所得税の予定納税とは?計算方法や納付方法など徹底解説

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所得税1年分を確定申告時に一度で全額支払うのは納税者にとっては決して軽くはない負担となります。前年度の所得額や納税額などを考慮して、今年はこれくらいの所得税を支払う必要があるだろうということを予想して、事前に前払いする制度が「予定納税」です。所得税の予定納税について説明します。

所得税の予定納税って?

所得税の前払い制度

所得税は、毎年2月16日から3月15日までの間(休日の関係でずれることはありますが)に、申告と納税を行います。納税者の負担を軽減する方法として、事前に見積もった所得税額を年に一度の申告前に前払いする方法を所得税の予定納税と呼んでいます。

前年の所得税15万円以上の人が対象

予定納税の対象者は、前年分の所得税額が15万円以上となる人です。また、災害減免法の適用対象者ではないことも必要です。

予定納税額基準額の計算方法

所得金額からは、山林所得・退職所得などの分離課税の所得金額と、譲渡所得・一時所得・雑所得・平均課税を受けた臨時所得のような所得金額は除外されます。上記の除外所得と源泉徴収税額を控除して計算した金額を予定納税基準額と言います。

予定納税の納付期間

予定納税の納付期間は2期に分かれています。予定納税額の1/3の第1期分を7月1日~7月31日までに、残りの2/3の第2期分を11月1日~11月30日までに納付することが必要です。

予定納税の納付方法

予定納税の納税方法は、納付書に現金を添えて、金融機関あるいは税務署の納税窓口で納付することになります。バーコード付の納付書(納付額30万円以下)であれば、コンビニでも納付可能です。 口座振替を申請しておけば、指定金融機関の口座を利用して、自動的に振替納付をすることもできます。税務署に事前届出が必要ですが、e-Taxを利用して、ダイレクト納付や電子納税も可能です。

予定納税を延滞するとどうなる?

延滞税の対象になる


もし予定納税を期限までに支払わなかった場合にはどうなるのでしょうか。所得税に限らず、全ての税金は期日まで支払わなければ延滞税が発生する場合があります。納付期限の翌日から納付される日までの日数に応じて課されるものが延滞税です。 具体的には以下のように定められています。 (1)納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでの期間 ①平成26年12月まで:年2.9%、 ②平成27年1月1日~平成28年12月31日まで:年2.8% ③平成29年1月1日~平成29年12月31日まで:年2.7% (2)納付期限の翌日から2ヶ月を過ぎた場合は、原則として、年14.6% ただし、平成26年1月1日以降は、「年14.6%」、あるいは「特例基準割合+7.3%」、のどちらか低い方が適用されることになっています。延滞税の税率は固定ではなく、特例基準割合によって変動するのです。

業績が落ち込んだ場合は?

減額申請が可能

予定納税はあくまで予定なので、実際には会社の業績が大きく落ち込んでしまい、予定していた所得が得られない場合も考えられます。業績が急激に悪化すれば、見積もっていた所得税が払えないだけではなく、場合によっては、会社を廃業しなければならない可能性さえ生じてしまいます。そのような場合の対策としてあるのが、予定納税を減額する制度です。

減額申請の手続き方法

もし予定納税を減額したい場合は、その年の6月30日時点における会社の業績をベースに所得税の見積もり額を再計算することが必要です。もし、予定納税基準額よりも、その見積額が少なくなる場合には、7月15日までに税務署に対して、「予定納税額の減額申請書」という書類を提出します。税務署から承認を受けることができれば、予定納税額を減額してもらうことが可能です。 もし、上記の期限を越えてしまった場合でも、減額を申請することはできます。ただし、その場合は第2期分だけが減額申請の対象です。10月31日の状況を踏まえて、所得税の見積もりをして、11月15日までに減額申請書を所轄の税務署に対して提出することが必要です。

確定申告で予定納税額を清算

確定申告で予定納税額を差し引く

予定納税の金額が確定申告の金額に不足している場合には、その不足分を申告時に納付することになります。また、反対に予定納税額の方が多くて、余分に納付をしてしまった場合には、超過した納付額は還付されます。他にも申告時に、災害や盗難、横領により自宅や家財道具などに損害を受けたので雑損控除の対象になる場合や、多額の医療費がかかってしまったために前年よりも医療費控除が多額になることなどが判明すれば、これらは予定納税額の減額対象です。

還付金には還付加算金がつく

予定納税の還付金には、還付加算金という利子が付加されます。したがって、予定納税の減額申請をせずに、そのまま予定納税を行い、還付加算金を受け取るという方法も考えられます。減額申請と還付加算金のどちらにメリットがあるのかを十分に検討することが重要です。

まとめ

所得税の支払負担を軽減するために予定納税という制度がありますが、会社を経営するうえでもメリットが大きい方法です。会社の業績を予想することで経営的な課題への対応を迅速に行うこともできますし、適切な将来の事業計画の策定と見直しを行うことが可能になります。

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