レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味とは?ヤノマスティーロの使い方も

レゲェで聴こえてくる「ヤーマン(YAH MAN)」は「アーイ」という掛け声で「ジャマイカのパトワ語」が語源です!では「ヤノマスティーロ(ya know my steelo)の意味とは?知っていればさらに楽しめる「レゲェ・ミュージック用語」の「ヤーマン」の意味、ヤノマスティーロの使い方もご紹介しますね!

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レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味とは?

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味①もちろん(fosho)

音楽

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味の1個目は『もちろん(fosho)』です。ヤーマン(YAHMAN)は、ジャマイカのパトワ語(Patwa,Patwah,Patois)です。「wah gwaan?(調子どう?)」と聞かれ「yeah, man!(fosho/もちろん元気!)」と答えます。

パトワ語(Patwa,Patwah)は、レゲェ発祥地のジャマイカのクレオール語(Creole)で、ジャマイカの一部の地域で話されます。パトワは、アメリカ・イギリスの英語と、植民地時代からのスペイン語、西アフリカ地域の言語などが混ざりあった言語で、訛りのある英語で、broken englishです。

A term used often times replacing the words such as, "yeah, yes, cheya, fosho."
引用元: Urban dictionary

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味②賛同(yes)

音楽

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味の2個目は『賛同(yes)』です。ジャマイカ発祥の音楽のレゲェは「ラスタファリ・ムーブメント(Rastafari movement)」からの社会的メッセージを発信します。音楽家たちの放つ言葉や音楽に対しての相づちで「yeah, man(yes/賛同)」といいます。

音楽のレゲェがジャマイカで発祥した理由は、植民地時代の重労働者(奴隷/sufferers)たちの解放運動のためのメッセージとして、音楽に魂を込めて伝えていったことからでした。yeah, manは、彼らのメッセージに賛同する!というword up!(間違いない)という掛け声にも似たようなものです。

Agreeing with someone or replace it with saying yes or yah
引用元: Urban dictionary

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味③アーイ(all right)

ok

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味の3個目は『アーイ(all right)』です。yeah, manは、アーイと同じ意味の「all right(分かったよ!)」という意味で使います。ヤーマンもアーイと同じように曲の間奏で「しっかり受け止めたよ!ヤーマン/アーイ」という掛け声にして使います!

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味④挨拶(hi)

音楽

レゲェで聴こえる「ヤーマン」の意味の4個目は『挨拶(hi)』です。昨今、ヤーマン(YAHMAN/Yeah, man)が自己表現として使われています。レゲェ用語の「ヤーマン」は、人種や国境を超え「メッセージに賛同する者たちの挨拶言葉(hi)」となり「自己を表すもの(identity)」です。

ヤノマスティーロの意味・使い方とは?

ヤノマスティーロの意味・使い方①steeloとはスペイン語が語源

ジャマイカ

ヤノマスティーロの意味・使い方の1個目は『steeloとはスペイン語が語源』です。カリブ海のジャマイカには原住民たちが住んでいましたが、コロンブス時代にスペインの植民地となり、その後にイギリスの植民地になりました。steeloはスペイン語の「estilo」が語源で、HIPHOPではsteezです。

ヤノマスティーロの意味・使い方②steeloとは人生やスタイル

音楽

ヤノマスティーロの意味・使い方の2個目は『steeloとは人生やスタイル』です。ヤノマスティーロは「you(ya) know my style(steelo)」です。ジャマイカ訛りで「ヤノマスティーロ」という発音です。「おれのスタイル(steelo)わかってくれてるよな」の意味です。

ヤノマスティーロの意味・使い方③steeloとは歴史の伝承

会話

ヤノマスティーロの意味・使い方の3個目は『steeloとは歴史の伝承』です。ラスタファリ・ムーブメント(Rastafari movement)は、HOPHOPの「アフリカ系アメリカ人公民権運動(African-American civil rights movement)」へ繋がります。

かつて、アフリカ系アメリカ人のHIPHOPアーティストのNasは「The Message」の曲中に「ya'll know my steelo」というリリックを書いています。「俺のスタイルをわかってくれてるよな」とフック部分で使い、ヤノマスティーロの歴史の伝承としての使い方をしています。

Tupac: Shit your dope a.f Nas: Ya'll know my steelo!
引用元: Urban dictionary

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉7選|意味も

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉①Jah(ジャー)

アフリカ

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の1個目は『Jah(ジャー)』です。かつて植民地支配・奴隷貿易での重労働者(奴隷、sufferers)たちは「故郷はエチオピア(アフリカ全土を指す)だ」とするエチオピア回帰主義の考えをもち、「エチオピアの王/神」である『Jah(ジャー)』を信じました。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉②rasta(ラスタ)

自由

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の2個目は『rasta(ラスタ)』です。他国の植民地であったジャマイカから広まった「重労働者たち(sufferers)による精神の解放と自由のための運動」のことを、『ラスタファリ・ムーブメント(rastafari movement)』といいます。

ラスタファリ(rastafari)は、エチオピア主義の宗教です。「セラシーI世」がエチオピア国王に即位した1930年からジャマイカを中心に発展しました。ラスタファリアン(rastafarian)は"ハイレ・セラシー(Haile Selassie)」が神で「アフリカ回帰」を信じていました。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉③babylon(バビロン)

国家

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の3個目は『babylon(バビロン)』です。babylon(バビロン)は複数の意味があります。かつてのメソポタミア地方の古代都市、バベルの塔、そして、ジャマイカのパトワ語では「国家権力」や「警察」、「悪しきもの(イデオロギー)」を表します。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉④Irie(アイリー)

いいね

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の4個目は『Irie(アイリー)』です。 Irie(アイリー)は、日本語にしっくりとくる表現がないものの、「楽しい!嬉しい!幸せ!イイ!」というニュアンスで使う言葉です。irie music(アイリーな曲)、irie vibes(アイリーな気分)などです。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉⑤dance(ダンス)

ダンス

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の5個目は『dance(ダンス)』です。レゲェ用語の「ダンス」は「イベント(events)」のことで踊っているだけではありません。また、HipHopでのDJは「selector(セレクター)」、シンガーが「deejay(ディージェイ)」という意味です。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉⑥one way(1ウェイ)

愛

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の6個目は『one way(1ウェイ)』です。1つの「riddim(リディム)/トラック、楽曲」に乗せて、複数のアーティスト、または観客が飛び入りをしたりして「続けて一緒に歌うこと」の意味です。みんなで統一感を感じるための、これぞレゲェと呼べるものです。

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉⑦zion(ザイオン)

祈る

レゲェで使われがちな「ヤーマン」以外の言葉の7個目は『zion(ザイオン)』です。ザイオン(zion)とは、「故郷はエチオピア(アフリカ全土)だ」とするエチオピア回帰主義をもつ「Rastafarian(ラスタファリアン)という人々にとっての天国」の意味です。

Slang expression used to refer to a persons that wears dreadlocks and is a Rastafarian
引用元: JAMAICAN PATWAH Patois and Slang Dictionary.

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方は?

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方①コマ・ゲン

クラブ

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の1個目は『コマ・ゲン』です。コマ・ゲン(come agein)は、「アンコール!」のような意味の使い方と、selector(セレクター)が盛り上げるためにレコードの同じフックをかけ直して「さぁ、もう1回いくよ!」という意味で使っています。

Mi come again, fi rip it up and mash it up again
引用元: Beenie Man Produced by Don Corleon Album Undisputed "come again"


ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方②ポウ・ポウ・ポウ

歌う

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の2個目は『ポウ・ポウ・ポウ』です。場が盛り上がったときによく聞こえる「ポウ・ポウ・ポウ(pow pow pow)」は、Vibes(テンション)が上がり気分が高まったときに、Gun finger(指鉄砲)を頭上にあげていいます。

"pow pow pow" and making gun pistols with your hands.
引用元: Urban dictionary

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方③ボンボ・クラット

困った

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の3個目は『ボンボ・クラット』です。ボンボ・クラット(bombo claat)とは、様々なwebサイトではFワードの意味で説明がなされますが、英語での「damn!(チクショウ!)」の意味で、良い意味でも悪い意味でも使っています。

Bomboclaat! what a girl look sweet!
引用元: Urban dictionary

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方④ワン・ラブ

ワンラブ

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の4個目は『ワン・ラブ』です。ワン・ラブとは「one love(ワンネス、ピース)」のことです。人種や、宗教・信念、肌の色を問わず、すべての人がすべての人のために表す『普遍的な愛』と『尊敬』を意味します。レゲェの基本概念で、会話の締めくくりに表明します。

One love refers to the universal love and respect expressed by all people for all people, regardless of race, creed, or color.
引用元: Urban dictionary

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方⑤ナフリスペク

握手

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の5個目は『ナフリスペク』です。ナフリスペク(nuff respec)は、英語で「enough(十分な)」と「respect(尊敬)」で「大きな尊敬」の意味です。類義語としては「big up」があります。相手のスタイルへ「敬意」を表すときに使います。

One might use this term if one bumps into James Brown on the dancefloor of your local nitespot: "nuff respect".
引用元: Urban dictionary

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方⑥アニダディエア

元気

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の6個目は『アニダディエア』です。hand inna diair(アニダディエア)は、ハンド・イナ・ディ・エアーですが早い口調でいうとアニダディエアの発音になります。「hand in the air」の崩れた英語です。ライターかざして手をあげてくださいね!

Yuh have liquor inna yuh hand yuh have crate a yuh foot then. Go put yuh hand up put yuh hand up inna di air.
引用元: Assassin - Hand Inna Di Air

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方⑦ラーダマスィ

自由

ヤーマンなどレゲェで使われがちな言葉の使い方の7個目は『ラーダマスィ』です。ラーダマスィ(lawdamassy)は、英語で「lord,have marcy(ロード・ハブ・ア・マーシー)」 で「神よ、ご慈悲を」という意味です。「神よお救いください」や「神のご加護を」というニュアンスで使っています。

Patois: Lawd a massi! Yu nuh see seh mi foot bruk English: Lord have mercy! Don’t you see my leg is broken
引用元: JAMAICAN PATWAH Patois and Slang Dictionary.

沖縄にも似たような言葉が!意味や使われ方は?

沖縄の似たような言葉の意味や使われ方①ヤー

沖縄

沖縄の似たような言葉の意味や使われ方の1個目は『ヤー』です。沖縄の方言である「ウチナーグチ」の発音や響きがパトワ語に似ていると話題になっています。「ヤー」は「あんた、お前」だそうで、パトワ語や英語での「Ya」と同じ発音をしていて、同じ意味を持つことがすごく不思議なことですよね!

「ヤーヌヤー、デージマガ~ヤッサ!」お前の家、とっても大きいなー!
引用元: 沖縄観光・沖縄情報IMAサイト

「ウチナーグチ」で「ヤマン」という「ヤーマン」に似た発音の言葉があります。「ヤマン」は「痛くない」という意味です。ヤマンはヤーマンとは全く異なる意味なのですが、同じような発音をします。何千マイルも離れあった島々である「沖縄」と「ジャマイカ」であるのに響きが似ているのは不思議ですね!

沖縄の似たような言葉の意味や使われ方②アーイ

沖縄

沖縄の似たような言葉の意味や使われ方の2個目は『アーイ』です。沖縄の方言の「ウチナーグチ」の「アーイ(アイ)」とは、特に女性が話し言葉のはじめに「アーイ、お久しぶり!(挨拶/hey!long time!)」と使う言葉で、自然にパトワの「アーイ!(all right)!」と勘違いしてしまいそうです!

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ラジオ

ヤーマンやヤノマスティーロの意味を学ぶことはブラック・ミュージック全般の背景を深く知ることです。レゲェの真髄の「ラスタファリ・ムーブメント」がいかに世界を動かしてきたか、どのようにHIPHOPの「公民権運動」へと継承されたか、楽しんで学んでみてください!関連記事もぜひご参考にしてみてくださいね!

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