按分の意味とは?按分計算・按分率やエクセルで按分する方法も
按分という言葉は「按分計算」や「按分率」といった形で、エクセルで計算式を作る時などによく使われます。按分は、基準となっている数量に対し、比例した割合で物量を割り振ることを意味していますが、ここではその例文や按分の方法まで幅広く紹介していきます。
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按分の意味とは?
按分の意味とは一定の量を配分していくこと
按分の意味とは一定の量を配分していくことです。まず「按分」という言葉には「分ける」という漢字が使われているので、分けるニュアンスが含まれていることは想像できるかと思います。そして「按分」の「按」という字はよく調べることや、上から押さえつけることを意味しています。
ここでは「按分」という言葉そのものの意味を分かりやすく説明するとともに、その言葉の使い方や按分の方法も含めて紹介していきます。按分という言葉は分かってしまうと「何だ、そんな簡単なことか」と思えるのですが、分かるまでは難しい概念でもありますので、分かりやすく丁寧に説明していきます。
按分は基準になる量がありその量を基準に配分されていく
按分は、基準になる量がありその量を基準に配分されていく概念を指しています。例えば「利益を配分する」という言葉を使う時に社長も管理職も一般社員も、同じように平等に配分されるとは思わないでしょう。社長の取り分の方が多く、一般社員の取り分の方が少なくなるケースが多いのが今の世の中です。
では何故このような配分の不平等が起きているかと言うと、役職が持つ責任の大きさによって按分されているからと言うことができるのです。この言い方が正確な言い方になるのか間違いを含むのかは意見が分かれることになりますが、世の中の利益というのは責任の大きさや権限の大きさに応じて按分されていると言われています。
按分は同じ量が配分されるのではなく基準に対して比例配分される
按分は同じ量が配分されるのではなく基準に対して比例配分されることを意味しています。例えば先ほどは責任の大きさに応じて利益が配分される例を挙げましたが、実際に「按分」という言葉は根拠のある数字に基づいて比例配分されることが少なくありません。その場合には「按分」という言葉は厳密な配分になってくるのです。
例えば株式の配当は株主に平等に分配されるのですが、株主一人一人が同じ配当を受け取ることができるわけではありません。一株当たりいくらと決まっていて、株をたくさん持っている人の方がたくさん配当を受け取ることができるわけです。配当の金額は持ち株の多さに応じて決まってくるのです。
具体的には1株あたりの配当が10円だとすると、千株持っている株主は1万円ですし百万株持っている株主は一千万円を受け取ることができるわけです。このケースで説明した株式配当の配分のように、明確な基準を持って按分するケースもあることを覚えておきましょう。基本的に按分は明確な基準により配分されるのです。
按分の例文は?
按分の例文①按分する
按分の例文の1つ目は「按分する」という表現を紹介します。「按分する」という表現を使う例文ですが「潮干狩りでたくさんあさりが手に入ったので、参加した家族で按分する」といった形になります。この例文から分かるのは、潮干狩りで手に入れた貝をいくつかの家族で分けるということです。
例えば、4人家族で来ている場合は2人家族で来ている場合の倍、あさりを手に入れることができ、3人家族で来ている場合には6人家族で来ている場合の半分のあさりの量になることを示しています。厳密に言えば誤差はあるかもしれませんが、基本的にはこのような考え方で分けられるのが「按分」の考え方です。
按分の例文②按分される
按分の例文の2つ目は「按分される」という表現を紹介します。「按分される」という表現は「今回の利益は出資金額に応じて按分される」といった形で使われます。按分するという言い回しもよく使われますが、按分されるという受動態の表現も例文のようによく使われます。
それは、按分という言葉の主体が按分をする人間である場合もあり、また主体が按分される利益や財産等であることも多いからです。
基本的に按分という言葉を使う場合には、何がどう按分されるのかが重要になりますので、このような受動態での表現も非常に多いのです。按分という言葉を使う場合には、能動態・受動態いずれでも使えるようにしておきましょう。
按分の例文③按分計算
按分の例文の3つ目は「按分計算」という表現を紹介します。「按分計算」という表現は「手に入れた財宝をどのように分けるか、貢献度を元に按分計算する」といった形で使います。この場合、まずは「貢献度」を数値化する必要があります。そして、誰にいくら渡すのか按分計算をするのです。
按分計算という表現は、按分する数値を計算する時に使う表現です。その方法については後述しますが、このような形で按分に関する計算をする時に、例文のような形で按分計算という言葉を使うのです。按分には様々なパターンがあるので、この例文のようなパターンも覚えておきましょう。
按分の例文④按分比率
按分の例文の4つ目は「按分比率」という表現を紹介します。「按分比率」という表現は「今回の利益の配分については前回按分の不平等を考慮して、社員に有利な按分比率で進める」といった形で使います。按分という言葉は、基本的に平等で公平な配分を考えるからこそ存在する概念であり、例文のような状況もあり得ます。
例文のように、平等に按分をしたつもりでも按分のやり直しを考えなければならないこともあるため、従来であれば基準値に比例する按分比率が修正されることもあります。そのため、例文のようなパターンを覚えておくと、按分の概念についてより正確に理解することができます。
按分の例文⑤按分方法を説明する
按分の例文の5つ目は「按分方法を説明する」という表現を紹介します。「按分方法を説明する」という表現は「按分計算の方法や按分率をはじめとした按分方法を説明する」という形で使います。按分方法については何を基準にするのか、またどのように計算をするのかを相手に分かりやすく伝える必要があります。
そのため、例文のような形で相手に対して按分についての詳細を説明することがあります。そういった場合には、例文のようにどの項目を説明するのかを事前に伝えると、相手に対して按分のことが分かりやすく伝わるようになります。
按分計算・按分率の意味は?
按分計算は按分比率や按分量を計算することを意味する
按分計算は按分比率や按分量を計算することを意味します。按分計算は、状況によって按分の基準が変わり、また条件が変わるとその内容も大きく変わってくることになります。そのため、按分計算をする時には状況を把握して基準になる数値や、計算に加える条件をしっかり把握した上で臨む必要があります。
ただし、基本的な按分計算は基準値に対して配分比率を計算する形になりますので、基本的には基準値が分かればそれぞれに対しての按分比率も割り出せることになり、他の条件を説明なしに付け足すと不公平だとクレームが出たり、最悪の場合不正だとして訴えられるので注意が必要です。
按分率は全体量に対して基準に応じた配分の比率を示したものを意味する
按分率は全体量に対して基準に応じた配分の比率を示したものを意味します。按分率については按分計算で割り出すものの一つではあるのですが、基準値に対してそれぞれに対してどのくらい按分するのかを数量ではなく比率で示したものになります。例えば株の配当金の配分は200株所有の人は100株所有の人の倍もらえます。
いくらかという金額で表すのではなく、100株保有の人を1と設定するなら200株所有の人は2ですし、また1365株所有の人は13.65ということになります。このように按分率で配分の比率を表現することで、相対的にどのくらいの配分になるのかがイメージしやすくなるのです。按分率の使い方を覚えておきましょう!
按分計算の方法は?
按分計算の方法①配分するものの総量を把握する
按分計算の方法の1つ目は、配分するものの総量を把握することです。按分という概念は、総量を一定の割合で配分するものであり、まずその母体となる量がどのくらいになるのか、また一部について按分する場合にはその按分が実施される範囲がどこなのかをしっかりと把握する必要があります。
もしも総量や按分の母体となる範囲を間違えてしまうと、按分計算自体が最初からやり直しとなってしまうのです。そのため、按分計算に入る前の総量や母体の範囲の確認は按分計算における重要な要素であると言えます。
按分計算の方法②基準量に応じて按分率を出す
按分計算の方法の2つ目は、基準量に応じて按分率を出すことです。按分率の算出は現在ですとエクセルで計算式を入れれば簡単に出てきますので、その方法については後述しますが、この按分率により指定された母体や総量は按分されることとなるのです。
按分計算の方法③按分率に応じて割り振ってそれが合っているか検算する
按分計算の方法の3つ目は按分率に応じて割り振って、それが合っているかを検算することです。按分比率に応じてそれぞれの項目や人、組織に対して按分が終わったら、逆の手順で計算し検算をします。按分されたものを足すと総量とイコールになるのか、また一つ一つの項目が正確な按分率による按分なのかを確認します。
ちなみに世の中では検算以外にもケアレスミスを防ぐための様々な方法がとられていますので下記の関連記事でその方法を確認してみてください。社会人の基本はミスなく仕事を進めることの重要性と方法が分かりやすく書かれているおすすめの内容です。
エクセルでの按分の計算方法は?
エクセルでの按分の計算方法①必要な数値を入力していく
エクセルでの按分の計算方法の1つ目は、必要な数値を入力していくことです。下記の表のような形で必要な項目を入力していきます。そうすることでエクセルの計算式により自動的に按分されることとなるのです。必要な項目は漏れなく入力していくようにしましょう。
按分の元となる表の例
A1 | B1:株式保有数 | C1:一株当たりの価格 | D1:保有株価 |
A2:株式会社高橋 | B2:10000株 | C2:500円 | D2:5000000円(数式:=B2*C2) |
A3:有限会社高山 | B3:5000株 | C3:500円 | D3:2500000円(数式:=B3*C3) |
A4:合同会社石山 | B4:3000株 | C4:500円 | D4:1500000円(数式:=B4*C4) |
「A1」などの表記はエクセルのセルを表す表記です。基本的に株式の場合、一株あたりの値段は変わらないので上記のように一定の価格になりますが、出資の利益配分など状況が違えば株式配当のようなシンプルな按分はできない可能性もあるので、表全体をしっかり見ながらその按分が妥当なのかを検証していく必要があります。
エクセルでの按分の計算方法②計算式を作る
エクセルでの按分の計算方法の2つ目は按分に必要な計算式を作ることです。例えば今回株が全部で18000株で株式配当金を十万円充てる場合、十万円の株式配当を3社で配分することになります。そのため保有株式数に応じた按分率を算出し、十万円にその按分率を乗じれば各社の配当金額を算出できます。
E2、E3、E4の計算式に「$」はなくてもOKです。ちなみに計算式は按分率は少数第二位以下切り捨てで設定していますので合計は100%ぴったりにはなりません。この差額分は次回配当に回す形にすれば不平等がなくなります。利益配当の場合にはこのような細かい取り決めも、もちろん事前にされているのが一般的です。
また、今回はF2、F3、F4の計算式にそれぞれ株式配当合計額の十万円が数字として入っていますが、どこかに株式配当合計額を入力するセルを作りそちらを参考にする計算式を作ると、次回以降も使いやすいエクセルになりますが、今回は見やすさを重視して下記のようなエクセルの作りにしています。
按分率の計算式を入れた表の例
A1 | B1:株式保有数 | C1:一株当たりの価格 | D1:保有株価 | E1:按分率 | F1:配当額 |
A2:株式会社高橋 | B2:10000株 | C2:500円 | D2:5000000円(数式:=B2*C2) | E2:55.5%(数式:=ROUNDDOWN(B2/$B$5,3)) | 55500円(数式:=100000*E2) |
A3:有限会社高山 | B3:5000株 | C3:500円 | D3:2500000円(数式:=B3*D3) | E3:27.7%(数式:=ROUNDDOWN(B3/$B$5,3)) | 27700円(数式:=100000*E3) |
A4:合同会社石山 | B4:3000株 | C4:500円 | D4:1500000円(数式:=B4*C4) | E4:16.6%(数式:=ROUNDDOWN(B4/$B$5,3)) | 16600円(数式:=100000*E4) |
A5:合計 | B5:18000株 | C5:500円 | D5:9000000円(数式:=B5*D5) | E5:99.8%(数式:=SUM(E2:E4)) | 99800円(数式:=SUM(F2:F4)) |
按分の意味を理解して早速ビジネスで使ってみよう!
按分の意味を理解し、また様々な状況において按分ができるようになることで、ビジネスで重宝される人物になることができるでしょう。按分というのは理系の発想になるかもしれませんが、現代では文系・理系関係なしに必要な知識であり、スキルになります。ここで紹介した按分に関する内容がどこかで役立てばうれしいです!
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