「贔屓」の読み方・意味とは?類語・対義語・「ひいき」の例文も
贔屓(ひいき)という言葉に使われている「贔」はなぜ漢字に貝3つあるかご存知ですか?今回はあまり知られていない贔屓の語源や、贔屓の正しい使い方を例文を使ってご紹介します。類語や対義語も網羅していますので、「贔屓」という言葉が上手く扱えない時のも安心ですよ。
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贔屓とは|読み方・意味・語源は?
贔屓の読み方は「ひいき」
「贔屓」の読み方は「ひいき」と読みます。元々は中国の言葉で、日本に伝わってきたばかりの頃は「ひき」という読み方をしていましたが、「ひ」が段々と長音に変化して、現在は「ひいき」と読むようになりました。「贔屓贔屓」という言葉があり、この場合の読み方は「ひいきびいき」と読みます。
贔屓贔屓(ひいきびいき)…人それぞれ、思い思いに自分の好きな人をひいきすること
引用元: 三省堂 大辞林
贔屓の意味とは|気に入った人を可愛がる
贔屓(ひいき)とは「気に入った人や物を特に可愛がる」ことを意味しています。特定の人や物を優先したり、優遇しているという風に捉えて良いでしょう。「ご贔屓」という言葉も贔屓が丁寧な言葉になっただけなので、意味は変わりません。
反対に、贔屓(ひいき)にしてもらっている人のことを「贔屓筋(ひいきすじ)」といいます。後援者やパトロンがこれにあたります。歌舞伎界でよく使用される言葉です。
贔屓の語源①「贔」という貝3つの漢字が「大きな荷物がある」ことから
贔屓という言葉は中国からきましたが、贔屓の語源は「贔」と「屓」の漢字一つ一つに意味があり、二つが合わさって贔屓という言葉の意味をもちます。「贔」は貝3つと不思議な形の漢字をしていますね。
昔は、貝がお金の役割を果たしていました。ですので、「贔」は貝3つで「財貨(荷物)が多くある」という意味を示しています。また、漢字の見た目通り、「貝3つも背負っている」という意味も込められています。
贔屓の語源②「屓」という漢字「鼻息を荒くする・力を出す」ことから
贔屓の「屓」という漢字は訓読みで「キ」、音読みで「いびき・ねいき」と読みます。「力を出している様子」を表していたり「鼻で息を出している」という意味が込められています。ちなみに「屓」の異体字は「屭」という字で、しかばねかんむりの下に貝3つという字になります。
「贔」が「大きな荷物がある」、「屓」が「鼻息を荒くして力を出している」この二つに意味を掛け合わせると「大きな荷物がある人のために鼻息を荒くして力を出す」という意味になります。そして意味を変換していって「特定の人のため(助けるため)に力を出している」という「贔屓」の意味合いへと繋がるのです。
異体字とは同じ意味と読み方を持つ別の漢字のことです。 例)万/萬(一万円/壱萬円の意味は同じです。)しかばねかんむりは人の体や建物の屋根を表しています。
贔屓の語源③中国の石碑の土台に装飾されている亀
「贔屓」とは、中国の伝説上の生き物からとった言葉だといわれています。日本では龍と人間との間に生まれた子供たちの伝説がありますが、中国では龍に9匹の子供がいたとされており、その子供たちのことを「龍生九子(りゅうせいきゅうし)」と呼んでいます。
この9匹の子供たちは龍の姿で生まれてくることができず、9匹それぞれが見た目も性質も違いました。そのうちの1匹に「贔屓」がいます。このとき「ひき」または「びき」と読みます。贔屓は亀のような姿をしていて重いものを背中で持つ役割があるとされ、石碑などの土台の飾りのデザインとして使われるようになりました。
次第に「重いものを支える」という行いが「贔屓」と呼ばれるようになり、「好んでいるものに援助をする」という意味に変わっていきました。しかし、亀が土台のデザインに使われ始めたのが唐の時代からともいわれ、もともと「贔屓」という言葉に語源①と②の意味があり、そこから亀の名前に用いられたという説もあります。
贔屓(ひいき)の使い方・例文は?
贔屓(ひいき)の使い方と例文①ご贔屓に
贔屓(ひいき)の使い方の一つに「ご贔屓に」という使い方があります。これは「目をかけてくれている」「ひいきにしてくれている」という意味があります。「贔屓」の意味でご紹介したとおり、特定の人や物を優先したり、優遇してもらっている時に感謝の意を込めて使用します。ビジネスシーンで使われることが多いです。
ご贔屓にの使い方でご紹介したとおり感謝の意を込めて使うため、「目をかけてくれていて感謝しています。今後もよろしくお願いします。」という意味になります。へりくだった態度を示すときに使いましょう。
- ・今後ともご贔屓を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
- ・日頃よりご贔屓に預かり、深くお礼申し上げます。またのご利用をお待ちしております。
- ・昨年度はご贔屓にしていただき、ありがとうございました。
「ご贔屓に」の言い回し文
贔屓(ひいき)の使い方と例文②依怙贔屓(えこひいき)
贔屓(ひいき)の使い方には「依怙贔屓(えこひいき)」という四字熟語があります。依怙(えこ)の意味は「ひいき」「一方だけを贔屓すること」「不公平」です。「依怙(えこ)」と「贔屓(ひいき)」二つの意味を合わせて「どちらか一方だけに肩入れすること」を意味します。例文を元に使い方を参考にしてください。
- ・審判の立場でありながら依怙贔屓(えこひいき)するのは、間違いだ。
- ・先生があの子にだけ依怙贔屓(えこひいき)している。
- ・自分が好きな人だけを依怙贔屓していたので、反感を買ってしまった。
依怙贔屓(えこひいき)の例文
贔屓(ひいき)使い方と例文③贔屓の引き倒し
「贔屓(ひいき)」には「贔屓(ひいき)の引き倒し(ひきたおし)」という言葉があります。贔屓(ひいき)のし過ぎで周囲から反感を買ってしまい、贔屓された人が変えて不幸になってしまうことを意味しています。
贔屓される人のことを考えると、贔屓するにも適度に行って、贔屓の引き倒しにならないように注意しなければなりませんね。例文を元に正しい使い方を知りましょう。
- ・先生が特定の生徒ばかり褒めているので、贔屓の引き倒しになってしまった。
- ・上司があの部下を大切に育てているが、これでは贔屓の引き倒しになるのではないだろうか。
- ・次男ばかり可愛がっていたので、贔屓の引き倒しのせいで長男の性格が歪んでしまった。
贔屓(ひいき)の引き倒しの例文
贔屓(ひいき)使い方と例文④身内贔屓(みうちびいき)
「贔屓」には「身内贔屓(みうちびいき)」という言葉があります。親族や自分が所属している集団に対し、他と比べてあきらかに優しくしていたり、好意を寄せている態度をとっていることを意味しています。身内贔屓をしている人を非難しているときに使用する言葉です。
- ・自分の息子であるAさんのミスを無かったことにするなんて、社長の身内贔屓も度が過ぎている。
- ・先輩は身内贔屓が激しく、嫌いな人には噛みつくような態度を取っている。
- ・身内贔屓ばかりする人は、困った時に手を差し出してくれる人が少ないだろう。
身内贔屓(みうちびいき)の例文
贔屓(ひいき)使い方と例文⑤判官贔屓(ほうがんびいき)
「贔屓」には「判官贔屓(ほうがんびいき)」という四字熟語があります。「敗者や弱者に同情して、応援すること」を表しています。「判官(ほうがん)」とは平安時代にあった役職のことですが、ここでいう「判官贔屓」は「九郎判官」と呼ばれた「源義経」のことを指しています。
源義経は平家討伐という功績があったので人々から認められていましたが、兄の源の頼朝に憎まれていました。最終的に頼朝の策略によって自ら死を選んでしまった義経に、人々は同情し贔屓したことから「判官贔屓」という四字熟語が生まれました。読み方は「ほうがん」「はんがん」があります。
不公平に贔屓する「依怙贔屓(えこひいき)」とは違い、弱者に対してお情けで贔屓するという意味で使う言葉なので、例文をよく読んで混同しないようにしましょう。
- ・あの舞台は、判官贔屓の観客の心を掴んで満員御礼になる。
- ・判官贔屓な性分なので、自分を持っていないと良く言われる。
- ・判官贔屓をしていては、その子が成長できなくなってしまうのでないだろうか。
判官贔屓(ほうがんびいき)の例文
贔屓(ひいき)の類語・対義語は?
贔屓(ひいき)の類語
贔屓(ひいき)は「気に入った人や物を特に可愛がる」という意味がありますので、類語には「引き立て」「好む」「愛顧(あいこ)」「支持」などが挙げられます。自分が贔屓にしている場や相手から贔屓にされている場合、文脈などから類語の使い方が変わってきますので注意しましょう。
「引き立て」の意味は「特に目をかけてひいきにする」です。目上の人物に対し、感謝や敬意を示すときに使います。「日頃からのお引き立てに感謝いたします。」というような活用方法があります。「愛顧(あいこ)」に意味は「気にかける・引き立てる」です。贔屓される側が使用します。
- ・お馴染み・常連
- ・お得意先
- ・引き立て
- ・愛顧
- ・支持
- ・優遇
贔屓(ひいき)の類語
- ・日頃のご愛顧、誠にありがとうございます。
- ・変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
- ・支持していた人物が成功をおさめた。
- ・馴染みの店があるので一緒に行きませんか。
贔屓(ひいき)の類語の例文
贔屓(ひいき)の対義語
贔屓(ひいき)は「気に入った人や物を特に可愛がる」ですので、「公平」「平等」など「他と差がない」という意味がある言葉が対義語になります。また、贔屓の類語に「優遇」があることから「冷遇」なども対義語です。贔屓の対義語を使った例文は以下のようなものになります。
- ・公平に評価してほしいです。
- ・職場で冷遇されています。
- ・平等に扱ってくれているので、頑張ろうという気持ちになれました。
贔屓(ひいき)の対義語の例文
贔屓は悪いイメージばかりではない!
贔屓ばかりしている人、贔屓されて図に乗っている人、どちらも良い印象は受けませんね。贔屓は「気に入ったものを特に可愛がる」「肩入れする」という意味合いで、マイナスのイメージとして捉えられがちです。対義語を見ても「公平」「平等」と公正なイメージがあるので尚更でしょう。
ですが使い方によっては、日頃から良くしてくれている方へのお礼の言葉になります。本記事の例文や以下の記事も参考にして、贔屓という言葉を正しく使って感謝の気持ちを伝えてくださいね。
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