「クライアント様」って正しい呼び方なの?正しい使い方について解説!
あなたは、「クライアント様」という呼び方に違和感を覚えていませんか?この記事では、そもそもこの呼び方が正しい呼び方なのか?について詳しく解説していきます。それに加えて、「クライアント」につける正しい敬称についてもご紹介していきます。参考にしてみてください。
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目次
「クライアント様」はおかしい呼び方?その理由は?
「クライアント様」は厳密には敬語ではなく誤用
「クライアント様」という言葉は、厳密には誤用です。このことから考えると、この言葉に違和感を感じていた方は、言葉の使用に関してかなり鋭い感覚を持っていると言えます。日本語では、「~様」と付けると、その人に敬意を表すという意味になります。例えばお客さんのことを「お客様」や「木村様」と呼ぶのがその例です。
一方で今回取り上げる「クライアント様」という言葉も、「クライアント」という言葉に「様」という言葉が付いています。これは形式的には先に挙げた例の言葉と同じなのですが、厳密言うと他の言葉と同じく、これを敬語として捉えることはできません。「様」を付けるという形式は同じなのに誤用とは何だかおもしろいですね。
「クライアント」にはすでに「お客様」という意味が
「クライアント」という言葉には、元来すでに「お客様」という意味が含まれています。これが、「クライアント様」という表現が厳密に言うと誤用である所以です。まず、「クライアント」という言葉は元々、「client」という英単語からきています。この単語の意味を辞書で引くと「得意先、顧客」という意味になります。
この「得意先、顧客」という言葉をもっと簡単な日本語に直すと、「お客様」という言葉になります。すなわち、「クライアント様」という表現は、厳密に言うと「お客様様」と言っているのと同じになるのです。このように違う言葉に直してみると、この言葉がおかしい敬語であることが分かります。
「クライアントさん」はおかしい呼び方?その理由は?
「クライアントさん」も厳密には誤用
「クライアントさん」という表現も、厳密に言うと誤用です。理由は、「クライアント様」の場合と同じく、この言葉を別の言葉に言い換えると、「お客様さん」というおかしい響きになってしまうからです。元々、敬語の呼び方にするために使用する「様」に「さん」が付いており、文面や響きも何だか不思議です。
「さん」は本来「親しみのこもった呼称」を指す
この「クライアントさん」の「さん」は本来、「親しみのこもった呼称」を指します。例えば「木村さん」、「立花さん」など、氏名にそれを付ける場合と同じ役割を果たしているのです。恐らく、ビジネスの場でも「お客様に対して、親しみを込めた呼び方で呼びたい」という目的で使われ始めたのでしょう。
先に説明した通り、「クライアントさん」という呼び方は、厳密に言うと敬語としても誤用ということになります。しかし、例えばカウンセリングの業界や、他業界などではこの呼び方が一般的に使われているのが現実です。正しい呼び方ではないかもしれませんが、このように便宜性が優先されている場合もあるのです。
特に社外向けのメールや手紙の文面などで、相手にも関わりある別の企業を呼ぶ場合は、この「メーカー様・さん」という言葉を活用するのが良いでしょう。ただ、社内での公式な会議など以外では、「メーカー」とこれらの言葉を付けるのを省略することもできます。
「クライアント様」などの表現のビジネスでの許容範囲とは?使い方は?
状況によっては広い範囲で使用可の場合も
「クライアント様」という表現は、正しい敬語ではないので、誤用です。しかし、状況によっては広い範囲で使用が可能な場合もあり得ます。これは、誤用であるにも関わらず、それが長く使われた結果、慣習化して、正されることなく使い続けられるような場合に言えます。
この「クライアント様」という言葉も、すでにビジネスでも多くの場面で使い続けられてきました。その意味では、「正しい使い方ではないかもしれないが、その言葉で意味が相手に伝わる」言葉として認識されています。この理由で、状況によってはその使用が許可される、可能とされるということも多いと言えます。
社内・社外の違いで呼び方を使い分けると良い
「クライアント様」という言葉は、社内・社外の違いで呼び方を使い分けると良いしょう。例えば、社内会議で自らのクライアントを呼ぶ際にはそのまま「クライント」と呼び、社外向けに使う場合は敬意を示すという意味で「クライアント様」と敢えて使うこともできます。
「メーカー様・さん」「ユーザー様・さん」はおかしい呼び方?その理由は?
実は「クライアント様」という言葉以外にも、使い方に迷いやすい言葉が存在します。それが、「メーカー様・さん」です。この言葉は、使ってもOKな言葉として知られています。
「メーカー様・さん」は使ってもOK
もちろん、先に説明したように、厳密に言うと「クライアント様」という言葉はおかしいですが、特に公式な手紙やメールなどの文面で使用する以外では問題になることは少ないと言えます。それが文字として記録に残ってしまう文面の場合はその使用を避けて、社外向けの発言の場で使用するなど使用用途を分けてみましょう。
まず「メーカー様・さん」は使用しても問題ない、正しい言葉です。「クライアント」という言葉に比べ、「メーカー」という言葉の元の形、「maker」には「作り手」という意味しかありません。そのため、これに「様」を付ける形にしても、二重敬語の形にはならないため、問題ありません。
「ユーザー様・さん」は状況によって使用を見極めよう
「ユーザー様・さん」という言葉は、「ユーザー」という言葉は元々、「使用者」という意味しか持たないことから、形式的には正しい言葉と言えます。従って、状況によってその使用を見極めるのが妥当でしょう。ただ、ビジネスでの使い方については様々な議論があります。
そのうちの代表的なものの一つが、「ユーザーは、企業にとってお客様なのだから、様と付けるべき」というものです。もう一方で、「ユーザーはただの商品の利用者、使用者なのだからその必要はない」という意見もあります。これらはその事象をどの角度から見るか?の違いから生まれている違いに過ぎません。
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状況を見極めて「クライアント様」という言葉を活用しよう!
厳密に言うと、「クライアント」に「様」を付ける「クライアント様」という言葉は正しい言葉ではありません。特にメールや手紙など公式な文面での使用は避けるべきです。しかしながら、文面以外の使用においてはこの言葉がすでに慣習化し、ビジネスの現場では受け入れられている、という現状も確かにあります。
この事実も踏まえて考えると、この言葉を「おかしいから」と切り捨ててしまうことは困難と言えます。相手との関係性や、状況を見極めて、「クライアント」「クライアント様」などそれぞれの言葉を適切に使い分けてみてください。あなたもぜひ、状況を見極めて「クライアント様」という言葉を活用してみましょう。
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