「然り」の意味や使い方8選!「逆もまた」とは?類語や英語表現も
然りとは、その通りであることを意味する言葉であり、逆もまた然りという表現とともによく使われる表現になっています。ここではその使い方や例文を分かりやすく紹介していくとともに然るべきなどの類語表現、また英語表現まで幅広く紹介していきます。
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然りの意味は?
然りとはそうであるという意味で使う

然りとはそうであるという意味で使います。「然」という漢字を使った熟語としては「自然」というものがありますが、この熟語を想像すると意味は分かりやすいかと思います。「自然」とは人の手を加えていない有様を意味する言葉であり、そのままでそうであるべきことを表しています。「然り」にもそのような意味があります。
「然り」という言葉を使うと、非常に堅苦しく聞こえることも少なくありません。例えば「提携然り」と言えば提携して当たり前だ、と言った意味になりますが、「提携するのが自然の流れだと思います」と言っても、「提携然り」という言い回しと同じ内容を伝えることができます。前者の表現を使う人の方が多いかと思います。
しかしながら日本語の表現において、短く端的な表現の方が知的で説得力がある場合がありますので「然り」という言葉を使いこなすことで、ビジネスでは有利に立ち回れることが少なくありません。ここでは、「然り」の使い方を学び状況に応じてアドバンテージを得ることができるよう、この言葉の使い方を見ていきます。
然りは「しかり」と読むため確り(しっかり)と混同しやすいので注意が必要

然りは「しかり」と読むため確り(しっかり)と混同しやすいので注意が必要です。「然り」という言葉は日本語の中でも難しい言葉の部類に入ります。何となく意味は分かっても、自分から積極的に文章で使いこなしている人は少ない表現だと言えます。そのため、ともすると発音が似ている言葉と間違えやすく、注意が必要です。
「確り」という表現があるのですが、これは「しっかり」と読みます。これは一般的によく使われる日本語であり堅固である様であったり、物事が確かである様子を表す言葉です。
現代ではパソコンで書類やメールを作成することが少なくありませんが、ちょっとしたタイピングミスで発音が似ている違った言葉が出てくるようなこともありますので、十分に注意が必要です。「然り」と「確り」は発音が非常に似ていますが、発音が似ている2つの言葉については注意して使い分ける必要があります。
然りの使い方は?
然りには「逆もまた然り」や「然るべき」という同じ漢字を使う表現がある

然りには「逆もまた然り」や「然るべき」という同じ漢字を使う表現があります。基本的に「然」という漢字を使った表現を訓読みさせた「然り」は「然る」とも活用し、そのようにするのが当然だという意味合いで使われる「然るべき」といった言い回しもできます。「然るべき対応」という言葉は聞いたことがあるかと思います。
「然る」は「然り」の活用形であり、「然り」と似た表現をすることもできます。「彼は気が強い。然るがゆえにみんなから頼られる」といった使い方です。これは「然るがゆえに」という言葉が「だから」という言葉の置き換えで使われています。「然り」の活用形「然る」もこのような使い方をすることを認識しておきましょう。
さらに「然り」という言葉を使う場合には「逆もまだ然り」という言い回しで使う場合もあります。これは2つの物ごとを並べて説明をしている状況において、「AだからB」という事実を「BだからA」だと逆の状況も説明する場合に使います。「逆もまた然り」についてはよく使う用例なので、詳細を後述しています。
然りの使い方はそうなって当然である場合・自然な流れを表す場合の表現

然りの使い方はそうなって当然である場合や自然な流れを表す場合の表現です。そのため、「然り」という言葉を使うことで他の類語表現を使うよりも、「そうであるべきだ」「そのような形で当たり前だ」という内容を強く示し、相手を説得することができます。ビジネスで相手を説き伏せたいような時に使いたい表現です。
また説き伏せるというような意図がなくても、何かを説明する際に「然り」という言い回しを使うことで、相手もその説明に対して納得しやすくなります。「然り」という言葉は多くの日本人にとって比較的耳慣れていて何となくその意味は理解しているものの、発言する時には避けて類語表現を好んで使うような表現です。
そのため、あえて物事を説明する時に「然り」という表現を使うことで他の表現を使うよりも簡潔な文章になり、また簡潔なために相手に対して自然に聞こえる表現となるため、説得力が増してくるわけです。ここからは「然り」という言葉の用例を、具体的な例文もまじえながら紹介していきます。
然りの使い方の例文8選
然りの使い方の例文①当然であるという意味での使い方

然りの使い方の例文の1つ目は、当然であるという意味での使い方を紹介します。例文のように使うことで、他の類語を使う場合に比べると簡潔で意味が通りやすい文章を実現することができます。他の類語を使う場合には2文で表現した方が自然ですが、然りを使うことで1文で自然に表現できるというメリットもあります。
彼は周りからの信頼が厚くリーダーへの抜擢は然り、そして今後さらに周囲からの信頼を集めていくことになるのだろう。
然りの使い方の例文②自然な流れをさりげない言い回しで使う表現

然りの使い方の例文の2つ目は自然な流れをさりげない言い回しで使う表現を紹介します。例文は社長が社員に対し演説している場面ですが、然りを2回使い商品のヒットも会社が大きく成長していることもさも当たり前であることをさりげなく言い表しています。そして社員の努力を最大限に称える、心に響く表現になっています。
商品のヒットは然り、そして会社の成長も然り、すべては皆さんの努力の賜物です。私は日々社員の皆さんの努力を見ていて、今期の大幅黒字を決算前から、いや1年前から確信していました。
然りの使い方の例文③逆もまた然り

然りの使い方の例文の3つ目は「逆もまた然り」という表現の例文を紹介します。逆もまた然りという表現は、例文のように使うことができます。例文では要するに彼は外国語全般の習得速度が他の人に比べ秀でていることを示しています。例文のように2つの同じカテゴリを並べて、逆も同時に示したい場合に使う表現になります。
彼は英語が得意なのでロシア語の習得が早かった。逆もまた然りだ。
然りの使い方の例文④単独で使う場合

然りの使い方の例文の4つ目は、単独で使う場合を紹介します。例文のように相手から言われたことへの返答として使うことで、「そうですね」「私もそう思います」などと表現をするよりも簡潔でフォーマルな響きのある言い回しになります。
(彼はリーダーの資質があるから今回は抜擢して正解だったね)然りです。
然りの使い方の例文⑤然りと逆もまた然り両方を使う場合

然りの使い方の例文の5つ目は、然りと逆もまた然り両方を使う場合を紹介します。逆もまた然りという表現の使い方は先述しましたが、然りと併用する場合もあるので例文を紹介しておきます。然りと逆もまた然りを同時に使うことで、逆もまた然りを単独で使う場合よりも文章の説得力が強くなります。
社長のワンマン体制が日に日に色濃くなっている今だからこそ退職を考えるのも然り、逆もまた然りとも言える。もはや社長のワンマン体制には誰も何も言えない状態になっているが、もしも会社を愛しているのであればだからこそ完全にワンマン体制になっていない今だからこそ、会社に残り何か手を打つことを考えるという選択肢もあるのだ。
然りの使い方の例文⑥然るべきを併用して相手を説得する場合

然りの使い方の例文の6つ目は、然るべきを併用して相手を説得する場合です。例文では然りと然るべきを続けて使っていますが、このように使うと「AもBも当然(の流れ)だ」という状況を強調して表現することができるため、相手を説得するような場面ではうってつけの表現となります。
彼はクビになって然り、そして送別会も会社として持たないのも然るべきだ。何故なら彼は会社への貢献は大きいものの、横領という会社への最大の裏切りを続けてきたからだ。
然りの使い方の例文⑦然りを立て続けてにたくさん使う場合

然りの使い方の例文の7つ目は、然りを立て続けてにたくさん使う場合を紹介します。例文では「彼も然り、彼女も然り、そして私も然り」という然りを使った並列の表現を用いることで、誰もが不満を持っているという後の文を強調しより相手に具体的にイメージさせる言い回しになっています。
会社への不満は給料だけでなく上席の傲慢な態度も大きく起因している。彼も然り、彼女も然り、そして私も然り、会社の誰もが不満を抱いている。
然りの使い方の例文⑧当然であることを強調する場合

然りの使い方の例文の8つ目は、当然であることを強調する場合です。例文では「彼がクビになって当然だ」という表現が、言い回しを変えて3回登場しています。然りという言葉を使うことで、このように類語を使い分けながらその流れが当然であることを強調した表現を可能にするのです。
5年間も横領を続けていたのだから彼が会社を追われるのは然り、懲戒解雇は免れないだろう。クビは当たり前のことで、損害賠償についても厳しい対応がとられると思われる。
然りの類語は?
然りの類語①まったくだ

然りの類語の1つ目は「まったくだ」という表現です。「然り」には「然りです」といった形で相手の言ったことに対して全面的に同意する表現があり、まったくだという表現はこの意味合いでの類語表現となります。然りですという返答よりも一般的な返答になっています。
然りの類語②当然

然りの類語の2つ目は「当然」という表現です。「当然」という表現は誰がどのように考えてもそうである、という状況を表す言葉です。例えば「彼は昇進して当然だ」という言い方をすることで、「然るべき」で紹介した例文同様の意味を表すことができます。文脈により「然り」を「当然」に置き換えて使うことができます。
然りの類語③当たり前

然りの類語の3つ目は「当たり前」という表現です。「当たり前」という言葉はそうあるべきだということを表した表現であり「然り」のように文中で使うことも、受け答えで使うこともできます。「彼の昇進は当たり前だ」ということもできますし、昇進した事実を受けて「当たり前でしょ」と事実を受け入れる場合でも使えます。
然りの英語表現は?
然りの英語表現①alsoを使った表現

然りの英語表現の1つ目はalsoを使った表現です。alsoという言葉は前の文章を受けて「もまた」という意味合いで使います。英語の文章で100%「然り」と同じニュアンスを出すことは非常に難しいのですがalsoという単語を使うことで「然り」にかなり近いニュアンスで相手に伝えることができる場合もあります。
It takes effort to make things successful. The talent is also right.(物事を成功させるためには努力が必要だ。才能もまた然り)
然りの英語表現②yesを使った表現

然りの英語表現の2つ目はyesを使った表現です。これは「私もそう思います」「確かにそうですね」という意味合いで「然りです」という受け答えをする場合の直訳として使います。例文のような流れの場合はyesを使うことで「然り」の言葉が持つ意味合いを表現することができます。
It takes effort to make things successful. That's right.(物事を成功させるためには努力が必要だ。然りです)
ちなみに「強いて言うなら」という表現も「然り」同様に日本語色の強い言い回しになりますが下記の関連記事ではその英語表現も紹介されています。こういう記事を一つ一つ確認しつつ英語の言い回しに慣れていくと、いずれチェックしなくてもインスピレーションで直訳することもできるようになりますので参考にしてください。
然りという言葉を使いこなして表現力のアップを図ろう!
然りという言葉を使いこなせるようになることで、特にビジネスのシーンを中心として発言に説得力を増すことができるでしょう。ある時にはより簡単な表現を使って相手に分かりやすく説明し、またある時には「然り」という言葉を使って相手に知的な印象を与える表現を使い分けることで周囲の信頼を得ることができるでしょう。
ここで紹介した「然り」という言葉の使い方をしっかりマスターして表現力の向上に役立てるとともに、ここで紹介したような観点で自分が使いこなせない日本語表現に当たった時に一つ一つ使いこなせるように自分で学びを入れていくきっかけやヒントにしてもらえたら、すごくうれしいです!
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