手紙の前文の書き方は?時候やお礼状に挨拶の季語は?ビジネスの使い方も
手紙には前文と言うものがあり、頭語や時候の挨拶などで構成されています。今回はお礼状やお詫びの手紙などを送る際に、どのような全文を書けばいいのかをご紹介します。季節ごとに正しい季語を使った時候の挨拶や、結語と合わせた頭語の組み合わせなどを覚えましょう。
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目次
手紙の前文とは?
手紙の前文とは最初の挨拶の部分
手紙の前文とは、手紙を書く際に最初に書く挨拶の部分を指します。ビジネスやプライベートに関わらず、手紙を書く時は正しい構成で書くのがマナーです。
唐突に本題を始めるのではなく、まずは前文で挨拶をすることで相手にとっても失礼のない手紙になります。前文にはいくつかのルールがある為、正しい書き方を覚えましょう。
まずは前文の構成を知り、更に正しい挨拶や季語の使い方、頭語と結語の関係なども覚えることが大切です。前文の書き方を知り、素敵な手紙が書けるようになりましょう!
手紙の前文は頭語や季語を使った時候の挨拶で構成される
手紙の全文は、まず頭語と時候の挨拶を書くのが一般的です。頭語とは手紙を書く際に最初の部分である挨拶で、よく知られているのが「拝啓」ですね。
次に書くのが時候の挨拶です。時候の挨拶とは、手紙を書く季節やその時の天候などに合わせて季節を感じる言葉を使い書く挨拶です。
例えば春なら「桜咲く」、秋なら「鮮やかな紅葉」といった具合に、その季節特有の季語や表現を入れた挨拶になります。季節ごとの表現については、非常に沢山の言葉があるので素敵な表現を選んでくださいね。
手紙の前文は安否やお詫びの挨拶なども使われる
手紙の前文に頭語、時候の挨拶を書いたら、次は相手や自分の安否、あるいは手紙の内容によってお詫びの挨拶や感謝の挨拶などを書きます。
相手や自分の安否とは、「お元気ですか?」と相手に尋ねたり、「私は元気です」と自分の状態を伝えたりする挨拶です。更に相手に出す手紙がお礼状なのかお詫びなのかによっても、挨拶の書き方が変わります。
お礼状の場合は感謝を伝える言葉を、お詫びの場合は謝罪の言葉を書いて、誠意ある前文に仕上げましょう。次は、更に細かく手紙の全文の書き方をご紹介します。
手紙の前文の縦書きの書き方は?
縦書きの手紙の前文①頭語の書き方
縦書きの手紙の前文で頭語の書き方をご紹介します。頭語とは手紙の最も初めの部分に書く、いわば最初の挨拶になります。カジュアルな手紙なら「こんにちは」などでもいいのですが、基本的には「拝啓」や「前略」を使うのがおすすめです。
この時気を付けたいのが、頭語は手紙の最後に書く結語と必ずワンセットにするということです。最後の挨拶である結語との組み合わせを間違えないように注意しましょう。
例えば頭語が「拝啓」の場合、結語は「敬具」になります。正しい組み合わせを覚え、相手に失礼のない頭語を使って挨拶をしてくださいね。
頭語と結語の組み合わせ例
手紙の種類 | 頭語 | 結語 |
一般的な手紙 | 拝啓 | 敬具 |
丁寧な手紙 | 謹啓 | 敬白 |
前文を省略した手紙 | 前略 | 草々 |
急用の手紙 | 急啓 | 草々 |
返信の手紙 | 拝復 | 敬具 |
縦書きの手紙の前文②時候の挨拶の書き方
縦書きの手紙の前文で時候の挨拶の書き方をご紹介します。時候の挨拶とは、その季節に合わせて季節感を出しつつ心情を伝える挨拶の事です。
一般的に季語を用いて書くのがおすすめです。時候の挨拶は12か月ごとに異なり、更には同じ月の中でも上旬、中旬、下旬で挨拶が異なる場合もあります。
手紙を出すシーズンごとに適切な季語を選び、季節感のある挨拶を心がけましょう。また、シーズンに関係なく使える「時下」という挨拶もあります。
季節ごとの時候の挨拶の例
季節 | 時候の挨拶 |
春 | 浅春の候・春陽の候 |
夏 | 向夏の候・梅雨の候 |
秋 | 仲秋の候・紅葉の候 |
冬 | 初冬の侯・厳寒の侯 |
季節に関係なく使えるもの | 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
縦書きの手紙の前文③お礼状の書き方
縦書きの手紙の前文でお礼状の書き方をご紹介します。誰かにお世話になった際や感謝の気持ちを伝えたい際は、お礼状と言う形で手紙を出すといいでしょう。
お礼状の場合は頭語、時候の挨拶に続き、感謝の気持ちを挨拶に込めて書きます。日頃からお世話になっている相手の場合「日頃は並々ならぬご厚情を賜り誠にありがとうございます」などの挨拶がいいでしょう。
また、何かの出来事に対してお礼をしたい場合は「この度は多大なご厚志を賜り心より御礼申し上げます」などの言葉を選ぶなど、相手や状況によって書き方を工夫してくださいね。
縦書きの手紙の前文④お詫びの書き方
縦書きの手紙の前文でお詫びの書き方をご紹介します。相手に迷惑をかけてしまったり、心から謝罪をしたい場合の時はお詫びの手紙を書かなければいけません。
お詫びの場合も頭語、時候の挨拶に続き、謝罪の文章を前文に書きます。相手に迷惑をかけた場合は、「この度はご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ございません」などと、謝罪の言葉を綴りましょう。
また、謝罪するほどの事柄ではなく、長年手紙の連絡をしていなかった場合は、「長らくご無沙汰いたしまして深くお詫び申し上げます」というお詫びの挨拶を書いてもいいでしょう。
手紙の前文の横書きの書き方は?
横書きの手紙の前文①頭語の書き方
横書きの手紙の前文で頭語の書き方をご紹介します。一般的に横書きの手紙は、縦書きの手紙に比べカジュアルな印象です。その為ビジネスなどかしこまったものは縦書き、友達に出すような手紙は横書きにするといいでしょう。
横書きの手紙はカジュアルな内容なので、頭語もシンプルに「拝啓」や「前略」、あるいは書かずに「お元気ですか?」、「お久しぶりです」などの挨拶から始めてもいいでしょう。
また、縦書きとの一番の違いは頭語の前に相手の名前を書くことです。必ず最初に「~様」と相手のフルネームを書き、次に頭語を繋げましょう。
横書きの手紙の前文②時候の挨拶の書き方
横書きの手紙の前文で時候の挨拶の書き方をご紹介します。横書きの手紙はカジュアルな手紙なので、縦書きのように硬い印象の時候の挨拶は必要ありません。
しかし、いきなり本題に入るよりもまずは時候の挨拶が入る方が美しい手紙になります。「桜の美しい季節になりました」や「寒さの厳しい季節ですね」など、一言添えるといいでしょう。
そこに続けて「いかがお過ごしですか?」や「お元気ですか?」などを添えると、流れとして美しい手紙になります。相手を思いやった一言を添えてくださいね。
横書きの手紙の前文③お礼状の書き方
横書きの手紙の前文でお礼状の書き方をご紹介します。例えば友人に誕生日にプレゼントを貰ったり、親しい人物から入学祝いや入社祝いなどをもらった時は、カジュアルな横書きのお礼状でも構わないでしょう。
しかし、目上の人物などにお礼をする際は縦書きの方がおすすめです。横書きのお礼状は親しい人物に対して使いましょう。言葉も難しいものは使わず、シンプルに気持ちを伝えるのがおすすめです。
「先日はとても素敵なプレゼントを送ってくれてどうもありがとう」や、「この前の休日は泊まらせて頂き大変お世話になりました」など、わかりやすい言葉を綴ってくださいね。なお、お詫びの場合は横書きではなく縦書きが望ましいでしょう。
手紙の前文の書き方のポイント4つ
前文の書き方ポイント①季語を入れる
手紙の前文の書き方ポイント、1つ目は季語を入れることです。季語とは時候の挨拶に欠かせない言葉で、そのシーズンならではの季節感を感じる言葉です。
例えば春を代表する言葉の場合は「桜」ですね。「桜咲く季節となりました」や「桜舞い散る季節ですが」といった表現が、季語になります。
季語は四季や12か月など、非常に細かい区切りによって適切な言葉が異なります。手紙を出すシーズンに合った季語を調べ、正しい季語を使った挨拶を添えましょう。
前文の書き方ポイント②ビジネスとカジュアルを使い分ける
手紙の前文の書き方ポイント、2つ目はビジネスとカジュアルを使い分けることです。先ほどご紹介した縦書きと横書きの手紙は、縦書きがビジネス、または改まった手紙に適切です。
一方横書きの場合は、友人に宛てた手紙などカジュアルな手紙に向いています。縦書き、横書きだけでなく、頭語や時候の挨拶もビジネス、カジュアルで使い分けましょう。
ビジネスの場合は「~の候」といった時候の挨拶を使いますが、カジュアルの場合はもっと崩した表現で問題ありません。出す手紙によってどちらが適切か選んでくださいね。
前文の書き方ポイント③目的に合わせた一言を添える
手紙の前文の書き方ポイント、3つ目は目的に合わせた一言を添えることです。頭語、時候の挨拶と続けたら、次はお礼状やお詫びなど目的に合わせた一言を添えます。
これは、主文で詳しい内容を書く前にまずは簡潔に挨拶として書きましょう。例えばお礼状の場合は「この度は過分なお心遣いを頂き誠にありがとうございます」などです。
また、お詫びの場合もまずは主文の前に一言「この度はご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした」という挨拶を書き、そこから主文に繋げます。
前文の書き方ポイント④頭語と結語の組み合わせを間違えない
手紙の前文の書き方ポイント、4つ目は頭語と結語の組み合わせを間違えないことです。こちらは先ほども説明しましたが、頭語と結語は必ず二つでワンセットになっています。
こちらの組み合わせを間違えると恥ずかしいので、必ず正しい組み合わせを使いましょう。また、結語の前には結びの挨拶を書き締めるのが基本です。
「益々のご発展をお祈りしています」や「くれぐれもご自愛ください」などの挨拶に続き、「敬具」などの結語で終わらせましょう。なお、手紙の末文についてはこちらの記事で詳しく書き方をご紹介しています。
手紙の前文を省略する場合とは?
前文を省略する場合①お見舞い状
手紙の内容によっては前文を省略するのがマナーの場合もあります。1つ目はお見舞い状の場合です。例えば病気や怪我などで入院したり、被災したりした相手にはお見舞い状を出します。
この時は前文を書かず、「前略」と書いてから相手の安否を気遣う言葉、励ましの言葉などを書きましょう。「お加減はいかがでしょうか?」など、相手を不快にさせない言葉を選んでくださいね。
病気や病状について詳しく尋ねたり、「弱る」、「終わる」といった縁起の悪い言葉を使うのはNGです。正しいマナーでお見舞い状を書きましょう。
前文を省略する場合②お悔み状
前文を省略する場合の手紙、2つ目はお悔み状です。お悔み状とは亡くなった方の通夜や葬儀、告別式などに事情があって参列できない時に送るものです。
こちらも全文である頭語や時候の挨拶は使わず、冒頭からお悔やみの文章を書きましょう。お悔み状はお悔やみの言葉、参列できない事のお詫び、相手をいたわる一言でまとめます。
なお、上司や部下などにお悔みメールを送る場合はこちらの記事で詳しい例文をご紹介しています。こちらの参考にしてくださいね。
正しい前文の書き方を覚えよう
前文は手紙の最初に書く大切な挨拶です。頭語、時候の挨拶など、正しい前文の書き方を覚え、相手に失礼のない手紙を書きましょう。
また、お見舞い状やお悔み状など、場合によっては前文が必要ない場合もあります。状況に応じて、正しい手紙の書き方を行ってくださいね。
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