回復と快復の意味は?かいふくする・かいふくに向かうなど漢字の違いは?
「回復」と「快復」(かいふく)には言葉の意味に違いと使い分けが存在するのです。今回は2つの言葉の意味の違いや、「ご快復に向かう」「回復に努める」「快復祝い」などこの言葉を使った文章についても使い分け方法をご紹介しますよ!
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回復の意味は?
回復(かいふく)の意味は元通りになること
「回復」という言葉を辞書で索引すると「もとの通りになること」あるいは「もとの順調な状態に戻る事」という意味が出てきます。これから分かるように「回復」とはポジティブな意味で使われる言葉なのですね。決してネガティブな意味の言葉ではありません。
「回復」には「回」という感じが使われます。「回る」という感じですから、元に戻ると言う意味は感じからも予想することができます。もしも、「回復」の意味を忘れてしまったら、漢字をヒントにすると思いだしやすいですね。
回復(かいふく)は常用漢字
「回復」は常用漢字で使われています。ちなみに読み方は「かいふく」です。難しい漢字ではありませんから、読みやすいですよね。常用漢字とは公文書や、新聞など公の場で使用が認められている漢字の事を指します。
つまり、常用漢字として認められていない漢字は、テレビや新聞、雑誌などといった公的な文書では使用することができないように決められているのです。そのため、「回復」を新聞や雑誌などで見ることは多いかと思われます。
快復の意味は?
快復(かいふく)の意味は病気や怪我が治る事
「快復」を辞書で索引すると「病気の治ること」という意味が紹介されています。先ほどご紹介した「回復」よりもさらに限定的になった意味のように感じられますね。ちなみに読み方は「回復」と同じく「かいふく」と読みます。
どの国語辞典を索引しても、「快復」は病気やケガが治ることだと掲載されています。後ほどご紹介しますが、「回復」が状態がよくなることという広い意味で使える点と、この「快復」が病気や怪我といった限定的な意味で使うという点にこの2つの言葉の使い分けが隠されています。
快復(かいふく)は常用漢字では無い
先ほどご紹介した「回復」は常用漢字だとご紹介しました。常用漢字だと、新聞や雑誌と行った公的な文書で使用することができるのですが、この「快復」の場合、常用漢字として認められていません。そのため公的な文書では使用できないのです。
その場合は、怪我や病気に限定されていたとしても「回復」という文字をあてます。少し難しいかもしれませんが、オールマイティーに使える「回復」が常用漢字に設定されていることには納得できますよね。
回復を使うのはどんな時?
回復を使うのはオールジャンルでOK
「回復」を使う時についてご紹介します。「回復」はオールジャンルで使う事のできる言葉です。「快復」が怪我や病気に対してのみ使用される言葉であるのに対比して、「回復」は状態が良くなることであったら、どんなものを対象にしても問題ありません。
もちろん、「快復」の字を使う対象である怪我や病気に対しても「回復」を使用することはできます。「快復」は常用漢字ではないので、その場合は「回復」が「快復」に代わって使われています。
回復を使うのは公文書の時
「回復」を使う場合において、常用漢字であるという点は非常に重要なポイントとなってきます。「回復」は常用漢字であるため、新聞や雑誌などの公的文書で使用が認められています。もちろん私的文書で「回復」を使用しても問題ありません。しかし公的文書では必ず「回復」を使うようにします。
快復を使うのはどんな時?
ご快復を使うのはお祝いや大人のマナーを必要とする時
「快復」を使うのはどんな時なのでしょうか。「回復」と違って怪我や病気に対してしか使う事のできない「快復」ですが、大人のマナーとして、「ご快復おめでとうございます」「快復祝い」などの場合には必ずこちらを使うようにします。
「快復」は常用漢字ではないので、公的な文書で使う事はできませんが、上司や友人のお見舞いや快復祝いの際には必ず「快復」を使うようにしましょう。間違って「回復」を使ってしまうとこの場合はマナー違反になってしまいます。
病気や怪我が治りかかっている時も使える
「快復」という漢字は、怪我や病気に限定して使うことのできる漢字ですが、例えば「怪我がかいふくに向かっている」「病気がかいふくしそうだ」など、まだ完全に快復していない場合には使えるのでしょうか?
結論的に申し上げると、怪我や病気がまだ完全に治っていない段階であったとしても、「快復」の文字は使う事ができます。そのため「怪我が快復に向かっている」「病気が回復しそうだ」という言葉の時でも「快復」を使用しましょう。
回復と快復の漢字の使い方の違い例10選
回復と快復の漢字の使い方の違い例①ご快復する
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、1つ目にご紹介するのは「ご快復する」という言葉についてです。例えばあなたの会社の取引相手が病気で数ヶ月間入院していたとしましょう。数日前に退院した事を相手の会社から連絡されたとします。
その事を上司にあなたが報告する場合、「ご快復なさったそうです」という言葉を使いますよね。この場合「回復」を使うのはNGです。大人のマナーとして、怪我や病気が治る時は「ご快復」の字を使用するべきだとされています。
「部長、昨晩××会社の××さんより連絡がありまして、部長の××さんの病状がご快復なさったそうです。数日前に退院したそうです。」
回復と快復の漢字の使い方の違い例②お見舞い
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、2つ目にご紹介するのはお見舞いの場合の使い方です。あなたの学生時代の先輩がケガで入院していたとしましょう。そんな時学生時代の仲間でお見舞いに伺ったとします。
お見舞いに行くと言う事は、まだ怪我が治っていないという意味ですが、その場合でも「快復」を使うのが相応しいです。「回復」という文字に使われる「回」には、繰り返すという意味が込められてしまっているため病気や怪我の場合は相応しくないとされているのです。
「××先輩、××より先輩が脚の骨を骨折なさったと聞きました。その後お加減いかがでしょうか?御迷惑でなければ××部の数名で快復を祈ってお見舞いにお伺いしたいのですが構わないでしょうか?」
回復と快復の漢字の使い方の違い例③健康に向かう事
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、3つ目にご紹介するのは健康に向かう事です。「快復」という漢字は病気や怪我に対して限定的な使い方をするとご紹介しましたが、崩していた体調が快方に向かっている場合はどちらの漢字を使うのがふさわしいのでしょうか?
例えば、あなたのお母さんが階段から落ちてしまい、肋骨を骨折してしまい入院しているとしましょう。お母さんの知り合いである方から、その後の怪我の具合がどうかという連絡が入ったと想定して例文をご紹介します。
「××様、お気遣い頂きまして誠にありがとうございます。××の娘でございます。母の怪我の具合ですが、快復に向かっており、1週間後には退院できると言われております。」
回復と快復の漢字の使い方の違い例④元に戻るよう努める
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、4つ目にご紹介するのは元に戻るように努める事を表す場合の使い分けです。例えばあなたが体調を崩してしまったとします。その場合は「快復」の字を使って「快復に向かって努める」という言葉がふさわしいです。
一方で、あなたが陸上選手であったと仮定して、最近落ちてきているタイムを元に戻すように努める場合は、「回復」の文字を使用して「回復に向かって努める」と表現するのが正しいです。
「先日夏風邪にかかってしまったが、数日後に控えたプレゼンのため、快復に向かって努めている。」「ここ数年100m走のタイムが落ちているが回復に向けて努めている。」
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑤天候
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、5つ目にご紹介するのは天候に対してです。「快復」の字は病気や怪我に対してのみ使う事ができるとご紹介しました。そのため、天候に対して「快復」を使うのは不適切となります。
天気予報で、昼まで降る雨が午後からは止んで、天候がよくなると予報する場合と想定して、「回復」と「快復」の漢字の使い分け方を見て行きましょう。
本日は広い範囲で雨が降りますが、昼頃には止み、午後からは晴れ間も見えて天気が回復することでしょう。
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑥電車
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、6つ目にご紹介するのは電車です。「回復」はオールマイティーに様々な意味に対して使う事ができるとご紹介しました。そのため元に戻って良い状態になることを意味することであれば電車でも使う事が出来ます。
朝に起った人身事故であるが、救助活動が終了し、ダイヤも回復へと向かっている。
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑦疲労
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、7つ目にご紹介するのは「疲労」に対してです。「快復」という漢字は病気や怪我に限定して使われますが、果たして疲労はどうすれば正しい使い分けになるのでしょうか。結論から申し上げると、疲労の場合は「回復」が適切とされていますから注意しましょう。
連日の徹夜で疲労がピークにきていたが、久々にまとまった睡眠時間を確保できたので、ある程度は回復させられた。
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑧信頼関係
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、8つ目にご紹介するのは「信頼関係」です。「かいふく」という言葉は何も病気や怪我などだけに使われるわけではありません。人間同士の関係性においても使われます。その場合は「回復」という方の言葉を使用しましょう。
××の件によって失われていた××氏との信頼関係が回復に向けて動き出した。
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑨名誉
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、9つ目にご紹介するのは「名誉」という言葉に対しての使い方の違い例です。「名誉をかいふくする」とは良く聞きますが、その場合は「回復」の文字を使用します。
汚職事件によって失われた××の名誉は回復しないだろう。
回復と快復の漢字の使い方の違い例⑩快復祝い
「回復」と「快復」の漢字の使い方の違い例、10個目にご紹介するのは「快復祝い」についてです。「ご快復祝い」とは怪我や病気をしていた人が快復した場合に行われるお祝いの事です。その場合はもちろん「快復」を使うようにします。
××部長のご快復祝いを部署全員で行った。
回復と快復の使い分けをしよう
いかがでしたか?「かいふく」と言う言葉には当てはまる漢字が2種類あり、きちんと使い分けが存在する事がお分かり頂けたかと思います。日本語にはこのように使い分けが必要が言葉がたくさん存在します。以下の記事では「うむ」について紹介しているのでこちらも合わせてチェックしてみてくださいね。
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