踏襲の漢字の読み方知ってる?受け継ぐことを意味する言葉・類語・英語も
「踏襲」という漢字の意味、ご存知ですか?簡単に説明すると、「受け継ぐ」という意味を持つ言葉です。しかしあまり日常生活では馴染みのない言葉なので、知らない、聞いたことがないという人も多いと思います。そこで今回は「踏襲」の更に詳しい意味や読み方、類語、英語表現などについて解説します。
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目次
踏襲の漢字の正しい読み方と意味は?
「踏襲」の読み方

「踏襲」は「とうしゅう」という読み方をします。「踏」の漢字の読み方を間違えてしまい、「ふんしゅう」「ふしゅう」などと読んでしまうケースがありますが、誤読となるので注意が必要です。また、「とう」と「しゅう」の順番を入れ替え「しゅうとう」などと読み間違うケースもあります。
「踏襲」の意味

「踏襲」の意味は、「物事や事柄に関わっていた人の思想や方法をそのまま受け継ぐこと」「元々のやり方を保持したまま引き継ぐこと」です。「踏襲」という状況は機械的に作られるものではなく、人々の「受け継ごう」という意思が作り出すものです。日常生活よりも、主にビジネスの場などで使われる言葉です。
踏襲の正しい使い方は?
「踏襲」の使い方①「これは現代まで踏襲されている伝統的なやり方だ」

「踏襲」の使い方1例目は、「これは現代まで踏襲されている伝統的なやり方だ」です。「踏襲」は担当者が変わり、引き継がれるような場面で使われます。またこの言葉を使うことによって、やり方を昔から変えていないことを強調する意味になります。伝統的なものは昔から変わらないので、こういった使い方ができるのです。
「踏襲」の使い方②「前任者の思想を踏襲しながらも、適宜手法を変えたい」

「踏襲」の使い方2例目は、「前任者の思想を踏襲しながらも、適宜手法を変えたい」です。踏襲はやり方を変えないという意味を持ちますが、「踏襲しながら」という表現をすれば「前の方法を受け継ぎながら変化させる」という意味にもなります。新しい手法を模索し続けるビジネスの場などでよく使われる表現です。
「踏襲」を使うときの注意

「踏襲」を使う時には「受け継ぐものは何か」に注意する必要があります。踏襲は、手法や考え方など「人の意思」を受け継ぐ言葉です。遺産や土地など、目に見えるものを受け継ぐ場面では使うことができません。「踏襲」という言葉を使いたい時は、「受け継がれている対象は誰かの意思か」を考える必要があります。
踏襲の語源と由来は?
「踏」という漢字の語源:同じ道を歩む

「踏」という漢字の語源を説明します。基本的に「足を踏み鳴らす」といった意味で使われる漢字です。この意味が変化し、「足跡・道すじをそのままたどっていく」「決まったやり方などに従う」という意味を持つようになりました。
「襲」という漢字の語源:重ねる・位を継ぐ

「襲」という漢字について説明します。「誰かを攻める」という意味で使われることの多い漢字ですが、元々は地位や家系を受け継ぐ、という意味があります。また、「襲」は「龍」と「衣」の2つの漢字からできています。古代では龍の衣を重ねて着ていたことから、「重ねる」という意味も持ったと言われています。
2つの漢字から考える「踏襲」の語源・由来

「踏」「襲」の2つの漢字には、「受け継ぐ」「従う」という意味があります。「踏襲」は、これらの意味が合わさり「前人のやり方に従ってそのまま行う」「決められた事柄を受け継ぐ」という意味を持つようになったと言えます。
踏襲を使った四字熟語は?
「前例踏襲」の読み方・意味

「前例踏襲」の読み方は「ぜんれいとうしゅう」です。文字通り「それまでと同じやり方が続けて行なわれる」という状態を表す四字熟語です。また「前例踏襲主義」という言葉もよく使用され、「仕事や学問などにおける、前例のやり方を第一とする考え方」を指します。これは主に悪い意味で使用される言葉です。
「前例踏襲」の使い方・例文

「前例踏襲」の使い方は「踏襲」とほぼ同じ文脈などで使われます。実際の例文で見ていきましょう。「今までの前例踏襲では成長できないだろう」「私が評価されないのは、前例踏襲主義が根強い会社のせいだ」このように基本的には「踏襲」と同じ意味合いで使用されますが、少々悪い意味合いで表現されることが多くなります。
踏襲と継承の意味の違いは?
「継承」の読み方・意味

「継承」の読み方は「けいしょう」です。この言葉は「何かを受け継ぐ、引き継ぐ」という意味をもちます。継承の対象となるのは「地位」「技術」「財産」といった役割や外面などです。
「踏襲」と「継承」の違い①受け継ぐ対象

「踏襲」と「継承」の違いの1つ目は「受け継ぐ対象」です。「踏襲」はやり方や考え方など、目に見えない人間の意思を受け継ぐときに使われます。一方「継承」は考え方などではなく「財産や身分」などを引き継ぐときに使われ、目に見える・見えないは問題となりません。
また、踏襲は「踏襲しつつ」のように「一部を受け継ぎながら他の部分を変化させる」という使い方が可能です。やり方を変えても根本的な考え方が残っていれば「踏襲」と言えます。一方、「継承」が受け継ぐものは「変えてはいけないもの」です。身分や技術などが変化してしまうと、それは「継承」したことにならないのです。
「踏襲」と「継承」の違い②受け継ぐ行為に善悪の評価ができるか

「踏襲」と「継承」の違いの2つ目は「良し悪しが存在するか」です。「踏襲」は前向きな意味でも否定的な意味でも使用されます。踏襲するべきかそうでないかは第三者の目で判断され、良いか悪いかの評価に繋がります。逆に「継承」には良し悪しが存在しません。対象の長所と短所をそのまま受け継ぐのが「継承」なのです。
踏襲を英語に置き換えると?
踏襲の英語表現①follow

踏襲の英語表現1例目は”follow“です。この単語は「ついていく」という意味を持つ英語です。この意味が変化し、「何かに従う」「以前の方法をそのまま行う」といったニュアンスを持つのです。
「follow」を使用した例文として次のようなものがあります。「He didn't want to follow the pattern.(彼はそのやり方を踏襲したがらなかった)」
踏襲の英語表現②adhere

踏襲の英語表現2例目は”adhere to“です。to のあとに従う対象となる名詞を持ってくることで「~に従う」。つまり「踏襲する」という意味になります。”adhere“単体では使用できないので注意が必要です。必ず”adhere to"の形で使用しましょう。
「adhere to」を使用した例文として次のようなものがあります。「I adhere to the rules.(私は規則に従う)」「You must adhere to the way.(あなたはそのやり方を踏襲しなくてはならない)」
踏襲の英語表現③continue

踏襲の英語表現3例目は”continue“です。この英単語は基本的に「続ける」という意味を持ちます。「受け継ぐ」「引き継ぐ」という意味は持たないので、「何を続けるか」が重要になります。「人のやり方を続けて行う」といった状況で使用される場合に、「踏襲」と訳することができます。
「continue」を使用した例文として次のようなものがあります。「The mayor continues the former mayor's economic policy.(その市長は前任の市長の経済政策を踏襲する)」
踏襲の英語表現④hand over

踏襲の英語表現4例目は"hand over“です。この英語表現は「踏襲」と同じく「引き渡す」「引き継ぐ」という意味を持ちます。ただし、やり方や方法を引き継ぐときには使用されません。この表現が引き継ぐ対象としているのは権力や責任です。
"hand over“を使用した例文として次のようなものがあります。「She will hand over her duties to him.(彼女は職務を彼に引き継ぐつもりだ)」「I handed over my responsibilities to her.(私は彼女に責務を踏襲した)」
踏襲の類語・対義語は?
踏襲の類語①倣う

踏襲の類語1例目として「倣う」があげられます。読み方は「ならう」です。この単語は「何かを手本とし、それをまねて同様に行う」という意味があります。また「何度も繰り返したため、習慣になっている」といった意味もあります。「同じように行う」「繰り返す」という意味を持つことから、踏襲の類語であると言えます。
「倣う」の使い方として次のような例文があげられます。「諸外国に倣った政治を行なった」「右に倣う行動をとることは、悪い結果の原因になる場合がある」
踏襲の類語②維持

踏襲の類語2例目として「維持」があげられます。この単語は「事柄や物事の状態をそのまま持続させる」という意味合いがあります。「何かを変えずにそのまま続ける」というニュアンスがあることから踏襲の類語であると言えます。ただし「受け継ぐ」といった意味は持たないので使用する場面には注意が必要です。
「維持」の使い方として次のような例文があげられます。「対等な関係を維持することが困難である」「このままの成績を維持すれば合格できるだろう」
踏襲の類語③準ずる

踏襲の類語3例目として「準ずる」があげられます。この単語は「調和・一致した上でそのように振る舞う」という意味があります。「前例の通りに振る舞う」というニュアンスを持つことから踏襲の類語であると言えます。ただしこちらも「継ぐ」といった意味合いは持ちません。
「準ずる」の使い方として次のような例文があげられます。「規則に準じて取り扱いを行う」「伝統的な事柄は、前例に準じて執り行わなくてはならない」
踏襲の対義語①革新

踏襲の対義語1例目として「革新」があげられます。この単語は「これまでの方法や事柄を更に良い方向に変化させる」「常識にとらわれず、思い切って現状を変える」というニュアンスがあります。踏襲は「変化させずそのまま行う」という意味ですので、革新は踏襲の対義語であると言えます。
「革新」の使い方として次のような例文があげられます。「新しい大統領は革新的な政策を行なった」「人類の技術の革新には、必ず犠牲が伴っていることを忘れてはならない」
踏襲の対義語②順応

踏襲の対義語2例目として「順応」があげられます。この単語は「取り巻く環境や状況などによって適宜行動を変化させていく」という意味で使用されます。「革新」のように「全てを変える」という強い意味はありませんが、変化するという意味で踏襲の対義語と言えるでしょう。
「順応」の使い方として次のような例文があげられます。「彼は新しい環境にすぐ順応していった」「順応する能力がないとこの世界では生きていけない」
踏襲の対義語③中止

踏襲の対義語3例目として「中止」があげられます。この単語は「物事を途中の段階で取りやめること」を意味します。踏襲は「受け継ぐ・引き継ぐ」といった「続けていく」という意味があるので、中止は踏襲の対義語であると言えます。
「中止」の使い方として次のような例文があげられます。「危険だと判断したため大会を中止した」「ただちにそのようなことは中止すべきだ」
「踏襲」は使い勝手の良い言葉です!
踏襲は読み方も難しく、漢字の印象から敬遠しがちな言葉です。しかし「受け継ぐ」という意味があるとわかれば様々な場面で使用できる言葉でもあります。特にビジネスの場でよく使われる言葉なので、覚えておくようにしましょう。
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