させていただくは正しい敬語?漢字の頂くとの違いや言い換え方・使い方も
させていただくという敬語表現はビジネスにおいて使いこなす上で言い換え等の難易度が高い言い回しです。ここでは「させていただきます」の正しい使い方や「頂く」の漢字表現等、させていただくを正しく使えるよう例文も含めて紹介していきます。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
目次
させていただくの意味・正しい使い方は?
させていただくの意味①自分が恩恵を受ける行動に対する敬語表現
させていただくの意味の1つ目は「自分が恩恵を受ける行動に対する敬語表現」です。させていただくという表現は、日常会話からビジネスメールまで幅広く使われている敬語表現になります。そのため、こういった表現が使いこなせることで、表現力の向上が望めることでしょう。
させていただくという表現は自分自身が何か恩恵を受ける行動について使う補助動詞になります。例えば「出席させていただきます」という表現は、結婚式やほかの式典に招待された時に使われる表現になり、晴れの舞台に呼んでいただけるという気持ちを込めてそのような表現を使います。
させていただくの意味②相手側の許可を受けてその行為を行う際の敬語表現
させていただくの意味の2つ目は「相手側の許可を受けてその行為を行う際の敬語表現」です。させていただくという表現は非常に幅広く使われているイメージですが、実は使えるシーンがかなり限られる表現です。何故なら、相手側の許可がないとその表現を使うことが基本的にできないからです。
例えば下記関連記事には「お休みさせていただきます」という表現が紹介されているのですが、この表現も間違っています。正しくは「お休みさせていただきたく存じます」になります。もちろん他にも言い換えの表現はありますが、この場合には自分の判断で休むため「お休みさせていただきます」は使えないのです。
こういった関連記事も一緒に確認していくことで、させていただくという表現の使い方に対しての理解が深まっていくことでしょう。させていただくという表現は敬語表現の使い方の中で最も間違えやすい表現だと言っても過言ではないのです。自分から情報を集めて、理解を深める努力をしていきましょう。
させていただくの正しい使い方①慶んで出席させていただきます
させていただくの正しい使い方の1つ目は「慶んで出席させていただきます」です。「慶んで」という文字はフォーマルな場面でしか使えないものの、こういった表記をするような場において出席を表明する場合には「出席させていただきます」と伝えることができます。「させていただく」を自然に使える状況です。
させていただくの正しい使い方②欠席させていただけないでしょうか
させていただくの正しい使い方の2つ目は「欠席させていただけないでしょうか」です。「お休みさせていただきます」はアウトなのですが「欠席させていただけないでしょうか」は正しい表現になります。何故なら「欠席させていただけないでしょうか」は相手に対して許可を求めている表現にあたるからです。
「欠席させていただけないでしょうか」と聞いて相手から許可が下りた場合「申し訳ありません。それでは本日は欠席させていただきます」といった形で相手方に伝えることとなります。このように許可を求める場合には使うことができる表現になりますので、この2つの表現の違いを押さえておきましょう。
させていただくの正しい使い方③司会を務めさせていただきます
させていただくの正しい使い方の3つ目は「司会を務めさせていただきます」です。司会を務めるのは誰かから依頼が来ていることが前提になります。そのため、「司会を務めさせていただきます」という言い回しは正しい表現になります。司会が自己紹介をする場合によく聞かれる表現ですが、これは正しい表現なのです。
させていただくの正しい使い方④ご挨拶をさせていただきます
させていただくの正しい使い方の4つ目は「ご挨拶をさせていただきます」です。例えばフォーマルな場面において、一言大勢の前で挨拶をするような場合にこのような表現を使います。こういった状況での挨拶やスピーチは依頼が前提になっていますので、このような場合にはさせていただくと堂々と言えるのです。
ただし、こういった挨拶ではなく、例えば転勤をして上司に挨拶をするような場合も使えるかというと、その状況については意見が分かれているようです。何故なら明確に許可がある状況ではないからです。忙しいので挨拶が迷惑なタイミングに「ご挨拶させていただきます」というのも違和感のある使い方になります。
そのためこのような場合には「ご挨拶いたしたく存じます」などといった表現を使った方がいいでしょう。「ご挨拶をさせていただきます」という、一般的に良しとして使われている表現であっても状況によってはNGだと言われる可能性のあるシチュエーションがあります。させていただくは非常に使い方が難しい言葉です。
させていただく・させて頂くの使い分け方は?
させていただくの漢字表記「させて頂く」は限られたシーンでしか使えない
させていただくの漢字表記「させて頂く」は限られたシーンでしか使えません。そもそも「いただく」は補助動詞であり「頂く」は動詞であるため、実は漢字かひらがなかでその意味が大きく変わってくるので、覚えておく必要があります。
させて頂くは間違った表記
「させて頂く」は間違った表記です。なぜなら「させていただく」は「いただく」が補助動詞になるのでひらがな表記が正しい使い方になります。そのため、「させて頂く」と「させていただく」を同じ敬語表現とすると使い方は同じなのですが、「させて頂く」と表記すると漢字表記できないので間違った表記となるのです。
ちなみに「頂く」は食べるもしくはもらうという動詞の謙譲語表現になります。そのため「ごはんを頂く」「許可証を頂く」というような使い方は可能です。ただし現代において「させて頂く」は「させていただく」と同義で使われている場面も少なくありません。許容される場面もありますが間違いなので認識しておきましょう。
させていただくの使い分け方①許可を受けたい時には使える
させていただくの使い分け方の1つ目として、許可を受けたい時には使えることが挙げられます。「欠席させていただけないでしょうか」のような使い方です。許可を受けたい場合には疑問形にして使うこととなるでしょう。
させていただくの使い分け方②依頼を受けた時には使える
させていただくの使い分け方の2つ目として、依頼を受けた時には使えることが挙げられます。「司会を務めさせていただきます」のような場面で使うことができます。そのほかにも事前に許可を受けている場合には使うことができる表現です。
させていただくの言い換え方・例文は?
させていただくの言い換え方と例文①ご連絡させていただく
させていただくの言い換え方と例文の1つ目は「ご連絡させていただく」です。ここからは謝った例文には(誤)と記し、正しい例文には(正)と記して比較できるようにしています。ご連絡に関しては許可を得ない場合が基本なので、下記のように「ご連絡いたします」という表現を使って言い換えます。
- ・(誤)こちらから追ってご連絡させていただきます
- ・(正)こちらから追ってご連絡いたします
ご連絡させていただくの正しい言い換え方
させていただくの言い換え方と例文②ご共有させていただく
させていただくの言い換え方と例文の2つ目は「ご共有させていただく」です。「ご共有させていただく」も「ご連絡」の表現と同じように「いたします」という表現を使って言い換えます。「させていただく」に慣れていると「いたします」が弱い敬語のように感じますが、そんなことはありませんのでご安心ください。
- ・(誤)こちらから追ってご共有させていただきます
- ・(正)こちらから追ってご共有いたします
お電話させていただくの正しい言い換え方
させていただくの言い換え方と例文③伺わさせていただきます
させていただくの言い換え方と例文の3つ目は「伺わさせていただきます」です。この表現は基本的に「伺う」と「させていただく」の敬語が重ねて使われていますので二重敬語という、間違った敬語の使い方に該当します。下記が正しい使い方です。
- ・(誤)明日伺わさせていただきます
- ・(正)明日お伺いします
伺わさせていただきますの正しい言い換え方
させていただくの言い換え方と例文④申し上げさせていただきます
させていただくの言い換え方と例文の4つ目は「申し上げさせていただきます」です。この表現も「申し上げる」と「させていただく」が二重敬語に該当しますので、下記のように言い換えます。すっきりと感じる言い回しになります。
- ・(誤)弊社スタッフをご指導いただき心よりお礼申し上げさせていただきます
- ・(正)弊社スタッフをご指導いただき心よりお礼申し上げます
申し上げさせていただきますの正しい言い換え方
させていただくの言い換え方と例文⑤仕事を辞めさせていただく
させていただくの言い換え方と例文の5つ目は「仕事を辞めさせていただく」です。ドラマなどでもよく聞かれる表現ですが、実は失礼な言い回しに該当します。あまりにも一般的に使われるようになっているので失礼だと言われなくなってきていますが、正しくは下記のような言い回しが正しい敬語の使い方になります。
- ・(誤)仕事を辞めさせていただきます
- ・(正)仕事を辞めさせていただきたくお願い申し上げます
仕事を辞めさせていただくの正しい言い換え方
誤用しやすい敬語とは?
誤用しやすい敬語①お伺いいたしましたのような二重敬語
誤用しやすい敬語の1つ目は、お伺いいたしましたのような二重敬語です。ここまで紹介してきた中にも「申し上げさせていただきます」「伺わさせていただきます」のような二重敬語がありましたが、二重敬語という言い回しに該当すると、それは間違った日本語表現になります。そのため言い換えが必要となります。
誤用しやすい敬語②お電話差し上げましたのような相手が失礼に感じる表現
誤用しやすい敬語の2つ目は、お電話差し上げましたのような相手が失礼に感じる表現です。お電話差し上げましたという表現は、二重敬語のように日本語のルールに違反している言い回しではありませんが、相手が失礼に感じる可能性があります。何故なら「してあげる」という要素が含まれる表現だからです。
敬語表現はビジネスにおいて相手方とうまくコミュニケーションを図る円滑油の役割を果たすので、相手がそれを失礼に感じることがあるとそれは本末転倒です。そのため少しでもそういうリスクのある表現は控えた方がいいでしょう。
誤用しやすい敬語③なんにでも使ってしまう「させていただきます症候群」
誤用しやすい敬語の3つ目は、ご連絡させていただくのような「させていただきます症候群」です。なんでも「させていただきます」と言っておけば丁寧な言い回しになると思っている「させていただきます症候群」にならないように注意しましょう。一番丁寧なのは常に正しい敬語表現を意識することです。
させていただくという敬語表現を正しく使いこなそう!
させていただくという敬語表現は使いこなすのが難しいかもしれませんが、ここで紹介したことを参考に正しく使いこなせるようになりましょう。「させていただく」と今後使う時に、「これは正しい使い方なのか」と毎回意識することで正しい使い方が身に付くことでしょう。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。