不要と不用の意味とは?違いや漢字の使い分け・無用などの類語も

不要と不用は漢字が異なるだけで「いらない」という同じ意味の言葉だと思っていませんか?日本語は難しいもので同じような言葉でも微妙に意味が異なる言葉が数多くあります。使い間違いでトラブルを招いてしまうかもしれません。今回は意味の違いと使い分けと合わせて、無用などの類義語、例文をおさえていきましょう。

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不要の意味とは?

不要の意味は「いらない」

不要の意味

不要の意味には「必要でない・いらない」という意味があります。これは漢字からもわかるように「不」は否定の意味、「要」は必要という意味があることからきています。

つまり、「なくてもよいもの」「しなくてもよいこと」のことを不要といいます。「無」や「不」、「未」が頭に付く熟語は多くの場合、次にくる漢字の意味を否定する意味で用いられることが多いです。だから、不要においても同じように「要らない」という意味になるのです。

不要の対義語は必要

書きとめる

不要の対義語は必要です。不要が「いらないもの・必要でないもの」という意味であったことからわかるように、必要の意味はその反対で「なくてはならないもの」「しなければならないこと」です。

不要のように否定の漢字を伴った熟語の場合、否定の意味をもった漢字ではない方の漢字が対義語の中に含まれていることが多いです。だから、不要で考えると「不」ではない方、つまり「要」が対義語には含まれているといえるのです。そう考えると、不要の対義語が必要であると覚えやすくなるのではないでしょうか。

不用の意味とは?

不用の意味は「使わない」

不用の意味とは

不用の意味は「使わない」です。こちらも漢字から意味を考えると「不」は否定の意味、「用」は用いる・使うという意味なので、「使わない・用いられない」という意味があります。

「使わない」という意味で用いられることが多い不用ですが、他にも「役に立たないこと・無駄であること」「不都合なこと」「性質などが荒れすさむこと」などがあります。

不用の対義語は必用

必用とめがね

不用の対義語は必用です。この必用の意味はというと「必ず用いなければならないこと」「なくてはならないこと」です。「用」は用いるという意味です。

必用が「必ず用いなければならないこと」という意味になるのは容易に理解できると思います。不用の対義語が必用というのも、不要の対義語が必要というのと同じ理屈で考えると覚えやすいです。

不要と不用の漢字の違いと使い分けは?

漢字から見る不要と不用の違い

考える人

不要と不用では同じ「ふよう」という読みでも使われている漢字が異なるのは一目瞭然です。そこで、漢字に着目して「要」と「用」の意味の違いについてまとめてみます。

まず、「要」の漢字の意味ですが、「物事の大事な点」という意味と「必要であること・入用」という意味の二つがあります。それに対して、「用」に「使う・働かせる・もちいる」という意味と「役に立つ・働きがある」という意味がある。これらに打消しの意味を持つ「不」がつくことで前述の意味となるのです。

漢字の使い分けは「いらない」か「使わない」かで決める

漢字の使い分け

不要と不用の使い分けは、「いらない」の意で使われているか「使わない」の意で使われているかで決めます。不要は「必要でない・いらない」という意味がありました。それに対して不用は「使わない」という意味があります。

このような意味の違いはありますが、不用(使わない)という大きな意味の中に不要(必要ない)という意味が多く重なっていると捉えることができるのです。

不用(使わない)という言葉がもともと存在していて、その後に必要でないという意味を持つ不要という言葉が新しく作られました。だから、意味が重なる部分がでているのです。あえて使い分けを明確にするのであれば、不要は「いらない」、不用は「使わない」で判別しましょう。

使い間違いによるトラブル

困る

「不要」と「不用」の意味は似ているが、ニュアンスの違いは感じていただけたと思います。もし、使い間違ってしまったことによるトラブルは起こり得るのかということを話しておきましょう。

「不要」「不用」ともに「いらない」という意味が含まれています。「いるかいらないか」もしくは「使うか使わないか」ということを重視しない状況下ではどちらを使っても問題ないでしょう。日本語の場合、重なる意味合いの部分も多分にあるので、使い分けがあいまいでもトラブルが起こるということは少ないです。

しかし、話し方や言葉遣いで相手の印象が大きく変わることがあるのも事実です。言葉を正しく使うことでトラブルも回避できます。言葉の使い方について書かれてい記事ですので、参考にしてみましょう。

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「不要」「不用」の類語5選

不要の類語①無用

無用

1つ目の類語は無用です。この無用という言葉には不要と同じように「いらない」という意味があります。それに加えて「役に立たない」「してはならない」「用事がないこと」という意味もあります。

これらの意味から生まれた慣用句が「無用の長物」「無用の用」「無用の人」などがあります。「無用の長物」とはあっても役に立たず、邪魔になるものをいいます。また、「無用の用」とは必要がないものでも、実際は重大な役割を果たしていることをいいます。そして、「無用の人」とは仕事がなく役に立たない人をいいます。

不要の類語②不必要

不必要

2つ目の類語は不必要です。不必要の意味は「必要ない・いらない」「必要ないさま」です。漢字からも「必要」に打消しの「不」が付いていることから意味は想像できると思います。

不必要は名詞であり、「不必要だ」であれば、形容動詞にもなる言葉です。だから、「不必要なものは捨てろ」というように名詞の前につけることもあれば、「壊れたものは不必要だ」というように文末にもってくることもできます。

不要の類語③要らない

要らない

3つ目の類語は要らないです。要らないとは「要る」という動詞に打消しの助動詞が付いた言葉です。意味としては「必要ではない」です。また、「必要のないさま」という意味もあります。文字で表記する際、「いらない」と表記することが多いです。

「必要でない」という意味から「心配は要らない」「今日の天気なら雨具は要らない」などという使い方ができます。また、「必要でないさま」という意味で用いるのであれば、名詞に付けて「要らない荷物」「要らない衣服」というように使うことができます。

不要の類語④用なし

パソコン

4つ目の類語は用なしです。用なしとは不要と同じ「役に立たないこと・入用でないこと」という意味がある言葉です。この意味の他にもう一つ「用事がないこと」があります。

用なしの使い方としては「この壊れた冷蔵庫はもう用なしだ」「小さくなった服は用なしだから捨てよう」というように使います。これは、不要と同じ「役に立たない」という意味での用い方です。 また、「用事がない」という意味で用いるとすれば、「仕事が終わったので今日は用なしだ。」というように使います。

不要の類語⑤余計

余計

5つ目の類語は余計です。余計の意味としては「物が余っていること」「普通より分量が多いこと」「分量が増えること」などがあります。それと「必要な度を超えて無駄なこと」をいいます。この意味が不要と同じ意味合いで用いられることがあります。

不要と同じ意味合いで余計を使うのであれば「余計なことは話すな」「余計なことまで聞かなくてよい」などがあります。また、物が余っているという意味で使うのであれば「食事を余計に作ってしまった」、分量が多いという意味で使うのであれば「普段より余計に食べた」となります。

不要の使い方例文3選

不要の使い方の例文①不要なものを買うのを控えている

買い物

「不要なものを買うのを控えている」というように使います。不要が「必要でない」という意味を持っているので、このように使うことができるわけです。

先述のとおり「必要でない」という意味であることから「不要なものを買うのを控える」という意味は、「必要のないものを買うのを控える」となります。

不要の使い方例文②免許は不要だ


免許

「バイクを運転しない私にとってはバイクの免許は不要だ」というように使うこともできます。この例文に関しても不要を「必要ない」といった意味で使っています。

どういった意味になるかというと「バイクを運転しない私にとってはバイクの免許は必要でない」となります。自分にとって免許はいらないものであるので、こちらの不要を用いているのです。

不要の使い方例文③不要不急の外出を控えてください

止める

「不要不急の外出を控えてください」という例文は天気予報やニュースなどで聞き馴染みがある方が多いのではないでしょうか。ここで用いられている不要についても「必要でない」という意味合いを持っています。

この例文の場合は「必要でない外出、急ぎでない外出は控えてください」という意味になります。前述の例文のように「不要だ」「不要な」など形容動詞を活用させて用いることが多いですが、「不要不急」のように名詞をを並べて使うこともあります。

不用の使い方例文3選

不用の使い方例文①不用な衣類を処分している

使わない

不用が「いらない・使わない」という意味であることから「不用な衣類を処分している」というように使うことができます。これは「使わない」という意味合いで用いていることから、不要と同じ意味合いを持つ部分が多いです。

前述を踏まえると「不用な衣類を処分した」というのは「使わない衣類を処分した」という意味です。「不用品」という言葉がありますが、同じ意味での使い方ということになります。

不用の使い方例文②一般人には不用な道具である

一般人

「一般人には不用な道具である」というように使います。この場合の不用や「使わない」という意味合いよりも、「役に立たない」という意味合いの方がしっくりときます。

このことからどのような意味かというと「一般人では役に立たない道具である」となります。「使わない」という意味でも成り立ちますが、状況に応じて「役に立たない」という意味で捉えた方が適していることがあります。

不用の使い方例文③不用になった家具を捨てて引越しをした

家具

前述の2つの例文と同じような例文が「不用になった家具を捨てて引越しをした」です。この例文で使われている不用も「使わない・いらない」という意味で使われています。

なので、この場合は「使わなくなった家具を捨てて引越しをした」という意味になります。この例文のように「使わなくなった・使っていない」という意味合いを強く出したい場合は不用を用いるのがベストです。これが、「必要ではない・自分にとっていらない」という意味を強調したい場合には不要を使うと良いのです。

中国語の「不要」と「不用」の違いは

中国語における「不要」の意味

考える

中国語でも日本語と同様の「必要ではない」という否定の意味を不要は持っています。この意味で用いるときは日本語と同じように使うと良いです。

それに加えて、中国語では文頭に「不要」をおき、その後ろに動詞を付けて「~してはいけない」という禁止の意味で使うことが多くあります。また、「不要不要」という言葉で中国語では程度が甚だしいことを表します。これから形容詞のすぐ後ろに「不要不要的」とつけると「とても~だ」という意味になるのです。

中国語における「不用」の意味

中国語

中国語における「不用」の意味も日本語と同じく「使わない」という意味があります。これも漢字から派生した意味と考えられます。

また、不用には「~しなくてもいい」という意味があります。これは、「~してはいけない」という禁止の意味ではなく、丁寧な印象で断るときに用いることができます。相手とのトラブルを防ぎ、丁寧に伝えたいときには「不用」の方を用いましょう。

中国語にも無用はある

無用中国

中国語にも無用という言葉は存在しますが、漢字が異なります。日本語では「無」と表現しますが、中国では「无」と書きます。中国語でが「无」がないなど否定の意味を表しています。

日本語の意味と似通っている部分はありますが、動詞・形容詞として存在しています。意味としては日本語と同じ「必要のないこと」「役に立たないこと」があります。それに加えて、「物事をしてはならないこと」という禁止の意味があります。

中国語での「不要」と「不用」の違い・トラブル

違い

今まで中国語での「不要」と「不用」の意味をそれぞれ見てきました。中国語でも「不要」と「不用」では意味が異なり、それによるトラブルがあるかもしれません。それぞれを比較してどのように違うのかをおさえておきましょう。

まず、日本語と同じで「不要」には「いらない」、「不用」には「使わない」というニュアンスの違いがあるということです。この意味の違いによる使い間違いで大きいトラブルを招くことはないでしょう。それ以外にももう一つ大きい違いがあります。

「不要」には「~してはいけない」という禁止の意味がありますが、「不用」にはそのような意味がありません。「不用」は「~しなくていい」という柔らかい言い回しをしたいときに使います。丁寧に言わなければならないところで「不要」を使うとトラブルを招きかねないので、中国語では気を付けて使い分けましょう。

「不要」と「不用」を上手く使い分けよう

いかがだったでしょうか。「不要」と「不用」は同じような意味ではありますが、ちょっとしたニュアンスの違いを使い分けることでトラブルを回避できたり、意図を正確に伝えることができます。「不要」は「いらない」、「不用」は「使わない」と覚えておいて、仕事や日常生活に活かしてみてください。


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