日商簿記3級の合格率は?難易度・合格点・効果的な勉強方法の紹介も

日商簿記3級は合格率40%台、難易度は普通レベルですが、どんな仕事にも役立つ人気資格です。今回は、日商簿記3級の合格率や難易度を踏まえ、簿記初心者にもおすすめ・合格点を取るための効果的な勉強法をご紹介します。簿記検定を突破して、就職・転職活動でのアピールに、キャリアアップに活用しましょう。

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日商簿記3級の合格率は?4つの視点から傾向を分析すると?

日商簿記3級の合格率は40%台

資料

日商簿記検定3級の合格率は、年度や回によってバラつきがありますが、ここ数年は40%台です。一方、上位の級の合格率を見てみると、2級は15~20%前後、1級は10%前後で、3級よりもかなり低くなっています。

日商簿記3級受験者データ(商工会議所の簿記検定情報サイト)

日商簿記3級の合格率の傾向を分析①問題の難易度との関係

悩む女性

日商簿記3級の合格率は、問題の難易度と深く関係しています。一般的に、資格試験は受験者数が増加すると合格率が低下するという傾向があります。しかし、日商簿記3級は、70%以上正解すれば他の受験者の成績に関係なく合格なので、合格率は受験者数よりも問題の難易度に左右されるのです。

多くの検定試験では、試験の回ごとに合格率が大幅に変動しないように、バランスを意識した問題作成が行われています。つまり、合格率が下がり過ぎた(問題が難しかった)回の直後の試験は、少し易しい問題になることもあります。受験者の中には、そのタイミングを狙って受験するという裏ワザを実践している人も。

ちなみに、日商簿記3級の受験者数は、2010年をピークに微減傾向にあります。年に3回(6・11・2月)に行われる試験には、毎回約10万人の申込みがありますが、実際の受験者は8万人前後で、3万5000~4万人が合格しています。

日商簿記3級の合格率の傾向を分析②合格しやすい月について

カレンダー

日商簿記3級の合格率は実施月ごとに僅かな差がありますが、合格率が高いから合格しやすいのではありません。確かに、過去の合格率データを比較すると、同じ年度であれば、6月試験の合格率よりも、11月・2月試験の合格率が高いという傾向が見られます。


これには、「4月から簿記の学習を始める人が多く、合格できる実力がつくのは11月以降だから」という事情があります。4月開講・6月合格を目指す通学講座もありますが、仕事や学業の傍ら、全く知識のない状態から、数か月で合格レベルの知識を習得するのは簡単ではないでしょう。

つまり、同年度で比較すると、6月よりも11月と2月の合格率が高めなのは、十分な試験対策ができている受験者の割合が多いからなのです。

日商簿記3級の合格率の傾向を分析③出題区分の大幅改定の影響について

改定

日商簿記試験では、平成28年度の試験から順次、出題区分の改定が進められています。3級試験でも、平成31年度の試験より新たな出題区分での試験がスタート予定です。

そのため、これから学習を始める人はもちろんですが、既に学習をスタートさせている人も、2019年6月試験以降の受験を考えている場合は、新しい出題区分に対応した対策をしておく必要があります。

簿記3級試験の出題区分改定で、具体的にどのような影響が出るのかは予想できません。3級よりも先に出題区分の大幅改定が実施された2級では、改定後の受験者数は減少、出題範囲の拡大で難易度もアップ、合格率も大幅に低下しています。

日商簿記3級の合格率の傾向を分析④他の検定試験の合格率と比較

比較

日商簿記検定は、TOEIC、英検、漢検に次ぎ多くの人が受験する人気資格です。高校卒業レベル(履歴書に書ける)の英検2級の合格率は25%前後、漢検2級の合格率は20%前後です。単純に比較はできませんが、合格率だけを比較してみると、日商簿記3級は比較的受かりやすいと感じる人も多いのではないでしょうか。

履歴書に書ける資格を取りたいという視点で他の人気資格と比較すると、日商簿記3級はそれほど難易度が高いものではありません。英語や漢字に苦手意識を持っている人は、ぜひ簿記に挑戦してみてくださいね。

社会人におすすめ、仕事で役立つ資格は実はたくさんあります。下の記事では、合格に欠かせない、社会人ならではの賢い勉強法と人気資格をご紹介しています。ぜひチェックして、限られた時間を有効活用して資格を取得、スキルアップを叶えましょう。


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日商簿記3級の難易度・合格点!合格率は低いけど実は簡単?

日商簿記3級の難易度は普通レベル

難易度

日商簿記3級の難易度は普通レベルです。一般的に、「合格率が低い=難易度が高い」というイメージがあるため、合格率が40%台と聞くと「半分以上落ちているから、難しいのではないか」と思う人も多いですよね。

しかし、日商簿記3級のような定番の人気資格の場合、職場の付き合いで受験、手頃な受験料につられてお試し受験をする人も一定数います。つまり、合格率算出の分母となる受験者数には、初めから合格ラインに達していない習熟度の受験者数も含まれます。すると、実際の難易度よりも合格率が低くなってしまうのです。

日商簿記3級の合格点は70点以上

合格点

日商簿記3級の合格点は70点です。受験者の平均点や全体順位で合否が決まる試験もありますが、日商簿記3級は基準以上得点すれば、必ず合格できる試験です。

「70点以上なんて楽勝」と思う人もいるかもしれませんが、実施回ごとに問題の難易度が異なるため注意が必要です。平均点での合格点の補正はないため、出題区分の様々なタイプの問題に対応できるように、しっかり勉強しておきましょう。

「日商簿記3級は簡単」という情報を鵜呑みにしない

疑う

日商簿記3級について口コミを集めてみると、「日商簿記3級は誰でも受かる」「3日間の勉強で十分」などの情報が出てきます。日商簿記検定試験の3つの級の中では最も下のレベルであること、漢検や英検の影響で「3級=中卒レベル」というイメージがあることも、「日商簿記3級は簡単」と評価される原因となっています。

しかし、簿記試験では、日常生活ではあまり馴染みのない専門用語を用いて、簿記特有の考え方での計算・処理能力を試されます。つまり、簿記初心者には決して簡単な試験ではありません。しかも、用語を覚えるという点では暗記科目ですが、計算科目でもあるため、合格のためには対策は必須です。

合格を目指すのであれば、「日商簿記は簡単」という意見にに惑わされずに、試験本番まで地道に勉強してくださいね。また、たとえ不合格であっても、「日商簿記3級も受からないなんて」と悲観せずに、再挑戦してみましょう。

日商簿記3級の効果的な勉強方法は?

日商簿記3級の効果的な勉強法|70~100時間の勉強時間を確保

時間

日商簿記3級合格のためには、70~100時間の勉強時間が必要です。1日1時間勉強時間を確保できれば、約3か月の勉強で合格基準を満たす力を付けられます。

仕事などでまとまった時間を取れない日は、10分程度のすきま時間を活用するのがポイントです。テキストを読む、簿記の基本である専門用語の暗記、仕訳対策など短時間でもできることはたくさんありますよ。

日商簿記3級の効果的な勉強法|自分に合った勉強法を見つける

勉強

日商簿記3級合格のためには、自分に合った勉強法での学習が不可欠。勉強法が合っていないと、学習効率が悪くなってしまい、挫折につながることも。資格試験のための勉強法には、独学、通学講座、通信講座の3つがあります。

あまり複雑な問題が出ない日商簿記3級の場合は、独学でも十分合格できます。独学の場合は質の良いテキストを選び、モチベーションを維持するための工夫も必要です。通学講座は合格ノウハウの豊富な講師陣に指導を受けられるのが魅力。短期集中や2級とのW受験講座などもありますが、費用がかかるのは難点です。

そして、通信講座は専用テキストと添削指導で効率的に学習できますが、やはりモチベーション維持が課題です。映像講義付き、通学講座のようなきめ細かいサポートを受けられる通信講座も増えています。費用だけではなく、自分の性格やライフスタイルに合った学習法を探してみましょう。

日商簿記3級の効果的な勉強法|問題を解く時には時間を計る

時間を計る

日商簿記3級の勉強では、問題を解く時に時間を計る「タイム学習」を習慣にしましょう。特に、過去問や予想問題を解く時には、制限時間を意識して集中して取り組みます。

過去問は、直近5~10年分を最低でも3回は繰り返し解き、理解しておくことが大切です。間違った問題をノートにまとめて、すきま時間にチェックするのもおすすめです。全ての問題を解いておくのが理想ですが、問題の重要度や出題頻度の表記を参考に、問題を選んで対策する方法も。

日商簿記3級の効果的な勉強法|苦手をなくすことを目標に繰り返し学習

ノート

日商簿記3級に確実に合格するためには、「苦手分野を作らない」ことが大切です。苦手分野の知識を定着させるためには、過去問集などで苦手分野の問題を集中して解くのがおすすめ。類似問題をまとめて解くことによって知識が整理され、1問ずつ解くよりも効率的に知識を深めることができますよ。

日商簿記3級の効果的な勉強法|電卓を打ちながら勉強する習慣付けを

電卓

日商簿記3級合格のためには、電卓を打つ練習も必要です。電卓を速く正確に打つためには、電卓に慣れることが不可欠。実用性を意識して電卓を選び、参考書などを参考に基本的な使い方をマスターして、スムーズに電卓を使えるようになりましょう。

合格率は気にしない!日商簿記3級は対策次第で合格できる

日商簿記3級の合格率や実際の難易度、検定試験合格のための勉強法コツをご紹介しましたが、いかがでしたか?巷でのイメージとは異なり、独特の考え方や知識が要求される簿記は、たとえ3級であっても簡単なものではありません。

しかし、自分に合った、ポイントを押さえた学習でしっかり対策しておけば、合格することのできる検定試験です。しかも、会計や経理の知識の証明にもなるメジャーな検定試験として、取得のメリットはたくさんあります。

「何か新しいことに挑戦したい」「履歴書に書ける資格が欲しい」といった人にもおすすめの日商簿記3級、合格率や口コミ情報に惑わされず、しっかり対策して臨みましょう。


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