最終更新日: 2019/06/21 14:45 ジプシーの意味とは?ロマとの違いや歴史となぜ差別用語なのかの理由も

みなさんは「ジプシー」「ロマ」という言葉を聞いたことはありますか?今、人気のフラメンコなどからご存知の方もいるではないでしょうか。「ジプシー」という言葉が差別用語になっているのはなぜなのでしょうか。今回は服装や歴史など「ジプシー」についてご紹介をしていきます。

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ジプシー(Gipsy)とは?意味と差別用語と言われるのはなぜ?

差別用語となってる「ジプシー」とは移動生活をする民族のこと

社会

現在、差別用語となっている「ジプシー」とは、ヨーロッパを中心に、各地を移動しながら生活する民族のことを言います。褐色の皮膚に黒い目と髪を持ち、文字を持たず、馬の飼育や鍛冶、占い、音楽などに従事して生計を営んでいました。彼らの音楽や舞踊は、祭礼などで歓迎される面もある反面、差別と迫害を受けてきました。

「ジプシー」がなぜ差別用語となったか

言葉

なぜジプシーという呼び名は差別用語となったのでしょうか。彼らは独自の習慣と言葉を持つことから他の宗教、文化と馴染まなかったので迫害の原因になりました。迫害されることにより収入を得られなくなった結果、窃盗などの犯罪をするようになったため、物乞いや浮浪者といった意味合いの強い差別用語となったようです。



彼らが嫌われるようになったわけ

喧嘩

彼らは多くの国で「よそ者」としての扱いを受けています。なぜなのでしょうか。独自の文化と習慣を持つため、他の地に溶け込むことはせず、考え方も独特です。彼らは、「お金を持っている人が持っていない人に分け与えるもの」という考え方を持ち、窃盗を仕事にしているロマ人もおり、スリや窃盗、詐欺をする集団もいます。

ナチスから虐殺の対象とされた歴史

悲しみ

ナチスは選挙権の剥奪や商売の禁止、学校入学の禁止などロマ人の撲滅を目的とし、「劣等民族」とする法律が施行されました。なぜナチスは彼らを虐殺の対象としたのでしょうか。ドイツ人と異なる生活習慣を持ち、馴染むことのない彼らは、虐殺の対象とされ、戦争中には約50万人ものロマ人が殺害されたとも言われています。





日本人が持つイメージ

社会

日本人が持つ「ジプシー」という言葉のイメージは、移動生活をする民族というようなエキゾチックなイメージを持つ人が多いようです。けれども、差別用語となっていることでも分かるように、ヨーロッパなどの大陸系では放浪者が集まるということは、治安が悪くなる傾向にあることから軽蔑されるようです。

ロマとは?ジプシーとの違いは?

ロマとは国ではなくロマ人のこと

民族


私たち日本人にとっては馴染みの少ない言葉のため、国を現す言葉と思っている人もいるのではないでしょうか。私たち日本国民を「日本人」と言うように、「ロマ」という国の人のことを現すように思いますが、「ロマ人」とはヨーロッパ各地やロシア、南・北アメリカなど世界各地に散らばって生活している少数民族を言います。

「ジプシー」とは「エジプシャン」という誤解から生まれた言葉

言葉

ヨーロッパに散在するロマ人を、エジプト出身という誤解した言葉、「エジプシャン」の頭音が消失して「ジプシー」と呼ばれるようになったと言われています。「ジプシー」とは各地を転々と移動している、北インド系のロマニ系由来の「ジプシー」と呼ばれてきた人たちのことを言います。

ジプシーの歴史とは?

ロマの出身はインド北西部

旅

世界各地に分布、生活するロマ人の出身地がインド北西部であるとほぼ確実とされていますが、インドのどの民族が起源となるのかまでは分かっていません。彼らは、9世紀~10世紀ごろにインドを出発したと思われていますが、一度に出発したのではなく、長い時間をかけて次々と出発して行ったのではないかと見られています。

「人間」という意味の「ロマ」の歴史

人間

なぜインド出身者であるジプシーがヨーロッパに姿を現すようになったのでしょうか。彼らが現れたのは14~15世紀ごろと言われてます。定住することなく奔放に生活するため、ヨーロッパの人々に受け入れられず、強い差別と迫害を受けてきました。自称「人間」と意味の「ロマ」という呼び方で呼ぶことが多くなっています。