属人的の意味とは?属人化した仕事の長所・短所や対義語・英語の紹介も
属人的・属人性・属人化の意味とその違いについてご存知でしょうか。また似た言葉に俗人的という言葉もあります。どのような関係があるのでしょうか。ビジネスでたびたび目にする日本語ですが、意味を正しく理解している人は少ないように思います。詳しくまとめていますので、この機会にぜひ知ってみてください。
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属人的の意味とは?
属人的の意味とは人を基本とした考え方のこと
属人的の意味とは人を基本とした考え方のことです。一目見ても意味が掴みづらい言葉ですね。例えば「それはAさんが担当する属人的な仕事だ」という風に使います。その仕事はその人に属したものだ、という視点から属人的を解釈をすると分かりやすいと思います。
ほかには、家族で料理ができる人が母親しかいなければ「この家での料理とは属人的だ」と言うこともできます。属人的とは、その人のみができる仕事や物事を指し示すことができる言葉です。この仕事はあの人の担当だな、と思ったらそれは属人的だということです。色んなところで使いやすい言葉ですね。
属人性や属人化という単語もある
属人性や属人化という単語もあるのを知っているでしょうか。属人性はどの程度その人に依存した仕事なのか、度合いは高いのか低いのかという視点で語る言葉です。属人化は、もともと誰でもできる仕事を、誰かに一任してしまい、その人にだけにやってもらうことです。するかどうかという視点で語る言葉です。
使い方を学ぶために例文をあげてみましょう。例えば「属人性の高い仕事を低くするために知識の共有化を進めた」と言えます。誰でもできる仕事を属人とは言いません。ほかには「この会社は業務の属人化が著しい」と言うこともできます。仕事を特定の人に聞かないと進められない場合に、属人化していると言えます。
俗人的とは俗物な人のことで属人的とは全く異なる言葉
俗人的とは俗物な人のことで属人的とは全く異なる言葉です。俗物な人とは、利益や名誉などの誰にでも分かりやすいメリットばかりに価値を見る人のことです。またそのような人を俗人的と言います。俗人的と属人的の読みは一緒ですが、意味は全く違うので注意しましょう。
ちなみに、哲学や文化、芸術など、一見分かりづらいものに価値を見る人は俗人的な人の反対にいる知識人と言えます。またほかの同音異義語では俗塵という言葉もあります。読みは同じぞくじんですが、意味は煩わしい世俗の事柄、俗人的でつまらない物事について指した言葉です。
属人的の使い方・例文は?
属人的の使い方・例文①属人的な要素がある
属人的の使い方・例文1つ目は属人的な要素がある、です。つまり業務内容に特定の人のみが担当する要素があることを表しています。属人的な業務の例をあげるなら、学習した人が少なく、高度な専門知識が必要な仕事や、企画力などその人の才能を活かして仕事をする必要がある、などです。
実際に使うために例文をあげてみましょう。例えば「今回の仕事の内容は、Aさんのみが担当する属人的な要素を含んでいる」と言えます。仕事の内容の一部に、Aさんにしか業務が務まらない要素がある、ということを指した文章となっています。誰でもできず、特定の人のみが担当する仕事があればそれは属人的です。
属人的の使い方・例文②属人的なものとする
属人的の使い方・例文2つ目は属人的なものとする、です。何らかのことをその個人にすべて委ねるという意味になります。例えば、みんなで分担していたある特定の業務を、得意な一人に任せた場合、属人的なものとしたと言えます。つまり、誰かに特定の業務を任せたときに、属人的なものとする、と言えます。
実用するために例文をあげてみます。例えば「その問題を属人的なものとして扱った」というのが考えられます。それを解決するのは個人の問題である、という風に解釈できます。一方、属人的な仕事は個人に裁量を一任するので、責任は個人のものとして扱う、というシビアな見方もできます。
属人的の使い方・例文③属人的な人材を育成
属人的の使い方・例文3つ目は、属人的な人材を育成です。ざっくりいうと、専門的な職能を持つ人材を育てようということです。現代では標準化で誰もがどんな仕事もこなせるようにという風潮が強いです。しかし、属人的な人材は、とりあえずあの業務はあの人に任せれば良しという、専門分野を持った人材のことです。
実際に使うために例文をあげてみましょう。例えば「会社の経営方針で属人的な人材を育成することになった」というのが考えられます。近年は人に依存するのは良くないということで、属人的な人材育成は避けられる傾向にあるようですが、IT技術や法律などの難しい分野に限っては、属人的な人材育成も考えられますね。
属人的な仕事の長所・短所は?
属人的な仕事の長所①その人だけができる強みが生まれ存在価値が高まる
属人的な仕事の長所1つ目は、その人だけができる強みが生まれ存在価値が高まることです。属人的とは、仕事におけるその人独自の強みという見方もできます。つまり、属人的な仕事がある人は、会社内での存在価値が高いということになります。それについては属人的な仕事の長所と言えると思います。
また、会社の評価だけではなく、仕事をする本人にとっても良いことだと言えます。なぜなら、存在価値が高いことを認識することで、人間の基本的な欲求である、自己承認が満たされるからです。人から求められ頼りにされることで、自分自身も満たされる。のです。そう言った面も、属人的な仕事の長所だと言えるでしょう。
属人的な仕事の長所②自分の裁量で仕事を進められる
属人的な仕事の長所2つ目は、自分の裁量で仕事を進められることです。属人的な仕事とは、その人だけができる業務ですから、仕事もその人の考えだけでほとんど進められます。自分のペースでできるとも言えますね。一人前の仕事人として認められている証拠でもあります。属人的な仕事の長所だと思います。
逆に人によってはプレッシャーに感じる面もあります。属人的な仕事は個人に裁量を任せられますね。つまり、何か問題が生じたら、責任も個人に問われる可能性があるのです。人によっては属人的な仕事だと心理的な重圧を抱えるかもしれませんね。対価をもらう以上は、というプロ意識を持って取り組みたいですね。
属人的な仕事の短所①業務知識のナレッジ化がないと効率が悪くなる
属人的な仕事の短所1つ目は、業務知識のナレッジ化がないと効率が悪くなることです。ナレッジとは知識の社内共有のことです。個人の仕事の知識が社内に還元されていない場合は短所だと言えます。その業務はあの人がいつもしていたから何も分からない、という問題に陥り業務の効率が悪くなり、時間ばかりかかります。
仕事の内容があまりにも全体に周知されていないことで起こる問題だと言えます。適度に知識の共有化を図り、少なくとも業務の進行が完全に止まることはない、という風にしておく必要があるでしょう。でなければ、その仕事の担当者が不在のときに困ってしまいます。
属人的な仕事の短所②担当がその人のみの仕事なため誰も代わりがいない
属人的な仕事の短所2つ目は、担当がその人のみの仕事なため誰も代わりがいないことです。属人的な仕事は代わりが効かない反面、慣れた人がやるため業務は効率的に進むという一長一短があります。なので、当人が休みをとったり退職したりすると、その属人性から誰も仕事を進められないという問題が発生します。
属人性がどの程度なのかという点も短所の深刻さに関わります。例えば属人性が低ければ、そこまで担当者に依存した仕事ではないということなので、すぐに別の人が仕事に着手できるかもしれません。しかし、属人性が高いと仕事の進め方など、担当者にしか分からないため、ほかの人への引継ぎの重要性が高いと言えます。
属人的の対義語は?
属人的の対義語①万能
属人的の対義語1つ目は万能です。意味は何でも優れて器用にできることです。ビジネスにおいては特定の業務ではなく、幅広く仕事ができる人材のことを指します。現代ではすべての業務をある程度こなせる、万能な人材を育成する流れが強いでしょう。理由は属人的だと、その人がいなくなったときに問題があるからです。
万能は今どきの代わりが効きやすい人材のことでもあります。属人的な仕事は、業務の効率を低下させる恐れがあり、避けられがちです。そういった面からも、万能と属人的はお互い対義語の関係にあると言えるでしょう。
属人的の対義語②汎用的
属人的の対義語2つ目は汎用的です。さまざまな使い道がある、幅広い用途があるという意味です。例えば「汎用性が高い人物だ」というと、いろんなことに使い道がある、活用できる人材だという評価になります。少々ドライに解釈するなら、使いまわしやすい人物だということになります。
汎用的な仕事というと、どんな人でも担当できてこなせる業務を指します。一方、属人的な仕事は、特定の限られた人しか進めることができません。そのことからも、汎用的と属人的はお互い対義語同士の言葉と言えるでしょう。
属人的の英語は?
属人的の英語①withnohandling
属人的の英語1つ目はwith no handlingです。意味はマニュアルなしで~となります。英語には属人的にあたる言葉がないので、標準化されていないことを伝えるニュアンスの英語で表現します。withの前にthe parsonをつけると、マニュアルのない人という意味になります。
ほかにはwith no operating manualsという英語表現もあります。こちらもno handlingと同じくマニュアルなしで~という意味になります。ちなみに operationg manualsは操作説明書という意味の英語です。
属人的の英語②withnostandardization
属人的の英語2つ目はwith no standardizationです。意味は標準化されていない~となります。属人的という言葉のニュアンスを伝える英語表現となっています。standardizationで標準化という英語です。withの前にthe dutyをつけると標準化されていない業務になります。
属人化を英語にするとindividualefforts
属人化を英語にするとindividual effortsです。individualは個々人の、effortsは尽力という意味があります。ほかにはpersonal skills、individualizationという表現の仕方もあります。
また、depend on~という英語を使った表現もあります。dependは頼る、依存するという意味です。例えば、depend on an individual employee(従業員一人に依存している~)とすると、属人化というニュアンスの英語表現となります。
属人的という言葉を正しく知って使おう
以上が属人的という言葉の意味と使い方や、俗人的との違いなどでした。一見分かりづらい言葉ですが、一人で業務を担当していること、その人だけができること、という解釈をすれば分かりやすいはずです。ビジネスではたびたび使われる言葉なので、覚えておきましょう。
ほかにも言葉の意味に関する記事や、人間心理、生活に役立つ知識など多数まとめております。どれも面白い内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
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