させてもらうの意味や敬語の言い換えは?させていただきます/させて頂く

「させてもらう」という表現はよく耳にしますが、正しい敬語表現や使い方や意味は知っていますか?させてもらうの正しい使い方だけでなく「休まさせていただきます」や「拝見させていただきました」など、間違いやすい敬語表現と言い換え表現も紹介していきます。

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させてもらうの意味とは?使うタイミングは?

させてもらうは許可を得て行動をする意味

手を差し出す瞬間

させてもらうは相手に許可を得たうえで、自分が行動するときに使う言葉です。例えば「行かせてもらう」は、相手に「行く」ことの許可を得たうえで「行く」行動をするという意味です。相手の許可は要らなくて自分の判断で行動できる場合や、許可をもらう必要がない場合にさせてもらうは使いません。

またさせてもらうは許可をもらうときにも使われます。「早退させてもらえますか」という表現をすると、自分が行動(早退)するために相手に(早退の)許可を得るという意味があります。

させてもらうは自分が行動する時に使う

いろいろなことを一気にこなす男性

させてもらうは自分が行動するときに使うので、相手が行動するときには使えません。例えば相手に連絡しないといけない用事がある場合は、「ご連絡させてもらいます」の言い方でさせてもらうが使えます。しかし相手から連絡が来た場合にさせてもらうと使うと意味が通じません。この場合の敬語は「ご連絡いただいた」ですね。

ビジネスシーンでは後で連絡する場合に、自分から連絡する場合と自社の人間から連絡する場合がありますよね。その場合でも「ご連絡させてもらいます」でも大丈夫です。連絡するのは自分ではありませんが、自分側の立場の人間が相手に行動をするので「させてもらう」を使っても問題ありません。

相手からの恩恵を受けるときに使う

お金の包みを手渡す

させてもらうは「させて」と「もらう」の2つの言葉が組み合わさっています。「させて」には相手に許可を得て自分が行動するという意味があり、「もらう」には行動することで恵みを受けているという意味があります。なので自分がする行動によって相手からの恩恵がない場合には、させてもらうは使えません。


例えば「残業をさせてもらう」という表現をすると、自分が残業を望んでいて上司に残業の許可をもらい、自分が残業によって得られる恩恵があることを意味します。残業したくないと思っている人がこの言い方をすると、考え方と言い方の意味が合わなくなりますね。

「務めさせていただきます」など依頼を受けたときに使う

会議の様子

させてもらうは依頼を受けたときにも使います。ビジネスシーンでは新年会や忘年会での進行役や、結婚式での司会など誰かから依頼されて役割を全うするのも、許可を得て行動することになるのでさせてもらうが使われます。

司会を依頼させた場合は初めの挨拶で「司会を務めさせていただきます」という言い方をしますね。ほかにも司会から乾杯の挨拶などを任された場合にも、「挨拶をさせていただきます」という言い方をします。

させてもらうの正しい敬語表現3選と間違った敬語表現3選

させてもらうの正しい敬語表現①させてもらいます

手をつなぐ男性とほほ笑む人

させてもらうの正しい敬語表現1つ目は、「させてもらいます」です。させてもらうに丁寧語の「です・ます」をつけることで「させてもらいます」という敬語表現になります。させてもらうの表現をするときに敬語にしたいけれど言い回しに不安がある場合は、シンプルにさせてもらいますを使うと間違いが起きにくいですよ。

させてもらいますはこれから何かをすることを意味していますが、させてもらっていますはすでに恩恵を受けていることを意味しています。例えば「家にあがらせてもらっています」だともうすでに家に入っていることがわかりますね。長い間恩恵を受けているときにもさせてもらっていますが使えますよ。

させてもらうの正しい敬語表現②させていただきます


電卓とパソコンを使う人

させてもらうの正しい敬語表現2つ目は、「させていただきます」です。させてもらうの「もらう」を謙譲語ににすると「いただく」になります。謙譲語とは自分がへりくだった言い方で、自分を下げる言い方をして相手を上げる意味があります。

現在恩恵を受けている時は「させていただいております」で、前に恩恵を受けたことがある時は「させていただきました」と言います。しかしさせていただくは多用される言葉なので「させていただく症候群」という言葉もあるほど受け取り手によっては嫌な印象になる言葉なので、させていただきますを多用するのは避けましょう。

させてもらうの正しい敬語表現③させていただいてもよろしいでしょうか

高層ビルで話し合うビジネスマン

させてもらうの正しい敬語表現3つ目は、「させていただいてもよろしいでしょうか」です。させてもらうを謙譲語にした「させていただく」に、確認を取るときに使う「よろしいでしょうか」を組み合わせた敬語表現ですね。

自分は行動をしたいけれど許可が必要な場合に使われます。丁寧な言葉ですが長いので、上司や親しい目上の方にはさせていただいてもよろしいでしょうかよりも、させていただけますかの方が回りくどさがなくスッキリとした印象になるので使い分けてください。

させてもらうの間違った敬語表現①務めさせていただいております

スーツを着る女性

させてもらうの間違った敬語表現1つ目は、「務めさせていただいております」です。相手に自分の役職や役割を紹介するときに「係長を務めさせていただいております」などさせてもらうは使えません。させてもらうには相手の許可を得て恩恵を受ける意味があるので、役職を述べるときは相手の許可は関係ありません。

役職などを述べるときに務めさせていただいておりますが間違って使われるのは、司会など依頼を受けたときに務めさせていただきますをよく使うからです。務めるにさせてもらうを使うのは、依頼を受けた場合で現在の役職を紹介するときには使わないません。間違いやすいので注意してください。


させてもらうの間違った敬語表現②拝見させていただきました

ノートパソコンを見るメガネの女性

させてもらうの間違った敬語表現2つ目は、「拝見させていただきました」です。これは二重敬語なので間違った使い方です。拝見したは見るの謙譲語で、させていただくも謙譲語です。謙譲語と謙譲語が組み合わさった言葉は同じ敬語の種類が重なっているので、二重敬語になり間違った敬語の使い方とされています。

させてもらうで二重敬語になりやすいのは拝見させていただきました以外にも、「伺わせていただく」や「頂戴させていただく」などがあります。拝見させていただきましたを正しい敬語表現にしたい場合は、拝見いたしましたが適切です。

拝見させていただきましたはビジネスシーンでもよく使われる言葉なので、間違った言葉だと知らなかった人もいいでしょう。拝見させていただくの意味や使い方についてはこちらの記事でまとめているので、間違って使っていた方や正しい使い方を知りたい方はぜひ読んでみてください。

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「拝見させていただく」は二重敬語?意味と類語や正しい拝見するの例文も

最近ビジネス用語として「拝見させていただく」という言葉をよく目や耳にします。いかにも礼儀正しい言葉に感じるものですが、二重敬語になってないのか?「拝見する...

させてもらうの間違った敬語表現③休まさせて頂くなどの「さ」入り言葉

喜ぶ男性と突っ伏す男性

させてもらうの間違った敬語表現3つ目は、休まさせて頂くなどの「さ」入り言葉です。休まさせて頂くは、休ませて頂くが正しい言い方です。このように動詞にさせてもらうを組み合わせたときに、「さ」が入っている表現は誤りなので注意してください。

しかし「さ」が入っていても間違いではない言葉もあります。見分け方は「ない」に言い換えてみて、ないの前の字が母音「あ」だと「さ」はいりません。休まないでは、ないの前の文字は「ま」で母音が「あ」なので休ませていただくが正しい言い方です。「出席しない」は母音が「あ」ではないので出席させていただくですね。

させてもらうの言い換え表現3選

させてもらうの言い換え表現①いたします

ノートパソコンを見る男女

させてもらうの言い換え表現1つ目は、「いたします」です。させてもらうを謙譲語にすると「させていただきます」ですが、丁寧語にすると「いたします」になります。いただきますを使いすぎると回りくどく聞こえるので、いたしますに言い換えてスマートにしましょう。

させてもらうの言い換え表現②です

ペンと紅茶

させてもらうの言い換え表現2つ目は、「です」です。ビジネスシーンや尊敬する相手ではない時には、ですを使っても大丈夫ですね。例えば「明日は休みとさせてもらいます」は「明日は休みです」と言い換えられますね。すべてのさせてもらうを、ですに言い換えることはできないので注意してください。

させてもらうの言い換え表現③します

ノートパソコンを叩く手

させてもらうの言い換え表現3つ目は、「します」です。「します」はするの丁寧語なので、「行かせてもらう」を「行きます」に言い換えられますね。しますを使うことで「拝見させていただく」など二重敬語になる心配がなくなるので、丁寧な言い方に悩んだ方はしますを使うようにしましょう。

させてもらうの使い方をマスターしよう

させてもらうやさせていただくはよく使われる表現ですが、させていただく症候群という言葉があるほど使われることが多く回りくどく感じる言葉です。また二重敬語やさ入り言葉など間違った表現をしやすい言葉でもあるので、させてもらうを使うタイミングや言い換え表現をマスターして正しい日本語を使いましょう。


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