諸々の意味は?色々や種々との違いや類語・ビジネスや敬語での使い方も
「その他諸々」や「諸々の事情」などの形で用いられる「諸々」ですが、その意味はご存知でしょうか。また、ビジネスシーンでは敬語と共に問題無く使用出来るのか?「色々・諸処・種々」といった意味の似た言葉や類語との違いについてもご紹介しますので、使い分けの参考にもどうぞ!
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目次
諸々の意味は?色々や種々や諸処との違いも
「諸々」の意味
「諸々(もろもろ)」の意味は、「多くのもの・多くの人・様々なもの」です。つまり、「それぞれ違うたくさんのものや人」を表す時に使う言葉とされます。「諸」は「々」を付けなくても「もろもろも」と読むことが出来るため、書き記されたものによっては「もろもろ」を「諸」単一で表記している場合もあります。
また、「諸」を「もろ」や「もろもろ」と読むのは常用漢字表外読みです。常用漢字の読み方としては音読みの「しょ」しか無く、常用漢字の読み方としての訓読みはありません。常用漢字とは「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送などの一般社会生活における現代国語を書き表す際の漢字使用目安」のことを言います。
常用漢字の読み方は、「そのような一般社会生活における現代国語を使用する際に標準として扱える読み方」です。逆を言えば、常用漢字表外読みは一般的には使用されない読み方ということになります。しかし「もろ」や「もろもろ」の読み方を用いた「諸々・諸」の言葉は、公用のビジネス文書にも問題無く使用されています。
「色々」の意味
「色々(いろいろ)」の意味は、名詞や形容動詞として使用する場合は「異なる状態や物事の数が多いこと」「様々な色」「様々な色を重ねる襲の色目」といった3つの意味があります。副詞として使用する場合は「様々・あれこれ・種々」の意味になり、名詞や形容動詞の意味の1つ「異なる状態や物事の数が多いこと」に似ます。
名詞や形容動詞の使い方をする時は「色々な○○」のような形になり、副詞の使い方をする時は「色々やってみたけれど決まるものが無い」のような形で使います。また、「色々」は「色色」と表記することも多いです。「々」は「前の文字や言葉と同じ」であることを表す語なので、「色々」と「色色」に特別な違いはありません。
「諸処」の意味
「諸処(しょしょ)」の意味は、「色々な場所・あちこち・方々」です。「諸々の処(もろもろのところ)=諸処」となるように、「諸処」は「それぞれ違う状態や物事がある多くの場所」を表す時に使います。「諸々」や「色々」と大きく違うのは「場所」に限定されているところですので、その辺をポイントとして考えましょう。
「種々」の意味
「種々(しゅじゅ)」の意味は、「数多くの種類があること」です。本来は名詞や形容動詞として用いますが、副詞的に使う場合もあります。「種々」は古く「しゅしゅ」と読まれましたが、現代では「しゅじゅ」と読むのが一般的です。今でも「しゅしゅ」と読む方はいますが、元を辿れば間違いではありません。
「諸々・色々・諸処・種々」の違い
以上のことから、「諸々=多くのもの・様々なもの・多くの人」「色々=異なる状態や物事の数が多いこと」や「様々な色」「諸処=色々な場所・あちこち・方々」「種々=数多くの種類があること」を意味することが分かりました。
それぞれの意味の主体を挙げてみますと、「諸々=たくさんの数」「色々=たくさんの異なるもの」「諸処=たくさんの場所」「種々=たくさんの種類」になっていることが分かります。ちなみに「種類」とは「共通点で区別したそれぞれのもの」のことを言い、「異なる」は「比べて差がある・違う」ことを表します。
「諸々」の意味の中には「様々(それぞれ異なる=色々)」の言葉もありましたので、諸々は「たくさんある」あるいは「異なるものがたくさんある」ことを表す時に使います。色々も同様ですが、「状態」を表す意味が強いです。諸処は「色々な場所や方向」を表す時、種々は「グループで区別する意味を含めて」使います。
諸々の類語や言い換えは?
諸々の類語や言い換え①諸般
「諸般(しょはん)」の意味は「色々な事柄・様々・種々」で、「諸々」「色々」「種々」の類語にあたります。「諸般」の「般」には「そのような事柄・そのような時」という意味があり、「諸」と組み合わさることで「たくさんある事柄・たくさんの事柄がある時」といった意味合いになります。
「諸々」と「諸般」の違いは、何を表す時に使うのか?です。「諸々」は「物事」の他に「人」についても使えますが、意味を見て分かるように「諸般」は「事柄」を表す時に使います。「事柄」は「物事や物事の内容や様子」を意味するため、「諸般」は「諸々」と同じように「物や事」について使用出来ます。
しかし、「人」のことは表せません。一般的に「諸々」の方が多く見聞きする理由は、「物も事も人のことも表せるから」です。「諸般」も「物と事」を表せるため広く使える言葉ではありますが、「物や事には人が関わっている」場合が多いために「色々な事柄や物事」を表す時には「諸々」を使用することが多いとされます。
諸々の類語や言い換え②様々
「様々(さまざま)」の意味は、「物事がそれぞれ違うこと」です。「色々」や「種々」と同様の意味だと言われますが、共通点のグループ分け(種類)のニュアンスは含まないため「色々」の方が意味合い的にも近いと言えます。
「色々」は「異なるものがたくさんある」ことを表す点で「諸々」と意味・ニュアンスが似ているため、「色々」と同様の意味とされる「様々」は「諸々」の類語にもなります。しかし「色々」と「様々」には、以下のような使い分けがあると言われています。
一般的に「色々」は「日常的なあれこれ」をまとめた表現をする際に用いられることが多く、「様々」は「やや文語的」な印象があります。「文語」は「文章で用いる語=書く形で使う語」のことですので、文章上で「色々」を表したい時は「様々」に言い換えられることが多いです。
諸々の類語や言い換え③多彩
「多彩(たさい)」の意味は、「色の種類が多い・彩りが多くて美しいこと」と「変化や種類が多く賑やかなこと」の2つです。「色々」に限っては前者も類語の意味になりますが、「諸々」の類語としては後者のみが似た意味にあたります。しかし、諸々とは意味の点で明らかな違いがあります。
それは、「賑やかな」という部分です。「多彩」が表す「賑やか」とは「活気があること・盛んであること」であり、つまり「多彩」は「色が多くて活き活きとした気分を感じさせる」ことを表します。「多彩」は良い意味でしか用いられることが無く、また「諸々」よりも使用出来る範囲が狭いです。
諸々の類語や言い換え④多様
「多様(たよう)」の意味は、「色々と種類の違うものがあること」です。「色々」や「種々」の類語になるため、色々とよく似た「諸々」の類語にも挙がります。ただ、「多様」には「諸々」が持つ「多くの=たくさんの」の意味が含まれていません。
「多様」は崩すと「多くの様」ですが、意味を見る限りでは「たくさんの種類がある」ことを表しているのであり、「たくさんの数」を表す言葉では無いことが窺えます。よって「たくさんの数」の意味を込めて表現する時には「諸々」を使用し、「たくさんの種類」を表す時には「多様」を用いるのが正しい使い方だと言えます。
諸々を使うときのポイント
ビジネスシーンでは「諸々」を使用する
「諸々」と最も似た言葉は「色々」でしたが、ビジネスシーンでは「色々」よりも「諸々」が好まれます。特に「公用文書やビジネス文書といった堅めの表現を用いた方が良いもの」では、比較的に堅い表現の印象を与える「諸々」が好ましいと言われます。ビジネスの文書やメールでは、「色々」ではなく「諸々」を使いましょう。
ビジネスシーンなどで使う敬語と共に使える表現
ビジネスシーンと言えば敬語について気になりますが、「諸々」は敬語的に問題は無いのでしょうか?その疑問に対する答えは、「問題無い」です。「諸々」は敬語のように堅い表現の印象があるため、ビジネスシーンなどの敬語を要する状況でも問題無く使用することが出来ます。
謝罪時は「諸々」の使用を避けた方が良い
ビジネスシーンなど、敬語を要する上記で「諸々」を用いるのは「多くの物事をまとめて表すべき時」だけです。逆を言えば「まとめずにしっかり1つ1つを表すべき時」には使わない方が良いと言われており、特に「謝罪」を示す際には避けるべき表現とされます。
たとえば、「諸々すみませんでした」や「諸々の失礼に深くお詫び申し上げます」といった表現は好ましくありません。謝罪の際は「どうして謝罪するのか」を含めて謝罪の件について伝わるように説明する必要があるため、謝罪する理由を「諸々」の一言でまとめるべきでは無いと言われています。
ビジネスシーンで用いる謝罪の言葉には「以後気を付けます」もありますが、その意味や使い方について詳しく知りたい方には以下の記事をオススメします。
諸々の使い方・例文も
使い方①諸々の事情
「諸々の事情」はビジネスシーンでもよく登場する使い方で、意味は「それぞれ状態が違う多くの物事」です。「状態の違う物事がたくさんある」ということを表しており、それら「違う物事をまとめて表す時」に「諸々の事情」を使います。
「諸々の事情」を使った例文
例文としては、「諸々の事情により生産終了になります」などがあります。「諸々の事情により」の部分は、「諸々の事情によって」や「諸々の事情のため」になることも多いです。また、ビジネスシーンなどでは「諸々の事情をご賢察の上、ご了承ください」などの敬語表現も見かけます。
使い方②その他諸々
「その他」と組み合わせた「その他諸々」は一般的にも見聞きすることがありますが、この意味は「特定の事柄以外の多くのものをまとめて表す」です。
「特定の事柄」というのは「既に示している事柄」のことで、「それ以外の事柄」をまとめて「その他」と言います。そういった意味を持つ「その他」に「諸々」が加わることで「多く」の意味が入るため、上記の意味になります。
「その他諸々」を使った例文
例文には、「その他諸々の話もある」などがあります。大体は、ある事柄について話した後に「その話以外にも話がある」の意味として「その他諸々の話」という表現が用いられます。そのため、「〜もある」の言葉を加えずに「その他諸々」だけで使う場合も多いです。
諸々の英語や例文
英語①many
「many(メニー)」は「たくさんの」を意味するため、「諸々」を英語で表現したい時によく用いられます。実際に「諸々」ということを示す時には、「違ったもの・異なったもの・別の」を意味する「different(ディフレント)」と加えた「many different(たくさんの異なるもの)」を用いることも
英語②various
「various(ヴァリアス)」は「様々の」を意味するため、manyと同様に「諸々」の英語表現になります。「様々な事情により」を伝える時には、「for various reasons(フォー ヴァリアス リーズンス)」という表現を用います。
似たような表現には「due to unforeseen circumstances(デュー トゥ アンフォーシーン サーカムスタンスィズ)」があり、この意味は「予期せぬ事情によって」です。「予期せぬ」の点でvariousの例文との違いがあるため、その辺を意識して使い分けてみましょう。
英語③everything
「everything(エブリスィング)」は、「副詞的な諸々」を表す時に用いられることがあります。たとえば、副詞的に「諸々ありがとうございます」という使い方をする場合には「Thank you for everything(テンキュー ユー フォー エブリスィング)」と言います。
「諸々」は「多くの異なる物事や人」を表す!類語との使い分けを意識しよう
「諸々」は「多くの異なる物事や人」を意味し、それを表す時に使用する言葉です。ビジネスシーンでも問題無く用いることが出来るとされますが、謝罪など「多くの異なる物事や人を具体的に説明すること無くまとめて表現しない方が良い」場合には使用を避けましょう。
また、「諸々」には複数の類語が存在していました。しかし「諸処」は「場所」についてを表し、「種々」は「種類という共通点に基づくグループ分けをした上での異なるものたち」の意味合いが強いです。特徴が分かりやすいので使い分けは難しくありませんが、問題なのは「諸々」とよく似た「色々」です。
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