目上の人へのご足労の使い方・例文は?敬語の意味や類語・英語表現も
あなたは、ご足労という言葉を使うことがありますか?この記事では、「目上の人へのご足労の使い方・例文」とともに、ご足労は敬語なのかについてもご紹介します。「ご足労おかけしますが」「ご足労いただき」「ご足労願います」は正しいのか、ぜひ読んでみてください!
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目次
ご足労の意味とは?
ご足労の意味とはわざわざ足を運んでもらうことへのねぎらい
ご足労の意味とは、わざわざ足を運んでもらうことへのねぎらいを指します。本来ならばこちらが出向かなければならないところを、わざわざ足を運んでもらうことに対する申し訳なさや感謝の意味も含まれています。そのため、「ありがとうございます」とセットで使うことの多い言葉です。
御足労と書くこともあるがご足労が一般的
御足労と漢字表記で書くこともありますが、ご足労と書くのが一般的です。敬語表現にする時につける「お」や「ご」は、漢字にするとどちらも「御」です。しかし、読みやすさを考慮して、漢字表記よりもひらがなで表記されることの方が多いと言えるでしょう。
ご足労は目上の人にも使える敬語表現
ご足労は、目上の人にも使える敬語表現です。自分の上司など、社内の目上の人に対しても使うことができます。トラブルを起こしてしまって、上司と一緒に取引先やお客様の元へ謝りに行く場合などは「ご足労をおかけして、申し訳ありません」と伝えるのが良いでしょう。
注意したいのは、社内の人と社外の人が同席している場合です。社外の人よりも社内の人を敬っているように感じさせてしまうと、失礼にあたります。取引先やお客様など社外の人がいる場面では、社内の人に対してご足労を使うのは避けた方が無難です。時と場合に応じて、誰に対して使うか考えなければなりません。
目上の人へのご足労の使い方・例文は?
目上の人へのご足労の使い方・例文①ご足労をおかけしますが
目上の人へのご足労の使い方・例文1つ目は、「ご足労をおかけしますが」です。近々自分の会社に来てもらう予定がある相手に対して、「ご足労をおかけしますが、よろしくお願いいたします」「ご足労おかけしますが、よろしくお願い申し上げます」といった表現を使います。
注意したいのは、相手からこちらへ来る旨の申し出がないにも関わらず、「ご足労をおかけしますが」と依頼してはいけないということです。わざわざ来ることを強要するのは、失礼にあたります。あくまでも相手側から申し出があって、来ることが予定として決まっている場合にのみ使うようにしましょう。
目上の人へのご足労の使い方・例文②ご足労おかけして
目上の人へのご足労の使い方・例文2つ目は、「ご足労をおかけして」です。「ご足労をおかけして、申し訳ありません」「ご足労をおかけして、申し訳なく存じます」といったように、わざわざ来てもらったこと・時間を取らせてしまったことに対する謝罪を述べる時に使います。
1つ目の使い方・例文でご紹介した「ご足労をおかけしますが」をより丁寧な表現にする場合は、「ご足労をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます」といった表現にします。申し訳ないという意味は含まれているのですが、明確に伝えた方がより伝わりやすいと言えるでしょう。
目上の人へのご足労の使い方・例文③ご足労いただき
目上の人へのご足労の使い方・例文3つ目は、「ご足労いただき」です。相手が到着したタイミングで、「本日はご足労いただき、誠にありがとうございます」「遠方よりご足労いただきまして、大変恐縮でございます」といった使い方をします。
後日お礼のメールをする時にも、「先日はご足労いただきまして、誠にありがとうございました」「先日は弊社までご足労いただき、感謝申し上げます」といったお礼を添えましょう。ご足労は、来てもらう前・来てもらった時・来てもらった後のどのタイミングでも使える言葉です。
目上の人へのご足労の使い方・例文④ご足労くださり
目上の人へのご足労の使い方・例文4つ目は、「ご足労くださり」です。お客様をお見送りする時に、「本日はお足元の悪い中ご足労くださり、誠にありがとうございました」と伝えることができます。また、後日メールを送る時に「先日は弊社までご足労くださり、感謝申し上げます」といった使い方ができます。
「ご足労いただき」と「ご足労くださり」は、自分を下げるか相手を上げるかの違いであって、どちらも敬語表現です。「ご足労いただき」と同じように、来てもらったタイミングでも使えますし、後日お礼をする時にも使えます。
目上の人に対してご足労願いますは避けた方が良い表現
目上の人に対して、「ご足労願います」は避けた方が良い表現です。前述のように、わざわざ来てもらうことを強要するような言い方は、失礼にあたるからです。「お越しいただいてもよろしいでしょうか」や「お越しいただけると幸いです」のように、相手の意向を伺う姿勢を示すのが望ましいでしょう。
「ご足労願います」と「ご足労をおかけしますが、よろしくお願いします」は、似ているようで違います。「ご足労をおかけしますが」には、申し訳ありませんという気持ちが含まれています。しかし、「ご足労願います」は、「来てください」という言葉を丁寧に言っているに過ぎません。
「ご足労願います」と似た意味の言葉として、「おいでください」という表現があります。下記の関連記事には、「おいでください」の意味・英語・敬語について書いてあります。目上の人に使える例文と使えない例文も載っていますので、こちらもあわせて読んでみてくださいね!
目上の人に使えるご足労の類語は?
目上の人に使えるご足労の類語①お越し・お運びなど
目上の人に使えるご足労の類語1つ目は、お越し・お運びなどです。ご足労は、どちらかというとかしこまった表現になりますので、メールなどの文章に適しています。話し言葉として使うのであれば、「お越しいただき、ありがとうございます」といった表現の方が耳に馴染みがあるでしょう。
また、「お越しください」のように、来てもらうことを依頼する時に使うことのできる表現です。「ご足労ください」や「ご足労願います」とは言えませんので、依頼をする時には「お越しください」「お越しいただけますでしょうか」といった表現を使いましょう。
目上の人に使えるご足労の類語②ご来社・ご来院など
目上の人に使えるご足労の類語2つ目は、ご来社・ご来院などです。来てもらう場所が会社であれば「ご来社」、病院であれば「ご来院」となります。他にも、「ご来場」「ご来店」「ご来園」などがあります。来てもらう場所によって、語尾を変えて使いましょう。
目上の人に使えるご足労の類語③お手数・ご面倒など
目上の人に使えるご足労の類語3つ目は、お手数・ご面倒などです。「ご足労をおかけしますが」の代わりに、「お手数をおかけしますが」「ご面倒をおかけしますが」を使うことができます。お手数もご面倒も、手間をかけさせる・時間をかけさせるといった意味です。
来てもらう場面だけではなく、相手の仕事を増やしてしまうような時には「お手数をおかけしますが」「ご面倒をおかけしますが」と伝えるのが社会人としてのマナーです。ビジネスマナーは難しいと感じる人も多いかもしれませんが、迷惑をかけたのなら謝る・何かしてもらったら感謝を伝えるといった、礼儀に沿ったものです。
目上の人に使えるご足労の英語は?
ご足労の英語①「お越しいただきありがとうございます」
目上の人に使えるご足労の英語1つ目は、「Thank you for coming.」です。訳すと、「お越しいただき、ありがとうございます」となります。英語には敬語表現がありませんので、「来てくれてありがとう」という一般的な表現を目上の人にも使います。
ご足労の英語②「わざわざ訪問してくれてありがとうございます」
目上の人に使えるご足労の英語2つ目は、「Thank you for your trouble to visit us.」です。訳すと、「わざわざ訪問してくれてありがとう」つまり「ご足労いただきありがとうございます」となります。troubleが面倒という意味であるため、意訳すると「わざわざ」なのです。
ご足労を目上の人に使う時は使い方を間違えないように!
今回は、目上の人へのご足労の使い方・例文について見てきました。「ご足労をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます」「ご足労いただき、ありがとうございます」といった正しい例文の他に、「ご足労願います」という目上の人に対して使わない方が良い例文についてもご紹介しました。
敬語を覚える時には、形式的な覚え方をしてしまいがちです。しかし、意味をしっかりと考えて覚えれば、何が失礼にあたるかわかりやすいでしょう。ご足労も「わざわざ来てもらう」という意味を知っていれば、「ご足労願います」が失礼であるとわかります。目上の人に使う敬語を選ぶ時は、間違えないようにしましょう!
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