乖離の意味は?読み方や解離との違いや類語や対義語・使い方も

乖離という言葉の意味と読み方を知っていますか?解離という単語もあり、乖離と解離で言葉が違う理由も当然あります。分離する、などの乖離と似たような離れるという意味を持つ類語も多く、興味深い言葉です。もし乖離という言葉にあまり見覚えがなければ、詳しくまとめているのでぜひご覧ください。

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乖離の読み方や意味・解離との違いも

乖離の意味は離れること

離れる様子

乖離の意味を知っていますか?本来あるべき姿や、密接に関係があった物が離れてしまった、ということを表すときに使う言葉です。それぞれの漢字ですが、乖は離れる、もとる、そむく、へだたる、離ははなす、へだてる、わかれるという意味を持ちます。また乖は乖く(そむく)とすることもでき、離れると似た言葉になります。

乖の意味の1つにもとるがあります。漢字で書くと悖るで、道理から外れる、背くという意味があります。乖の意味と同じです。また、悖るの意味はもう一つあり、盛んに起こるということも表します。単語では悖然という言葉で表現できます。普段目にしないだけあり、検定一級レベルに相当する漢字です。

また乖にまつわる言葉の表現は乖離以外にもいくつかあります。例えば乖背(かいはい)、乖戻(かいれい)という言葉があり意味はどちらも道理に逆らうことを指します。乖異、乖違という表現もありどちらも意見が食い違って、気の合わないことを指す言葉です。難しい感じですが、知っていると驚かれるかもしれません。

乖離の読み方はかいり

かいり

乖離の読み方はかいりと読みます。どちらも音読みで乖はカイ、離はリ、合わせてカイリとなります。ちなみに、乖は漢字検定1級、離は常用漢字で4級に相当します。乖は常用から外れている漢字ですが、印刷物などではよく使われる言葉です。そのため印刷標準字体という印刷物で常用される漢字に指定されています。

乖離と解離が違う理由①本来あるべきモノが離れたかどうか

本来あるべきモノ

乖離と解離が違う理由の1つ目は、本来あるべきモノが離れたかどうかにあります。どちらも同じような意味ですが、乖離は元々あるべき姿から離れていること、解離は単に離れたことを表しています。二つの言葉が違っている理由は、本来あるべきものが離れたかどうか、という部分に違いがあるからというのが1つです。

解離と意味が違う理由②解離は単純に何かが離れるという意味だから

何かが離れる

乖離と解離が違う理由の2つ目ですが、解離は単純に何かが離れるという意味だからです。乖離は「道徳と乖離している」と使い、解離は「服の繊維のもつれが解離した」となります。乖離は道理に反していること、解離は単純に何かが離れるという意味で使われています。二つの言葉が違う理由は使い方が違うというのも1つです。


解離と意味が違う理由③そもそも漢字の意味が異なる

漢字の意味が異なる

乖離と解離が違う理由の3つめは、そもそも漢字の意味が異なるからです。解離の解は分ける、ほどく、バラバラにする、乖は道理に反するという意味があります。同じ読みで似た言葉ですが、大本の漢字の意味は全く異なります。解離と意味が違う理由は、そもそも単語を成り立たせる漢字の意味が違うからということもあります。

乖離の類語や対義語

乖離の類語①分離

分離

乖離の類語の1つ目は分離です。分離の意味ははなれる、わかつことを表す言葉です。漢字も両方同じ意味です。2つの何かが分かれて離れることを表したいときに使います。また、化学でも使われる言葉です。単離という、結晶・昇華・蒸留などの方法で物質から特定の成分を取り出すことを、分離するという言葉で表します。

分離の例文は「人が多くなったので1つのグループを2つに分離する」です。もともと一つのグループだったものを2つに分けて離すことを意味する文章です。また「マヨネーズの油が分離している」「建物の一部が分離されることになった」というような表現もできます。分離を使った単語では分離主義、中央分離帯があります。

分離するという言葉はあまり普段使わない気がしますね。何気ない会話よりは、人に説明するときに使うことが多そうです。例えば調味料の水と油が分かれていたとき、何かを意図的に分けるときなどに、分離するという言葉を使って人に伝えてみてはいかがでしょうか。何かが分かれる、という意図が伝わりやすいかもしれません。

乖離の類語②縁切り

縁切り

乖離の類語の2つ目は縁切りです。縁の意味はゆかり、繋がり、めぐりあわせで、縁切りという言葉は文字通り繋がりを断つということです。恋愛で出会った人と別れるとき、知り合ったけどもう会いたくないと感じたとき、一定以上長く深く付き合った人と決別するときなどに、縁切りという言葉が使われます。

縁切りの例文は「新生活のため、惰性で繋がっていた人間関係を縁切りした」です。清々しい気持ちで新しい生活を送るために、古くあまり為にならない人間関係を断ち切り整理したということを意味しています。辞書などでは家族や夫婦、友人などの深い人間関係に対して、絶縁するという意味で使われるとされています。

ふだん何事もなければ縁切りという言葉を使う機会はあまりないと思います。しかし、トレードオフという言葉があるように、捨てることで新しい何かを得ることができます。人でなくても物に対しても使える表現なので、自分にとって悪影響があるものを捨てて、幸運を願う意味で縁切りという言葉を使ってはどうでしょうか。


乖離の類語③分立

分立

乖離の類語の3つ目は分立です。意味はわけるという分と、成り立つという立からできた言葉で、それぞれに分けて設けるということを表します。何かを分けて成り立たたせることを表したいときに使う言葉です。三権分立など分けて設けることや「会社を分立させる」というように、分けて存在させることを表すときに使います。

分立の例文は「家族で家事の役割を大きく3つに分立する」です。家事を分担するために役割を大きく3つに分けるということを意味しています。また「巨大な権力は3つに分立している」という例文では、3つの権力について、それぞれ個別に成り立っているものだということを分立という単語で伝えています。

分立という言葉は、どちらかというと政治の話題で目にすることが多いかもしれません。普段の生活では、あまり使うイメージがないですが、何かを分けてそれぞれ成り立たせていきたいとき、分立という言葉を使ってはいかがでしょうか。分けて何かをやっていくという意図がより伝わりやすい表現になるかもしれません。

乖離の対義語①元の鞘に収まる

元の鞘に収まる

乖離の対義語の1つ目は元の鞘に収まる、です。古くからあることわざの1つで、意味は夫婦や恋人などの男女関係が元の状態に戻ることを指しています。鞘とは剣を収める筒状の入れ物のことです。男女関係が元の状態に復縁する様子を、剣と鞘がピッタリ収まる様子に例えています。略して元サヤと呼ぶことがあります。

元の鞘に収まるの例文をあげるなら「外に聞こえるほど大喧嘩していたのに、結局は元の鞘に収まったようだ」です。外に聞こえるほどの激しい大喧嘩で仲が険悪になったのに、最終的に復縁したようだ、ということを意味しています。略語で言うと結局は元サヤのようだ、という言い方になります。普段でも良く聞く慣用句です。

「元の鞘に収まる」は一度離れた関係が結局元通りの形に戻るという意味で、乖離は元の道から外れるという意味です。元の鞘に収まるという言葉は乖離と逆の意味があるので、対義語として成り立っているのではないでしょうか。

乖離の対義語②修復

修復

乖離の対義語の2つ目は修復です。修は繕う・なおす、復は戻る・かえるという意味を持ち、元の形に戻すということを表す言葉です。壊れたモノや関係を元通りになおすことを表したいときに修復という言葉を使います。風化した歴史のある絵画や、喧嘩で悪くなった仲、欠損したデータなどを回復する時によく使われる言葉です。

修復の例文は「喧嘩して仲が悪くなった友達との関係を修復する」です。言い合いをして険悪になった友達との関係を元に戻すということを意味しています。また「建物の破損した部分を修復する」という文では、物体の破損を元通りなおすことを修復という言葉で表しています。単に直すのではなく元の状態という意味があります。


修復は何らかの壊れた物や関係を元の状態まで直すという意味があり、乖離は元のあるべき状態から外れることを表した言葉です。修復は乖離と逆の意味を持つため対義語として成立しているのではないでしょうか。

乖離の使い方・例文も

乖離の使い方・例文①理想と現実が乖離する

理想と現実が乖離する

乖離の使い方・例文の1つ目は理想と現実が乖離する、です。本来あるべき最も好ましい状態と比べて、現実の状況が大きく離れていることを表しています。あるべき姿と現時点を比較した結果、離れていることを表現するとき、~と~が乖離するという言い回しを使ってはいかがでしょうか。

乖離の使い方・例文②この価値観は世間一般の常識と乖離する可能性が大きい

世間一般の常識と乖離

乖離の使い方・例文の2つ目はこの価値観は世間一般の常識と乖離する可能性が大きい、です。世間の一般常識と誰かの価値観には大きく開きがあり、常識から外れている見込みが高いことを意味しています。何かのあるべき基準から大きく離れることを表したい時、~と乖離する可能性が大きいと言ってみてはどうでしょうか。

乖離の英語表現

乖離の英語表現①~の乖離を解消する

乖離を解消する

dissipate the dissociation of
引用元: 英次郎 on the Web アルク

乖離の英語表現の1つ目は~の乖離を解消する、です。dissipate the dissociation of~という表現をします。the dissociationが乖離で、dissipateが解消するという部分になります。上記例文のofの後にrealityを足すと現実との乖離を解消するとなります。

乖離の英語表現②~と乖離する

乖離する

I lost touch with reality
引用元: 英次郎 on the Web アルク

乖離の英語表現の2つ目は~と乖離する、です。lose touch with~で乖離するという表現になります。上記例文は現実と乖離するという意味です。また、ほかに連絡を断つ、誰かとの関係がなくなるという意味もあります。その場合、I lost touch with her.という風に表現します。

乖離の英語表現③乖離する

乖離する

become detached from reality
引用元: 英次郎 on the Web アルク

乖離の英語表現の3つ目は乖離する、です。become detached~で乖離するという表現になります。becomeは成る、detachedは孤立する、分離するという意味があり、合わせると乖離という表現になります。上記例文は現実から乖離するという意味で浮世離れしていることを表した文です。

乖離とその類語のそれぞれの意味を理解して正しく使おう

以上が乖離の意味と読み方、類語、例文、解離と違う理由でした。離れるという意味を持つ類語は乖離以外にもたくさん存在します。それぞれ微妙に意味が違うので、使うときは相手の誤解を招かないよう、気を付けて使いましょう。言葉遣いが雑な人より正しい方が、キッチリした人物に映ります。

乖離という言葉は難しいので、相手が読めなくて上手く伝わらないこともあるでしょう。類語などで乖離と同じような意味を持つ言葉を知っておくと、伝える力が増します。この記事以外にも類語を掲載した言葉にまつわる記事があるので、見て頂ければ伝える力の基礎である語彙や表現力の向上になるはずです。

ほかにも興味深い記事がありますので、興味があれば読んでみてはいかがでしょうか?知っておくと生活に便利なお役立ち情報も、多く掲載しています。ぜひご覧になって頂ければと思います。

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