「略儀ながら」の意味とは?メールにてなどの使い方や例文10選!

「略儀ながら」とは「略式でございますが」の意味を持つ表現ですが、見聞きしたことはありますか?「略儀ながらメールにて」などの使い方をされますが、一般的によく見かける表現ではないため「略儀ながら?」となる方も少なくないようです。使う時に正しく使用し、見聞きした時に正しく理解できるよう学んでおきましょう!

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「略儀ながら」の意味は?

「略儀ながら」とは「略式でございますが」の意味

仕事

「略儀ながら」とは、端的に言えば「略式でございますが」の意味を持つ表現です。では「略式でございますが」の意味は何なのか?という話になりますので、以下にご紹介していきます。

「略式」とは「正式の流れを手軽にしたやり方」のこと

デスク

「略式」とは、「正式の手続きや順序を省いて手軽にしたやり方」のことを言います。そして、「ございますが」は「だけど」を丁寧にした表現です。「ありますが」よりも丁寧な意味合いが強い表現ですが、謙譲語や尊敬語ではなく丁寧語の類になります。

略式の方に話を戻しますが、略式が意味する「正式の手続きや順序を省いて手軽にしたやり方」というのは「決められた、あるいは公に認められたやり方を簡単にしたやり方」の意味です。本来ならば「○○をして△△をして□□をする」ところを「○○をして□□をする」にする、という感じを「略式」と言います。

「略式だけど・略式ではありますが・略式でございますが」となった場合には「本来なら○○をして□□をするべきだが、とりあえず□□をする」の意味を表すことになります。「略儀ながら」も「略式でございますが」のように、「正式の手続きや順序を省いて手軽にしたやり方」を表す時に使います。

「略儀ながら」の使い方は?

メールや手紙の文に書く使い方が一般的

手紙

「略儀ながら」は、メールや手紙といった文書で使うのが一般的な使い方とされます。かといって文語のくくりに縛られているわけではなく、口語としても問題なく使用できます。ただ、一般的には文語的使い方が主流というだけです。ビジネスシーンにおける使い方でも、メールや手紙などで文語的な使い方をするのが基本です。


意味合いは「直接述べるべきだがとりあえず手紙(メール)で」

メール

「略儀ながら」を使う時に込められる意味合いは、「直接述べるべきだがとりあえず手紙(メール)で」になることが多いです。つまり、一般的に「略儀ながら」によって表される省かれた部分は「本来なら直接会って述べるべき何か」である場合がほとんどです。

要は「本来なら直接会って述べるべき・言うべきことだけど、直接会うという順序を省いて、とりあえず手紙(メール)で述べておきます」の意味合いで用いることが一般的な使い方になります。しかしあくまでも慣用(普通の使い方)であり、直接会う予定が無くても「略儀ながら」を使うことはできます。

「略儀ながら」の使い方の例文10選

略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その1は、「略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます」です。これは文字通り「挨拶」をする時の使い方ですが、ビジネスシーンでは「おはよう・こんにちは・こんばんは」といった挨拶よりも「儀礼的な通知」の意味での挨拶を示す時にこの例文を用います。

「ご挨拶」の後に付く「申し上げます」は「言う」の謙譲語表現にあたり、敬語において立場を暗喩する「上げる」の言葉があることから謙譲語の中でも敬意度が高い表現だと言われています。ビジネスシーンでもそれ以外でも、目上の相手やお客様・取引先の方などに使うのが基本です。

略儀ながら書中をもって御礼申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その2は、「略儀ながら書中をもって御礼申し上げます」です。使い方その1の例文にあった「挨拶」の部分を「御礼」に変えただけですが、御礼は「感謝を示す」時に使う言葉なので「会って言うべきだが直ぐに会えないから今は書中で感謝を伝えておく」ことを表す時に使います。


略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その3は、「略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます」です。使い方その2と同様に「御礼(感謝)」を示す時の使い方ですが、その2の例文には「もって」その3の例文には「もちまして」の言葉が用いられています。

ここでの「もって」は「手段・方法・材料を表す」意味を持っており、「〜で」や「〜によって」と同義になります。つまり「書中をもって御礼」というのは「書中で御礼」の意味になり、そこに「略儀ながら」が加わることで「本来は直接伝えた方が良いが今は書中で御礼」を表す文が完成します。

続いて「もちまして」についてですが、これは「もって」の過剰表現にあたるとも言われています。しかし、平仮名で表記すれば大きな問題ではないという認識も広くあります。そのため、丁寧な印象にしたい場合には「もちまして」を平仮名で使う場合もあります。

略儀ながら御礼かたがたご挨拶申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その4は、「略儀ながら御礼かたがたご挨拶申し上げます」です。「御礼」と「挨拶」を同時に伝える時の使い方ですが、その2つの間にある「かたがた」に対してどのような意味なのか疑問を思う方もいるでしょう。

「かたがた」とは「旁々・旁」と書く言葉で、名詞や接続詞の使い方もありますが、ここでは接尾辞の使い方で用いられています。意味は「〜をかねて」や「〜のついでに」と同じですので、「御礼かたがたご挨拶」というのは言い換えれば「御礼と共に挨拶を伝える」ことになります。

略儀ながら書面にてお詫び申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その5は、「略儀ながら書面にてお詫び申し上げます」です。「お詫び」は「過失や迷惑をかけたことに対する謝罪」を表す言葉なので、この例文は「過失を与えたり迷惑をかけたりして申し訳ない気持ち」を示す時の使い方になります。


また、これまでは「書中」でしたが、その5の例文では「書面」となっています。「書中」の意味は「書物や手紙の文章に述べられている事柄、または手紙のこと」で、「書面」の意味は「紙に書いた文や文書」と「手紙」の2つです。

「書面」は「紙やメールに書いた文」を表しますが「書中」は「紙やメールに書いた文に述べた事柄」を表す時にも使えるため、「内容」を指す時には「書中」の方が良いかもしれません。しかし、「手紙(あるいはメール)」の意味で捉えればどちらでも問題ありません。

略儀ではございますがメールにてお詫び申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その6は、「略儀ではございますがメールにてお詫び申し上げます」です。「お詫びを申し上げる」部分は使い方その5と同じですが、「略儀ながら」が「略儀ではございますが」という形に変化しています。

「ございます」は「ある」の丁寧語表現ですので、「略儀ではございますが」は「略儀ながら」を丁寧にしたものになります。「申し上げます」が謙譲語なので二重敬語を心配する方もいますが、二重敬語は同じ種類の敬語が2つ以上存在する文について言うため、丁寧語と謙譲語の組み合わせは問題ありません。

甚だ略儀ではございますが書中をもってお詫びの言葉とさせていただきます

書く

「略儀ながら」の使い方の例文その7は、「甚だ略儀ではございますが書中をもってお詫びの言葉とさせていただきます」です。文末の「させていただきます」は「いただきます」は「もらう」の謙譲語表現で、「お詫びの言葉とさせていただきます」は「謝罪は手紙でさせてもらう」を表しています。

「略儀」の前に「甚だ」が付いていますが、これは「程度が普通を超えている」の意味を持ちます。つまり「甚だ略儀ではございますが」というのは「正式な流れをとても手軽にしているが」の意味になり、「謝罪は直接伝えるべきだが書中で謝罪を伝える」ことに対する失礼過ぎて申し訳ない気持ちを込めています。

まずは略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その8は、「まずは略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます」です。「書中・書面」といった部分を「メール」に変えただけの例文ですが、物質的な紙ではなくインターネット上のメールで伝える場合には「メール」と表記した方が適切とされます。

略儀ながら書面をもちましてお悔やみ申し上げます

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その9は、「略儀ながら書面をもちましてお悔やみ申し上げます」です。「お悔やみ」を伝える時の使い方で、「お悔やみは直接言うべきことだが諸々の事情があって今は書面で伝えることになった」意味を表しています。

略儀ながら書中にてお願いまで

メール

「略儀ながら」の使い方の例文その10は、「略儀ながら書中にてお願いまで」です。これは「お願いの内容」を表す文の末に付けるもので、メールよりも手紙で用いることが多いです。

ビジネスシーンにおいて「略儀ながら」はメールや手紙で使うことがある表現ですので、以下の記事でビジネスメールのマナーについても学んでおくと良いかもしれません。

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「略儀ながら」を正しく使おう!

「略儀ながら」の意味は「略式でございますが(正式の手続きや順序を省いて手軽にしたやり方だが)」で、大体は「直接言うべきだが行く・会う過程を省いて今伝える」使い方で用いられます。伝える内容については、挨拶・御礼・お悔やみ・謝罪が一般的です。

日常生活でよく見聞きする表現ではないため、いざ使う時や誰かが使用したのを見聞きした時には「どういう意味だったか?」となる可能性が高い言葉です。しかし、手続きや順序における正式な流れを省いて何かを伝える時に自分側の失礼さと印象のクッションになる表現なので、ぜひ覚えておきましょう。


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