敷衍の意味・読み方・類語・例文とは?敷衍する/説明する
あなたは「敷衍する」という言葉を聞いたことがありますか?「敷衍」は何かの説明をされているときなどに、「もっとわかりやすく、くわしく説明してほしい」と思うような場面で使われる言葉です。この記事では、「敷衍」という言葉について、敷衍の本来の意味や読み方、類語や例文をご紹介します。
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目次
敷衍とは?意味・読み方・語源は?
敷衍の読み方・語源:「ふえん」は平らに広げる・水が広がっていく様子
敷衍の読み方は「ふえん」です。語源は、敷衍は「敷」「衍」の2つの字から成り立っている言葉で、それぞれの意味があります。「敷」は、平らに広げるという意味を持っています。敷布団や、風呂敷などをイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
続いて、「衍」は水が広がっていくことを表す漢字です。「衍」は「行」という字と、水に関わる漢字に使われる部首である「さんずい」が使われています。「行」はあちらこちらに人々が行き交う、進むなどの意味を持っています。
「行」という字と、水を意味する「さんずい」と合わせ、(水が広がるように)あたり一面に広がっていく、広く伸びるという意味になりました。そして、この「敷」の平らにひろげるという意味と、「衍」水が広がっていく様子の意味を合わせたものが、敷衍の意味につながっていきます。
敷衍の意味①押し広げる・展開する
敷衍の意味の1つ目は、「押し広げる」「展開する」です。これは、語源そのものの意味で、あたり一面に広がる水のように広げて、展開していくということを言います。
とある1つの知識などを、より広い主題に広げていくこと、例えば、サッカーの上達のトレーニング法をスポーツ全体、さらには健康維持に広げて論議するというようなイメージですね。この押し広げる、展開するという意味が、敷衍の本来の意味なので、覚えておきましょう。
敷衍の意味②詳しくわかりやすく説明すること
敷衍の意味の2つ目は、詳しくわかりやすく説明することです。押し広げる、展開するの意味が転じたものです。何かを説明するときに具体的な例をあげたりして、難しい事柄をわかりやすくすることで、理解してもらいやすくなりますね。
敷衍について2つの意味をご紹介しましたが、一般的には、1つ目の意味である、「押し広げる、展開する」の意味で使われることのほうが多いです。
敷衍の使い方とは?例文5選!
敷衍の使い方の例文①環境問題を世界経済に敷衍し議論するべきです
敷衍の使い方の例文の1つ目は、「環境問題を世界経済に敷衍し議論するべきです。」です。これは、環境問題を世界経済に広げて議論するべきですという意味です。
環境問題というテーマを、環境という1つのテーマの中だけで話し合うのではなく、世界の工業の発展や経済のグローバル化など世界経済が環境汚染や資源の枯渇などに関わっているというところまで話を広げて話し合いをするということを表しています。
敷衍の使い方の例文②教育問題を社会全般に敷衍して論ずる
敷衍の使い方の例文の2つ目は、「教育問題を社会全般に敷衍して論ずる。」です。これは、教育問題を社会全般の問題にまで広げて主張する(話す、書く)という意味です。こちらも教育問題という1つのテーマをより大きな少子高齢化や貧困など社会全体の問題に広げて主張するということを表現しています。
例文の1つ目と2つ目は、敷衍の1つ目の意味である「押し広げる、展開する」の意味での使い方をしています。敷衍の本来の意味の使い方なので、覚えておくとよいでしょう。
敷衍の使い方の例文③この事故は操作マニュアルの敷衍で防げたかもしれない
敷衍の使い方の例文の3つ目は、「この事故は操作マニュアルの敷衍で防げたかもしれない。」です。これは、この事故は、操作マニュアルが詳しく、わかりやすく説明してあれば防げたかもしれないという意味です。この例文では、敷衍の2つ目の意味である詳しくわかりやすく説明するという意味で使用しています。
敷衍の使い方の例文④教授の抽象的な論文を私なりに敷衍しました
敷衍の使い方の例文の4つ目は、「教授の抽象的な論文を私なりに敷衍しました。」です。これは、教授の抽象的な論文を私なりにわかりやすく詳しく説明しましたという意味です。こちらの例文も、例文の3つ目と同様に、詳しくわかりやすく説明するという意味で使用しています。
敷衍の使い方の例文⑤その説明はわかりにくいのでもう少し敷衍するとよい
敷衍の使い方の例文の5つ目は、「その説明はわかりにくいのでもう少し敷衍するとよい」です。これは、その説明はわかりにくいのでもう少し詳しくわかりやすく説明するとよいという意味です。
まわりくどかったり、抽象的すぎたりして、説明されている事柄の意味がわかりにくいことがありますね。そういった場合にこの例文を使います。
この例文でも、敷衍の2つ目の意味である「詳しくわかりやすく説明する」の意味で使っています。この使い方は、本来の意味での使い方ではないとはいえ、一般的なビジネスシーンなどでは使いやすいと思います。
敷衍の類語と使い方例文とは?
敷衍の類語と使い方例文①拡大・拡張・展開
敷衍の類語には「展開」、「拡大」「拡張」などがあります。これらは、敷衍の1つ目の意味に近い類語です。展開の読み方は「てんかい」です。意味は、1つにかたまっていたものを広げること、広がった形になることや広く普及するです。
拡大の読み方は「かくだい」で、大きく広げることを意味しています。拡張は「かくちょう」と読み、範囲や規模などを大きく広げるという意味を持ちます。以下に敷衍の類語である展開と拡大を使った例文をご紹介しますので、参考にしてみてください。
- 1この情報を社内全体に展開してください。
- 2犯罪の低年齢化問題を社会全般に拡大して論ずる。
敷衍の類語の例文①展開・拡大
敷衍の類語と使い方例文②肉付け・詳説
敷衍の類語には、「肉付け」「詳説」などもあります。こちらは、敷衍の意味の2つ目の意味に近い類語です。肉付けの読み方は「にくづけ」です。ある説明や考えにおいて詳細を加えるという意味を持ちます。
詳説は「しょうせつ」と読み、字の通り、詳しく説明するという意味です。この肉付けと詳説は、詳しくわかりやすく説明するという意味においては、敷衍と似たような意味を持つ言葉と言えますね。以下に肉付けと詳説を使った例文をご紹介していますので、参考にしてみてください。
- 1この企画書の基本構成に肉付けして提出する。
- 2この案件については、以下に詳説します。
敷衍の類語の例文②肉付け・詳説
敷衍の英語と使い方例文とは?
敷衍の英語表現はamplification
敷衍の英語表現は「amplification」「expatiate」「explain in detail」などがあります。amplificationの意味は、敷衍・拡大・拡充・増幅です。敷衍の本来の意味に近い表現になります。
もう1つの敷衍の英語表現である、「expatiate」、「explain in detail」には、詳細・詳しく説明するという意味があります。どちらも、日本語では敷衍と訳すことができますが、英語表現の場合は意味を考えて使い分ける必要がありますね。
敷衍の英語表現の使い方例文①この考えはもっと敷衍が必要です
敷衍の英語表現の例文の1つ目は、「This idea needs more amplification.」です。これは、「この考えはもっと敷衍が必要です」という意味です。敷衍の本来の意味である、押し広げる、展開するの使い方をしている例文です。
敷衍の英語表現の使い方例文②それについては彼女が詳しく説明します
敷衍の英語表現の例文の3つ目は「She will explain in detail about that.」です。意味は「それについては彼女が詳しく説明します」です。
ビジネスシーンにおいて、自分がその担当ではなく、相手に詳細な説明ができない場合などに、担当者を紹介するときに使うことが多い文です。覚えておくと便利ですね。
敷衍の中国語の使い方例文とは?
敷衍の中国語の意味とは|いい加減・取り繕う
敷衍は中国語では、いい加減、取り繕うという意味を持ちます。現在は日本語とは異なる意味ですが、本来は同じ意味を持っていました。ですが、明清の小説で「持ちこたえる」という意味で使われるようになり、本来の意味から、適当にごまかすという意味に転じていきました。
敷衍の中国語の使い方は「会敷衍」|例文は「你不要敷衍了事」
敷衍の中国語の使い方として、「会敷衍」という言葉があり、欠点や失敗などをわからないように体裁よく取り繕うことができるという意味です。また、「一直敷衍」という使い方もあります。意味は「ごまかし続ける、隠し続ける」です。さらに、「敷衍了事」はその場しのぎ、お茶を濁すという意味があります。
敷衍の中国語の使い方の例文は「你不要敷衍了事」です。意味は「ごまかさないでください」という意味です。相手が、失敗したことや、こちらに知られたくないことなどを隠して、取り繕い、適当にあしらわれそうになった時に使う文です。
中国語では、敷衍の意味が、日本語での意味と全く異なります。間違って使ってしまうと、相手にとても失礼になってしまいます。ここでしっかり意味を理解して覚えておきましょう。
敷衍することを意識して自分の主張をより理解してもらおう
この記事では、敷衍の意味や読み方、類語や例文、さらには、英語表現や中国語での意味についてもご紹介しました。ある事柄について議論するときには、敷衍することで、その視野が広がり、より有意義な議論ができますね。
誰かに自分の意見や考え方を述べるときは、しっかりと敷衍することで、相手に理解してもらいやすくなります。ただ、相手の話を理解できないとき、敷衍してもらうことも大切ですが、自分の理解力を上げることも大切ですよね。理解力に関わる記事をご紹介しますので、気になる方は参考にしてくださいね。
さらに、「物事を説明するのがどうも苦手」という方も、普段の会話から敷衍することを意識してみましょう。以下に説明が苦手な人の関連記事をご紹介していますので、思い当たる方はぜひ参考にして、説明上手を目指してみましょう!
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