「目を通す」は正しい敬語ではない?言い換え表現・類語や例文もご紹介!
「目を通す」の正しい敬語表現をご存知ですか?「目を通す」は、目上の相手に対して用いることができない表現です。この記事では、ビジネスシーンやメールで使える「目を通す」の正しい敬語表現や言い換え表現、類語や例文をご紹介いたします。
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目次
「目を通す」は正しい敬語?
①「目を通す」は敬語ではない
「目を通す」は、敬語ではありません。その為、ビジネスシーンやメールで使用する場合、注意が必要です。「目を通す」とは、大まかに何かを見ることや読むことです。しっかり読み込んだり見たりするのではなく、あくまでも全体を把握する為にサッと読むことを意味します。
②自分の動作に対して用いる表現
「目を通す」は、自分の動作に対して用いる表現です。自分が資料を読んだり、メールを見たりすることを相手に伝える際に使います。「目を通す」を自分の動作に対して用いる場合は、目上の相手との会話やメールで使用することができます。また、後輩や部下などに自分が資料やメールを読むことを伝える時に使える表現です。
- ・こちらの資料を明日までに目を通しておきます。
自分の動作に対して用いる「目を通す」の使い方例文
③目下の相手に対して用いる表現
「目を通す」は、目下の相手に対して用いることができる表現です。会社の部下や後輩に対して使うことができます。書類や資料を、サッと読むように促す時に使います。目下の相手に対してだけでなく、同じ会社の同僚や同期など自分と同等の立場の相手に対しても用いることができます。
- ・来週の打ち合わせで使う資料を添付しておりますので、今週中に目を通すようにしてください。
目下の相手に対して用いる「目を通す」の使い方例文
謙譲語・例文|「目を通す」の敬語表現
謙譲語①拝読します
「目を通す」の謙譲語は、「拝読します」です。拝読は、自分自身がへりくだることで相手を一歩上に立て敬意を示す謙譲語です。目上の相手の行為に対して使うものではありません。その為、必ず自分自身が何かを読む時に用いるようにしましょう。
拝読は、文字や文章を自分自身が読むことに対して使う謙譲語です。グラフや写真など文章でないものに対しては、拝読を使って伝えることは避けましょう。拝読は、「読む」という意味だけでなく「読んで確認する」という意味で使うこともあります。目上の相手へのメールにも使用できる敬語表現です。
- ・承知しました。本日中にこちらの議事録を拝読します。
「拝読します」の使い方例文
こちらの記事では、「拝読の意味は?読むの謙譲語や尊敬語や類語・メールでの使い方も」についてご紹介しております。書類や資料を自分で読んだり、目上の相手に読んでもらう時に使える敬語表現です。ビジネスシーンやメールで使える便利な表現なので、ぜひご覧ください。
謙譲語②拝見します
「目を通す」の謙譲語は、「拝見します」です。拝見とは、自分自身が見ることをへりくだって伝える敬語表現です。目上の相手が見ることに対して使う敬語表現ではないので、注意しましょう。
拝見の対象となるものは、企画書やメールなどの文章だけではありません。展示会や作品、写真やグラフを見ることも「拝見」を使い伝えることができます。ビジネスシーンやメールで幅広く使える謙譲語なので、覚えておきましょう。
- ・メールの添付資料を拝見しました。
- ・来週開催される内覧会の様子を拝見したいのですが伺ってもよろしいでしょうか?
「拝見します」の使い方例文
尊敬語・例文|「目を通す」の敬語表現
尊敬語①ご高覧いただく
「目を通す」の尊敬語は、「ご高覧いただく」です。ご高覧は、目上の相手に対して見てほしいものがある時に使う非常に丁寧な尊敬語です。目上の相手に対して使う敬語表現なので、自分が見ることに対して使わないように注意しましょう。ご高覧の対象となるのは、資料や書類などの文章だけではありません。
商品サンプルや部屋の間取りなど、さまざまなものに対して使うことができます。式典や発表会、会議などのかしこまったシーンでも使うことのできる尊敬語です。また、重要な取引先やお客様などに対してのメールにも用いることができます。
- ・A社からの資料を添付しております。ご高覧いただきますようよろしくお願い申し上げます。
「ご高覧いただく」の使い方例文
こちらの記事では、「ご高覧の意味・類語とは?ご高覧いただければ幸いです等の使い方・例文も」についてご紹介しております。目上の相手に何か見てもらいたいものがある時に使える便利な敬語表現です。参考になりますので、ぜひご覧ください。
尊敬語②ご一読ください
「目を通す」の尊敬語は、「ご一読ください」です。しっかりと読み込んでほしい時に用いる敬語表現ではありません。上司や取引先、お客様などの目上の相手に対し一度読んでほしい資料がある時や、サッと読んでほしいカタログがある時など使います。
「ご一読ください」は、サッと一度読んでほしいですという意向を丁寧に伝えることができる敬語表現です。目上の相手に対し、柔らかい印象を与えることができます。その為、メールや書類などのビジネスシーンで幅広く使用できます。
- ・B社より届きました新店舗の内装案を添付しておりますので、ご一読くださいますようお願いいたします。
「ご一読ください」の使い方例文
目上の相手に「ご一読ください」と敬意を込めて読むことを促した後、読んでくれたことに対してお礼を述べる際には注意が必要です。「ご一読ありがとうございます」と伝えることは避けましょう。ご一読は、サッと読むことを意味するので「サッと読んでくれてありがとうございます」という意味にも捉えられるからです。「お読みくださいましてありがとうございます」や「お読みいただきありがとうございます」と伝えるようにしましょう。
尊敬語③ご清覧願います
「目を通す」の尊敬語は、「ご清覧願います」です。ご清覧とは、目上の相手が見ることを表す敬語表現です。尊敬語なので、自分が見ることに対して用いるものではありません。
必ず、目上の相手が見ることに対して使用するようにしましょう。役員クラスの上司に対して、対面時の会話や電話、メールや書類での報告などにも使うことができます。
- ・新商品のパッケージ案を添付しておりますので、ご清覧願います。
「ご清覧願います」の使い方例文
ご清覧は、目上の相手に見てもらいたいものがある時に使う尊敬語です。資料やメールなど、自分自身が作成したものを見てもらう際に用いるようにしましょう。他社から届いた資料やデータに関しては、「ご清覧」ではなく「ご高覧」が適しています。
丁寧語・例文|「目を通す」の敬語表現
丁寧語①お目通しください
「目を通す」の丁寧語は、「お目通しください」です。目上の相手に対して、読むことを丁寧に促す時に使います。上司や取引先、お客様などに何か読んでほしいものがある際に用いる敬語表現です。
自分が読んだことを伝える際に、「お目通しいたしました」という使い方をするのは避けましょう。「お目通し」は相手が読むことに対する丁寧語であって、自分自身のことに対して使う敬語表現ではないからです。
- ・先日は、内覧会にお越しいただきありがとうございます。壁紙の春の新作デザインが出来上がりました。添付しておりますのでお目通しくださいませ。
「お目通しください」の使い方例文
丁寧語②お目通しいただく
「目を通す」の丁寧語は、「お目通しいただく」です。目上の相手に対して、「読んでもらいたい」という意思や「読んでもらうことは可能か?」という疑問を伝える時に用いる表現です。メールや電話などのビジネスシーンで使うことができます。
- ・新商品のデザイン案を添付しておりますので、お目通しいただければ幸いに存じます。
「お目通しいただく」の使い方例文
類語・例文|「目を通す」の敬語表現
類語①ご査収ください
「目を通す」の類語は、「ご査収ください」です。目上の相手に、よく確認してから受け取ってほしいという意思を伝えることができる敬語表現です。「ご査収ください」と伝える際、確認してほしい対象物となるのは主に書類や資料、金銭です。
- ・セミナーの企画案を添付しております。ご査収くださいますようお願い申し上げます。
「ご査収ください」の使い方例文
類語②ご参照ください
「目を通す」の類語は、「ご参照ください」です。ご参照くださいは、一緒に読むと理解度が高まることを目上の相手に伝えたい時に用いる敬語表現です。自分が読むことに対して用いる敬語表現ではないので、注意しましょう。説明書やグラフなど、プラスアルファで見てもらいたいものがある時に使います。
- ・家具の配置につきましては、添付資料に詳細をまとめております。ご参照くださいませ。
「ご参照ください」の使い方例文
こちらの記事では、「ご参照くださいの意味とは?参照と参考の違いや別紙参照の敬語も」についてご紹介しております。見てもらうことを促す時にビジネスシーンやメールで使える便利な敬語表現です。ぜひ、参考にしてみてください。
言い換え・例文|「目を通す」の敬語表現
言い換え①ご確認ください
「目を通す」の言い換えは、「ご確認ください」です。目上の相手に対し、読んで確かめてもらいたい資料やメールがある時に用いる敬語表現です。「ください」と促す丁寧語で、目上の相手に読むことをお願いしたい時に使います。
自分自身が読んだことに対して、「ご確認しました」という言い換え方をするのは避けましょう。「ご確認」は相手に対して用いる敬語表現である為、自分自身のことに関しては「確認いたしました」という使い方をします。
- ・5社の見積表比較を添付しております。ご確認くださいますようお願いいたします。
「ご確認ください」の使い方例文
こちらの記事では、「ご確認くださいのビジネスメールで使える例文13選!ご査収等類語・英語も」についてご紹介しております。目上の相手に確認してもらいたい時の伝え方として参考になりますので、ぜひご覧ください。
言い換え②ご覧ください
「目を通す」の言い換えは、「ご覧ください」です。「ご覧ください」は、尊敬語で目上の相手に対して使う言い換え表現です。会議やプレゼンで、スクリーンを指しながら「こちらをご覧ください」と伝えることもできます。
また、展示会などでお客様に対して「どうぞご覧ください」と展示物を見ることを、丁寧に促すこともできます。メールや書類では、添付資料を添えている場合に用いることができる言い換え表現です。
- ・新商品のデザイン案を添付しておりますので、ご覧くださいますようお願い申し上げます。
「ご覧ください」の使い方例文
ご覧くださいの前に、「どうぞ」や「よろしければ」などの言葉を添えることで、より丁寧な伝え方ができます。
こちらの記事では、「ご覧くださいの類語・英語は?見てもらうの敬語の使い方・例文13選!」についてご紹介しております。目上の相手に何か見てもらいたい時の伝え方として参考になりますので、ぜひご覧ください。
「目を通す」の敬語表現を知ってビジネスシーンやメールで使いこなそう
「目を通す」は、敬語表現ではないので使う時には注意が必要です。目上の相手に対してビジネスシーンやメールで用いる場合は、必ず敬語表現に言い換える必要があります。例文を参考に、ビジネスシーンやメールで「目を通す」の敬語表現や類語、言い換えを上手に使いこなしましょう。
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