臨むの意味とは?望むとの使い方の違いや挑むとの意味の違い・英語表現も

「臨む(のぞむ)」はよく見かける言葉ですが、意味をきちんと把握できていますか?いざ使うとなると少し厄介な言葉です。似た意味合いで使われる「望む」と「挑む」との意味の違いや、英語表現をご紹介します。しっかり理解して、仕事や業務をする際に使う「のぞむ」の間違いをなくしましょう!

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臨むの意味とは?

臨むの意味とは①「目の前にする」や「面する」こと

海を臨めるホテル

臨むの意味とは「何かを目の前にする」や「何かに面する」ことです。「臨」という字には「見下ろす」という意味が含まれているので、景色や場所を臨む時は「高いところに居る」ことになります。

臨むの意味とは②「事態が起こる時に直面する」こと

終わりに臨む女性

臨むの意味とは「事態が起こる場面に出合う、直面する」です。、終わりの場面に出あった時は「終わりに臨む」といい、危険な場面に直面した場合は「危機に臨む」といいます。

臨むの意味とは③「参加する・赴く」こと

重要な打ち合わせの様子

臨むの意味とは、大切な試合や重要な試験などに「参加する」や、ある場所に「赴く」ことです。臨むという言葉を使う場合には「全力で物事にあたる、頑張る」や「緊張感をもって取り組む」という意味が含まれています。また、参加する対象や赴く場所は「公の場所」や「晴れの場所」というニュアンスもあります。

臨むの意味とは④「目上の人から目下の人に対する」こと

何か厳しいことを言いそうな上司

臨むの意味とは「目上の人から目下の人に対する」です。上司が部下に接する時のような場合に使います。これは「臨」という字に「偉い立場から見下ろす」という意味が含まれていることに由来します。

「厳正・厳しい態度」などで「臨む」と使うことができるのは、目上の人が目下の人を叱るなどする場合です。目下の立場から「上司に毅然とした態度で臨む」などと使うことはできませんので、注意しましょう。

臨むと望むの意味の違いと使い分け方は?

臨むと望むの意味の違いとは①「目の前にある」と「遠くを眺める」

富士山を一望する

臨むと望むの意味の違いとは、臨むは「目の前にある」で、望むは「遠くを眺める」です。望む時は、遠くのものを目に収めている、はるかに隔てて見ています。遠くまで見渡す意味の「眺望(ちょうぼう)」という言葉は、「望」という字をこちらの意味で使っています。

臨むと望むの意味の違いとは②「参加する」と「希望する」


希望を伝えてくる男性

臨むと望むの意味の違いとは、臨むは「参加する」で、望むは「希望する」です。望むの意味とは、得たい・物事がこうあればよいと「希望する」ことです。こうしたい、こうなりたいなど自分自身や他人に用います。「世界の平和を望む」「就職することを望む」となり、そのまま「希望する」に言い換えることができます。

臨むと望むの使い分け方①「面していれば臨む」で「遠くは望む」

街の景色を一望できるロープウェイ

臨むと望むの使い分け方は、風景や場所が近いか遠いかで判断しましょう。「海を臨む」と「海が面している・目の前にある」こと、「海を望む」は「海が遠くにあるのを眺めている」ことになります。迷ったときは「遠くを見るには望遠鏡」と思い出すと、どちらを使うのがふさわしいか、判断できるでしょう。

臨むと望むの使い分け方②「参加するは臨む」で「希望するは望む」

プロジェクトに臨む人々

臨むと望むの使い分け方は、赴くのか希望するのかで判断しましょう。臨むは「参加する、赴く、行く」で、望むは「希望したり欲する時、願う場合」という違いです。「大会に臨む」でと大会に参加する、「大会での勝利を望む」だと大会で勝ちたい、ということになります。

臨むを使ったときに参加するのは「公の場所や晴れの場所」ということ、臨む時は「全力を尽くそう、頑張ろうという気持ちが含まれている」ことを覚えておきましょう。

臨むと挑むの意味の違いは?

臨むと挑むの意味の違いとは①「直面するのが臨む」で「しかけるが挑む」

疑問を感じている女性

臨むと挑むの意味の違いとは、ある事態に直面することを意味するのは「臨む」で、相手に対してしかけることを意味するのは「挑む」です。挑むの意味とは「戦いや喧嘩をしかける」や「対象と競争する」ことです。張り合ったり勝負をする場合にも使うことができます。

事態や物事に直面しているだけの「臨む」に対して、しかけたり競争したりする「挑む」には、相手に対して敵意を持っているという意味があります。漢字の持つ意味の違いを理解しておくと、言い回しに迷うことがなくなります。

臨むと挑むの意味の違いとは②「緊張感をもって取り組む」か「挑戦する」か

難しい取引に挑む営業マン

臨むと挑むの意味の違いとは、「臨む」は「緊張感をもって取り組む」で、「挑む」は「対象に立ち向かう・挑戦する」です。どちらの場合にも「努力をする」というニュアンスが含まれていますが、困難なことに立ち向かう場合は「挑む」の方を使います。

臨むと挑むの使い分け例文「戦いに臨む」と「戦いを挑む」


理解できない女性

臨むと挑むの使い分け方の例文として、「戦いに臨む」と「戦いを挑む」を見てみましょう。「戦いに臨む」は、戦いの場に赴く・参加する意味になり、戦いに直面している時も使います。「戦いを挑む」は、相手に敵意を持って立ち向かい、戦いを申し込んでいます。

仕事や業務に「のぞむ」場合の適切な漢字は?

仕事や業務に取り掛かる時は「臨む」

業務に臨む人

仕事や業務に取り掛かる時に使う「のぞむ」は「臨む」です。例として「新しい業務に臨む」となります。臨むの意味③の「参加する」として使っています。ニュアンスとしては、仕事や業務に緊張感を持って参加する、ということになります。

仕事や業務で上司が部下に対する時は「臨む」

上司に叱られる部下

仕事や業務で、上司が部下に対する時に使う「のぞむ」は「臨む」です。臨むの意味④の「目上の人が目下の人に対する」として使っています。

仕事や業務で成果を期待する時は「望む」

給料アップを期待している人

仕事や業務で、成果を期待する時に使う「のぞむ」は「望む」です。望むの意味①の「希望する」として使っています。「希望する」という言葉に言い換えることができる場合は、こちらの「望む」を使いましょう。

臨むの使い方例文5選

臨むの使い方と例文①海に臨んだ景色の良いお部屋

海に面した建物

臨むの使い方と例文1つ目は「海に臨んだ景色の良いお部屋」です。海に近いホテル等の、特に眺めの良いお部屋のキャッチコピーでよく使われます。「臨む」は「面している」という意味を持っていますので、遠くの海が綺麗に見える場合は使えません。遠い景色が良く見える場合は「望む」になります。

臨むの使い方と例文②出産に臨む

出産に臨む妊婦さん

臨むの使い方と例文2つ目は「出産に臨む」です。この例文では「臨む」を「物事や事態に直面する」という意味で使っています。大切な場面や特別な時に使います。

臨むの使い方と例文③全国大会に臨む

部活で全国大会に臨む

臨むの使い方と例文3つ目は「全国大会に臨む」です。この例文では「参加する」をいう意味で使っています。参加する大会が全国大会という「晴れの場所」で、「全力で物事にあたる」という意味を持つ「臨む」という言葉がふさわしい場面です。

臨むの使い方と例文④これから会議に臨みます

会議に臨む女性

望むの使い方と例文4つ目は「これから会議に臨みます」です。上記例文③と同じく、参加するという意味で「臨む」を使っています。ただ「会議に出席します」と言うよりも、かしこまった感じと、やる気が感じられる表現になります。

会議に対して、何の準備や予習もなく「とりあえず出席だけしておこう」という姿勢の時は、使わない方が無難です。なぜなら「臨む」には、「緊張感をもって取り組む」というニュアンスがあるからです。

臨むの使い方と例文⑤毅然とした態度で部下に臨む

毅然とした態度の上司

臨むの使い方と例文5つ目は「毅然とした態度で部下に臨む」です。この例文では「目上の人が目下の人に対する」という意味で使っています。部下が仕事でミスをした等で注意や指導をする時に、叱りすぎず、しかし毅然とした態度で接する時に使います。

望むの使い方例文3選

望むの使い方と例文①全国大会出場を望む

全国大会を望む少年たち

望むの使い方と例文1つ目は「全国大会出場を望む」です。この例文では「希望する」という意味で使っています。「全国大会に臨む」と「臨む」を使った場合と違い、この時点では出場が決まっておらず、あくまで希望している状態です。

望むの使い方と例文②富士山を望む景色の良いお部屋

富士山が一望できるお部屋

望むの使い方と例文2つ目は「富士山を望む景色の良いお部屋」です。この例文では「遠くを眺める」意味で使っています。「景色が一望できる」というときも、景色を一度に全部見渡すので「遠くから一度に眺める」という意味です。

望むの使い方と例文③望むところだ!

喧嘩を始めた女性たち

望むの使い方と例文3つ目は「望むところだ!」です。この例文の「望む」は「希望する」の変形タイプです。元々は、対抗する相手が、自分の側にとって都合の良い出方をしたときに使われるものです。しかし、売り言葉に買い言葉的な使い方をされることが多いです。

「おまえに早食い対決を挑む!」「望むところだ!」のように、相手からの挑発や挑戦に対して「上等だ、受けて立つ」と、相手の敵意に対し、受ける側も敵意を持って応じるときに使われます。

臨むの英語表現は?

臨むの英語表現①face・front

海に面している建物

臨むの英語表現として、面する・目の前という意味の「face・front」があります。海に臨んだ部屋は「A room facing the sea」または「A room in front of the sea」です。

また、臨むを直面するという意味で使う場合もfaceで表現します。危険に直面するという解釈で英訳するので「in face of danger」となります。

臨むの英語表現②go to

試験に挑むため勉強する女性

臨むの英語表現として、赴くという意味で「go to」と表現します。戦場に臨むと英語でいう時は「go to the front」です。

臨むの英語表現③participate

運動をする人たち

臨むの英語表現として、参加するという意味の時は「participate」を使います。全国大会に参加するを英語でいうときは「Participate in the national convention」です。

臨むをしっかり理解してスマートに使いこなそう!

しっかりと意味を理解しないと、使い方を間違えてしまいそうな「臨む」という言葉について、解説してきました。景色を見る時は「望む」より近く、物事に対する時は「挑む」とは違って敵意がない、と覚えておきましょう。

大切な試験や会議、重要な式典などに参加する時に「臨みます」と表現すれば、「参加します」と言うよりもやる気が感じられます。自然に「臨む」を使いこなせば、知的な言い回しが身に付きますね!

「臨む・望む」と同じように、よく見かけるけど意味をしっかり把握しておかないと間違えやすい「迎える・向かえる」の違いの記事です。こちらもチェックして、正しく使い分けましょう!

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