「しておりません」の意味と類語と英語|敬語の使い方も
「しておりません」という表現はビジネスで使われる否定の敬語表現ですが、否定の表現だからこそ使い方を間違えると相手に対して失礼にあたるリスクがあります。ここでは失礼にあたらない使い方や英語での表現も含めて紹介していきます。
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目次
「しておりません」とは?意味は?
「しておりません」とはアクションに対する否定を表す敬語表現
「しておりません」とはアクションに対する否定を表す敬語表現です。通常は肯定表現が敬語としてフォーカスされることが多いのですが、否定表現でありながらこのようにフォーカスされるのは「しておりません」くらいかもしれません。「しておりません」は「しております」の否定表現にあたります。
「~しております」という表現については継続性のある行動全般を表します。否定形の「しておりません」も使える幅が非常に広い表現であると言えます。
「しておりません」は過去形と現在進行形の否定表現両方を意味する
「しておりません」は過去形と現在進行形の否定表現両方を意味します。「(そのタイミングで)していなかった」「(現在進行形で)していない」ということを表す謙譲語表現が「しておりません」になります。否定を表す表現ではあるものの、ビジネスでの使用頻度が非常に高い表現になっています。
「(そのタイミングで)していなかった」「(現在進行形で)していない」というそれぞれのニュアンスは大きく異なりますが、それぞれ同じ表現を使います。そのため、文脈からどちらの意味を表しているのかを読み取る必要がありますし、文脈によってどちらを意味しているのかを書き分ける必要があります。
「しておりません」の使い方例文5選!
「しておりません」の使い方と例文①過去にしていない
「しておりません」の使い方と例文の1つ目は「過去にしていない」状況の例文を紹介します。ここから紹介する例文は比較しやすいようにすべて「オーストラリアへの滞在」に関する例文にしています。それぞれの例文を見比べることでちょっとした表現を変えることでニュアンスをガラッと変えられることが分かるかと思います。
「過去にしていない」状況の例文が下記ですが、「昨年」という過去を表す表現が入っているので「そのタイミングではその行動をしていない」ことを表しています。
昨年オーストラリアには滞在しておりません。主にアメリカとカナダを行き来するように滞在しておりました。
「しておりません」の使い方と例文②今現在していない
「しておりません」の使い方と例文の2つ目は「今現在していない」状況の例文を紹介します。例文を見ていくと「私はオーストラリアに滞在しておりません」という表現には「いつ」という表現が一切入っていないのでこの一文だけを見ると過去の出来事を表している可能性も否定できません。
しかし次の文章で「今はニュージーランドから発信しております。」と言っているので、今現在その状態ではないことを明確にしています。「今は」という表現を敢えて入れていますが、この表現がなくても今現在の状態を表していることは十分に伝わる例文になっています。
私はオーストラリアに滞在しておりません。今はニュージーランドから発信しております。
「しておりません」の使い方と例文③するつもりがない
「しておりません」の使い方と例文の3つ目は「するつもりがない」状況の例文を紹介します。例文のように「予定しておりません」という言い回しにすると「~するつもりがない」というニュアンスを表すことになります。例文ではオーストラリアへの渡航の予定がないことを表しています。
オーストラリアへの渡航は予定しておりません。今年は日本で年を越す予定です。
「しておりません」の使い方と例文④今はしていないが将来する可能性がある
「しておりません」の使い方と例文の4つ目は「今はしていないが将来する可能性がある」状況の例文を紹介します。例文では「今年はオーストラリアに滞在しておりません」と、今現在滞在していないことを伝えていますが、次の一文では「来年以降の動きは未定になっております」と、可能性が0ではないことを示唆しています。
「しておりません」の表現については前後の文章でそのニュアンスを推測させることができます。「しておりません」の一文だけですべてを表現しようとするよりも、前後の文章でそのニュアンスを出した方がスマートかつ相手に伝わりやすい文章になります。この例文の使い方は覚えておきましょう。
今年はオーストラリアに滞在しておりません。来年以降の動きは未定になっております。
「しておりません」の使い方と例文⑤将来の可能性も打ち消す使い方
「しておりません」の使い方と例文の5つ目は「将来の可能性も打ち消す使い方」を紹介します。この使い方は4つ目に紹介した例文の応用編になります。まず文章の中で「オーストラリアでの長期滞在は予定しておりません」と、将来の予定が今のところはないことを言い切っています。
しかしながらその前に「海外赴任のない会社に在籍しており」という前提条件を伝えています。これらの状況を総合すると「今の会社を辞めない限りオーストラリアに長期滞在はできないし、長期滞在する意思もない」という文章になります。「しておりません」を上手に活用すると短い文章で言いたいことを伝えることができます。
海外赴任のない会社に在籍しており、オーストラリアでの長期滞在は予定しておりません。
「しておりません」の類語の意味と使い方は?
「しておりません」の類語の意味と使い方①していません
「しておりません」の類語の意味と使い方の1つ目として「していません」が挙げられます。「していません」は「していない」の丁寧語表現であり、「しておりません」という表現が謙譲語の表現にあたりますので、敬語の一種には数えられるものの「しておりません」に比べると敬語の要素が弱い表現になります。
「しておりません」という表現が丁寧過ぎると感じる場合には「オーストラリアに滞在していません」という表現にすると「しておりません」と同じ意味合いを表しつつも、若干堅苦しさを和らげることができるでしょう。「しておりません」との使い分けを常に考えていきたい類語表現になります。
「しておりません」の類語の意味と使い方②未遂
「しておりません」の類語の意味と使い方の2つ目として「未遂」が挙げられます。「未遂」に関しては「まだその状態にはなっていない」というシチュエーションを表す言葉です。「殺人未遂」などという言い回しでニュースではよく報道されますが、まだやっていないものの着手はしていて達成されていない状態を表します。
「しておりません」が表す状況からアクションを起こした次の段階を指すのが「未遂」という言葉です。その字面から「未だ遂行していない」という意味合いで、「しておりません」と同じ意味合いだと勘違いする場合が少なくありませんが着手はしている状態であり、アクションは起こしているのでその点は認識しておきましょう。
「しておりません」の類語の意味と使い方③未達
「しておりません」の類語の意味と使い方の3つ目として「未達」が挙げられます。この表現は「目標に対して未達」というような使い方がされる表現であり「到達していない状況」を表す表現になります。この表現も「未遂」同様アクションは起こしているものの、一定の基準に達していない状況を指す表現になります。
「未達」という表現に関しては行動そのものよりも、目標等の指標を指して使われる表現になりますので、「しております」に置き換えて使える類語ではありませんが、状態を否定する表現としては類語表現にあたります。ビジネスのシーンでもよく使われる言葉なので覚えておきましょう。
「しておりません」の敬語の意味と使い方は?
「しておりません」の敬語の意味と使い方①なさっておられません
「しておりません」の敬語の意味と使い方の1つ目は「なさっておられません」です。相手に対して強い敬語表現を使いたい際に使う尊敬語表現です。「しておりません」が、自分自身を下げて、相手に対して遜ることで相手への敬意を表現する謙譲語ですが「なさっておられません」は相手を上げることで敬意を表す尊敬語です。
ただし「なさっておられません」には「おる」という謙譲語のニュアンスが含まれているため、この表現を使うことで違和感を持たれる可能性もあります。「なさっておられません」については、相手にどのように伝わっているかに気を付けながら使うようにしましょう。
「しておりません」の敬語の意味と使い方②されていません
「しておりません」の敬語の意味と使い方の2つ目は「されていません」です。「されていません」という表現は「なさっておられません」に比べると弱い敬語表現ですが、尊敬語に分類される表現です。
しかしながら「なさっておられません」が強すぎる敬語表現とも言えますので「されていません」の方が、使える幅が広い表現だと言えるかもしれません。
ちなみに尊敬語のニュアンスはほかの言葉の尊敬語表現も見ると参考になることが多いので、下記に「お召し上がりください」という表現について紹介されている関連記事を掲載しておきます。「お召し上がりください」も使用頻度の高い敬語表現なので一読の価値があると言えるでしょう。
「しておりません」の英語表現は?
「しておりません」の英語表現は過去形と現在進行形で違う
「しておりません」の英語表現は過去形と現在進行形で違います。「しておりません」という表現は、日本語においてどの時系列を表しているのか、文脈で判断する必要のある表現です。「しておりません」については過去形としての使い方と、現在進行形としての使い方が想定され、それぞれに合わせての英語翻訳が必要です。
下記に過去形と現在進行形それぞれの英語表現の例文を紹介していますが「didn‘t」を使った英語表現と「never」を使った英語表現に分けられます。またこのほかにも現在進行形のbe動詞にnotを付けて否定形にする方法もあります。下記以外にも様々な英語での「しておりません」の表現方法もあります。
- ・【過去形】I didn‘t say that.(私はそのように言っておりません)
- ・【現在進行形】I never stay in China.(私は中国に滞在しておりません)
「しておりません」の英語表現
「しておりません」の英語表現は状況により違うので都度翻訳する
「しておりません」の英語表現は状況により違うので都度翻訳する必要があります。「しておりません」の英語表現にも様々な方法がありますし、その状況も英語訳する必要があります。英語の文章は全体を見ながら翻訳をしていく必要がありますので、あくまでも例文は参考程度に思っておいた方がいいでしょう。
とはいえ、否定形を使うのは間違いはなく、否定は「not」か「never」の2択になります。あとは日本語の文章に合わせて過去形の文章にするのか現在進行形にするのかを選択し、その状況を翻訳するだけです。ここで紹介したポイントを押さえれば、的確な英語翻訳が実現することでしょう。
「しておりません」をビジネスで使いこなそう!
「しておりません」という言葉は社会人として欠かせない敬語表現の一つであり、この表現をしっかり使えるようになることで、ビジネスでの会話やメールでの表現力の向上が期待できます。ここで紹介したことを、あなたの仕事で活用してもらえたらうれしいです!
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