LED電球の寿命は短い?寿命の実態や、長持ちさせるための注意点
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LEDの定義とは?
電圧をかけた際に発光する半導体素子
LED(Light Emitting Diode)は、発光ダイオードと日本語に訳される半導体のことです。プラス極のP型半導体からマイナス極のN型半導体に電圧をかけると、接合面で発光するという仕組みです。また、接する部分はpn接合と呼ばれています。 電圧をかけると電流が流れますが、接合部分でP型半導体の正孔とN型半導体の電子がぶつかります。その際に、電気エネルギーから光エネルギーが生じる現象がLEDの発光原理です。LEDの寿命は何年?
理論上は10年以上
LED照明には、長寿命という特長があります。LEDランプの種類にもよりますが、理論上の寿命は10年以上と言われていますので、白熱電球はもちろん蛍光灯に比べても長寿命です。 メーカーが規定条件下で試験した際の定格寿命で比較すると次の通りです。 ・一般の白熱電球:1,000~2,000時間程度 ・蛍光灯:6,000~20,000時間程度 ・LED照明:40,000時間程度となります。原理的には球切れは起こらない
LED照明はLEDチップの中を電流が流れ、半導体そのものが発光するという原理です。一方、白熱灯はフィラメントに電流が流れ、電気抵抗により温度上昇することで発光しますが、フィラメントが熱で劣化すると突然切れてしまいます。また、放電灯の一種である蛍光ランプは、両端のフィラメントに塗布された電子放射物質が消耗し尽すと寿命となります。 このように白熱灯や蛍光ランプと異なり、LED照明はフィラメントや電子放射物質が使用されていません。そのため、フィラメントの劣化や電子放射物質の消耗による球切れ、ということが起きないのです。LEDは10年以上持つ?
持った例はない
LEDが一般家庭の照明として普及し出したのは、2010年代に入ってからのことです。寿命が10年以上とも言われているLED照明ですが、市場での実績に基づいている訳ではありません。 メーカーが公表した定格寿命をもとに、10年間という使用期間が予測されています。定格寿命の40,000時間は、標準的な利用方法を想定したメーカー試験の平均寿命値です。10年以内に壊れたケースもある
LED電球の歴史は浅く、発売された当初は性能の問題と利用者側の知識不足も重なりすぐに壊れてしまったという事例もありました。初期のLED電球や低価格のLED電球は、使用環境が制限された製品が多く、適合性などを確認せずに取り付けると寿命が大幅に低下してしまうのです。また、長期間使用し劣化が進んだ照明器具に取り付けると、短期間で故障するだけでなく事故の原因にもなり得ます。なぜ10年持たないのか?
寿命10年は単なる予想
メーカーが公表しているLED電球の定格寿命は、実施した加速試験と科学データをもとに算出した平均寿命値です。電球形LEDランプの寿命が40,000時間だとすれば、1日10時間使用しても10年以上持つことになりますが、これは予測値です。 LED照明の光源の定格寿命は、LEDシーリングライトや直管形LEDランプなどでも40,000時間であることが多く、また各メーカーで共通の設計寿命になっています。ただし、LEDレフランプや小型電球形LEDランプの場合は20,000時間程度と推定されることが多いようです。熱で寿命短縮
LED素子や電子回路で構成される部品であるLEDモジュールは、熱により劣化します。LEDが発光する際には熱も発生しますので、LED電球の寿命を延ばすには放熱技術と耐久性の向上が必要です。 初期のLED電球の回路周囲が、空気による放熱効率を高めるためにフィン構造になっていたのはそのためです。放熱技術が低いLED電球は短寿命ですが、熱のこもりやすい照明器具に取り付けても寿命が短くなってしまいます。電圧変動
半導体であるLEDは、電圧変動や電気ノイズに弱いというのが欠点です。商用電源は100Vですが微妙に変動していて、近くに変電所や工場があると100Vより高い電圧が供給されることもあります。そして、こうした事情から電圧が上がるとLEDの発熱量が多くなり、寿命の低下に繋がります。 また、LED電球の場合は、LEDモジュールを覆うバルブなど大部分が樹脂でできていて、静電気が起こりやすくなります。ただし、静電気に関しては、多くの製品で防止するための回路が設けられているようです。器具との相性が悪い
LED電球に関しては、利用用途に応じて密閉形器具対応や断熱施工器具対応などのパッケージ表示を確認の上、購入して取り付ける必要があります。未対応製品を使うと寿命が低下するだけでなく、事故の原因にもなりかねません。 初期のLED電球や低価格のLED電球は使用制限された商品が多いようです。また、調光機能付きの照明器具に取り付ける場合は、調光器対応の製品を使ってください。反対に、調光機能がない照明器具には、調光器対応の製品は取り付けないほうがよいでしょう。湿気によるダメージ
半導体であるLEDは、湿気にも弱いという欠点があります。食卓の上など、湯気が上がる場所のペンダントライトが、防湿照明器具ではないこともあるでしょう。湯気に直接さらされることになりますので注意が必要です。 また、一体型であれば防湿型や防雨型のLED照明器具が市販されています。例えば、風呂場の照明をLEDに変更する場合は LED浴室灯に器具ごと取り替えることをお勧めします。まとめ
白熱灯や蛍光灯とは違うLEDの発光原理や性質について知っておくことで、LEDを長持ちさせることができるはずです。LED照明は、発光効率や放熱技術などが進歩し性能が向上しています。また、様々な用途のLED照明器具やLED電球などが発売されていますので、照明器具のLED化を早めに検討してはいかがでしょうか。商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
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