残滓の意味・読み方とは?残渣との違いや使い方・例文や類語・英語も

残滓という言葉を聞いたことはありますか?似た言葉で残渣というものがあります。意味も読み方も似ているので、どっちがどっちか分からなくなってしまいますね。この記事では、残滓の意味や読み方、残渣との違いや使い方例文などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



残滓の意味・読み方とは?

残滓の読み方は「ざんさい」または「ざんし」

本を読む子供

残滓の読み方は、「ざんさい」または「ざんし」です。正式な読み方は「ざんし」ですが、世間一般では「ざんさい」と読まれることも少なくありません。どちらの読み方でも間違いにはなりません。「ざんさい」も「ざんし」も、漢字変換でちゃんと出てきます。

残滓とは残りカスという意味

寂しげにどこか見る女性

残滓とは残りカスという意味があります。残滓の「残」は、残ったものを意味します。残滓の「滓」は「かす」と読み、意味は液体の底にたまる沈殿物や、何かを取り除いたあとに残っているくずなどがあります。残滓とは、滓と同じく沈殿物や何かを取り除いたあとの残りカスと言う意味がありますが、他にもあります。

「滓」だけだと、値打の無い不要なものといった意味しかありませんが、残滓の場合は物体以外のことも意味します。また、必ずしも不要なものという意味ではありません。

「時代の残滓が見て取れる」や「学生時代の記憶の残滓はもうない」のように、その時の名残という意味の使い方もあります。残滓は、モノ・記憶などの形のないものの残りカスという意味があります。

残滓と残渣の違いは?

残渣とは何かをろ過したあとに残った残りカスという意味

赤いドリンク

残渣とは、何かをろ過したあとに残った残りカスという意味です。残渣の読み方は「ざんさ」です。ろ過とは、何か混ざっているものを液体と固体にわけること、こすことを言います。

他にも、残渣には何かを溶かしたときに容器の中に残ったものや、加工した時に残ったものという意味もあります。例えば、小豆を使ってこしあんを作った時には、小豆の皮が残渣となります。ろ過や溶かしたあと、加工したあとの残ったものなので、物体に限定される言葉です。

残滓と残渣の違いはろ過や溶解に限定されるか否か

モノが散らばっている様子

残滓と残渣の違いは、ろ過や溶解に限定されるか否かです。残渣は、ろ過や溶解といった、ものをこしたり溶かしたりして出た残りカスのみを意味します。残滓は、ろ過や溶解で出た残りカス以外にも、ただ単に何かを取り除いたときに残っているものや、形のないものも意味します。


そのため、痕跡や名残といった言葉にも使われます。つまり、残滓は残渣の意味も含んでおり、さらに他のことも指すのでその分意味が広いです。残渣の方が意味が限定的なので、意味が狭いということになります。

漢字が似た言葉で「多角的」と「多面的」の違いは分かりますか?実はどちらも同じような意味を持つ言葉ですが、微妙に違った意味も持っています。下記の記事では、多角的について詳しく紹介しています。ビジネスでも役立つような内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

Small thumb shutterstock 306860177
多角的の意味とは?多面的との違いや類語・対義語や多角的視点の持ち方も

あなたは、多角的という言葉の意味を知っていますか?この記事では、「多角的の意味・類語・対義語・多面的との違い」とともに、多角的視点のメリットや得る方法につ...

残滓の使い方・例文は?

残滓の使い方・例文①花瓶の底に残滓がある

花束を女性に渡している所

残滓の使い方・例文一つ目は、「花瓶の底に残滓がある」です。この場合の残滓の使い方は、容器などの物の底に残ったものという意味です。花瓶は、花と水を入れてつかいます。花と水を取り除いたとき、茎の一部や汚れた水など、わずかに中に何か残っていたら、それが残滓となります。

残滓の使い方・例文②洗ったはずのカップにまだ残滓が見られた

飲み物を飲みながら読書しているところ

残滓の使い方・例文二つ目は、「洗ったはずのカップにまだ残滓が見られた」です。これは、しっかり洗ったはずのキレイなカップに、何かしらが残っていたことになります。ここでの何かしらは、飲んだもの自体がまだ残っていたり、口紅が付着していたりなどの洗い残しである汚れや、洗った時につけた泡などが該当します。

カップという容器ですが、必ずしも底にあったものではなく、カップ自体に残っていたものという意味で使われている使い方例文です。そのため、カップの中の底以外にも、ふちや表面、底の裏側に何かあった場合にも使用できます。

残滓の使い方・例文③あの人との記憶の残滓が心にひっかかっている

写真を見ているところ

残滓の使い方・例文三つ目は、「あの人との記憶の残滓が心にひっかかっている」です。記憶という形のないものに対しても、残滓は使われます。この場合は、ある人との記憶のほとんどはもう忘れてしまっているのに、ほんの少しだけ残っており、それが気になっているというような意味になります。

「記憶」以外にも、「思い」や「思い出」など、思ったり感じたりする言葉も似たような意味合いで使われます。今回の例文の場合は、「あの人との思い出の残滓が」のように、記憶と思い出を入れ替える事も可能です。

残滓の使い方・例文④床や柱にその時代の残滓が刻まれている


庭の広い家

残滓の使い方・例文四つ目は、「床や柱にその時代の残滓が刻まれている」です。これは、歴史のある建築物や、築年数の長い建物などに使われる表現です。この場合の残滓とは、床や柱に刻まれた、傷や汚れ、落書きなどを意味します。机や椅子など、家具も何もない建物だけの状態になったとしても、残滓はあります。

刻まれた残滓は、思い出や名残といった意味になります。ここで何かあったという時代の流れを感じることができます。世界遺産などの古い建築物でなくても、生まれ育った家庭の一軒家やアパートの一室でも、時代の流れを感じられる残滓は確認できます。情緒のある使い方例文です。

残滓の使い方・例文⑤新しい政策の中に古い政策の残滓が確認できる

ビジネスマン

残滓の使い方・例文五つ目は、「新しい政策の中に古い政策の残滓が確認できる」です。これは、政策という政治の方針や方策が新しく変わっても、古い方針や方策で行っている部分がまだ少しだけあるといった意味になります。これも、名残という意味合いがあります。

やり方・方針・方策・ルール・マナー・風習など、人の行動においても、残滓という言葉は使われます。ビジネスで使う場合は「新しいルールの中に前のルールの残滓がある」のように使う事もできます。

残滓の使い方・例文⑥ゴーヤの苦みの残滓が印象的だった

緑の野菜

残滓の使い方・例文六つ目は、「ゴーヤの苦みの残滓が印象的だった」です。これは、食べ終わった後にも口の中に苦みが残っており、それが強く心に刻まれた様子を意味しています。残滓は、物体や記憶以外にも、甘味や辛味などの味覚に対しても使うことができます。

また、今回の使い方では、残滓が印象的だったことを表しています。何かに残滓があったという存在の確認ではなく、残滓についてどう思ったか、どう感じたかの使い方例文です。

残滓のNGな使い方は?

残滓のNGな使い方は「残滓が残っている」と二重表現にしないこと

4人で勉強しているところ

残滓のNGな使い方は、「残滓が残っている」と二重表現にしないことです。残滓とは、残っているものを意味するので、「残滓が残っている」だと意味が重複してしまいます。「北に北上する」や「腹痛が痛い」のように、同じ意味の言葉になってしまいます。

残滓という言葉を使う時は、「残滓が見られる」「残滓を発見した」とように、残滓があることを表したり、「残滓が印象的だった」「残滓をせつなく思う」など、残滓について思ったことを続けるといいでしょう。


食品加工で出るものは残滓より残渣を使う

冷蔵庫を開ける女性

食品加工で出るものは、残滓より残渣を使う事です。残滓は残ったものという広い意味があり、残渣は何かをろ過したり溶かしたときに出るもの、何かを加工した時に出るものに限定されます。意味が広い方が使い勝手がいいように感じますが、広いと意味が伝わりにくいという欠点もあります。

食品残渣という言葉があり、意味は食品の製造や加工で出た食品の残りや余りを指します。食品残渣を使って飼料を作ったり再利用する動きもあります。この時、残滓の中に残渣の意味も入っているからといって「食品残滓」というと、関係者からは間違っていると思われてしまいます。

同じ意味が含まれているとしても、残渣と残滓は言い換えができない場合があります。特に食品加工が関わる場合は、残滓ではなく残渣を使うのが一般的です。それぞれの言葉の意味をしっかり覚え、適切に使わないとNGな使い方をしてしまいます。

残滓の類語は?

残滓の類語①零れ物

こぼれそうな飲み物

残滓の類語一つ目は、「零れ物」です。読み方は「こぼれもの」です。零れ物は、こぼれたもの・残ったものという意味があります。液体や水分のものに使われる場合も多いです。「おこぼれ」になると、他人の余ったものや残り物という意味になります。「おこぼれをちょうだいする」は他人の残ったものをもらうという意味です。

残滓の類語②余りもの

ポーチの中が散らばった様子

残滓の類語二つ目は、「余りもの」です。読み方は「あまりもの」です。意味は、残ったものや不要になったものがあります。残滓はただ単に残ったものを意味しますが、余りものの場合は、もういらなくなったものというマイナスなイメージが強いです。他に、食べ残したものという意味もあります。

残滓の類語③取り残し

タンスにたくさん服が入っている様子

残滓の類語三つ目は、「取り残し」です。意味は、何かを取ったあとに残されたものや事です。全部取らずに一部を残す事という意味もあります。取り残しの場合は、基本的には何かを取る行為が必要になります。「取り残してきた荷物が気になる」「一人だけ取り残される」などのように使います。

残滓の英語は?

残滓の英語表現①residue

黒板に英語を書いている女性

残滓の英語表現一つ目は、「residue」です。読み方は「レズィドゥ」です。意味は、残留物や残り、燃えかすなどを表します。残ったものが物体であった場合は、residueが当てはまります。食品加工で出た残りも同じ意味の英語表現になるので、残滓だけではなく残渣の意味も含まれます。

残滓の英語表現②vestige

写真を見る男性

残滓の英語表現二つ目は、「vestige」です。読み方は、「ヴェスティジュ」です。意味は、面影や痕跡、名残や跡といったものを表します。記憶や思い出、心に残るといったような、感傷的だったり印象的だったりと心が動かされるようなものが残っている時に使います。

他にも、古い昔のしきたりやマナー、ルールなどが残っている時にも、痕跡や名残が見てとれるので、vestigeを使います。物体がない場合でも残滓という意味で使える英語表現です。

残滓の英語表現③dregs

柑橘系の飲み物

残滓の英語表現三つ目は、「dregs」です。読み方は、「ドゥレグズ」です。意味は、カスやクズ、つまらないものを表します。コーヒーやジュースなどの飲み物の残りものという意味合いで使われる場合も多いです。また、人間のクズや社会のクズなど、役に立たないという意味合いでも使われる英語です。

残滓の意味を知って正しく使おう

残滓とは残っているものという意味がありました。読み方は「ざんさい」と「ざんし」の二つがあり、どちらを使っても間違いではありません。ただし、職場や業界によってはどちらかに読み方が決まっている場合があります。その場合はその場所に合わせた読み方を使いましょう。

残滓と残渣は意味は共通している点もありますが、残渣は思い出や記憶等の物体ではないものも意味します。残渣は主に食品加工などで使われます。それぞれの使い方をよく覚えておきましょう。また、「残滓が残っていた」のように使うと、意味が重複してしまいます。意味をしっかり理解して正しく使いましょう。

ビジネスシーンで耳にする定量的と定性的の違いは分かりますか?似たような漢字が並んでいるから、つい間違えそうになってしまいますね。下記の記事では、定量的の意味や使い方について紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

Small thumb shutterstock 654147535
定量的の意味は?定性的との違いや定量化の効果・英語表現も

「定量的」という言葉を聞いたことありますか?特にビジネスの目標や評価などで使うことが多い言葉ですが、果たしてどんな意味の言葉なのでしょうか。セットで使われ...


商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。