「ご参照ください」の意味とは?参照と参考の違いや別紙参照の敬語も
会議や説明会などビジネスシーンでよく使われる「ご参照ください」という言葉ですが、普段何気なく使っていても正しい意味や使い方は知らないという人も多いでしょう。今回は参照や別紙参照という言葉をどのように使うと正しい敬語になるのか学んでいきましょう。
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目次
ご参照くださいの意味は?目上の人にも使っていいの?
「ご参照ください」の意味①「照らし合わせて見る」
「ご参照ください」の意味1つ目は、「照らし合わせて見ること」です。参照という言葉には「付属の資料を見る」という意味があります。そこに相手に対する「してほしい」という意味の表現を加えているので、その文章を読んでいる相手に対して「資料と照らし合わせてください」とお願いしている意味になるのです。
「ご参照ください」という言葉のニュアンスをわかりやすく言い換えると「この文章より詳しい資料を用意したから、照らし合わせながら確認してください」という意味になります。会議の議事録や取扱説明書など、文章で説明するよりも付属資料を見た方が分かりやすい、という場合にこの言葉を使用しましょう。
「ご参照ください」の意味②「比べて見る」
「ご参照ください」の意味2つ目は「比べて見る」です。例えば、会議などでその製品の能力を表現する時、長い文章で解説するよりグラフや資料で比べてもらった方が早い、という場合があります。そういう時に「ご参照ください」を利用すると「本文の内容と付属資料を比べて見てください」と相手へ促すことができます。
このように、「ご参照ください」という言葉はメールの添付ファイル、企画書の別紙資料など様々な媒体に対して使用できる非常に便利なビジネス用語です。
「ご参照ください」は尊敬語なので目上の人にも使える
「ご参照ください」は、目上の人や上司にも問題なく使用できます。参照に尊敬を表す接頭語「ご」と、尊敬語「ください」を付け加えているため、相手により丁寧に物事を伝える言葉だからです。
また、尊敬語とは通常自分より立場が上の人に使う言葉ですが、「ご参照ください」についてはその限りではありません。ビジネスの場では参照してほしい資料を提示する相手が目上の人とは限らず、同僚や取引先、顧客など様々です。
相手の肩書きが状況によって変わるため、どういった立場の相手に対しても「ご参照ください」という表現を使うことが一般的とされています。
ご参照くださいの誤った使い方は?
ご参照くださいの誤用①「ご参照してください」
「ご参照ください」の誤用1つ目は「して」を加える使い方です。「ご参照して」という表現は「ご参照する」という言葉の謙譲表現となります。相手の行動に対して謙譲表現を使用するのは誤りなので、この表現は使用しないようにしましょう。
この誤用は「ご参照ください」をもっと丁寧な言い回しにしたいと思った時にしてしまいがちです。その場合には、「する」の尊敬語に当たる「なさる」を組み合わせて「ご参照なさってください」といった表現にしましょう。
ご参照くださいの誤用②「電話にてご参照ください」
「ご参照してください」の誤用2つ目は電話などで説明する場合に使う方法です。参照という言葉は文書や資料など、目で見て確認できるのに対して使用します。なので、口頭で物事を解説する場合には適切な表現ではありません。
詳しいことを電話で聞いてほしい、という旨を伝える場合には「詳しくは下記の番号にお問い合わせください」「詳細は電話でご確認ください」などの表現を使用しましょう。
「参照ください」の同義語や英語表現は?
「ご参照ください」の同義語は「ご覧ください」
「ご参照ください」の同義語に「ご覧ください」という言葉があります。これは「見てください」という言葉を敬語にしたもので、顧客や上司、目上の立場の人に何かを指し示す時に使用します。
参考にしてほしいというより、目を通してほしい、一通り読んでほしいと言った意味合いが強く、ややカジュアルなニュアンスになります。しっかりチェックして見比べてほしいという気持ちが強い場合は「ご覧ください」ではなく「ご参照ください」を使用しましょう。
「ご参照ください」英語表現は「refer」
「ご参照ください」を英語で表現する場合、「refer to ○○」というを使用します。これだけだと「○○参照する」という意味だけなので、丁寧に伝える時には文頭に「please」を付け加えましょう。
例えば「下記をご参照ください」という場合には「Please refer to the following.」となります。その他に、よくある言い回しで「別紙参照してください」という表現を英語にするには「Please refer to the attached sheet.」とtoの後ろを変化させます。
参照と参考の違いは?
参照と参考の違い①何を対象としているか
「参照」と「参考」の違い1つ目は対象としているものです。「参照」を使用する場合、提示するものは書類や文書、メール文書など目で見て確認できる媒体のものに限ります。もちろん、紙媒体以外でも録画された映像データなども「参照」の範囲に含まれます。
一方で「参考」を使用する場合は、紙媒体や映像データだけではなく人から聞いた話、意見など目に見えない情報も範囲に含まれます。
例えば、モニター会員へのアンケートを発表する時、聞いた内容で意見をまとめた場合は「○○名のモニター会員の方の意見を参考にしました」と表現します。一方、意見をアンケート式で受け取って資料にまとめた場合、「モニター会員の方のご意見をまとめた資料をご参照ください」となるのです。
参照と参考の違い②対象を見て何を行うか
「参照」と「参考」の違い2つ目は、その対象を見た時に何を行うかです。「参照する」という場合、資料や文書を見て書かれている内容と説明内容を比較したり、照らし合わせたりする行動を指します。例えば、まとめられた情報をもとにどんな商品にニーズがあるかを分析する時には「参照する」という表現が適しています。
一方で「参考にする」という場合、人の意見や資料を手がかりにして、自分の考えや今後の方針をまとめていく行動を指します。例えば新しい企画を作る際に、社内でどんな内容の企画をやってみたいかリサーチし、それを元に概要を決めて行く時などは「参考にする」という表現を使用します。
「ご参照ください」の使い方は?
「ご参照ください」の使い方例文①「詳しい内容は下記をご参照ください」
「ご参照ください」の使い方1つ目は指定した書類や文書を見てもらう時の方法です。ご参照ください、とお願いする時には必ず対象となる資料が無ければなりません。メールの添付ファイルや企画書の別紙参照資料、説明書などは相手に参照してもらうために忘れずに添えて渡しましょう。
また、参照する資料によっては、案内文章が載っている文書以外の資料を見てほしいという時もあるでしょう。そういう時には、「別紙参照」という言葉を丁寧に表し、「お手元にある別紙の資料をご参照ください」などと表現しましょう。
文章やグラフ、図に「別紙参照」と書かれている分には問題ありませんが、人に参照を促す時に「別紙参照」とだけ言うと乱暴な印象になるので上手く表現を変えて使ってください。
接頭語の「ご」は正式には「御」と書くのですが、ビジネスの場においてはひらがなで問題ありません。御参照と漢字で書くと、パッと見た時に意味が分かりずらく、違和感を与える場合があります。公用文や冠婚葬祭の時以外にはひらがなで表記しても失礼に当たらないので読みやすさを重視しましょう。
「ご参照ください」の使い方例文②「当日までに変更点をご参照ください」
「ご参照ください」の使い方・例文2つ目は期日を指定して資料を見てもらう時の方法です。「○○までに」という言葉と組み合わせることで、見てほしい期間を指定して渡した資料を参照してもらうことができます。
参照データを見た上で何かを提出してもらいたい、という時には「期日までに別紙参照の上、書類をご提出ください」などの言い換えも可能です。
「ご参照ください」の使い方例文③「別紙参照頂けますと幸いです」
「ご参照下さい」の使い方・例文3つ目は「幸いです」をつける方法です。「幸いです」とは、ビジネスの場において「嬉しい」という気持ちをより丁寧に相手に伝えるための言葉です。この言葉を合体させて使用することで、「参照してくれるととても嬉しい・助かる」という気持ちを相手に伝えることができます。
また、「幸いです」という言葉には、してほしいという気持ちを優しく伝える効果もあります。「ご参照ください」だけでは堅苦しい印象になるな、と感じた時には「幸いです」を活用して相手に失礼のない言い回しを考えましょう。
以下の記事では、「幸いです」という言葉について使い方や同義語、英語表現などを分かりやすく解説しています。相手の気分を害さないビジネストークのテクニックを磨くためにも、「幸いです」の正しい使用方法も学んでおきましょう。
「ご参照ください」を正しく使用してビジネスシーンをリードしよう
ビジネスで使用する敬語は間違ったまま使用していると相手に違和感を与え、仕事の関係に不信感を抱かれる恐れもあります。せっかく頑張っているのに言葉遣い一つで「仕事を任せられない」と思われてしまうのは勿体ないと思いませんか。
特に、人に対して資料を提示して物事を語る場面では、本人の信頼性が非常に重要となります。相手に資料を参照してもらう際には正しい言葉遣いで促し、安心感を与えましょう。
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