扶養家族とは?親を扶養に入れる条件と方法・メリット・デメリットも

扶養家族とは、老親などの基本的には一定収入以下の人を養っていることを指し、税金上、また社会保険上様々な恩恵を得ることができます。ここでは扶養に入れる条件や方法、そしてそのメリットやデメリットも分かりやすく、あるある事例も取り入れながら紹介していきます。

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扶養家族とはそもそもどういうもの?

扶養家族とは親などの家族を養い扶養に入れることに端を発する

レクチャーする光景

扶養家族はそもそもどういうものという疑問への回答ですが、親などの家族を養い扶養に入れることに端を発することが挙げられます。そして、扶養家族には税制上や健康保険上の恩恵が受けられるよう、国が補助している制度が扶養家族です。

日本は少子高齢化が進んでおり、その要因としては若い世代が家族を持ちにくいと感じる社会制度が挙げられます。扶養家族については昔からある制度ではありますが、日本において労働している世帯が家族を持ち、また家族を養いつつも経済状況を良好に維持するための大きな国策の一つであると言えます。

扶養家族の制度がなければ労働世帯は共働きがマストとなり子供を持つことが難しくなりますし、また親が引退した後の親への心配やその援助の負担も大きくのしかかってくることになります。扶養家族の制度があることで、労働者は家族を維持し安心して働くことができるのです。

扶養家族とは税制上の扶養控除を受けることができる

本と貯金箱

扶養家族はそもそもどういうものという疑問への回答は、税制上の扶養控除を受けることができることです。扶養家族がいる状況だと、家族の状況により得た収入に比べて低い税金額で済むこととなります。何故なら扶養家族の制度により、単身世帯で同じ金額を稼ぐよりも税金額が抑えられることとなるのです。

当たり前のことではあるのですが、例えば単身で年収500万円で生活をするよりも4人家族で親と同居しながら年収500万円で生活をする方が生活水準が下がることは明白です。そうなると家族を持つデメリットが大きくなり、わざわざ家族を持つ人が少なくなります。

政府としてそのデメリットや格差を埋めるために扶養家族の制度で家族持ちをサポートしているのです。扶養控除の制度により、所得を再配分していることになります。

扶養家族とは被扶養者は社会保険等の恩恵を受けることができる

計算する光景

扶養家族はそもそもどういうものという疑問への回答は、被扶養者は社会保険等の恩恵を受けることができます。ここでの社会保険とは健康保険を指し、健康保険があることで病院を受診しても全額負担せず、3割の負担で治療を受けることができます。この制度がないと安心して治療を受けることができないでしょう。

社会保険に関しては基本的に社会保険料がかかるデメリットくらいしかないのですが、この制度を利用すればそれを払わずに健康保険に加入できます。健康保険に加入する以上に日本で医療を受けるにあたり、医療費をセーブする方法はありません。そのため、保険料免除でこれを利用できるというのは非常に大きなことと言えます。

扶養家族になるメリットと扶養控除とは?

扶養控除とは扶養家族がいるとその人数により税金が一部減額されること


お札と瓶

扶養控除とは、扶養家族がいるとその人数により税金が一部減額されることです。扶養控除があることで、その一家の家計を支える給与所得者が高収入であっても、免税される恩恵があるため、家計における大きな経済効果を期待できます。扶養控除は会社員の場合は年末調整において申告することになります。

仕組みとしては基本的に扶養家族1人につき38万円が控除されることになります。また後述していますがこの扶養家族は家族の人数とはイコールにならない場合もあり、例えば自分と親、妻と子で扶養家族が8人というカウントになる状況も出てきます。このような場合は304万円が控除される計算になるのです。

ちなみに控除というのは扶養をしている給与所得者の税金が扶養家族1人あたり丸々38万円引かれる、という意味ではありません。税金を計算する元の金額から38万円が引かれるということです。しかし所得税は累進課税で収入が上がるほど税率も高くなるので、控除によりその金額が下がれば税額だけでなく税率も下がります。

扶養家族になるメリット①個人の社会保険料なしに健康保険を利用できる

3人での仕事

扶養家族になるメリットの1つ目は、個人の社会保険料なしに健康保険を利用できることです。社会人であれば誰もが年金や健康保険の金額が高いと悩むものです。例えば社会保険加入の会社で標準報酬額20万円の場合、毎月の健康保険料は9900円となります。これはあくまでも個人負担の金額となります。

社会保険の場合は会社側が半額負担しているためにこの金額で済んでいますが、個人で国民健康保険に加入する場合にはこの金額よりは高くなる場合の方が多くなります。扶養家族の制度を利用することで、この高額な健康保険料が無料になるのです。給与所得者はもちろん支払い義務はありますが、扶養家族は免除となるのです。

また、社会保険については加入するには週30時間以上、また2ヶ月以上の長期契約で労働をする必要がありますし、適用事業所で働く必要もあるため、加入についてはそう簡単ではありません。そう考えると保険料免除で健康保険に加入ができるという恩恵は非常に大きなものであると言えます。

扶養家族になるメリット②家計全体で節税になり被扶養者も働きやすい

自炊の風景

扶養家族になるメリットの2つ目は、家計全体で節税になり被扶養者も働きやすいことです。扶養家族は扶養をする側の給与所得者の節税になるのはもちろんですが、被扶養者の方も節税効果があります。何故なら日本は累進課税であり、収入が低ければ払う税金も非常に少なくなるからです。

日本の税金の制度では段階的に税率が上がっていくことになります。そのため税率が上がる手前の金額に収入を押さえることで、下手に収入を上げるよりも手取り額が増える状況もあり得るのです。そのため、給与所得者と被扶養者の収入で家計がやりくりできるなら健康保険のメリットもあるためベストな収入状況と言えるのです。

そして親の場合は年金を払い終わっていることが少なくないですし、収入要件を満たせば会社員の配偶者は国民年金の第三号被保険者となり、年金の支払いも免除されることとなります。そのため扶養家族の制度を上手に利用することで社会保険の恩恵をしっかり受けつつ、税金や社会保険料を節約することができるのです。

扶養家族になると発生するデメリットは?

扶養家族になると発生するデメリット①一定の収入を超えて働けなくなる


ふらつく男性

扶養家族になると発生するデメリットの1つ目は、一定の収入を超えて働けなくなることです。扶養家族の収入要件が当てはまらなくなれば、当然扶養家族ではなくなり扶養家族としての恩恵を受けることができなくなります。そのため、働ける量や稼げる金額は扶養でない人に比べると低水準になる傾向があります。

扶養家族になると発生するデメリット②労働時間や収入のコントロールが必要

風になびくカレンダー

扶養家族になると発生するデメリットの2つ目は労働時間や収入のコントロールが必要になることです。例えばパートをしている場合に一定の年収を超えそうな場合に、扶養に入っているので今月はこれ以上はシフトに入れない、といったことも起こり得ます。そのため現在働いている職場に迷惑をかけるようなシーンも出てきます。

そのようなことで迷惑をかけると職場が雇用を継続してくれなくなり、失業をするようなこともあり得るでしょうし、会社が給料をアップするという申し出について素直に喜べなくなるような状況も出てきます。扶養家族になると収入のコントロールが必要になり、状況によっては相手方に迷惑をかける状況も出てくるのです。

親を扶養家族にするには?条件と方法

親を扶養家族にする条件と方法①同居じゃなくても親と子が生計を共にする

家族で買い物

親を扶養家族にする条件と方法の1つ目は、同居じゃなくても親と子が生計を共にすることです。親を扶養家族にする方法を説明するにあたり、生計を同一にすることが非常に大切であると言えます。生計同一を証明しつつ扶養家族の申請をし認可されることが扶養家族にする方法となりますのでその事実があるかどうかが大切です。

ちなみに扶養家族の申請については健康保険に関する申請と所得税法上の申請は別で必要になってきます。また会社員か自営業かでもその申請方法は大きく変わってきますし、申請の要件や申請の方法も都度変わりますので詳細は申請の必要が出てくるごとに、申請に間違いが出ないように確認するようにしましょう。

親を扶養家族にする条件と方法②年金収入のみの場合は130(180)万円

お金のある風景

親を扶養家族にする条件と方法の2つ目は、年金収入のみの場合は130万円(60歳以上の場合もしくは障がい者の場合は180万円)となります。これは健康保険に加入するための扶養家族の条件となり、所得税法上の扶養家族の条件についてはこの条件とは異なってきます。

健康保険の加入要件の方が金額が高くなっているため、一旦この金額をクリアしていれば扶養家族に入る要件は満たしていると言えます。あとは収入要件や家族の状況に応じて必要な扶養家族の恩恵を受けることとなります。少しでも条件が変わると加入の可否や受けられる恩恵が変わってきますので、都度確認が必要です。

親を扶養家族にする条件と方法③健保加入はより厳しい収入要件となる


商談の風景

親を扶養家族にする条件と方法の3つ目ですが、健保加入はより厳しい収入要件となることを押さえておきましょう。ここまで何度かお伝えしていますが扶養家族になる目的が何なのかによって、扶養家族に入れる条件が変わってきます。節税目的で不要に入れるよりも、健保加入のために扶養に入れる方が金額要件が上がるのです。

所得税の扶養控除の要件よりも健康保険の方が金額のバーは高いのですが、扶養する人の年収の2分の1以下であるという条件や、別居の場合は扶養する家族から援助されている金額よりも収入が低いことが条件になります。

金額のみを見ると所得税の扶養控除で不要に入れる方が要件が厳しいのですが、健康保険に関しては金額要件が緩和されているものの、扶養者の半額以下の年収であることや、別居の場合の援助金額以下という要件が加わる分、所得税の扶養控除は要件に当てはまるのに健康保険は扶養で加入できないことが少なくないのです。

扶養にできる家族に人数制限はあるの?

扶養にできる家族に人数制限はない

笑顔の女性

扶養にできる家族に人数制限はありません。扶養の条件に当てはまれば何人でも扶養家族にすることができますので、人数制限の要件に達してしまったばかりに親を扶養に入れることができないということもありません。例えば夫婦で住んでいて両親も同居しており、さらに子供が2人入れる場合は条件に合えば全員扶養にできます。

ただし赤の他人を扶養にすることはできず、親族もしくは姻族である必要はあるので注意が必要です。また、親族と姻族で要件が変わってきますし、親族であっても同居か別居かによって条件が変わってきますので、人数制限よりも扶養したい家族一人ひとりの要件を確認することの方が大切になってきます。

扶養に入れる人数に制限はないが扶養にできる家族は基本3親等内の家族

見上げる女性

先述の通り扶養に入れる人数に制限はないのですが、扶養にできる家族は基本3親等内の家族になります。簡単にまとめると、3親等内の親族は同居・別居を問わず扶養に入れることができ、3親等内の姻族の場合には同居の場合のみ扶養に入れることができます。そして収入要件については60歳未満が否かで変わってきます。

ここに該当するのは父母(義父母)、配偶者、祖父母、曾祖父母、子、孫、兄弟姉妹です。実際に血が繋がっている人が親族であり、婚姻により親戚関係になった人たちが姻族と呼ばれます。特に義父母を扶養に入れるかどうか議論されることは多く、義父母の場合は実父母と違い同居が扶養に入れることができる要件となります。

扶養家族の所得税法上の扶養とは?

扶養家族には所得税法上と健康保険制度上の違った条件がそれぞれ存在する

本と男性

扶養家族には所得税法上と健康保険制度上の違った条件がそれぞれ存在します。ここまででも扶養家族について所得税法上の扶養控除の制度と健康保険制度上の加入制度について説明をしてきた箇所がありますが、これらは「扶養家族」という同じ言葉を使う制度であっても違う制度と認識しておいた方が理解がスムーズになります。

扶養家族になることにはメリットもありますがデメリットもあり、目的が達せられなければそのメリットを享受することもできず、それどころかデメリットとなる制限だけが足かせとしてのしかかってくる可能性もあります。

そのためまずは何のために扶養に入れるのかその目的を確認しつつ、不要に入れるのに必要な手続をするために要件を確認する必要があります。

所得税法上の扶養家族とは要件に入る延べ人数で実際の家族の人数と異なる

家族写真を撮る風景

所得税法上の扶養家族とは、要件に当てはまる延べ人数であり実際の家族の人数と異なります。例えば配偶者を扶養に入れる場合、その配偶者の年収が所得税法上の扶養家族の要件に当てはまり、かつその配偶者が障がい者である場合「配偶者」「障がい者」の2人というカウントになり2人を扶養してる計算で税金が控除されます。

また、子供の要件については16歳未満という年齢要件がありますので、18歳の子供と一緒に住んでいても扶養家族にはなりません。両親や祖父母に関しては年齢要件はないのですが、子供については年齢要件がありますので注意が必要です。

また子供や両親、祖父母についても「障がい者」の要件はあてはまり、子供が1人でも延べ人数で扶養家族が2人以上とカウントされることがありますので認識しておきましょう。

所得税法上の扶養家族は年間収入108(158)万円未満が条件

税金とコイン

所得税法上の扶養家族は年間収入108(158)万円未満が条件です。基本的には108万円が60歳未満の要件であり、60歳以上の場合には158万円未満が所得税法上の扶養家族の条件となります。これは令和元年6月時点での金額となりますので、今後変更になる可能性もあるため注意が必要です。

ちなみに下記の関連記事には所得税や個人事業主の税金の計算が詳しくまとめられています。この記事では扶養家族のことを中心にまとめていますが、所得税のことはより詳しく知っていた方が、還付等で得をすることも少なくありませんので、こちらの記事も時間がある時に確認し、確定申告等税金の申告時に役立ててください!

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税金を計算するには?所得税や個人事業主の場合などまとめて紹介

扶養家族を理解して制度を自分自身の生活を充実させるのに活かそう!

扶養家族を理解して制度を、自分自身の生活を充実させるのに活かしましょう!扶養家族の制度を節税や社会保障の充実に繋げることで同じ収入でもワンランク上の生活を実現することもできます。ただし扶養家族の制度にはメリットだけでなくデメリットもあります。ここで紹介した内容を自身の生活に合わせて役立ててください!


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