「行かれる」の正しい敬語の使い方とは?尊敬・可能・受け身を例文つきで解説!

「行かれる」という言葉は、ビジネスシーンなどでも使うことが多い表現です。しかし、なかには「正しく使えているのか不安」という方も多いのではないでしょうか?今回は「行かれる」の正しい使い方・敬語表現を紹介します。例文も掲載していますので、ぜひご覧ください。

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「行かれる」の基本的な意味とは?

意味①「行く」の敬語

尊敬される上司

1つ目は「行く」の敬語という意味です。「行かれる」という言葉は「行く」という動詞に、古文の助動詞「る・らる」が付いたものが元となっています。「る・らる」は尊敬や自発・受け身などの意味があるため、文法的には正しい活用法です。

しかし尊敬は本来、動作を高めることで相手を敬う表現方法です。そのため、元の動詞自体が尊敬語でないうえ、他の意味と混同されやすい「行かれる」という言葉は、敬意の程度が低いとされています。また、同じ音を持つ言葉である「イカれる(=おかしい)」をイメージする人も少なくありません。

あまり良い意味の言葉ではないことから、特に年配の方との会話では「行かれる」という表現を避けておきましょう。実際に目上の人に対して使う場合には、「いらっしゃる」や「おいでになる」という表現を用いる方が、より丁寧になりますよ。

意味②行くことができる

OKサインをする女性

2つ目は「行くことができる」という意味です。「行かれる」が持つ意味のなかでも、特に歴史の古い用法とされています。同じ意味を持つ言葉に「行ける」がありますが、こちらは「行くことができる」という表現でしか使えません。そのため、現在では話し手の意思を正しく伝えるために「行ける」を使うのが、一般的です。

意味③「行く」の受け身

使役される猟犬

3つ目は「行く」の受け身という意味です。誰かから、どこかへ行くように言われた時に使う表現で、特に言葉の形を変えなくても使えます。ビジネスシーンで使う場合には、尊敬の意味と混同されやすい点に注意しましょう。


また、受け身表現を使う時には「嫌々~させられる」という、イメージを持たれやすい傾向があります。そのため、クライアントや目上の人との会話では、使うのを避ける人も少なくありません。実際に使う際には、プライベートやフランクな会話でのみ用いるように心がけましょう。

【尊敬】「行かれる」の正しい敬語の使い方

①フランクな会話であれば「行かれる」のままでOK

仕事をする会社員

同僚や他部署の人との会話や、フォーマルな場面ではない時であれば「行かれる」という表現をそのまま使うことも可能です。他の尊敬表現の場合「行く」以外にも、様々な意味を内包していることが多くあります。

その点「行かれる」という表現を使うことで、話し手の意思をはっきり伝えられますよ。しかし、敬語のなかでは軽めの表現であるため、以下の例文のような、簡単な会話の中で使う程度にとどめておくことをおすすめします。

    尊敬の「行かれる」を使った例文一覧

  • 一通り見て回りましたが、次はどちらに行かれますか?
  • 本社へ行かれるのでしたら、総務部の~さんによろしくお伝えいいただけますか?
  • 部長でしたら、これから商談のために東京へ行かれるようですよ?

②目上の人との会話では「いらっしゃる」に変える

挨拶を交わす会社員

上司や目上の人に対して「行かれる」という表現を使う場合は、「いらっしゃる」に変えるのが基本です。ベースとなる動詞「行く」の尊敬表現のなかでも、最もポピュラーで汎用性が高く、様々な場面で活用できます。実際に使う際には、二重敬語にならないように注意しましょう。

特に多い間違いが「いらっしゃられる」という用法です。この場合「いらっしゃる」という尊敬語に、尊敬を意味する助動詞「れる」が付いてしまっています。二重敬語は「過剰敬語」とも呼ばれており、文法的に間違いであるとともに、相手に意思が正しく伝わりません。以下の例文を参考に、正しい敬語表現を使ってみましょう。


    「いらっしゃる」を使った例文一覧

  • 大阪へはいつ頃いらっしゃるのですか?
  • どちらへいらっしゃいますか?ご案内します。

③第三者に関する話の場合は「おいでになる」を使う

クライアントと顔合わせをする人

ビジネスシーンにおいて、クライアント・取引先についての話をする時などでは「おいでになる」という言葉を使う場合もあります。先程紹介した「いらっしゃる」は、ポピュラーなビジネス用語であることから、より丁寧な表現を使いたい時におすすめです。

また「おいでになる」は「来る」「いる」などといった、言葉の尊敬表現としても使われます。以下の例文一覧を参考に、状況に合わせた用法をマスターしましょう。

    「おいでになる」を使った例文一覧

  • ~様は本日の3時頃こちらへおいでになるそうです。
  • 来週の月曜日の予定についてですが、社長は会社においでになりますか?
  • パーティーにはもうおいでになりましたか?

【可能】「行かれる」の正しい敬語の使い方

①同僚との会話では「行けます」が基本

会議をする様子

同僚との会話や、フランクな場面であれば「行けます」という表現を使うのが一般的とされています。「行ける」は「行かれる」と同様に、「行く」という動詞をベースとした可能動詞です。敬語表現のなかでは敬意が低いため、目上の人相手には使いません。日常会話において、ほんの少し丁寧に話したい時にぴったりです。

    「行けます」を使った例文一覧

  • 今週の水曜日でしたら行けますよ。
  • タクシー乗り場まで一人で行けますか?

②ビジネスシーンでは「伺う」を使う

握手をする会社員

相手への敬意とともに、自分の行為を丁寧に表現したい場合には「伺う」という言葉を使うのがおすすめですよ。「伺う」は動詞の「行く」をベースとした謙譲語で、自分の行動をへりくだることで、向かう先の相手を敬う表現です。

    「伺う」を使った例文一覧

  • すぐにそちらへ伺います!
  • 明日、御社にお伺いしますので、よろしくお願い致します。

③自分の行為を丁寧に言う場合は「参る」もOK

業務を進める人

ビジネスシーンにおいて、自分がクライアントや目上の人がいる場所へ行く場合には「参る」を使うのも正しいとされています。「参る」は「行く」をベースとした謙譲語(丁重語)で、向かう先に対する敬語表現です。聞き手だけでなく、相手が所属する会社・団体への敬意も表すことができます。

    「参る」を使った例文一覧

  • それでは明日の3時頃、御社へ参ります。
  • ~様のお宅へお迎えに参ります。
  • 書類を受け取りに参りますので、よろしくお願い致します。

【受け身】「行かれる」の正しい敬語の使い方

①他の言葉を伴う場合は「行かれる」のままで用いる

手を繋いで歩く様子

「行かれる」をそのまま受け身表現として使う際には、他の言葉を伴う場合があります。例えば「連れて行かれる」「持って行かれる」のように、状況をさらに詳しく説明する言葉を付け足すことがほとんどです。

    受け身の「行かれる」を使った例文一覧

  • このまま置いて行かれるんでしょうか?
  • 証拠として、持ち物は全て持って行かれました。

②単独で使う場合は「行かされる」が一般的

一緒にあるく人

他の動詞を伴わずに、受け身表現を用いる場合は「行かされる」を使います。「行かされる」という言葉は、「行かせられる」という使役受け身の表現が変化したものです。実際に使う場合は、場所や使役する相手を表す言葉をプラスします。

    「行かされる」を使った例文一覧

  • いつも先輩に買い出しへ行かされるんです。
  • 今度はどこへ出張に行かされるのでしょうね。

「行かれる」の正しい使い方・表現をマスターしよう!

「行かれる」という言葉は様々な意味を持つ反面、使い方に困るシーンも多くあります。しかし、実際に使う時の注意点を知っておくことで、よりTPOに合ったコミュニケーションができるようになりますよ!ぜひ今回の解説を参考にしながら、言葉の正しい使い方をマスターしましょう。

ビジネスシーンで頻繁に使う言葉でありながら、間違いやすいものとして「ご連絡差し上げます」という表現があります。社内・社外問わず、ビジネスシーンでは様々な相手と連絡を取る必要があるため、正しく使えるようになることが大切です。関連記事では「ご連絡差し上げます」という表現を、詳しく解説しています。

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