【雨】を表す言葉30選!季節・降り方ごと紹介!あなたは何種類知ってる?

皆さんは、雨を表す言葉をどれだけご存知ですか?日本語の雨を表す言葉は、一説には400種類を超えるとされています。季節や降り方によって区別された雨の名前から、一部を取り上げてまとめてみました。使いこなすために、ぜひともご覧ください。

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【春編】季節別の雨を表す言葉6選

①春雨(はるさめ)

春の花に降る雨

3月の下旬から4月までのころに、長々と降り続く雨の名前を「春雨」といいます。そして春雨は降る季節に関する、「花散らしの雨」という呼び方を持っているのです。ちなみに春雨は、立春から3月初めの雨を指して表現する「春の雨」と混同されやすいのです。

②紅雨(こうう)

チューリップに降る雨

春のうちでも、特に花が咲いている季節に降る雨の名前を「紅雨」といいます。赤い花が雨に降られて、花が散っている様子を表現した言い回しです。日本語の雨を表現する言葉は大変多いのですが、その中でも情緒的なものの典型例となっています。

③菜種梅雨(なたねづゆ)

雨の日の菜の花畑

菜の花が咲く頃に、まるで梅雨の季節のように雨が降ることを表す言葉が、「菜種梅雨」です。春の雨を表現する多くの言い回しの中でも、風流なものの1つですよね。ついでに言いますと、菜種梅雨の降り方は6月の梅雨とは違って、数日で終わることがほとんどなのです。

④発火雨(はっかう)

雨の日に咲く赤い花

二十四節気でいう「清明」の前後の頃に、柔らかに静かに降り注ぐ雨を表す言葉が、「発火雨」です。また「桃花の雨」(とうかのあめ)とも呼ばれます。桃の花が雨に降られている様子が、一見すれば火が燃えているように見えたことを由来とした表現だと言われています。

⑤緑雨(りょくう)

雨に濡れた新緑

青々としている新緑の草木に降り注ぐ雨を指して、「緑雨」といいます。春の終わりの青葉がしっとりと雨に濡れているさまは、美しい日本の原風景ですよね。数えきれないほどの種類がある日本語の雨を表す言葉には、新緑の季節に使われるこの言い回しもあるのです。

⑥小糠雨(こぬかあめ)

春の日の細かい雨

降り方が非常に細かくて弱い春の雨のことを、「小糠雨」といいます。同じような降り方の雨でも、秋の雨は「霧雨」といいますので、種類がしっかり区別されているのです。雨の降り方が同じでも季節で呼び方が違うことから、日本語の面白さや奥深さが分かりますよね。

【夏編】季節別の雨を表す言葉6選


①麦雨(ばくう)

梅雨のころのカタツムリ

麦の実の収穫の季節に降る雨の表す言葉に、「麦雨」という種類があります。実際には「麦雨」という表現は、梅雨を指し示す別の名前なのです。梅雨といえばじめじめしてうっとうしい印象がありますが、「麦雨」と言い換えるだけで段違いに情緒的な印象になります。

②白雨(はくう)

雨の前兆の入道雲

夏に急に降った後ですぐに止むような雨の名前には、「白雨」というものがあります。特に雨脚があまりにも激しい場合に、雨が白みがかって見える場合に、「白雨」という表現が使われます。俳句の夏の季語にもなっている、夏の雨を表した非常に情緒豊かな表現です。

③洗車雨(せんしゃう)

雨傘の画像

陰暦の7月6日、つまり七夕の前日に降る雨を表現した言葉に「洗車雨」というものがあります。 七夕の伝説の中で、彦星が織姫に会いに行く時に乗る牛車を洗う水に、夏の雨を見立てた表現です。洗車をすると雨に降られた、というよくある話の意味ではありません。

④催涙雨(さいるいう)

雨傘の端っこ

七夕の夜に降る雨を表す言葉に、「催涙雨」というものがあります。この夏の雨を例える涙には、彦星と織姫が逢瀬の後に別れを惜しむ涙と、逢瀬が出来ずに悲しんで流す涙という説があります。七夕の雨もまた、このように種類が細分化されて呼び分けられているのです。

⑤夕立(ゆうだち)

雨の日のイメージ

夏の午後に激しく降るにわか雨のことを表す言葉が、「夕立」です。熱気が上空に集まることが原因で起こり、しばしば雷を伴います。夏の雨の名前として「夕立」は有名ですが、俳句では夏の季語とされているのです。日本人は厄介な夕立にも情緒を感じていたのですね。

⑥神立(かんだち)

雷雨の画像

夏の午後にいきなり雷雨になることを表す言葉が、「神立」です。本来日本語で雷とは、神様が何かを伝えることを指していました。悪天候も風流に表現することから、日本語の奥深さが分かります。なお水を表す言葉をまとめた記事がここにあります。どうぞ併せてご覧ください。

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【秋編】季節別の雨を表す言葉6選

①秋雨(あきさめ)

雨の日の秋の花

夏の終わりから秋の初めにかけて降る長雨の名前が、「秋雨」です。秋の初めには、梅雨の季節と同じような気圧配置になり、秋雨前線が現れるようになります。ついでに言えば秋雨には「すすき梅雨」という名前もあり、このように日本の雨は多様な呼び方を持ちます。

②冷雨(れいう)

冷え込んだ雨の日

晩秋にしとしとと降る冷たい雨には、「冷雨」という名前があります。それから「冷雨」の読み方には、「れいう」の他にも「ひさめ」があるのです。雨を表す言葉を同じ漢字で表記していても、違う読み方の種類があったりしますので、日本語とは難しいものですよね。

③白驟雨(はくしゅうう)

雨の日の紅葉

秋に激しく降り注ぐにわか雨の名前に、「白驟雨」というものがあります。本来「驟雨」がにわか雨の別名なのです。そこに「白」が付きますと、断続的に降る秋の雨のことになります。雨脚が白いことと、雨粒が大きく強いことが特徴的な雨を指して表現する言葉なのです。

④伊勢清めの雨(いせのきよめのあめ)

雨に濡れる菊の花

陰暦の9月17日の翌日に降りしきる雨のことを、「伊勢清めの雨」と呼びます。そもそも宮中行事の「神嘗祭」は、天皇が今年採れた新穀を伊勢神宮に捧げるお祭りで、これが陰暦の9月17日に行われます。この祭りのの後を清める雨の名前が「伊勢清めの雨」なのです。

⑤霧雨(きりさめ)

ビニール傘越しの秋の雨の日の景色

霧みたいに細かい秋の雨を、「霧雨」と呼びます。気象学上の厳密な定義では、直径0.5mm以下の雨粒の大きさの雨を霧雨とみなしています。ついでに、歳時記では霧に関する言葉は秋の季語ですので、霧雨も秋の季語です。よって、春の小糠雨と区別されています。

⑥秋霖(しゅうりん)

秋の雨の日の少女

長々と降り続く秋の雨のことを、「秋霖」と呼びます。本来「霖」の漢字には、長雨の意味がありますので、これで秋雨の意味になります。この漢字は、林みたいに雨が降るという覚え方はいかがでしょうか。同じ秋の長雨にも、多くの種類の表現があるのが日本語なのです。


【冬編】季節別の雨を表す言葉6選

①時雨(しぐれ)

雨の日の枯れ木

秋の終わりから冬にかけて降ったりやんだりを繰り返す雨を表す言葉が、「時雨」といいます。時雨の降り方の特徴は、晴れていた空が突然暗くなって降り出して、あまり強くないことです。時雨の読み方は「しぐれ」が一般的ですが、他に「じう」という読みもあります。

②片時雨(かたしぐれ)

雨に濡れる冬の木の実

冬にある所で雨が降ったり止んだりを繰り返していながら、別の所で晴れている様子を示した表現が、「片時雨」です。俳句の冬の季語であり、時雨も降り方で多くの種類があるのです。またかっこいい日本語をまとめた記事がここにあります。どうぞ併せてご覧ください。

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③氷雨(ひさめ)

雨の日の冬の花

冬に降る冷たい雨のことを、「氷雨」といいます。とりわけみぞれ交じりの場合に、氷雨という表現が使われます。本来はあられ交じりの雨を表す、夏の季語でした。しかし現在では、みぞれがちな冬の雨の意味もあります。言葉は生き物であるということが分かります。

④凍雨(とうう)

雨も凍る真冬の日

通り付くほどの冬の冷たい雨には、「凍雨」という名前があります。俳句の世界では歳時記の冬の季語です。一方気象学の用語としては、透明もしくは半透明の氷が雨みたいに降る現象のことを指します。いずれの場合でも、冬の寒さを表現する情緒的な言葉になっています。

⑤寒九の雨(かんくのあめ)

冬の雨の日の街路樹

寒の入りの日から数えて9日目に降る、冬の雨のことを「寒九の雨」と呼び表します。寒九の雨は、伝統的に縁起が良いとされています。なぜなら、この日の雨は豊作をもたらしてくれると信じられていたからです。寒々しい雨でも、おしゃれに表現する日本語があるのです。

⑥鬼洗い(おにあらい)

冬の雨の日に街を行く人

冬の雨の中でも、大みそかに降る雨のことは特に「鬼洗い」という言葉で表されます。その語源の説として、鬼やらいの別名を持つ追儺(ついな)と呼ばれる宮中の年末の行事が有力です。このように日本語では、冬の雨の中でも大みそかのものを特別視しているのです。

降り方の特別な雨を表す言葉6選

①篠突く雨(しのつくあめ)

雨の強い夜のイメージ

降り方が特に激しい雨には、「篠突く雨」という名前があります。そもそも「篠」には、細く群がって生えている竹や笹という意味があります。激しく降る雨を一見すると、篠竹が多く落ちているような光景に見えますので、激しい雨の名前が「篠突く雨」になりました。

②天気雨(てんきあめ)

雨に濡れた葉っぱが日に照らされる

晴れていながら、ぽつぽつと雨が降っている現象の名前を「天気雨」といいます。天気雨には「狐の嫁入り」の別名もあります。狐の嫁入りが天気雨を意味するのは、「晴れた日にコンコンと降る」というダジャレに由来しているのです。なお「天泣」という気象学用語もあります。

③鬼雨(きう)

豪雨の被害のイメージ

まるで鬼の仕業のような、降り方が並外れている雨の名前が「鬼雨」です。耳慣れない「鬼雨」という単語ですが、実は最近できた言葉である「ゲリラ豪雨」の伝統的な表現なのです。豪雨は大変な被害をもたらすものですが、風流な言い回しに注目してみることも一興です。

④外持雨(ほまちあめ)

雨に濡れる街

降る範囲が局地的な雨の名前が「外持雨」です。外持は帆待ちを意味していて、船頭がひそかに稼ぐことで、一部だけが潤うことにも通じているのです。

⑤慈雨(じう)

クローバーの葉に降る雨

ふさわしい時期に、降って欲しい量だけ降る雨の名前が「慈雨」です。作物の成長に都合が良い雨のことで、恵みの雨と呼ばれることも多いのです。

⑥迅雨(じんう)

大雨のマーク

突然に激しく降り出した雨のことを表す言葉が、「迅雨」です。「恋は雨上がりのように」のアニメで知られるようになった言葉ですが、「迅」の漢字が速さを表現しています。

多様な種類の雨を表す言葉を覚えよう

多彩な雨を表す言葉を覚えて使ってみれば、自慢の種になります。そもそも人間は自身の生活とかかわりの深い物事には、多くの言葉を持つものなのです。雨がちな日本の気候が生んだ多くの種類の雨を表す言葉を楽しんでみましょう。


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