所謂の漢字の正しい読み方知ってる?語源や使い方・類語・所詮との違いも

所謂という言葉は使い慣れないとその漢字を書くことも難しく、また間違った読み方をすることもあります。ここでは所謂という言葉の使い方から、その類語や反対語、そして英語表現まで幅広く紹介し、ビジネスでも日常生活でもこの表現を使って知的な表現が実現できるよう説明しています。

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所謂の正しい漢字の読み方と意味は?

所謂の漢字の読み方は「いわゆる」でこの漢字を「しょせん」とは読まない

積み重ねた本

所謂の漢字の読み方は「いわゆる」で、この漢字を「しょせん」とは読みません。「所」という漢字を「しょ」と読むために「しょせん」と読んでしまうことが少なくないのですが、所謂の漢字の読み方は「いわゆる」となります。そもそも「謂」という漢字を普段使わないために読み方を間違いやすい熟語であると言えます。

「謂」という漢字については「所謂」以外で使うことは中々ないのですが「謂う(いう)」と読み「言う」と同じ意味と読み方で使われます。現代ではほとんど使われない漢字ではありますが、「所謂」という言葉以外でもこういう漢字が使われることや、その読み方をしっかり覚えておくようにしましょう。

所謂は世間一般ではそう言われていることを意味しマッチする英語表現もある

立つ女性

所謂は世間一般ではそう言われていることを意味し、マッチする英語表現もあります。所謂という言葉は、何か難しい説明をした時に、世間一般では〇〇という言い方をされている、といった内容を伝えたい時に使う言葉です。

そして日本語には日本語独特の表現があり、英語訳をすると中々その日本語に100%マッチした英語表現に翻訳できることが少ないのですが、所謂という表現には日本語の表現にマッチした英語の表現もあります。英語表現の詳細については後述しますが、マッチする表現があるというのは珍しいことだと言えます。

所謂の基本的な使い方は「所謂〇〇だ」という形になる

腕を組む男性

所謂の基本的な使い方は「所謂〇〇だ」という形になります。例えば「この国では首に布を巻くのが一般的です。所謂ストールなのですが、実はシルク制が基本であり非常に肌触りがいいのです」といった形で使います。その国で首に巻く布をストールと言わないかもしれませんが、こう言えば日本人にとって分かりやすくなります。

よく混同される所謂と所詮は意味に違いはあるの?

所謂と所詮の意味の違い①所詮は「結局」「最終的に」という意味で使う

勉強する人達

所謂と所詮の意味の違いの1つ目ですが、所詮は「結局」「最終的に」という意味で使います。所謂という言葉が、物事を分かりやすく説明する表現であるのに対して、所詮という言葉は話をまとめる際に使います。例えば「あの人も所詮は普通の先生だった」といった形で使えます。この場合は「結局」という言葉が代用できます。

所謂と所詮の意味の違い②所詮はネガティブな意味合いで使うことが多い

しかめっ面の女性

所謂と所詮の意味の違いの2つ目ですが、「所詮」はネガティブな意味合いで使うことが多い表現です。所謂という言葉はポジティブな場合もネガティブな場合も使えますが、所詮という言葉はネガティブな意味合いで使うことが多い言葉になります。例えば「所詮は彼も男だった」という言い方をする場合は相手を批判しています。

分かりやすい例としては「彼にはずっと期待していたが、所詮は普通の社員と変わらなかった。ビジネスマナーも知らないし、仕事への熱意も特別感じられない」という文章です。彼はずっと特別な存在だと認識されていたようですが、その認識が変わったので例文のような形で説明しています。

所謂と所詮の意味の違い③所謂と所詮は意味も漢字も違うので使い方も異なる

勉強する学生たち

所謂と所詮の意味の違いの3つ目は、所謂と所詮は意味も漢字も違うので使い方も異なります。「所詮」と「所謂」は「所」という漢字を使い、二文字目の漢字は基本的にこの熟語でのみ使うことが多い漢字なので「所謂」を「しょせん」と読んだり、「所詮」を「いわゆる」と読んでしまうことがあります。

読み方を間違えてしまうと、当然言葉の意味やその使い方も間違えることになります。これらは混同されがちなのですが全く違う意味の言葉になりますし、読み方も全然違いますので、「所詮」と「所謂」を使う場合にはそれぞれ注意が必要です。

所謂はこうやって使う!正しい使い方と例文

所謂の正しい使い方と例文①簡単に表現する場合

笑顔の男性

所謂の正しい使い方と例文の1つ目は、簡単に表現する場合を紹介します。簡単な表現の例としては「色んな言い方があるけど所謂ラッピングですね。色々な材料を使って素材を包み込むのがコンセプトです」といった形になります。この場合、ラッピングという言葉が適切ではない可能性も示唆している表現です。

しかしながらラッピングと言った方が相手がイメージしやすいので一度簡単に理解できるようラッピングという言葉を使い、相手に理解させようとしているのです。そのため例文の説明のコンセプトを完全に相手に理解させるためにはここから徐々にラッピングという概念から離れていき、本質を説明する必要があります。


所謂の正しい使い方と例文②要点をまとめる場合

歩く男性

所謂の正しい使い方と例文の2つ目は、要点をまとめる場合を紹介します。要点をまとめる場合には「色々と申し上げてきましたが所謂新規事業になります。今後はこれを既存事業とともに拡大していけたらと考えております」といった形で使います。これまでの説明を「新規事業」という言葉でまとめている例文になります。

ちなみに下記の関連記事は考察の書き方を紹介しているおすすめ記事になります。考察やレポートでも所謂という表現を使い要点をまとめることもありますし、下記の関連記事の内容を参考にすると所謂を使わないまとめ方もできるようになりますので、この記事とともに参考にしてください。

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所謂の正しい使い方と例文③世間一般的な認識を説明する場合

勉強する風景

所謂の正しい使い方と例文の3つ目は、世間一般的な認識を説明する場合を紹介します。世間一般的な認識を説明する場合には「この商品につきましては弊社独自の商標で販売しておりますが、所謂ふりかけです。ご飯だけではなくパスタやうどんにかけても美味しいんですよ」といった形で使います。

例文のように商談をしていると、世の中に出回っている商品を違う名称で販売していることも少なくありません。例文の状況ではどういう商品なのか分からなくても「所謂ふりかけ」という部分で、商品が鮮明に思い浮かぶようになります。この使い方は所謂という言葉の使い方において、一般的な使い方になります。

所謂の正しい使い方と例文④何かに置き換えて分かりやすく説明する場合

2人での仕事

所謂の正しい使い方と例文の4つ目は、何かに置き換えて分かりやすく説明する場合を紹介します。何かに置き換えて分かりやすく説明する場合には「これは所謂エレベーターですね。材木専用のエレベーターだと思ってもらえたら分かりやすいのですが、この板の上に置くと自動的に引き上げられていきます」という形で使います。

この例文ではエレベーターでないものを、上に引き上げるという動きについてエレベーターに置き換えて説明しています。「材木専用のエレベーター」と言い換えることで、相手もその機械がどんなものなのかを分かりやすく説明できているのです。

所謂の正しい使い方と例文⑤物事の結論を説明する場合


ミーティングの風景

所謂の正しい使い方と例文の5つ目は、物事の結論を説明する場合です。物事の結論を説明する場合には「今回は所謂増益ということですね。部門ごとに見ると赤字の部署もありますが、連結決算の財務諸表を参照すると増益ということになりますね」といった形になります。

所謂という言葉は何かの結論を、例文のように使うことができます。所謂の使い方は様々ですが、このように結論を伝える場合に所謂を使うと、相手に対しての説得力が増すケースが少なくありません。ビジネスにおいて、何かを伝えたいと強く思う場合には所謂という言葉を積極的に使ってみましょう。

所謂の語源にはどんなものがある?

所謂は漢文の「所謂」の「謂(い)う所」という日本語の読み方が語源

図書館の風景

所謂は漢文の「所謂」の「謂(い)う所」という日本語の読み方が語源です。漢文には「所謂」という表現があり、日本語に「所謂」も漢文の同じ表現が語源になっています。漢文の表現を日本語読みした時に「いわゆる」という読み方になるのです。

「謂」を奈良時代に「ゆる」と読み「いわゆる」という読みが生まれた

本と貯金箱

奈良時代に「ゆる」と読み「いわゆる」という読みが生まれました。元々「ゆる」という読みがなかったのですが「いう」という読みが「ゆる」に変化した読みが奈良時代にできたため、「所謂」という言葉が「いわゆる」という読みで日本語に定着したと言われています。

所謂の類語・反対語や英語表現はどうなっているの?

所謂の類語①いわば

笑顔の女性

所謂の類語の1つ目は「いわば」です。いわばという言葉は例えて言えばといった意味合いになります。例えば「あの社長は仕事も取って来ないし会社にいて何をしているわけでもない。いわば置物と言っても過言ではないだろう」といった形で使います。所謂と同じ使い方ができる場合もあり、所謂と使い分けたい類語表現です。

所謂の類語②要するに

勉強する女性

所謂の類語の2つ目は「要するに」です。要するにという類語表現は、結論をまとめる時に使う表現であり、「要点を言うと」という意味合いで使う言葉になります。例えば「彼はこの調理場を取りまとめている。要するに料理長だ」といった形で使います。「要するに」も所謂と同じ場面で使うことができる類語表現です。

所謂に反対語は存在しないため状況によりマッチする表現を使う必要がある

ミーティングの風景

所謂に反対語は存在しないため、状況によりマッチする表現を使う必要があります。例えば「あいつは本当に働かない。所謂置物のような存在だ」という言葉があったとすると「あいつは本当に働かない。置物というのも憚られるくらい、存在価値がない」という言葉は置物ですらないと言いたいことを表しています。

一方では置物のようだと言っていて、一方では置物と言えないと言っていることから反対のニュアンスを表していますが、どの言葉を使うと反対語になるのかという決まった表現は「所謂」に対しては存在しません。

所謂の英語表現はcallを使う

アメリカ国旗

所謂の英語表現はcallを使います。例文のような形で使うと、日本語の「所謂」が示すニュアンスをしっかり示すことができます。エンジニアであることを示すだけなら「アイアム」という構文を使うだけになります。callを使った下記の構文を覚えておき、所謂を英語で表現する場合に使ってみてください。

所謂の英語表現

I am what is called a SES engineer.(私は所謂SESのエンジニアです)

所謂という言葉を上手に使ってインテリジェンスをアピールしよう!

所謂という言葉を使うことで、相手にインテリジェンスを感じさせる表現を可能にします。もちろん所謂という言葉を使わない表現も可能であり、状況によって使い分けることで、相手に対して伝わりやすい言い回しになり、また相手に対して説得力のある言い回しが可能になります。

ここで紹介した所謂の日本語・英語の使い方、そして漢字や読み方や類語表現を、相手から信頼を集める言い回しを実現するのに役立ててもらえたら嬉しいですし、所謂のような日本語独特の言い回しがいつまでも広く使われればなお嬉しいです!


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