達観の意味は?「人生を達観してる人」とは|類語・対義語・使い方例文も

あの人は達観した人だ、達観視する、といった風に使うことが多い「達観」という言葉ですが、今回は様々な角度から見たその意味をご紹介します。さらに、使い方や例文、類語や対義語、さらに「人生を達観してる人」の特徴もチェックしていきましょう。

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「達観」の意味は?

「達観」の意味|物事の本質を見抜くこと

しっかり見抜く

「達観」の意味としてまず挙げられるのは「物事を本質を見抜くこと」です。上辺の見た目に惑わされることなく、物事の裏側に注目し真実を導き出すことができる様を表します。たとえば、進行中のプロジェクトなどが炎上し周りがパニックになっていても、冷静に問題点を見つけることができる、そんなスマートな雰囲気ですね。

「達観」の意味|物事の全体を見ること

木でなく森を見る

また「達観」は、物事の本質だけでなく「物事の全体を見ること」つまり「広い視野を持っていること」も表します。「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、この「達観」には「木も森も見ることができる」というニュアンスが含まれています。

「達観」の意味|物事の未来を見通すこと

先見の明

さらに「達観」には、物事の本質や全体だけでなく「物事の未来を見通すこと」という意味もあります。真実を見つめ、広い視野で判断し、そしてそれらの材料をもとに今後起こりうる状況を予測する、いわば「すべて丸ごとお見通し」という非常に聡明なイメージがあります。

「達観」の意味|悟りの境地に達していること

揺らがぬ精神

ここまで挙げてきた意味を総括すると「達観とは物事の本質、全体、未来を見通すこと」であり、それはつまり「悟りの境地に達していること」も意味します。「達観」の「達」は「達する」を意味していますが、その達している地点こそが「悟りの境地」であるということになります。

このように「達観」には様々な側面から見た意味がありますが、たいていは肯定的な意味合いで使われます。さて、ここからは実際に「達観」という言葉がどのような使われ方をするのか、いくつかのフレーズを見ながらチェックしていきましょう。


「達観」の使い方・例文は?

「達観」の使い方・例文①相手を高く評価するときに使うフレーズ

達観した意見の持ち主

「達観」の使い方・例文その1は「相手を高く評価するとき」に使うフレーズです。「達観」は「さすが○○さん、達観してますね!」といった具合に、相手の考え方や姿勢を褒めるときに使うことができます。他の言い回しは下記例文を参考にして下さい。

    【例文】相手を高く評価するときに使う「達観」

  • 彼はいつも達観した意見を述べる。
  • 君は若いながらも非常に達観した考え方をしているんだね。
  • 彼女のあのクールな姿勢は「無関心」ではなく「達観」だ。

「達観」の使い方・例文②相手に注意を促すときに使うフレーズ

目先のことに囚われない

「達観」の使い方・例文その2は「相手に注意を促すとき」に使うフレーズです。「達観」は、考え方の浅い相手に対し「もう少し落ち着いて考えろ」といったニュアンスの忠告やアドバイスをするときにも使えます。具体的な言い回しは下記例文を参考にして下さい。

    【例文】相手に注意を促すときに使う「達観」

  • ここはもう少し達観視した方がよいのではないでしょうか?
  • 「達観」っていう言葉知ってる?もっと賢くなれよ。
  • 君はもっと達観というものを身につけた方がよい。

「達観」の使い方・例文③人生にまつわるセリフとして使うフレーズ

達観の先にある解放

「達観」の使い方・例文その3は「人生にまつわるセリフとして使う」フレーズです。「達観」は「悟り」という意味を内包した言葉でもあるため、しばしば「人生」をネタにした会話や格言などに使われることがあります。具体的な言い回しは下記例文を参考にして下さい。

    【例文】人生にまつわるセリフとして使う「達観」

  • 人生達観すれば怖いものなし。
  • ただ生きるだけなのに大変なことばかり、達観できればどんなに楽か。
  • これだけ長く生きていれば、そりゃ達観もしますよ。
  • 人生を達観すること、それは本当に幸せなことなのだろうか?

「達観」の使い方・例文④気軽に使えるラフなフレーズ

ライトな感覚でも使える

「達観」の使い方・例文その4は「気軽に使えるラフな」フレーズです。「達観」は「物事の本質や先を見通す、広い視野、悟り」といった高尚なイメージのある言葉ですが、もっと気軽に、日常のちょっとしたところで使うこともできます。具体的な言い回しは下記例文を参考にして下さい。

    【例文】日常で気軽に使う「達観」

  • (恋人から理不尽な暴言を吐かれたときに)ここはやはり達観スタイルで行くべきか。
  • (急なアクシデントで取り乱してしまったときに)達観スキルを磨きたい、切実にそう思ったわ。
  • (いつもクールで落ち着いている人に対して)あの人は達観系男子だよね。

このように「達観」という言葉は、様々なシーンで色々な使い方をすることができますが、圧倒的に「カッコイイ」イメージのものばかりでしたよね。さてここからはもう少し踏み込んで、「達観」とよく似た言葉や、反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。類語と対義語のご紹介です。

「達観」の類語・対義語は?

「達観」の類語①悟り

悟りの境地

「達観」の類語その1は「悟り」です。これはもう、そのものズバリといったところですが、本来「悟り」という意味を内包している「達観」は、そのまま「悟り」という表現に言い換えることができます。つまり「あの人は達観してるよね=あの人は悟ってるよね」ということになります。

また「悟り」という言葉独自の意味としては、一般的には「物事に対する気付きや理解が深い様子」を表し、仏教的には「迷いや煩悩などを超え、真理を会得した様子」を表しています。この「深い智慧を持ち、あるレベルにまで到達している」というところが「達観」と共通しています。

「達観」の類語②超越

現実の枠を越える

「達観」の類語その2は「超越」です。この「超越」という言葉は「普通をはるかに超えた様子」を表します。これは「達観」の「あらゆるステージを飛び越えてあるレベルに到達している」という意味の、この「飛び越えて」の部分に共通しています。


この類語の使い方としては「あの人は達観してるよね=あの人は色々と超越してるよね」といった形になります。ちなみに、先ほどの「悟り」が仏教にまつわる用語であるのに対し、こちらの「超越」は西洋哲学や神学にまつわる用語であり「神や意識、事物が枠外で独立して存在している様子」を意味します。

「達観」の対義語①浅はか

軽卒な様子

「達観」の対義語その1は「浅はか」です。この「浅はか」は、読んで字のごとく「考えが浅い様」を表す言葉です。もう少し言えば「思慮不足、認識不足、薄っぺらい、軽卒」といった意味があり、まさに「達観」とは正反対の言葉であると言えます。

使い方としては「あの人は本当に浅はかな人だよね」「そんな浅はかな考えが通用するとでも思っているのか?」といった形になります。「達観」がポジティブな印象で使われるのに対し、「浅はか」はあらゆる側面においてネガティブな印象として使われます。

「達観」の対義語②刹那的

向こう見ず

「達観」の対義語その2は「刹那的」です。この「刹那的」という言葉には「一瞬のもの、目先だけのものに囚われている」という意味があります。特に、後者の「目先だけの」という部分が「達観」とは真逆のポイントです。

先述の通り、そもそも「達観」は「物事の未来を見通す」という長期的な側面を持っていますが、それに対し「刹那的」は「今目の前にあるもの、もしくはほんの少し先のことしか見えていない」という短絡的な側面しか持っていないことになります。つまり、この時間軸における視点の違いが対義であるというわけですね。

人生を達観してる人ってどんな人?

「人生を達観してる人」とは酸いも甘いも噛み分けてきた人

人生山あり谷あり

人生を達観してる人とは「酸いも甘いも噛み分けてきた人」であるとも言えます。物事を達観するには、人生における苦しみや幸せ、あらゆる経験が不可欠です。人生を達観してる人は、社会や人間、この世の汚い部分に翻弄されながらも、途中で出会った希望に励まされながら今まで生きてきた、そんなたくましい人でもあります。

「達観」というと非常にクールで落ち着いたイメージですが、その裏には実は、人生の荒波という激動の背景が隠れていることもあるのですね。強くなったからこそ手に入れられる「不動の姿勢」、それこそが、人生を達観してる人の特徴でもあります。

人生を達観してる人とは「酸いも甘いも噛み分けてきた人」であるとも言えます。物事を達観するには、人生における苦しみや幸せ、あらゆることを経験し、それを「」

「人生を達観してる人」とは物事を客観視することができる人

あえて距離を置いて見る

また、人生を達観してる人は「物事を客観視することができる人」でもあります。たとえば今「身体の調子が悪くやる気も出ない、でもやらなきゃいけないことがある」という状況だったとします。普通であれば「ちょっと無理してでも動かなきゃ」と思いますよね。

ですが、物事を客観視できる人の場合は「いや、ちょっと待てよ。ここはあえて休んでパフォーマンス能力を回復させるべきではないか?」と視点を切り替えることができます。そして、なぜこの切り替えができるのかというと、「達観する力」つまり「本質を見抜き、広い視野で先を見通す力」があるからです。

そして、人生を達観するには、ただ年齢を重ねればよいというわけではありません。たとえ短い時間であっても「どれだけ中身の濃い人生を歩むか、どれだけ多くの人生経験を積んでいくか」ということに掛かっています。以下の記事でも、そんな人生の経験値の増やし方をご紹介していますので、こちらもぜひ覗いてみて下さいね。

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「達観」は奥の深い言葉

心静かに悟りへ近付く

さて今回は「達観」という言葉について、その意味をはじめ類語や対義語、そして使い方などをご紹介してきました。やはり「観」という文字が付くだけあって、物事の本質を見抜く目、広い視野、先を見通す力など、何かを「見る」能力に長けているというのが特徴的なところでしたよね。

しかしながら、そんな能力を持つ「達観した人」というのは、高く評価される一方「すべてが見え過ぎてしまうが故の悩み」を抱えていると言われています。それを考えると「達観」とは、ただカッコイイだけでなく、実に奥の深い意味や背景を持った言葉であるとも言えますね。


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