「行かれる」の正しい敬語の使い方とは?尊敬・可能・受け身を例文つきで解説!
「行かれる」という言葉は、ビジネスシーンなどでも使うことが多い表現です。しかし、なかには「正しく使えているのか不安」という方も多いのではないでしょうか?今回は「行かれる」の正しい使い方・敬語表現を紹介します。例文も掲載していますので、ぜひご覧ください。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
目次
「行かれる」の基本的な意味とは?
意味①「行く」の敬語
1つ目は「行く」の敬語という意味です。「行かれる」という言葉は「行く」という動詞に、古文の助動詞「る・らる」が付いたものが元となっています。「る・らる」は尊敬や自発・受け身などの意味があるため、文法的には正しい活用法です。
しかし尊敬は本来、動作を高めることで相手を敬う表現方法です。そのため、元の動詞自体が尊敬語でないうえ、他の意味と混同されやすい「行かれる」という言葉は、敬意の程度が低いとされています。また、同じ音を持つ言葉である「イカれる(=おかしい)」をイメージする人も少なくありません。
あまり良い意味の言葉ではないことから、特に年配の方との会話では「行かれる」という表現を避けておきましょう。実際に目上の人に対して使う場合には、「いらっしゃる」や「おいでになる」という表現を用いる方が、より丁寧になりますよ。
意味②行くことができる
2つ目は「行くことができる」という意味です。「行かれる」が持つ意味のなかでも、特に歴史の古い用法とされています。同じ意味を持つ言葉に「行ける」がありますが、こちらは「行くことができる」という表現でしか使えません。そのため、現在では話し手の意思を正しく伝えるために「行ける」を使うのが、一般的です。
意味③「行く」の受け身
3つ目は「行く」の受け身という意味です。誰かから、どこかへ行くように言われた時に使う表現で、特に言葉の形を変えなくても使えます。ビジネスシーンで使う場合には、尊敬の意味と混同されやすい点に注意しましょう。
また、受け身表現を使う時には「嫌々~させられる」という、イメージを持たれやすい傾向があります。そのため、クライアントや目上の人との会話では、使うのを避ける人も少なくありません。実際に使う際には、プライベートやフランクな会話でのみ用いるように心がけましょう。
【尊敬】「行かれる」の正しい敬語の使い方
①フランクな会話であれば「行かれる」のままでOK
同僚や他部署の人との会話や、フォーマルな場面ではない時であれば「行かれる」という表現をそのまま使うことも可能です。他の尊敬表現の場合「行く」以外にも、様々な意味を内包していることが多くあります。
その点「行かれる」という表現を使うことで、話し手の意思をはっきり伝えられますよ。しかし、敬語のなかでは軽めの表現であるため、以下の例文のような、簡単な会話の中で使う程度にとどめておくことをおすすめします。
- ・一通り見て回りましたが、次はどちらに行かれますか?
- ・本社へ行かれるのでしたら、総務部の~さんによろしくお伝えいいただけますか?
- ・部長でしたら、これから商談のために東京へ行かれるようですよ?
尊敬の「行かれる」を使った例文一覧
②目上の人との会話では「いらっしゃる」に変える
上司や目上の人に対して「行かれる」という表現を使う場合は、「いらっしゃる」に変えるのが基本です。ベースとなる動詞「行く」の尊敬表現のなかでも、最もポピュラーで汎用性が高く、様々な場面で活用できます。実際に使う際には、二重敬語にならないように注意しましょう。
特に多い間違いが「いらっしゃられる」という用法です。この場合「いらっしゃる」という尊敬語に、尊敬を意味する助動詞「れる」が付いてしまっています。二重敬語は「過剰敬語」とも呼ばれており、文法的に間違いであるとともに、相手に意思が正しく伝わりません。以下の例文を参考に、正しい敬語表現を使ってみましょう。
- ・大阪へはいつ頃いらっしゃるのですか?
- ・どちらへいらっしゃいますか?ご案内します。
「いらっしゃる」を使った例文一覧
③第三者に関する話の場合は「おいでになる」を使う
ビジネスシーンにおいて、クライアント・取引先についての話をする時などでは「おいでになる」という言葉を使う場合もあります。先程紹介した「いらっしゃる」は、ポピュラーなビジネス用語であることから、より丁寧な表現を使いたい時におすすめです。
また「おいでになる」は「来る」「いる」などといった、言葉の尊敬表現としても使われます。以下の例文一覧を参考に、状況に合わせた用法をマスターしましょう。
- ・~様は本日の3時頃こちらへおいでになるそうです。
- ・来週の月曜日の予定についてですが、社長は会社においでになりますか?
- ・パーティーにはもうおいでになりましたか?
「おいでになる」を使った例文一覧
【可能】「行かれる」の正しい敬語の使い方
①同僚との会話では「行けます」が基本
同僚との会話や、フランクな場面であれば「行けます」という表現を使うのが一般的とされています。「行ける」は「行かれる」と同様に、「行く」という動詞をベースとした可能動詞です。敬語表現のなかでは敬意が低いため、目上の人相手には使いません。日常会話において、ほんの少し丁寧に話したい時にぴったりです。
- ・今週の水曜日でしたら行けますよ。
- ・タクシー乗り場まで一人で行けますか?
「行けます」を使った例文一覧
②ビジネスシーンでは「伺う」を使う
相手への敬意とともに、自分の行為を丁寧に表現したい場合には「伺う」という言葉を使うのがおすすめですよ。「伺う」は動詞の「行く」をベースとした謙譲語で、自分の行動をへりくだることで、向かう先の相手を敬う表現です。
- ・すぐにそちらへ伺います!
- ・明日、御社にお伺いしますので、よろしくお願い致します。
「伺う」を使った例文一覧
③自分の行為を丁寧に言う場合は「参る」もOK
ビジネスシーンにおいて、自分がクライアントや目上の人がいる場所へ行く場合には「参る」を使うのも正しいとされています。「参る」は「行く」をベースとした謙譲語(丁重語)で、向かう先に対する敬語表現です。聞き手だけでなく、相手が所属する会社・団体への敬意も表すことができます。
- ・それでは明日の3時頃、御社へ参ります。
- ・~様のお宅へお迎えに参ります。
- ・書類を受け取りに参りますので、よろしくお願い致します。
「参る」を使った例文一覧
【受け身】「行かれる」の正しい敬語の使い方
①他の言葉を伴う場合は「行かれる」のままで用いる
「行かれる」をそのまま受け身表現として使う際には、他の言葉を伴う場合があります。例えば「連れて行かれる」「持って行かれる」のように、状況をさらに詳しく説明する言葉を付け足すことがほとんどです。
- ・このまま置いて行かれるんでしょうか?
- ・証拠として、持ち物は全て持って行かれました。
受け身の「行かれる」を使った例文一覧
②単独で使う場合は「行かされる」が一般的
他の動詞を伴わずに、受け身表現を用いる場合は「行かされる」を使います。「行かされる」という言葉は、「行かせられる」という使役受け身の表現が変化したものです。実際に使う場合は、場所や使役する相手を表す言葉をプラスします。
- ・いつも先輩に買い出しへ行かされるんです。
- ・今度はどこへ出張に行かされるのでしょうね。
「行かされる」を使った例文一覧
「行かれる」の正しい使い方・表現をマスターしよう!
「行かれる」という言葉は様々な意味を持つ反面、使い方に困るシーンも多くあります。しかし、実際に使う時の注意点を知っておくことで、よりTPOに合ったコミュニケーションができるようになりますよ!ぜひ今回の解説を参考にしながら、言葉の正しい使い方をマスターしましょう。
ビジネスシーンで頻繁に使う言葉でありながら、間違いやすいものとして「ご連絡差し上げます」という表現があります。社内・社外問わず、ビジネスシーンでは様々な相手と連絡を取る必要があるため、正しく使えるようになることが大切です。関連記事では「ご連絡差し上げます」という表現を、詳しく解説しています。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。