辟易の漢字の読み方って?うんざりするを意味する語源・対義語・類義語も
「辟易」という漢字を見ると一瞬読み方がわからない人もいそうですが、日常的によく使われる言葉で「うんざりする」という意味を持ちます。ここでは辟易の読み方だけでなく、その語源や類語、対義語についても解説します。しっかり覚えて活用してみてください。
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目次
辟易の正しい読み方は?
辟易の正しい読み方は「へきえき」

「辟易」の読み方は「へきえき」です。辟易に使われる「辟」は音読みだと「ひ」「へき」、訓読みだと「かたよ(る)」「きみ」「さ(ける)」「ひら(く)」「め(す)」「よこしま」と読みます。
一方の「易」は音読みだと「い」「えき」、訓読みだと「やさ(しい)」「あなど(る)」「か(える)」「か(わる)」「やす(い)」と読みます。
ひいという読み方は間違い

辟易の正しい読み方は、両方の漢字を音読みすることです。音読みにすると「ひい」とも読めますが、その読み方は間違いです。また「へきい」と読み間違える人もいそうです。いずれにせよ、「へきえき」という正しい読み方を覚えてしまいましょう。
辟易の漢字の意味って?
辟易の漢字の意味①辟

「辟易」の意味を説明する前に、それぞれの漢字が持つ意味を説明します。「辟」には「重い刑罰」「治める」「君主」「掟」「招く」「除く」「開く」「よこしま」「避ける」「叩く」など様々な意味があります。
辟が使われる熟語には「招辟(しょうへき)」「大辟(たいへき)」「百辟(ひゃくへき)」「復辟(ふくへき)」などがあります。
辟易の漢字の意味②易

そして「易」という漢字には、「変化する」「改める」「占い」「たやすい」「〇〇しがちである」「平ら」「見下す」という意味があります。
易が使われる熟語には「改易(かいえき)」「交易(こうえき)」「不易(ふえき)」「変易(へんえき)」「貿易(ぼうえき)」「安易(あんい)」などがあります。
辟易の意味は「うんざりする」「嫌気がさす」

「辟」と「易」という2つの漢字が含まれた「辟易」は、「とても迷惑に感じてうんざりする」「嫌気がさす」ことを意味します。また「相手の勢いに圧倒されてしまいたじろぐ」という意味で、使われることもあります。いずれにせよ、否定的なニュアンスで使われる言葉だということです。
辟易はこうやって使う!正しい使い方と例文
「辟易する」が正しい使い方

「辟易」は、人間の心情や気持ちを表す熟語の一つです。そのため物事を対象に、この漢字を使うことはありません。また辟易を名詞として使うのではなく、「する」という動詞を加えて「辟易する」という言葉として用いるのが一般的です。
「辟易」を用いる際の注意点として、副詞・形容詞としては使えないことがあげられます。「辟易と〇〇する」「辟易な」という使い方は絶対にしません。また「辟易」は心情を表す言葉なので物事を形容する際に使うのも間違いです。「辟易する道」などの表現はありえないので、覚えておきましょう。
正しい使い方と例文①辟易する

「辟易する」の例文には、「いつも一方的に自慢話ばかりする友人に辟易する」「アンケートに記入して以来、保険会社のしつこい勧誘に辟易する」などがあります。
また、「私がミスしたわけでもないのに、知人が誤解して一方的にまくし立てたから、辟易して言葉を失いました」という使い方もあります。
「辟易する」は「うんざりして嫌気がさす」という意味で使われます。その対象は、同じことを何度もくり返す相手や物事です。辟易の後に行動を表す表現を加えることで、より自分の心情を的確に表現できます。
正しい使い方と例文②辟易させられる

「辟易させられる」も、よく使われる表現です。例文としては「何度作業手順を教えてもおぼえない後輩に、辟易させられ」「毎晩かかってくる、進学塾の勧誘には本当に辟易させられる」などがあります。
「辟易させられる」は受動表現です。相手や物事に対する「うんざりする」あるいは「嫌気がさす」状態をより強調するときに使います。
正しい使い方と例文③辟易している

「辟易している」という表現も、日常的に使われています。例文をあげると「聞く耳を持たない部長のミスリードに、部員全員が辟易している」「印刷ミスによって長時間のシール針を余儀なくされたスタッフは、みんな辟易している」などがあげられます。
「辟易している」という表現は、「辟易する」に「いる」という言葉が加わっています。それにより、「うんざりしている様子」を表しているのです。そのため、他者の様子をっ表現する際に用いられます。
辟易の語源にはどんなものがある?
辟易の語源は中国の「史記」

「辟易」という言葉が、中国の「史記」が語源とされています。「項羽本紀」の中で使われており、「辟」は避ける、「易」は変えるというのが本来の意味でした。しかしそれが転じて、「相手を恐れて逃げる」ことを表したのです。
「辟」という文字の語源ですが、そもそもは「刑罰」という意味を持っていました。それが転じて「避ける」という意味になったとされています。また「平伏する」「横にさける」という意味も併せ持ちます。
「易」の語源ですが、これは象形文字からきており「とかげ」を表しています。とかげは光の加減で色が変化して見えることから、「変わる:という意味で使われるようになったそうです。
日本では語源から意味が転じた

「辟易」が中国から日本に伝わった際には、「逃げる」「たじろぐ」という意味で使われていました。しかし時間の経過と共に、相手に対して何もできないという状態を表現していることから「閉口する」という意味でも使われるようになりました。
日本で語源が転じた後は、「避けて通りたいほど嫌気が指す」「道を変えたくなるほど圧倒されてしまって尻込みする」という意味で用いられています。
辟易の類語と反対語にはどんな言葉があるの?
辟易の類語①飽きる

「辟易」の類語の1つ目は「飽きる」です。飽きるは「もう十分である」「嫌になる」「興味を失くす」という意味を持ちます。そのため、「うんざりする」という意味の類語として用いられます。
飽きるを用いた例文としては、「毎日朝食のメニューが同じなので飽きる」「過去問題集ばかり解いていると、問題が似ていて飽きる」などがあります。
また「飽き飽きする」という表現で使われることもあります。「倦厭(けんえん)」にも「飽きて嫌気がさす」という意味があるので、類語に分類されることがあります。
辟易の類語②閉口する

「辟易」の類語の2つ目は「閉口する」です。閉口するには「手に負えなくて困る」「どうしようもなく悩まされる」「圧倒されて言葉に詰まる」という意味があります。「辟易する」の「閉口して困ってしまった」という意味の類語として使われます。
閉口するを用いた例文として、「彼の口の悪さには閉口する」「彼女の屁理屈さ加減には、閉口せざるをえません」などがあげられます。
辟易の類語③尻込みする

「辟易」の類語の3つ目は「尻込みする」です。尻込みするには「怖気づいて後ずさりする」「気後れしてためらう」「相手に勢いに逡巡する」といった意味があります。「相手の勢いに圧倒されて引き下がる」という意味で、辟易の類語とされています。
尻込みするを用いた例文として、「街灯がまばらな公園を抜けるときには尻込みする」「取引先からの提案内容は魅力的だが、予算オーバーなので白込みしてしまう」などがあげられます。
辟易の対義語①感謝

「辟易」の対義語の1つ目は「感謝」です。感謝には「ありがたく思う気持ち」「ありがたいと感じてお礼をいうこと」という意味があります。そのため「うんざりとして嫌気がさす」を表す「辟易」の対義語になるのです。
「感謝」を用いた例文としては、「いつも私を見守ってくれる両親に感謝しています」「感謝の気持ちを込めて、手紙を書きました」などがあげられます。感謝の敬語表現については、以下の記事を参考にしてください。
辟易の対義語②恩恵

「辟易」の対義語の2つ目は「恩恵」です。恩恵には「めぐみ」「なさけ」という意味があります。「うんざりさせられる」という「辟易」とは、対照的な言葉です。
恩恵を用いた例文としては、「日光や雨など、私たちは自然の恩恵を受けて暮らしています」「神様は他人を足蹴にする人に恩恵を施したりはしません」などがあります。恩恵については、以下の記事も参考になります。
「恩恵を授かる」という表現を、見聞きしたことがある人は多いでしょう。しかし、これは間違いです。「恩恵に与る」が正しい使い方となります。これを機に覚えておいてください。
辟易の対義語③好意

「辟易」の対義語の3つ目は「好意」です。好意には、「相手に対する親しみの気持ち」「相手を好ましく思う気持ち」「親切心」という意味があります。「嫌気がさす」という意味の「辟易」とは、真逆の言葉です。
好意を用いた例文としては、「「分け隔てなく人に接する彼女は、誰からも好意を持たれています」「彼は一生懸命がんばる新入社員の1人に、好意を寄せているらしい」などがあげられます。
辟易を英語で言い換えるならどんな意味?
辟易を英語で言い換える①flinch

「辟易」を英訳すると「flinch」となります。flinchには「ひるむ」「たじろぐ」「しりごみする」「身を引く」という意味があります。しかし「辟易する」を英文で表現する際には端午としてでなく、「flinch from」が用いられます。
flinch を用いた例文としては、「She is not such a man as to flinch from danger.(彼女は危険にたじろぐような人ではありません)」があります。
「Everyone of a project member is flinching from an unreasonable demand.(プロジェクトメンバーの誰もがその難題に辟易しました)」という使い方もあります。
「flinch」は単語だと「気がひるむ」という意味で使われることが多いです。「辟易する」というニュアンスで使うなら「flinch from」が適しています。またこの表現を用いることで、何に対して辟易しているかを明確に説明できます。
辟易を英語で言い換える②be bored

「辟易する」を表す表現に「be bored 」があります。be bored の意味は「退屈している」です。うんざりした様子を表すと見なされ、辟易するの英語表現として用いられています。
「be bored 」を用いた英語表現としては、「I was bored with chief director's long speech.(私は部長の長いスピーチに辟易しました)」があります。
そのほかにも「We were bored by senior boastful talk.(私たちは先輩の自慢話に辟易しました)」という使い方もあります。
「辟易する」は「be動詞+bored 」で表現できます。その補足として「with」や「by」を用いるのが一般的です。「be bored by」を用いることで、辟易する対象が何かを明確にできます。
的確に辟易を使おう!

今回は「辟易」の読み方や意味、語源、対義語、類義語について説明してきましたが、理解できましたか。「辟易」はよく使われる言葉ですが、使い方を間違っている人が案外多いようです。副詞や形容詞としては使われないことも含めて、正しい使い方を覚え、的確に使えるようにしておくと、ビジネスシーンで役立つはずです。
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