「了承を得る」の意味は?使い方は?了解・承諾との違いや敬語も
「了承を得る」の意味をご存知ですか?メールなどで「了承をえています!」のように、応用してよく使っている人もいるはずです。しかし、果たしてその意味や使い方を正しく理解できているでしょうか。今回は、「了承を得る」の意味や使い方、さらには了解や承諾との違いや敬語についてご紹介します。
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目次
「了承を得る」の意味は?
「了承を得る」の意味について①相手が承知済みであるということ
「了承を得る」の意味についての1つ目は、相手が承知済みであるということです。承知、つまりこちらの言い分をしっかりわかっていただけている、言い分を理解済みである状態のことを意味して指す言葉です。具体的に説明すると、「了承」と「得る」に分けることで、「了」は悟りを表し、「承」は引き受けることを表します。
つまり、「了承」は相手の状態や内情、心情を悟っている状態でそれを引き受けていることがわかります。さらに、「得る」という言葉が追加されることにより、相手がこちら側の要求に対して理解を示している、承知している状態であることを指します。
「了承を得る」の意味について②納得している状態を敬った表現
「了承を得る」の意味について2つ目は、納得している状態を敬った表現であるということです。「了承を得る」という言葉の「了承」という言葉は、了解や納得という状態にある相手を敬う言葉です。そのため、この言葉自体が敬語として使える言葉なのです。
そのため、敢えて「了承を得る」をもっと丁寧な言葉に変換するとすれば、「得る」という言葉をどう活用するかで表現することができます。「得る」頂くや、頂戴するに変換するともっと丁寧な言い回しをすることが可能です。
ちなみに、「了承を得る」という言葉によく用いられる「何卒(なにとぞ)」という言葉についても意味を理解されていますか?普通に使っているけれど、意味を話せとなるとなかな思い浮かびませんよね。次の記事では何卒について意味や使い方や類語を紹介しています。ぜひ併せて一読ください。
「了承を得る」の敬語表現は?
メールで使える「了承を得る」の敬語表現について①「ご了承をいただく」
メールで使える「了承を得る」の敬語表現についての1つ目は、「ご了承をいただく」です。前述したとおり、得るをもっと丁寧な言葉にするとすれば、いただくという言葉に置き換えて表現するのがよいでしょう。もちろん、漢字表記の「頂く」でも「戴く」でも構いません。
例としては、「明日の会議日程の件ですが、既に先方から日程についてのご了承も頂いておりますので、予定通り行いたいと考えています。」のようにメールで使うことができます。ちなみに、対外的な例文ならば、「先日は、〇〇の件につきまして、ご了承を頂き誠にありがとうございました。」のように使えます。
「いただく」を「いただいて」や「いただき」などのように、色々な言い回しに変換して使うことで、色々な文章の応用に使うことができます。もちろん、これらを把握しておけば、メール以外でも口頭ですぐ使えるようになるのでとても便利です。
メールで使える「了承を得る」の敬語表現について②「ご了承願います」
メールで使える「了承を得る」の敬語表現についての2つ目は、「ご了承願います」です。こちらは、相手に対して了承をお願いする際の敬語として使用できます。そのため、まだ相手の了承をお伺いしている時点で使う、というのが正しい使い方です。
具体的に「ご了承願います」をメールの例文の中に使うとすれば、「送料は別途負担となりますこと、なにとぞご了承願います。」や、「明日の会議についてですが、急用のため欠席させていただきますこと、ご了承願います。」のように、相手に対してお願いをする際の文章に使うことができます。
もっと突っ込んで言うとすれば、「了承を得る」はこの「ご了承願います」のやりとりがあったうえで存在する言葉ですので、「ご了承願います」では相手の可否が問われていることにもなります。相手が可、つまりYESを出した時点でこの案件は「了承をえています」ということができるのです。
メールで使える「了承を得る」の敬語表現について③「ご了承をえています」
メールで使える「了承を得る」の敬語表現についての3つ目は、「ご了承をえています」です。こちらは、先ほどの少し説明いたしましたが、既に了承を相手からもらっている、可否のうち可(YES)を頂戴しているということで使える敬語の例文です。ただし、こちらの表現を使う際は、対外的よりも内々で使うのが正しいです。
というのも、「えています(得ています)」という言葉は、どちらかというと一般的な会話の中で使う言葉です。もし、もっと丁寧な言い回しをするならば、「頂戴しています」とか、「得ております」のほうがふさわしいでしょう。ただし、「えています」という言葉も丁寧な言葉であることに間違いありません。
もし敢えて使うのであれば、内々でのメールで使うことに限定し「先日の提案事項につきまして、〇〇様からの了承はえていますので、早速取り掛かりたいと思います。」のように、上司への報告などの際に使うのが好ましいでしょう。
「了承を得る」と「了解を得る」の違いは?
「了承を得る」と「了解を得る」の違い①理解度が異なる
「了承を得る」と「了解を得る」の違い1つ目は、理解度が異なるという点です。「了承」も「了解も、どちらも状況を理解していることで使える言葉です。しかし、こちらの内情をどこまで理解しているかによって使い分けることができます。具体的には、「了解」は、こちらの要求に対してYESを伝える際に使う言葉です。
一方、「了承」はこちらの条件に対してこちらの言い分、内情についてすべてを汲んだうえでYESを伝える際に使うことのできる言葉です。そのため、要求したことに対しての理解だけを得ているときには、「了解」を使うのが好ましいでしょう。
「了承を得る」と「了解を得る」の違い②相手の親身度が異なる
「了承を得る」と「了解を得る」の違いの2つ目は、相手の親身度が異なるという点です。先ほど、「了承」はこちらの内情を理解したうえで使うのが好ましいと紹介しました。つまり、「了承」はよりこちら側に親身な状態であると言えます。いいかえれば、「了解」はややニュアンスとしては事務的な状態に使うということです。
こちらも厳しい状態にあり、相手に無理をお願いしなければならない、ということもあることでしょう。これに対し、相手がきちんとその状態を理解したうえで親身になって認めてくれることこそが、まさに「了承」なのです。逆に、要求に対して単にYESを返すのであればそれは「了解」を使うのが的をえています。
「了承を得る」と「承諾を得る」の違いは?
「了承を得る」と「承諾を得る」の違い①求める範囲が異なる
「了承を得る」と「承諾を得る」の違い1つ目は、求める範囲が異なるということです。もっと簡単に言えば、「承諾」は相手のYESという可を求めることであり、「了承」は内情の理解とともに可を求めることです。そのため、「承諾」は先ほど紹介した「了解」に似ている言葉であると言えます。
つまり、相手によりこちらの身になって理解したうえでお願いしたいという、無理なお願いをする時には「承諾を得る」か「了解を得る」を使うのでは、やや求める範囲が浅く、不躾であると言えます。場の状況によって、「了承を得る」を正しく使い分けましょう。
「了承を得る」と「承諾を得る」の違い②承諾はYESが欲しい時に使う
「了承を得る」と「承諾を得る」の違い2つ目は、承諾はYESが欲しい時に使う言葉であるということです。先ほど、無理なお願いをする際は「了承を得る」のが正しいと説明しましたが、言い換えると「承諾を得る」を使う際はYES以外の範囲をこちらも求めていないということです。
そのため、配慮を求めることもなければ気配り、心配りも特に要しないときに使う言葉であると言えます。そのため、「承諾を得る」は基本的に、事務的なことに使うのが一般的な使い方です。相手に対し、YESを求めたうえでこちらも次のステップに進むといった時に使うのが、使い方としては好ましいでしょう。
「了承を得る」を使うのが正しいケースは?
ケース①こちらの事情で会議場所を変更することになった
「了承を得る」を使うのが正しいケースの1つ目は、こちらの事情で会議場所を変更することになった時です。この場合、明らかに非はこちらにあることが伺えます。その場合、相手に対してこちらの事情を話したうえでお願いをすることになります。
そのため、このケースの場合は「了承を得る」を使うのがより好ましいと言えるでしょう。こちらの事情で会議の場所を変更することになったため、相手から了承を得たうえで別の会場を用意した、となるのが話の筋としても正しいです。
ケース②事務用品の購入にあたり上司に伺うとき
「了承を得る」を使うのが正しいケースの2つ目は、事務用品の購入にあたり上司に伺うときです。この場合、特別な配慮が必要なケースであることは、この文章からは伺えません。通常業務をするにあたり、一般的な事務用品の購入なのであれば、「承諾を得る」を使うのが好ましいでしょう。
ただし、あなたの都合によって特別な事務用品がどうしても必要となった、など相手の配慮を必要とする場合には、「了承を得る」を使うことも正しいと言えます。事務用品を購入する背景にどういった実情があるのかによって、「了承を得る」を使い分けることができます。
ケース③赤字脱却のため先方に仕入れ価格を見直してもらったとき
「了承を得る」を使うのが正しいケースの3つ目は、赤字脱却のため先方に仕入れ価格を見直してもらったときです。赤字という、会社の1つの危機に対し、相手にも無茶なお願いをしていることが明らかにわかります。そのため、このケースにおいては、「了承を得る」を使うのが好ましいと言えます。
赤字という危機に関わらず、こちらの都合で相手にもお願いをしなければならないという状況の際には、「了承を得る」を使うことが正しいと言えます。また、相手にYESを出す以外にも特別なアクションをしてもらうという時にも「了承を得る」を使うのがよいでしょう。
ケース④相手の親に結婚の許しをもらうとき
「了承を得る」を使うのが正しいケースは?の4つ目は、相手の親に結婚の許しをもらうときです。とくに、相手の女性の両親に対し、結婚の許しをもらう大切なシーンでは相手をきちんと敬うことが大切です。なんとなく、こちらの実情をわかってもらえるよう「了承を得る」を使いたくなることでしょう。
しかし、この場合は結婚するのは当人同士であり、相手の親からはYESをもらうための行為であるといえますので、「了承を得る」ではなく、「承諾する」を使うのが的を得ています。ただし、結婚に際し何か特別なお願いをすることになれば、そのお願いに対しては「了承を得る」と使うことになります。
ケース⑤取材NGのお店になんとか取材OKをもらったとき
「了承を得る」を使うのが正しいケースは?の5つ目は、取材NGのお店になんとか取材OKをもらったときです。テレビなどで、取材NGの飲食店にようやく取材できた!という番組を見ることはありませんか?この場合にはどうでしょう。
取材をするということは、取材に対して対応してもらうことです。つまり、相手に何らかのアクションを求める行為ですので、「了承を得る」を使うのが好ましいと言えます。相手のスタンスに無理を言って曲げてもらったということですので、なんとかお願いして取材の了承を得ることができた、と言うことができます。
「了承を得る」を正しく使えるようになろう!
「了承を得る」という言葉は、とにかく似たような言葉の多い言葉です。しかし、基本的に他の言葉と違いより相手に無理なお願い、無茶なお願いをお願いするときに使うのが好ましい言葉です。理解せずに使うと、場合によっては相手に失礼に当たることもあります。
きちんと、意味を理解したうえで「了承を得る」という言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。また、相手やケースによって「了承を得る」を正しい言い回しにして使えるようにしておくことも大切です。これまで何気なく「了承を得る」という言葉を使っていたという方はぜひ、意味を把握して使ってみましょう。
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