形で「私的な事情により」「私事都合により」などと表現することができます。私情を使った例文については後述で詳しくお伝えします。

「私情」の使い方②ビジネスシーンでも良く用いられる頻出表現

「私情」の使い方の2つ目は、ビジネスシーンでも良く用いられる頻出表現であるという点です。先述した通り、基本的にはビジネスと個人的な感情や都合は別に考えることが普通とされています。そのため、例えばそれをたしなめる表現や私情・私事都合による休みなどを伝える表現が多々あります。

新卒のビジネスマン、あるいは就職してから数年以内の間はこの「私情」という言葉を使った表現を理解するのに時間がかかるかもしれませんが、この言葉は仕事で耳にすることの多いものなのでぜひ慣れていきましょう。

「私情」の例文10選

「私情」の例文①私情により欠席とさせていただきます

「私情」の例文の1つ目は、「私情により欠席とさせていただきます。」です。これは、「個人的な事情により休みます」という意味を表す表現です。例えば会議に出席を要請されたがその日は家族の大事なイベントがあるなどの場合に使用することができます。

このような場合、もちろんはっきりと「家族とのイベントがありますので」と伝えることもできますが、場合によっては相手の気持ちを逆なでする可能性もあります。そのような場合は、この例文のように「私情により」という言葉にして相手にやんわりと伝えるようにしましょう。

「私情」の例文②仕事に私情を挟むのは良くない

「私情」の例文の2つ目は、「仕事に私情を挟むのは良くない。」です。これは、「仕事に個人的な感情を持ち込むのは良くない」もしくは「仕事に個人的な事情を持ち込むのは良くない」のどちらかを表す例文として使用されます。

このような言葉は特に自分より先輩の社員や上司から聞くことがあるかもしれません。特に平成以前の世代は仕事はとにかく自分を犠牲にしてするものだという強い観念がありますので、これを新しい時代にも持ち込んでいる人もかなりいます。この世代の人達から特にこの「私情を挟む」を耳にすることが多いかもしれません。

「私情」の例文③私情を持ち込んだ意見を言うことは慎むのが良い

「私情」の例文の3つ目は「私情を持ち込んだ意見を言うことは慎むのが良い。」です。これは、「個人的な感情を持ち込んだ意見を言うことは避ける方が良い」「個人的な事情を持ち込んだ意見を言うことは避ける方が良い」、あるいは「私欲を遂げようとする気持ちを持ち込んだ意見を言うのは避けた方が良い」という意味です。

この「私情」という言葉は、当例文の意味のように状況によって複数の意味を表すことが可能です。これらがその時どの意味で使用されたかは相手の言葉の言い方や表情、あるいは会話の前後からの情報などで判断しましょう。コミュニケーションスキル向上にも役立ちそうです。

「私情」の例文④ここはぜひ私情を離れての論議をしていきたいところだ

「私情」の例文の4つ目は、「ここはぜひ私情を離れての論議をしていきたいところだ。」です。これは、「ここではぜひ個人的な感情や事情なしに論議したい」という意味を表すものです。人間はやはり自分が一番大事な生き物なので、複数集まると自分の感情や利益優先の話をどうしてもしてしまいます。

しかし、それでは意見がぶつかり合うだけで話がまとまりません。この例文は、特に会議や複数が集まって話をする場面でリーダーの役目を担う人が言うとその場の空気も変わることが期待できるでしょう。話し合いはリーダーやファシリエーター役の人の役割が大きくその質を左右します。

「私情」の例文⑤このことについて私は私情を捨てて決断した

「私情」の例文の5つ目は、「このことについて私は私情を捨てて決断した。」です。これは、「このことについて私は自分の感情や事情、もしくは私欲を捨てて決めた」という意味を表す例文です。人生には好き嫌いに関わらず、どうしても通らなければならないことが出てきます。

そんな時に自分が腹を据えて何らかの決断をした様子を相手に伝えたい場合に使用すると効果的です。また、このような発言を上司や先輩という立場でできると、部下にも信用されそうですね。私情を挟まず皆のために動いてくれるリーダーは頼りにされます。

「私情」の例文⑥彼はいつも仕事に私情を挟むようなことをする

「私情」の例文の6つ目は、「彼はいつも仕事に私情を挟むようなことをする。」です。これは、「彼はいつも仕事に自分の感情や事情、私欲を挟む」という意味の例文です。もちろん、仕事でもある程度自分の向き不向きや趣向で仕事を選ぶということはできますが、それがいつもであるというのは問題です。

常に自分のことしか見えず、周りのことを考えない行動ばかり取っているとやがて職場でも孤立していくでしょう。その場合、周りから例文のようなことを言われるようになってしまいますので、止むを得ない場合を除いては仕事で私情を挟むことはしないようにしましょう。

「私情」の例文⑦この店は私情によりお休みということが多すぎる

「私情」の例文の7つ目は、「この店は私情によりお休みということが多すぎる。」です。これは、「この店は自分の都合により休みということが多すぎる」という意味です。店主の気まぐれで営業している飲食店や雑貨店などあなたの街にも一つはあると思います。

もちろん、経営者側がそれで満足していればお客だとしてもそれにとやかく言う権利は基本的にはありません。しかし、オフィスでの仕事と同じであまりに私情でのお休みの多いお店は利用客からの信用は得られにくいでしょう。

「私情」の例文⑧私情で大変恐縮ですが何卒よろしくお願いいたします

「私情」の例文の8つ目は、「私情で大変恐縮ですが何卒よろしくお願いいたします。」です。これは、「自分の都合で申し訳ないですが、どうぞよろしくお願いします」という意味を表す例文です。ビジネスメールなどの結びの言葉として良く用いられる表現でもあります。

例としては例えば自分の身内で不幸があった、または自分の体調不良などの都合で相手に予定変更を申し出る場合などに相手に申し訳ない気持ちを丁寧に伝える表現として活用することができます。覚えておくと便利な一文ですのでぜひ使ってみてください。

「私情」の例文⑨私情にとらわれるのはあまり良いことではない

「私情」の例文の9つ目は、「私情にとらわれるのはあまり良いことではない。」です。これは、「個人的な感情や私欲にとらわれるのはあまり良くない」という意味です。特にビジネスという冷静な判断が必要な場面では個人的な感情も私欲もあまり役に立つものだとは言えません。

社会人になりたての時期は難しいかもしれませんが、ビジネス経験が長くなるとこの自分の管理の仕方が段々と掴めてきます。私情にとらわれることがあまりないよう、冷静に良い仕事をしていけると良いですよね。

「私情」の例文⑩ここでは私情を交えるのはなしにしよう

「私情」の例文の10個目は、「ここでは私情を交えるのはなしにしよう。」です。これは、「ここで個人的な感情を入れるのはやめよう」という意味の例文です。例えば誰かと冷静な話し合いをしたい場合にまずこの言葉で相手と話し合う際の共通認識を持つことが可能となります。

多くの場合、話し合いで感情的になっても生産的な解や答えは見つかりません。例文のように事情を交えず、落ち着いて相手とも話し合いができると良い結果につながる可能性が高まると言えるでしょう。

以上までで、「私情により」や「私情を挟む」などの例文について詳しくお伝えしてきました。下記関連記事内では、「ご都合の良い日はありますでしょうか」などの相手に都合を聞くメールの使い方について詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ下記内容もチェックしてみてください。

ご都合のメールの使い方や英語｜良い/程/つく/いかがでしょうか

都合の敬語表現である「ご都合」は、「良い」「よろしい」「いかがでしょうか」などの言葉と一緒に使われますね。会話だけでなく、メールでもよく見かける「ご都合」...

「私情」の類語・使い方は？

「私情」の類語と使い方①私事都合

「私情」の類語と使い方の1つ目は、「私事都合」です。これは、「個人的な都合」という意味で私情の類語として使用できる言葉です。具体的な例文を挙げると、「明日は仕事都合でお休みとさせていただきます。」などの形で使用可能です。

例文のように都合の内容をはっきりと相手に伝えることはせず、やんわりとした形で休みを伝えたい際はこの「私事都合」を使用しましょう。

「私情」の類語と使い方②個人の都合

「私情」の類語と使い方の2つ目は、「個人の都合」です。これは文字通り、「私個人の都合」という意味で使える類語です。具体的には、「個人的な都合で来週の会議には出席することができません。」などの形で使用することができます。

これも、相手にどんな都合かは分からないがとにかく相手は何か個人的な都合があるのだな、ということを伝えることができます。ただ、「私個人」という言葉は「私情」という言葉に比べて若干強い響きがあるので伝える内容によっては注意が必要です。

「私情」の類語と使い方③私用

「私情」の類語と使い方の3つ目は、「私用」です。これは、「個人的な用事」という意味で使用できる類語です。例えば、「先ほどは私用で出かけておりましてお電話に出ることができず大変失礼しました。」などの形で使用できます。

この「私用」という言葉は「私情」の同義語ではありますが、私情に比べて表す都合や用事の規模が小さいことが多いです。これも状況に合わせて上手く使い分けるようにしていくと良いでしょう。

「私情」という言葉の意味と使い方をしっかり理解してビジネスにも生かそう

当記事では、「私情」という言葉の意味と「私情を挟む」などの例文、「私事都合」などの類語表現などについて詳しくお伝えしてきました。「私情」という言葉には複数の意味がありますので状況に合わせてそれが表す意味を考えていく必要があるとお伝えしました。

ビジネスで使われる言葉に慣れないうちは大変かもしれませんが、この「私情」とう言葉を使った言い回しも活用していけばいくほど使える表現になっていきます。この記事内容をきっかけに、この意味と使い方をしっかり理解してビジネスにも生かしてみてください。

下記関連記事内では、「都合がつかない」の敬語表現について分かりやすくまとめています。今日ご紹介した表現以外にも自分の都合が悪い時のビジネスメールでの断り方を豊富にご紹介していますので興味のある方は下記の内容もぜひチェックしてみてください。

都合がつかないの敬語は？都合が悪い時のビジネスメールでの断わり方！

「都合がつかない」の意味は、日程の調整がつかないという意味です。敬語表現は「都合がつきません」ですが、「都合が合わないようでしたら」や「都合がつかず」など...