不易流行の意味とは?新しい変化と不変を大事にする意味の英語や類語も
不易流行は、新しい変化と、不変を大事にすることを意味する言葉だと言われています。内容が相反しているようですが、果たして本当に正しい意味なのでしょうか。類語や、英語での表現などを交えて、本当の意味を追求していきたいと思います。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
目次
不易流行の意味とは?読み方は?
不易流行の意味と読み方①ずっと変化しない「不易(ふえき)」
不易流行の意味と読み方の1つ目は、「不易」と「流行」の二語から成っている四字熟語の、前半の言葉についてです。こちらは、「不易(ふえき)」と読み、「ずっと変化しないさま」を意味します。やや読み方が難しく、「ふい」と読み誤るケースが多いので、注意しましょう。
不易流行の意味と読み方②時代とともに変化する「流行(りゅうこう)」
不易流行の意味と読み方の2つ目は、四字熟語の後半の言葉についてです。こちらは、「流行(りゅうこう)」と読み、時代とともに変化することを指す言葉となっています。一般的な読み方なので、間違える心配はありませんね。意味については、不易とは全く逆のものとなっています。
不易流行の意味と読み方③不易流行とは「不変と変化はどちらも大事なこと」
不易流行の意味と読み方の3つ目は、「不易」と「流行」の正反対の意味の言葉を併せて読むと、「不変と変化はどちらも大事なこと」を表す言葉になることです。ずっと変化しない本質的なものを忘れずに、新しいものも積極的に取り入れていくことを意味します。
例えば、江戸時代から続く古き良き老舗旅館にとって、変化しない本質的なものは「おもてなしの心」と捉えることができます。そこに、インターネットで予約できるシステムを取り入れるのは、間違ったことではありませんね。新しい「流行」によって、本質的な部分である「おもてなしの心」は、さらに強化されます。
不易流行の語源や由来は?
不易流行の語源や由来①蕉風俳諧の理念が由来
不易流行の語源や由来の1つ目は、蕉風俳諧(しょうふうはいかい)の理念が由来だということです。蕉風俳諧は、江戸時代の俳人「松尾芭蕉」によって見出された、俳諧の概念のことを指します。あの有名な『奥の細道』を作成する旅の中で、完成されたと言われています。
つまり、もともとは俳諧の本質とはなにかを説くための、用語の1つだったんですね。きちんとした記録も残っていて、1689年ごろから芭蕉によって広められ始めたと伝えられています。
不易流行の語源や由来②不変の「不易」と新しい「流行」が1つになったもの
不易流行の語源や由来の2つ目は、不変の「不易」と新しい「流行」が1つになったものだということです。語源は、芭蕉の俳諧への考えや心構えを記した『去来抄(きょらいしょう)』という俳諧論書の一節にあります。以下の引用のように四字熟語のままで用いられているわけではありませんが、現在の意味の由来となりました。
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」去来抄
引用元: 日本俳句研究会
去来抄の一節では、良い俳句を作るためのポイントとして、普遍的な基礎をよく知ることが大切であると説いています。しかし、いくら普遍的であっても、新しい流行を取り入れられなければ良いものはできないとしているのです。
そのため、同じ『去来抄』では、不易と流行の根本は1つであることも述べています。不易流行は、「不易」と「流行」が、1つの句の中に込められているものこそを理想とした言葉だったんですね。俳句の普遍的な基礎の1つといえば、季語ではないでしょうか。基礎を知るために、こちらの記事をチェックしてみましょう。
不易流行の語源や由来③俳句以外にも応用される理念
不易流行の語源や由来の3つ目は、俳句以外にも応用される理念となったことです。「不易」と「流行」が1つになったものこそを理想とするのは、俳句に限ったことではないためです。
再び老舗旅館の話となりますが、パソコン機器などを一切使用しない、昔ながらの働き方では時代に取り残されてしまう可能性がありますね。しかし、便利さだけを追求して、本質を忘れてしまうと老舗旅館特有の良さまでもが失われてしまいます。
不易流行は、俳句の理念を語源として、世の中のことに応用される言葉へと転じたと考えられています。物事の本質を見極めることで、いろいろな使い方ができます。
不易流行の使い方や例文は?
使い方や例文①俳句について語るために使う
使い方や例文の1つ目は、俳句について語るために使うものです。スタンダードな使い方ですが、俳句に携わる人でなければ、あまり見かけることはないかもしれません。気軽に使うには難しいかもしれませんが、不易流行の由来となったものだけに、大切に扱っていきたいですね。
例文としては、「この俳句の出来は素晴らしいね。不易流行というポイントを、見事に押さえている」のようなものが考えられますね。俳句の構成や内容が読み解ける人は、ぜひ使ってみましょう。
使い方や例文②組織の理念を説明するために使う
使い方や例文の2つ目は、組織の理念を説明するために使うものです。企業や公的機関を始めとしたさまざまな社会組織の、時代の変化に対する心構えと一緒に使用することができます。とくに、ビジネス面では、会社の経営理念を説明するために用いられることが多いですね。
例文としては、「我が社は、不易流行を理念に、新しい試みに積極的に取り組んでいる」のようなものが考えられますね。どのような取り組みをしているのかを説明しながら使ってみると良いでしょう。
使い方や例文③マーケティングの教訓として使う
使い方や例文の3つ目は、マーケティングの教訓として使うものです。時代の変化による、消費者のニーズに応えるためには、忘れてはいけない精神だということでしょうか。世の中の革新的な技術に敏感になることや、商品やサービスの本質を見失わないために、使われることも多いですね。
例文としては、「顧客に満足してもらうには、定番のものだけではダメだ。不易流行を追求して、商品を開発していこう」のようなものが考えられますね。物づくりや販売に携わる人は、使ってみると良いかもしれません。
使い方や例文④座右の銘として使う
使い方や例文の4つ目は、座右の銘として使うものです。自分の信念のひとつとして、語りたい場合に使ってみると良いでしょう。就職活動の面接や、ビジネスでの取引場面で使用されることがあります。
例えば、「私は不易流行の精神を持って、新しいものを取り入れる姿勢を貫いていきたいと思います」のようなものが考えられますね。自分や会社のアピールポイントとして使ってみると良いでしょう。
不易流行の類語は?
類語①不変を意味する「万古不易」
類語の1つ目は、「万古不易(ばんこふえき)」です。「万古」は、遠い昔から現代に至るまでの長い期間や、永遠を表す言葉となります。「不易」は、ご紹介したように、ずっと変化しないさまをいうものですね。同じ意味の言葉同士を組み合わせることで、不変を意味する類語となります。
ただし、新しい変化を意味する「流行」の要素は存在しないので、昔から変わらずに長く続いてきた事柄に対して使うことになります。不変の意味合いが強い類語なので、注意してくださいね。
類語②一時的に新しい「一時流行」
類語の2つ目は、一時的に新しいことを意味する「一時流行(いちじりゅうこう)」です。それぞれの時代の流れに合った、新しいものを追求し、世の中の変化に対応することを表す類語となりますね。しかし、不変のものついては触れていないので、注意が必要です。
こちらも、蕉風俳諧の理念を論じるための表現となるので、俳諧の本質に触れるための用語となる点も似ていますね。『去来抄』にも記されている類語です。
不易流行の英語と例文は?
英語と例文①immutable
英語と例文の1つ目は、「immutable」です。日本語に翻訳すると、変わらないことや、変化しないという意味になる言葉ですね。もちろん、「不変」や「不易」と翻訳することも可能です。例えば、英語の「immutable lows」のような例文では、「不変の法則」という意味になります。
英語と例文②epidemic
英語と例文の2つ目は、「epidemic」です。日本語に翻訳すると、流行していることや、蔓延しているという意味になります。前述した「immutable」と併せて、英語で「immutable epidemic」という例文にすることで、不易流行の意味に近いものとなると考えられています。
ただし、もとが俳諧の用語であっただけに、不易流行そのものを意味する英語表現はないとされています。英語の、俳句の話題以外の使い方では、補足説明を入れたほうが分かりやすくなります。
現代社会における不易流行の重要性は?
現代社会における不易流行の重要性①経営の秘訣を保つ
現代社会における不易流行の重要性の1つ目は、経営の秘訣を保つことです。とくに経営歴が長い企業ほど、重要になってくるでしょう。生き残りを賭けての競争が激しい現代社会では、老舗と呼ばれるほど生き残ってきた企業ほど、不易流行の精神を大事にしています。これまでのノウハウを忘れないために、重要です。
経営の秘訣をしっかりと理解するためには、経営方針や理念を知っておくことが大切ですね。しかし、この2つの違いは、どんな点にあるのでしょうか。まずは、意味から理解を深めるために、こちらの記事に目を通してみましょう。
現代社会における不易流行の重要性②時代の流れを読む意識を保つ
現代社会における不易流行の重要性の2つ目は、時代の流れを読むことです。いくら本質を大切にしていても、時代の流れに乗りそこねては、生き残ることはできません。物事が流行してから着手しても遅いのです。常に時代を先取りしようとする意識を忘れないために、重要となります。
時代の流れを読むには、過去の流行も知っておくことが大切ですね。こちらの記事では、バブル時代の流行についてまとめているので、併せてチェックしてみましょう。
不易流行の精神で行動しよう
不易流行は、物事の本質を押さえながらも、新しい流行を取り入れることの大切を解く言葉です。現代社会に限らず、どんなに時代が進んでも、共通する理念ではないでしょうか。日本の老舗企業の数は、世界でも類をみないほど多いと言われていますが、伝えられてきた理念が関係しているのかもしれませんね。
日常のささやかなことから仕事に関することまで、不易流行の精神で行動することを心がけてみましょう。きっと明るい未来が開けていきますよ。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。