結構ですの意味や言い換え表現は?敬語/結構でございます/類語
「結構でございます」という言い回しは「結構です」の目上に使う敬語表現ですが、使い方や理解が難しい言葉です。何故なら「結構です」という表現は肯定と否定といった、真逆の意味合いを持ち合わせている言葉だからです。文脈によってその意味を理解し使い分ける言葉になりますのでここではその使い方を紹介します。
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目次
結構ですの意味とは?
結構ですの意味①ビジネスメール等において不要である旨を表す言葉
結構ですの意味の1つ目として、ビジネスメール等において不要である旨が挙げられます。何かに対して断りを入れる場合にも使われる表現になります。「いりません」という言葉よりも丁寧な言い回しの断り文句になっています。ただし、会話の中では言い方によって相手に不快感を与える場合もありますので注意が必要です。
「今回の納品は結構ですので次回お願いします」という形で使うと、相手に対して明確な拒否を示しつつも、「いりません」「不要です」といった表現を使うのに比べて柔らかい言い回しになります。結構ですという表現を使う上で、もっとも一般的な意味合いになりますのでまずはこの意味合いをしっかり押さえておきましょう。
結構ですの意味②物事に対する承認を表す旨
結構ですの意味の2つ目として、物事に対する承認を表す旨が挙げられます。先ほどは断ったり不要である旨を表す場合に結構ですという言い回しを使うと説明しましたが、同じ言葉を使って逆の意味合いを表すことがあります。「この企画を進めていただいて結構です」という使い方は企画を承認する意味合いを示します。
結構ですという言葉は否定と承認の両方を表しますので、このことを利用して「結構です」と断った人に対して商品を送り付けて「結構です」と商品の購入を承認したとして問題になったケースがニュースになったこともしばしばあります。このように結構ですという言葉は使い方や捉え方に注意が必要な言葉になります。
結構ですの意味③物品に対する高評価
結構ですの意味の3つ目として、物品に対する高評価が挙げられます。「結構なものをいただきましてありがとうございます」といった言い回しに代表されるように、物品を高く評価する場合にも結構という言葉が使われます。「企画書は素晴らしい出来栄えです。結構ですね」といった形でも使われます。
肯定と否定、そして高評価と結構ですという言い回しは本当に様々な使われ方をします。自分が結構ですを使う場合には相手をミスリードしないように気を付ける必要がありますし、相手方の言葉を理解するためにはその文脈をしっかり分析する必要があります。ここからは結構ですを使う際の注意点を見ていきたいと思います。
結構ですを使う際の注意点は?
結構ですを使う際の注意点①紛らわしい状況では使わないようにする
結構ですを使う際の注意点の1つ目として、紛らわしい状況では使わないようにすることが挙げられます。その状況で「結構です」という言葉を使うと、承認を意味しているのか否定を意味しているのかがわからない、または勘違いされるシチュエーションでは結構ですという表現は避けた方が無難でしょう。
結構ですは、1つの言葉で真逆の意味を表す珍しい言葉ですので、このことは意識してもしも少しでも勘違いをされるような可能性が想定されるのであれば「承認します」「不要です」といった、はっきりと分かる表現を使うようにしましょう。若干敬語の要素に欠けるとしても、認識相違が起きるよりはマシだと言えます。
結構ですを使う際の注意点②後の文章に指示を付け足す
結構ですを使う際の注意点の2つ目として、後の文章に指示を付け足すことが挙げられます。承認か否定かに関して少しでも認識相違が起きる可能性がある場合には使わない方がいいことを説明してきましたが、認識相違を起こしづらくする方法も紹介したいと思います。
例えば「それは結構ですので撤収してください」「結構なので順次進めていってください」といった表現は、文章の後ろに付けたされた指示のニュアンスから、前者の文章が否定を表し後者の文章が承認を表す旨がはっきり分かるようになっています。このように指示を付け足すことで明確に相手方へ意思を伝えることが可能です。
結構ですを使う際の注意点③目上の人には使わない
結構ですを使う際の注意点の3つ目として、目上の人には使わないことが挙げられます。目上の人に対して使うと失礼な印象を与えてしまうこともありますので、目上の人がいる場面では使わない方が無難であると言えます。「です」という丁寧語が付いているものの敬語表現としての役割を果たさない場合もあります。
ただし高評価を意味する場合においては、相手が目上であっても遠慮なく使うことができます。「結構なお品をいただきありがとうございます」「この盆栽は結構(な出来栄え)ですね」といった形で使うことができます。
また、否定を表す場合には「結構です。ありがとうございます」という形で少しでも柔らかい言い回しになるように心がけましょう。また、基本的に目上に対して承認を出すという場面は少ないはずですが、「結構です」と伝えるよりは「お願いします」と伝えた方が丁寧であると言えます。
結構ですを使う際の注意点④類語や言い換え表現も状況に応じて使い分ける
結構ですを使う際の注意点の4つ目として、類語や言い換え表現も状況に応じて使い分けることが挙げられます。結構ですという表現を使うことで目上の方に対してだけでなく、角が立ってしまう状況は少なからずあります。そのためそのような事態を招かないようにするためにも類語や言い換え表現との使い分けが必要になります。
結構ですの言い換え表現は?
結構ですの言い換え表現①遠慮いたします
結構ですの言い換え表現の1つ目として「遠慮いたします」が挙げられます。「遠慮いたします」は、否定を表す表現になります。「今回は遠慮いたします」「研修会への参加は遠慮いたします」といった形で、何らかの機会を拒む場合に使われる表現になります。ビジネスにおいてよく使われる言い回しになります。
「遠慮いたします」は「結構です」という言い回しが使えるシーンでも置き換えて使うことができます。ただし結構ですよりもやや柔らかく断る言い回しになるので、はっきりと断りたい場合には結構ですをはじめとした他の否定表現を選択した方がいいかもしれません。
結構ですの言い換え表現②お断りいたします
結構ですの言い換え表現の2つ目として「お断りいたします」という表現を紹介します。この表現は「遠慮いたします」よりも「結構です」よりもさらに相手方の申し出を強く断る言い回しになっています。丁寧語の表現にはなっているものの、否定の要素が強すぎて相手方が失礼に感じるシーンも少なくないので注意が必要です。
「今回の申し出に関してはお断りいたします」とビジネスで言ってしまうと角が立ちます。しかし同じ言い回しでも「今回のお申し出につきましては、非常に残念ではありますがお断りいたします」と、前後を柔らかくするだけでも「お断りいたします」をそのまま使っても印象は変わります。
「お断りいたします」という表現は、強く断りたい、あるいは拒否をしたい場合には使いたい言葉になりますので、そのような状況では例文のようにニュアンスの強弱を調整しながら使うようにしましょう。
結構ですの言い換え表現③結構でございます
結構ですの言い換え表現の3つ目として「結構でございます」という表現が挙げられます。「結構でございます」という表現は謙譲語表現であり「結構です」と言うよりも同じ意味で丁寧な表現になります。「今回の参加は結構でございます。次の機会にお願いします」「ご提案の内容で結構でございます」といった形で使います。
ただし「結構でございます」という表現は非常に丁寧な印象を与える謙譲語の表現になりますので、使う場所を間違うと相手との間に距離を作ることになりかねません。「結構でございます」という表現は、本当に丁寧な表現が必要な状況でだけ使うようにしましょう。
結構ですの言い換え表現④承認します
結構ですの言い換え表現の4つ目として「承認します」という表現が挙げられます。この表現は結構ですの承認を表す意味合いでの言い換え表現になります。「来期の予算についてはこの内容で承認します」といった形で使うことができます。
この表現は基本的に目上から発信する表現になりますので、相手が目上の場合は控えた方が良いでしょう。また、結構ですという表現が否定を表すニュアンスと勘違いされやすい状況では「承認します」を使った方が相手に伝わりやすくなります。
結構ですの言い換え表現⑤大丈夫です
結構ですの言い換え表現の5つ目として「大丈夫です」という表現が挙げられます。「大丈夫です」という表現も、肯定と否定の両方を表します。「この企画書で大丈夫です」「追加は大丈夫です」という2つの「大丈夫です」はそれぞれ逆の意味合いを表しています。結構です同様に使い方に注意が必要な表現です。
「大丈夫です」という言葉をビジネスメールで使う場合や、敬語の言い換え表現をはじめとして、例文もまじえながら分かりやすく説明したおすすめの関連記事が下記になりますので、こちらも併せて読んでみてください。結構ですと「大丈夫です」という2つの言葉が使い分けられるようになると表現力が上がることでしょう。
ビジネス敬語を学びたい人におすすめの書籍は?
ビジネス敬語を学ぶおすすめの書籍①敬語の使い方が面白いほど身につく本
ビジネス敬語を学ぶおすすめの書籍の1つ目は「敬語の使い方が面白いほど身につく本」です。この本は合田敏行氏があさ出版から出版しています。敬語の使い方についてよく使うものから上級者向けの難しいものまで、詳細に分かりやすく説明されている一冊であり、今敬語に自信がある人も再確認で読むと勉強になるでしょう。
またこの本は日本語としての敬語に言及しているだけの本ではなく、ビジネスにおける実践的な例やビジネスへの考え方も示されている内容であり、社会人目線で書かれている点もおすすめできます。敬語は一つ間違えるだけで大きく信用を損なうこともありますので、社会人であれば是非一度は手に取ってもらいたい一冊です。
ビジネス敬語を学ぶおすすめの書籍②入社1年目ビジネスマナーの教科書
ビジネス敬語を学ぶおすすめの書籍の2つ目は「入社1年目ビジネスマナーの教科書」です。この本は金森たかこ氏がプレジデント社から出版しています。ビジネス敬語を中心とした、ビジネスパーソンが学ぶべきビジネスマナーが幅広く紹介されている本であり、敬語をはじめビジネスパーソンとしての立ち回りが分かる一冊です。
この本は実際にビジネスマナーを学びたい新入社員だけではなく部下を持ち始めたベテラン社員にとっても非常に有意義な一冊と言えます。この本を元に教育を行うことで、敬語の使い方をはじめとして効率良く教育ができるからです。自分が読まなくても会社に一冊この本があれば、役に立つタイミングは少なくないことでしょう。
結構ですと言い回しを状況に応じて使えるようになろう!
結構ですという言い回しには正反対の意味があるので、それぞれの使い方をしっかり把握しつつ使いこなせるようになることで、ビジネスにおけるコミュニケーション力を上げる一助となることでしょう。ここで紹介した「結構です」に関する情報が、あなたのビジネスの中で一日も早く役立つタイミングが来ればうれしいです!
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