個人事業主がふるさと納税した時の計算は?確定申告の記載方法を解説

ふるさと納税をした人は、自身の支払う所得税や住民税から控除が受けられることがあります。サラリーマンと個人事業主(自営業、フリーランス)ではふるさと納税で受けられる控除に違いがあるのか、個人事業主のふるさと納税についてまとめました。

ふるさと納税の仕組みとは?

返礼品がもらえる

ふるさと納税とは、地方自治体への寄付金制度のことです。お世話になった地域や応援したい自治体などに寄付金を贈ることができます。自治体によってはお米やお肉など、その地域の特産物が返礼品として用意されている地域もあります。

所得税と住民税が減税される

寄付した金額はその年の所得税から還付され、翌年度の個人住民税からも控除されます。それぞれの所得により控除上限額が設定されており、上限額までの寄付であれば、実質2,000円の自己負担でその自治体の返礼品がもらえます。

好きな地域に寄付ができる

自身が生まれた地域や自治体以外でも、自由に寄付先を選択可能です。今住んでいる町をより住みやすくなるように居住地へのふるさと納税もおすすめですが、同自治体に住む人への返礼品を対象外にする方針が総務省から2017年4月1日付けで要請されているため、場合によっては返礼品が受け取れない可能性があります。

確定申告不要のワンストップ特例

ふるさと納税で税金の還付や控除を受けるには、確定申告が必要です。しかし2つの条件を満たすことで、サラリーマンは確定申告をしないで済む「ワンストップ特例制度」があります。条件は、寄付をした年の所得を確定申告する必要がないこと、1年間の納付先自治体が5つまでであることの2つです。

個人事業主のふるさと納税の計算方法

同じ年収でもふるさと納税限度額が異なる

個人事業主はサラリーマンと同じ年収であっても所得が異なるため、ふるさと納税の限度額も異なります。サラリーマンの場合は年収に応じて所得控除が65万~220万とされていますが、個人事業主の場合は0~65万円でサラリーマンより少ないことが理由のひとつです。
【年収が500万円の例】 サラリーマンの場合 :所得控除が154万円(国税庁平成29年分所得控除より)として適用され、所得346万円に対して税額計算されます。 個人事業主の場合 :所得控除が65万円として適用され、所得435万円に対して税額計算されます。
その結果、同じ年収であってもサラリーマンより個人事業主の方が所得税や住民税も高くなり、その分ふるさと納税の限度額も高くなります。一般的なふるさと納税限度額シミュレーションではサラリーマンを基準に掲載されていることが多く、個人事業主の場合は年収をサラリーマンの年収に直す必要があります。 事業経費を引いた年収から所得控除に適用される金額を差し引き、所得の計算を行いましょう。その所得と同じ所得になるサラリーマンの年収を、国税庁の公式サイトにある[給与所得控除]にある計算式から逆算することで、サラリーマンの年収に直すことが可能です。この計算が行えるサイトもありますので、シミュレーションしてください。 所得に基づいたふるさと納税の限度額計算方法は、個人事業主もサラリーマンも同じ手順で計算できます。以下を参考にしてください。

住民税の控除額の計算

個人事業主がふるさと納税をした時も、白色申告または青色申告で確定申告をする必要があります。控除額などの計算は、所得税と住民税でもそれぞれ異なるので注意しましょう。まずは住民税の計算方法を紹介します。
【住民税の控除額の計算方法】 住民税の控除額 = 基礎控除額 + 特例控除額1 or 2 基礎控除額 = (寄付金額-2,000円)×10% 特例控除額1 = (寄付金額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率) 特例控除額2 = 住民税所得割額の20%
特例控除額の1と2を算出した金額のうち、小さい金額が適用になります。寄付金控除対象となる金額は住民税であれば総所得の30%まで、控除金額は収入や家族構成などにより上限が設けられています。

所得税の控除額の計算

所得税の控除額 = (寄付金額 - 2,000円) × 所得税の税率 が基本の計算式となります。所得税率はそれぞれ課税所得金額によって変動するため、国税庁の公式サイトから一部抜粋したものを参考にしてみてください。
【課税所得額 | 税率 | 免除額】 ~ 195万円 | 5% | 0円 195万円 ~ 330万円 | 10% | 9万7,500円 330万円 ~ 695万円 | 20% | 42万7,500円 695万円 ~ 900万円 | 23% | 63万6,000円 900万円 ~ 1,800万円 | 33% | 153万6,000円
寄付金控除対象となる金額は所得税であれば総所得の40%まで、控除金額は収入や家族構成などにより上限が設けられています。例をあげて控除額の計算シミュレーションをしてみますので、以下を確認してみてください。
【所得税率10%の人が5,000円のふるさと納税をした場合】 所得税の控除額 = (5,000円 - 2,000円) × 10% = 300円 住民税の控除額 = 基礎控除 + 特別控除1 or 2 基礎控除 = (5,000円 - 2,000円) × 10% = 300円 特例控除1 = (5,000円 - 2,000円) × (100% - 10% - 10%) = 2,400円
5,000円のふるさと納税で、所得税の所得控除額300円、住民税の控除額2,700円が控除対象額となります。

控除計算を行う時の注意点

住宅ローン減税制度を利用した場合

住宅ローン減税制度を利用する場合でも、ふるさと納税の寄付金控除を受けることは可能です。ただし、納税額(所得額)や控除対象額によっては、ふるさと納税を併用したことによって、控除額が減ってしまう(控除しきれなくなる)ケースがあります。

医療費控除受けている場合

医療費控除を利用した分、所得税が控除されることになります。住民税の税率が10%のため、住民所得割額から医療費控除額の10%の金額が控除されることになります。 住民所得割額によって寄付可能上限額が計算されるため、医療費控除を受ける場合は、寄付可能上限額は少なくなります。 また、医療費控除を受ける場合は確定申告が必要になるので、先述のワンストップ特例制度(申告不要制度)が利用できなくなります。

確定申告の記載方法と注意点

寄付した金額の記載場所

所得税と住民税では、 ふるさと納税した寄付金額を反映させる箇所が異なります。所得税の控除を受ける場合は確定申告書B第一表の[寄付金控除]の欄に、住民税の控除を受ける場合は確定申告書B第二表の[寄付金税額控除/都道府県・市町村区分]の欄に記載します。確定申告書の必要箇所に正しく記載をしておかないと、控除が受けられないので注意しましょう。

減額されない原因の例

ふるさと納税をしたのに所得税や住民税が減額されない場合、確定申告書Bにある「添付資料台紙」、その中の「寄付金控除関係書類」の欄へ、「ふるさと納税の証明書」を添付したか確認しましょう。また、ふるさと納税限度額をオーバーしている場合、オーバー分を自動で未反映にするシステムを各自治体で利用しているため、こちらも減額が反映されない原因としても考えられます。

まとめ

個人事業主でもサラリーマンでも、ふるさと納税を行うことで税金の控除が受けられます。個人事業主の場合はサラリーマンと同じ年収であってもふるさと納税限度額が高くなる傾向がありますので、年収に応じて正しく計算して上手に減税制度を利用しましょう。

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