「懐が広い」や「深い」の意味は?心が大きいの類語や業が深いも
「懐が広い」とか「懐が深い」といった表現を聴くことがあるでしょう。でもその意味について考えたことがありますか?さらに「広い」と「深い」ではちょっとした違いがあるのです。また同じような意味の「心が大きい」といった類語、逆のニュアンスで捉えられやすい「業が深い」についても詳しく見ていきましょう。
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「懐が広い」の読み方は?
懐が広いの読み方は「ふところがひろい」
「懐が広い」の読み方は「ふところがひろい」です。実は「懐が広い」という言い方もすることがあれば、「懐が深い」という言い方をすることもあります。何となく「心の広い人」「優しく包み込むような温かい心の人」というイメージをする人が多いでしょう。
しかし、なぜ心の広い人や優しく包み込むような温かさを持つ人のことを「懐が広い」や「懐が深い」という表現をするのでしょうか?
一方では「懐が寒い」という表現もあり、こちらは金銭的に苦しい状態などを指す言葉です。同じ「懐(ふところ)」ですが、なぜこのように心の状態を表すこともあれば、お金のことを表すこともあるのでしょうか?「懐が広い」について深く掘り下げる前に、まずはこの「懐」について知る必要があります。
懐(ふところ)の意味
懐(ふところ)とは一般的に、着ている着物と胸との間のことを指しています。一番イメージしやすいのは坂本竜馬の肖像写真でしょう。懐に手を入れているポーズが有名ですよね。
さらに、人の包容力を指して懐という言葉を使うことがあります。その他にも心の中で考えていることや、何かに囲まれたところ、所持金や経済的なことを意味することがあります。
懐は昔からある言葉ですが、時代は着物から洋服へと移り変わっています。着物だったころは大切なものを懐に入れて持ち運びができたのですが、洋服になってからは懐にものを入れるという習慣とは無縁になりました。懐といってもすぐにピンと来ない人も少なくないでしょう。
懐(ふところ)という言葉が使われている表現
洋服が主流の現代の私たちが、着物姿で懐に大事なものを入れて持ち歩くということはめったにありません。しかし、懐という言葉だけはしっかり残っており、未だに使われています。懐という言葉が含まれた、よく耳にする言葉だけでも以下のものがあります。
- ・懐が寒い(経済的に苦しい)
- ・懐が暖かい(お財布がうるおっている)
- ・懐を肥やす(不当な利益を増やす・私腹を肥やす)
- ・懐を痛める(自分のお金を使う・自腹)
- ・懐が寂しい(持っているお金が少ない)
「懐」という言葉が使われている表現
「懐」はお金に関する表現が多い
これだけ見てみると、懐という言葉が使われている表現は主に「お金」に関するものが多いことがわかりますね。やはり懐にお金といった大切なものを入れるということが習慣だったためでしょう。現代でもお金が欲しい時・お金がない時に「懐」という言葉が出てきます。
しかし「懐が広い」「懐が深い」に関しては、人の性格や性質などを表す表現です。金銭的なことや経済的なことは関係ありません。お金に関するものでないのなら、一体どういった意味になるのでしょうか?
「懐が広い」の意味は?
「懐(ふところ)が広い」とは
まだ着物が主流だったころは、懐はお金といった大切なものなどを入れる部分であることはお伝えした通りです。その懐が広いということはお金はもちろん、いろいろなものがたくさん入れられるということです。つまり「懐が広い」は、さまざまな人や物事を受け入れるだけの心の広さを持っているという意味になります。
もっと詳しく説明すると、心が広いのでどのような人・物事でも受け入れることができるさま、細かい事をいちいち気にする・クヨクヨすることがなく前向きな気持ちでいる様子といったニュアンスがあります。
ほとんどの辞書に載っていない「懐が広い」
ところで「懐が広い」という意味を知りたくて辞書を調べている人もいるでしょう。しかし、おおよその辞書には「懐が広い」という言葉はありません。インターネットで調べても「懐が深い」が圧倒的に多くヒットします。この理由については、この後詳しくお伝えしましょう。
「懐が広い」の使い方は?
「懐が広い」は性格的なことを指して使われる
どんなものでも入るぐらい懐が広いということから、懐が広い=それだけ心が広いことをを表す言葉です。懐という言葉を使った表現には金銭的なものが関係することの方が多いのですが、「懐が広い」「懐が深い」については性格的な部分を表していると考えましょう。
心が広い、つまり何かに対しての許容範囲が広いこと・視野が広くどんなことでも受け入れられるといった性格でしょう。また柔軟性があるので、どんな困った事態やアクシデントに対しても冷静に受け入れ、対処できるといった人物像が浮かび上がります。
では「懐が広い」は、もっと具体的にどのような性格のことを指しているのでしょうか。「懐が広い」と表現される人について、もっとわかりやすく特徴をあげてみましょう。
- ・自分と異なる意見・考えの人を受け入れられる
- ・小さな事にいつまでもクヨクヨしない
- ・おおらかで楽観的
- ・ささいなことで急に怒り出すようなことがない
- ・来るもの拒まず主義
- ・差別的・排他的でない(いじめや差別とは無縁)
- ・誰とでも仲良くなれる
懐が広い人の特徴
日常生活での「懐が広い」人はこんな人!(恋愛・職場)
懐が広い=優しい包容力をイメージする人も少なくありません。女性が交際相手や結婚相手を探している時の条件として「包容力のある男性」を求めていることがあります。そう、つまり「懐が広い」男性を求めているということになりますね。いいところも悪いところも無条件で受け入れてくれる男性を女性は好むようです。
また、職場などでも細かい事にいちいち口出しをしてくる上司や先輩にはうんざりすることがあるでしょう。でも「懐の広い」上司や先輩に恵まれれば、細かいミスも何気にスルーしてくれそうですね。しかしながら懐の広い人に甘えてしまうことのないように、こちらも気を引き締めて仕事をすることが大切ですよ。
人間は十人十色です。ですから自分と違った考えを持っている人がいて当然なのですが、それが許せないという人もいます。しかし「懐の広い」人であれば、自分とどんなに意見をたがえても相手の意見を尊重します。こういった「懐の広い」人が大勢を取りまとめるリーダーになると組織やグループは活気が出ますよね。
「懐が広い」の使用例
「懐が広い」人が何となくイメージできたでしょうか?あるいは懐が広いの意味を知って、実際に身近に懐が広い人がいることに気が付いた人もいるかもしれませんね。「懐が広い」人がどんなキャラクターなのか理解したところで、実際に「懐が広い」を使った表現を見てみましょう。
- ・厳しい上司でも不平不満1つもらさない…彼の下で働いている人はみんな懐が広いのね
- ・いちいち細かい事に口出ししない懐の広い人がいいわ
- ・結婚するなら私の過去を気にしない懐の広い男性がいいな
「懐が広い」の使用例
「懐が広い」の類語は?
「懐が広い」の類語7つ
では多様性を受け入れ、全てを優しく包みこむようなニュアンスの表現である「懐が広い」とよく似た使われ方をする言葉(類語)にはどういったものがあるでしょうか?
- ・度量が広い
- ・多様性がある
- ・許容度がある
- ・おおらかな
- ・心が広い
- ・寛大・寛容な
- ・来るもの拒まず
「懐が広い」の類語
ただし類語の中にある寛容・寛大については少し違いがあります。寛容は本来許されないことであっても許すというニュアンスが強い類語です。一方で寛大はゆるやかで心の広いことを意味します。ですから懐が広いという意味で類語を使う場合には、寛容よりも寛大という方がピッタリなのかもしれません。
「懐が深い」について
「懐が広い」と近い表現として「懐が深い」という表現があります。「懐が深い」についても「懐が広い」と同じように、心の広さを表しています。懐が広いと同じようなニュアンスで使われることが多いのですが、実は「懐が広い」は誤りで、「懐が深い」が正しい使い方だと考えるケースもあります。
実際に広辞苑で調べてみると「懐が深い」はありますが、「懐が広い」は見あたりません。インターネットで検索してみても「懐が深い」が圧倒的多数です。実は「懐が広い」は、心が広い・度量が広いという表現と懐が合わさってできた造語ではないかという見方があります。やはり本来は「懐が深い」が正しいのかもしれません。
ちなみに「懐が深い」は相撲でも使われる言葉です。相撲の力士が四つに組んだ際に(両手を指し合って組むこと)、胸のあたりが広いために、相手になかなか回しを与えるスキがないことを「懐が深い」といいます。中でも身長が高く、手の長い力士が「懐が深い」タイプだとされています。
「懐が大きい」「心が大きい」について
「懐が大きい」という表現もしばしば耳にします。しかし「懐が大きい」についても辞書に載っていることはなく、「懐が広い」と同じように度量が大きい・寛大といった言葉が「懐」に結びついてできた表現なのではないかと考えられています。
「懐が広い」と同じようなニュアンスの類語として「心が大きい」というものもあります。「心が大きい」という表現に関しても辞書に載っていません。しかし「心が広い」に同じく、細かい事をいちいち気にしない、おおらかな性格のことを指して使われていると考えられます。
いずれにせよ「懐が大きい」も「心が大きい」についても、「広い」と同じように細かい事にいちいちこだわらない、ゆるやかさやおおらかさがある人というニュアンスでしょう。ただし、どちらも辞書には載っていない使い方なので、ビジネスシーンや文章にする時には「懐が深い」を使った方がいいのかもしれません。
「寛容」と「寛大」のニュアンスの違い
先ほど「懐が広い」の類語として寛容と寛大があり、「懐が広い」というニュアンスなら寛大を使う方がベターであるとお伝えしました。しかし「懐が深い」という意味でどちらかの言葉を選ぶなら今度は逆に、本来許せないことも許してしまうという意味の「寛容」の方がしっくりくるのかもしれません。
「懐が広い」の逆は「業が深い」ではない
では参考までに「懐が広い」とは逆のニュアンスで使われる表現はどういったものでしょうか?「懐が広い」が心の広さを表しますから、必然的に「心が狭い」というニュアンスの表現になってきます。
- ・狭量な
- ・心が狭い
- ・器が小さい
- ・偏屈な(性格などが偏ってねじれていること)
「懐が広い」とは逆の意味を持つ言葉
よく使われる言葉に狭量(きょうりょう)があります。気品や風格に問題があるという意味もありますが、心が狭く偏りがあって人の意見に耳を貸さないといった意味も持っています。懐が広いが「来る人拒まず」で、あらゆる人を受け入れるのに対して、狭量な人は自分の価値観や主観的な考えを最優先させるような感じでしょう。
「あの人は懐が広い」と手放しで褒めることもあるでしょう。しかし一方では逆に「あの人は業が深い」などと批判することがあるかもしれません。ただし業が深いは心の広さとは関係がなく、あくまでも前世に原因があるために現世で悪いことが起こっているという意味です。ですから懐が広いの逆は業が深いとはならないのです。
自分もまた懐の広い人間に成長しよう
着物を日常的に着ることがなくなった現代の私たちは、「懐」が一体どういったものなのかよくわかならないまま、「懐」という言葉を含む表現を使っていることもめずらしくないでしょう。特に「懐が広い」は何となく性格に関することで、心が広いってことなのかな…?という感覚でいる人の方が多いかもしれません。
懐という言葉に関しても、心の広さを示すこともあれば、金銭に関することを指していることもあります。懐という言葉が使われる表現はいくつも存在します。「懐が広い」はもちろんですが、懐という言葉が使われた表現を使う場合には、意味をきちんと把握してから使うと間違いも少ないでしょう。
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