つるべ落としとは?意味・季語・妖怪|「秋の日は釣瓶落とし」使い方も

つるべ落としという言葉をご存知ですか、「秋の日は釣瓶落とし」という表現もありますね。夕日に関係するとも、妖怪の名前だとも言われています。本当の意味とは何なのか、使い方といっしょに調べてみたので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

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「つるべ落とし」の意味とは?

「つるべ落とし」とは「釣瓶落し」という秋の日の季語

紅葉と着物姿の女性

「つるべ落とし」の意味の1つ目は、「釣瓶落し」という秋の日を表す季語です。季語とは、俳句などで用いられる、特定の季節を表す言葉のことです。また、表す季節のタイミングも、指定されています。そんな季語の中で、「釣瓶落とし」は、秋を示す語として扱われるものです。

季節のタイミングとしては「三秋」と分類されるものなので、「初秋・仲秋・晩秋」の三ヶ月にわたって使うことができます。つまり、秋であれば、いつでも使える語ということです。現代では、俳句でも嗜まない限り、縁のない言葉のように思えますね。

しかし、ビジネスシーンでは、手紙の時候の挨拶として用いられることがあります。適切な季語を選ばなければ、失礼なことになってしまう可能性もあるので、秋のどのタイミングでも使える「つるべ落とし」は、きっと重宝することでしょう。

「つるべ落とし」は夕日が早く沈むことも意味する言葉

夕暮れを眺める女性

「つるべ落とし」は、夕日が早く沈むことを意味する言葉でもあります。ことわざにも、「秋の日はつるべ落とし」というものがありますね。秋の日は、あっという間に暮れてしまうことを意味するものです。確かに、夏が終わるころになると、日が暮れるのが早くなるのを体感しますね。

科学的に検証してみても、秋は暗くなるのが早いことが分かっています。6月ごろは、夕日が沈んでから辺りが暗くなるまでに約2時間かかります。しかし、9~10月ぐらいになると、夕日が沈んでから約1時間30分ほどで暗くなっているのです。

日中時間も短くなっているので、体感でもハッキリと分かるほど夕日が沈む速度が早いんですね。昔の人は、とても的確に物事を表現していたことが分かります。季語となった由来にも、夕日が沈む早さが関係していると考えられています。

「つるべ落とし」は物が急速に落下することも意味する言葉

橋から落ちそうな男性

「つるべ落とし」は、物が急速に落下することも意味します。高いところから低いところへと物が急速に落ちていく様子に、秋の夕日が沈む早さが酷似していたことから、季語につながったと考えられています。

では、いったいどんな物が急速に落ちていたというのでしょうか。意味の由来となった「物」である、「つるべ」について、明らかにしてみたいと思います。

意味が分かっていても、由来や語源が分かりにくい言葉は、ほかにもたくさんありますね。こちらの記事で紹介されている「支度」という言葉も同じです。由来が気になる方は、併せてご覧ください。


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「つるべ落とし」の由来は?

「つるべ落とし」の由来①井戸の水をくみ上げる釣瓶が由来

温泉に入る女性

「つるべ落とし」の由来の1つ目は、井戸の水をくみ上げる、「釣瓶」にあるというものです。漢字を見ても分かるように、ロープを取り付けて釣られる状態となった、桶やバケツなどの容器のことを言います。水道が普及した現代では、なかなか見ることができなくなったものです。

滑車なしで使われることもありますが、滑車が発明されてからは、「ロープ・容器・滑車」などをすべて含めて「釣瓶」と呼ぶようになりました。有名な俳句に、「朝顔に釣瓶とられて貰い水」というものがあります。からまった朝顔のツルを切れずに、隣の家から水をもらうという微笑ましい風景から、釣瓶の様子が想像できます。

「つるべ落とし」の由来②つるべを使う井戸ができたのは約1000年前

手水を使う女性

「つるべ落とし」の由来の2つ目は、日本でつるべを使う井戸ができたのは約1000年前ということです。ちょうど平安時代のあたりとなります。平安時代までは、ツボのような形の土器を「べ」と呼んでいたという歴史があります。最初のつるべは、土器にロープをつなげたものだったのかもしれません。

水をくみ上げるためには、井戸の中に容器を落とす必要がありますが、重力に従って落ちるため急速に落下します。暗い井戸の底に釣瓶が落ちていく様子が、秋の日が早く落ちていく様子に結びついたと考えられます。こうして、季語の「つるべ落とし」の由来となったんですね。

「つるべ落とし」の由来③さらに遡ると「連ぶ」に行き着く

壁に貼られたたくさんの紙

「つるべ落とし」の由来の3つ目は、釣瓶の語源をさらに遡ると「連ぶ(つるぶ)」という言葉に行き着くことです。「つらねる・並べる」や、「続けざまに何かをする」という意味を持つ古語ですね。こちらの意味が転じて、「早さ」「急激な」という様子を表すようになりました。

「連ぶ」を使った言葉には、すばやく弓矢などを放ち続ける「つるべ打ち」や、水がすばやく漏れるような切れ味をもつ刀という意味の「かごつるべ」という表現などが存在します。

古語の「連ぶ」は、早さや急激さを形容する、形容詞としても用いられてきました。つるべがすばやく落下していく様子だけでなく、その語源にも時間の様態を形容する意味が含まれていたんですね。


季語以外の「つるべ落とし」の意味は?

季語以外の意味①樹上から落ちてくる妖怪

闇夜に浮かぶ女性

季語以外の意味の1つ目は、樹上から落ちてくる妖怪です。あまりメジャーではないので、聞いたことがない人も多いかもしれませんね。主に京都、滋賀、岐阜、愛知、和歌山などに伝承が残っています。

伝承によっては、生首だけの生々しい姿のものであったり、正体を見せずに木の上に人をさらっていったりすると言われている妖怪です。食べられてしまうこともあるため、できれば、お目にかかりたくない妖怪ですね。地域ごとに姿やおこないに差がありますが、樹上から落ちてくるという点だけは、どの伝承でも一致しています。

もともとの意味である、「物が急激に落下する」という様子によく似た行動をとるため、同じ名前を与えられた可能性があります。季語として古くから表現が定着しており、つるべが身近な道具であったことから、両方の意味が影響して生まれた妖怪なのかもしれませんね。

季語以外の意味②株価などの数値が急落

画面を見て悩む男性

季語以外の意味の2つ目は、株価などの折れ線グラフで表示できる数値が、急落することを意味する経済用語です。目で見たり手で触れられたりする、つるべのような「物」ではなく、数値のように概念上の存在でしかないものに対して使われるんですね。

少しぐらいの下がり幅ではなく、深い井戸の底に落ちていくような、下落状態が続く場合に用いられます。いつかは止まるでしょうが、急落していく様子を見るのは心臓に悪いですね。株やFXといったデイトレードに携わる人は、急落に対応するためにチャートを見続ける必要があるので、トイレに行く暇もないと言われています。

季語以外の意味③秋の日はぜひ訪れてみたい地名

紅葉の中の女性

季語以外の意味の3つ目は、秋の日は、ぜひ訪れてみたい地名です。静岡県の長泉町には、「つるべ落としの滝」と呼ばれる、落差20mほどの滝があります。しかし、雨が降ったときにしか姿を見せないため、幻の滝と呼ばれるほどレアなものになっています。

また、青森と秋田に広がる、白神山地にも「釣瓶落峠」という場所があります。ユネスコの世界遺産にも登録されている場所で、秋になると美しい紅葉が楽しめます。昔は、峠を行き来するためには、鎖を使って200mもの崖を上り下りする必要があったと言われています。滝にも峠にも、秋の日に一度は訪れてみたいですね。

「つるべ落とし」の使い方は?


使い方①「秋の日は」を加えながら時候の挨拶として使う

手紙で使う書き出し

使い方の1つ目は、「秋の日は」を加えながら、時候の挨拶として使うものです。時候の挨拶とは、手紙などで最初に書く、季節を表す言葉を用いた書き出し文です。「つるべ落とし」は、秋を意味する季語ですね。秋らしさが深まる、10月の手紙で使うとピッタリです。ビジネスレターでも用いられるので、覚えておきましょう。

例えば、「秋の日はつるべ落としと申すように、日足が短くなった昨今です」のように「秋の日は」を加えて、時候の挨拶とすることができます。また、「つるべ落としとはよく申しましたもので、日暮れが早くなってしまいました」のように、「秋の日」を加えずに単体で使っても構いません。

日暮れが早いのが秋ならば、日が長いの季節は春とされています。春を表す「日永(ひなが)」という季語があるほどです。春に使える時候の挨拶をチェックしたい方は、こちらの記事の内容をチェックしてみましょう。ビジネスにもカジュアルにも対応してるので、便利に使えますよ。

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使い方②夕日が早く落ちることを伝えるため使う

夕暮れの花畑の女性

使い方の2つ目は、夕日が早く落ちることを伝えるために使うものです。秋は日暮れが早いので、暗くなる前に、注意を促すための使い方ができます。例えば「秋の日はつるべ落としだから、下山は急いだ方がいいよ」のように伝えてみましょう。

使い方③妖怪の名前として使う

落ち葉とおばけ

使い方の3つ目は、妖怪の名前として使うものです。つるべ落としは、夜道で出会う妖怪なので、夜道の一人歩きが危ないことを子どもたちに注意するために使われていた可能性もあります。「夜遅く出歩くとつるべ落としに食べられるよ」と、親から言われていた時代があったのかもしれません。

使い方④経済の様子を表すのに使う

グラフを見て悩む男性

使い方の4つ目は、経済の様子を表すのに使うものです。経済にまつわる数値の、下落具合を強調して伝えることができます。例えば、「ピークを過ぎると、右肩下がりのつるべ落としになっていった」のような使い方が考えられます。

「つるべ落とし」の類語は?

類語①同じ秋の季語である「夜長」

夕暮れの中の食事

類語の1つ目は、同じ秋の季語である「夜長」です。日暮れが早い秋は、夜も長くなりますね。夕日が落ちる早さよりも、秋の夜の長さを重視しています。秋の季語となるため、冬の夜が長くても「冬の夜長」と使うことはできないので注意しましょう。「つるべ落とし」と同じ様に、時候の挨拶とすることもできます。

この他の、秋の季語と使い方を確認してみたい方は、こちらの記事がオススメです。ちょうど秋が始まったばかりの時期のなる9月には、どんな言葉が使われるのでしょうか。風情あふれる表現を、ビジネスでのポイントと一緒に見てみましょう。

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類語②日が落ちる表現として使える「鉈落とし」

夕暮れの草原の女性

類語の2つ目は、日が落ちる表現として使える「鉈落とし」です。鉈は、薪を割るときに使う、幅の広い刃物のことです。薪を割るときに上から下へ、スパンと落とす必要があるため、勢いよく落ちる様子を表すことができます。「秋の日は鉈落とし」という、日暮れの早さを意味することわざもあります。

類語③経済の用語として使える「暴落」

グラフの前で会話する女性

類語の3つ目は、経済の用語として使える「暴落」です。物価や株価の相場が、急に大幅に下る様子を表します。下落する幅が大きいときは、「大」をつけて、「大暴落」と使うことがあります。最近では、ビットコインなどの仮想通貨にも使うことができますね。

「つるべ落とし」という季語で秋の風情を感じよう

秋の季語となる「つるべ落とし」は、時候の挨拶としても昔から大事に使われてきた言葉です。季節の移り変わりを大切にする心が感じられるため、使いこなすことができると素敵ですね。手紙などで使われたら、季節を実感してほっこりしてしまいそうです。

妖怪の名前や、経済の用語としての使い方もありますが、実際に使うのであれば季語としての使い方が一番多くなると思います。秋が深まるころに「つるべ落とし」という言葉を使って、風情ある表現に挑戦してみましょう。


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