「三つ子の魂百まで」の本当の意味とは?類語や読み方に英語表現も
ことわざに「三つ子の魂百まで」という言葉がありますが、三つ子というのは特別なものなのでしょうか。とくに幼い子どもに使いそうな言葉ですが、倍の6つ子になると、パワーアップしていそうですね。本当の意味と、類語や使い方を確認していきたいと思います。
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目次
三つ子の魂百までの読み方は?
三つ子の魂百までの読み方①「三つ子の魂」までがワンセット

三つ子の魂百までの読み方の1つ目は、「三つ子の魂」までがワンセットだということに注意しましょう。少し長いことわざなので、どこで読みを区切って良いのか、戸惑ってしまうことがあります。「三つ子の魂」で区切るようにすれば、あとの読み方は簡単ですね。
ちなみに、「三つ子」は「みつご」、「魂」は「たましい」と、そのまま素直に読んでいけばOKです。決して「魂百」をワンセットに見てはいけません。読み方が混乱するだけです。
三つ子の魂百までの読み方②「百まで」が次のワンセット

三つ子の魂百までの読み方の2つ目は、「百まで」が次のワンセットになることです。読み方も、とくにひねる必要はありません。「百」は「ひゃく」のままでOKです。まとめて読んでいくと「みつごのたましいひゃくまで」となりますね。
しかし、読み方が分かっても、意味がイマイチ分かりにくいかもしれません。「三つ子」とは、1回の出産で生まれた三人の子どものことなのでしょうか?読み方の疑問が解決したら、意味についても詳しく見てみましょう。
三つ子の魂百までの本当の意味は?
三つ子の魂百までの本当の意味①「三つ子」は兄弟の数でも年齢でもない

三つ子の魂百までの本当の意味の1つ目は、「三つ子」は兄弟の数でも、年齢でもないことです。「三つ」という具体的な数字が入っているため、勘違いされがちですが、こちらは「幼い子ども」を指した表現となっています。
「三つ」という数を用いているのは、幼いなりに物心がつくのが、三歳ぐらいからだと考えられていたためです。しかし、三歳という年齢の印象が強すぎるためか、「三歳ぐらいから英才教育をほどこしていけばよい」という意味で捉えられることもしばしばです。
本当の意味を押さえておくために、「三つ子」は、あくまで「物心がつくころの幼い子ども」であることを忘れないようにしましょう。決して、1回の出産で生まれた三人の子どもでも、ちょうど三歳の子どものことでもありません。
三つ子の魂百までの本当の意味②「魂」はオカルトでも霊的なものでもない

三つ子の魂百までの本当の意味の2つ目は、「魂」はオカルトでも霊的なものでもないことです。魂と表現されると、霊魂的なものを連想してしまうかもしれませんが、この場合「生まれながらにして持ったもの」という意味で解釈されます。
「生まれながらにして持ったもの」という解釈は、平安時代を代表する長編物語である「源氏物語」の一節に由来します。源氏物語の中で、「生まれ持った才能の差が見られる~」という意味の表現を「魂のほど見ゆるを~」と表現していたためです。
三つ子の魂百までの本当の意味③「百まで」は年数でも年齢でもない

三つ子の魂百までの本当の意味の3つ目は、「百まで」は年数でも年齢でもないことです。こちらも具体的な数字が用いられているため、「百年も」または「百歳まで」のような意味と勘違いされがちです。百という数字は、「老年」または「死ぬまで」を例えて表現しているものです。本当の意味を忘れないようにしましょう。
三つ子の魂百までの本当の意味④幼いころの性質は一生変わらない

三つ子の魂百までの本当の意味の4つ目は、すべてまとめて解釈すると、「幼いころの性質は一生変わらない」という意味になることです。「三つ子」「魂」「百まで」の言葉が、ひとまとまりの諺になったのが、いつごろのことなのかは定かではありません。
しかし、江戸時代には、現在と同じ意味で用いられる諺が、すでに存在していたことは分かっています。江戸の庶民は、人の心のあり方は、三歳までに決まると認識していたと言われているので、関係があるのかもしれません。諺のとおり、時代が変わっても表現が廃れるまでは、意味は変わらないまま続くのでしょうね。
三ッ子の魂百まてと譬(たとへ)の通り、小さな時分から気儘八百に育た物だから、大きくなつても盲蛇物に畏ずだ (式亭三馬『浮世風呂』)〔1809年-1813年〕
引用元: ウィクショナリー日本語版
江戸の子育ては、三つで心、六つでしつけ、九つで言葉、十二歳で文、十五で理(ことわり)が正しく身につけられるとされていました。三歳までが大切という感覚は、今も昔も変わっていないようです。
三つ子の魂百までの英語表現は?
英語表現①豹はその斑点を変えることができない

英語表現の1つ目は、豹はその斑点を変えることができないという意味の「The leopard cannot change his spots」というものです。豹の斑点を、人の性質にたとえている表現で、持って生まれたものを変えることはできないことを表しています。
旧約聖書にも登場する古い表現で、どちらかというと、悪癖や短所といった良くない性質について語るときに用いられます。良い性質にも悪い性質にも用いられる「三つ子の魂~」のほうが、表現の幅は広いですね。
英語表現②子どもは大人の父

英語表現の2つ目は、子どもは大人の父という意味の「The child is father of the man」というものです。18~19世紀のイギリスの詩人、ウィリアム・ワーズワースが詩の中で用いた一節で、子どものころの性質が、大人になったときの性質の基盤となることを表しています。
詩の一節が有名になり、「子どものときの経験によって形成された性質は、大人になってからも変わることはない」という表現として、用いられるようになったものです。
英語表現③ゆりかごで学んだことは墓場まで運ばれる

英語表現の3つ目は、ゆりかごで学んだことは墓場まで運ばれるという意味の「What is learned in the cradle is carried to the grave」です。表現的には「三つ子の魂~」に一番近いですね。赤ん坊の頃に身についた性質は、お墓に入るまで変わらないと解釈できます。
三つ子の魂百までの使い方は?
三つ子の魂百までの使い方①幼いころの性質を語る

使い方の1つ目は、幼いころの性質を語るときに使うものです。大人になった姿を見て、幼いころの様子を知る人物が使うことが多いですね。家族や幼馴染と、大人になったときに使うことが多そうです。もちろん、自分で自分の性質を語ることもできますよ。
例えば、「三つ子の魂百までというけど、几帳面なところは子どものころから変わらないね」や「いくつになっても乱暴で、三つ子の魂百までとは、よく言ったものだ」のような使い方ができます。良い性質と悪い性質、どちらに使ってもOKです。
「三つ子の魂百までだから、子どものうちにバイオリン教室に通わせる」のように、性質の代わりに、学習や習い事などを当てはめて使われることがあります。しかし、こちらは間違いとなるのでNGです。性質以外では使わないようにしましょう。
三つ子の魂百までの使い方②将来の姿を予想する

使い方の2つ目は、将来の姿を予想するものです。子どもの様子を見ていると、「大きくなったら、こんな人になりそう」と語りたくなるときがありませんか?
例えば、「三つ子の魂百までというが、大物になりそうで将来が楽しみだ」や、「この年でこんなことをするなんて、三つ子の魂百までと思うと、末恐ろしくてたまらない」のような使い方ができます。
良い将来像にも、悪い将来像にも使うことができますが、できれば明るい未来を予想したいものですね。子どもの性質を見て、将来の姿を思い描くときに使いましょう。
三つ子の魂百までの使い方③人格形成について使う

使い方の3つ目は、人格形成について使うものです。幼いうちの、子どもに対する接し方や、しつけが大事だと語るときに使われることがあります。例えば「三つ子の魂百までだから、優しい子になるように、たっぷり愛情を注いで育てていきたい」のような使い方ですね。
子どもは3歳までの教育が大事だと、よく言われますね。人格形成のために役立つ、接し方やしつけの方法を語るときに使ってみましょう。
人格形成についての「三つ子の魂~」は、「三歳までの性質がその後の能力を決める」のような間違った意味での使い方がされることもあります。能力までには言及しないので、接し方やしつけの方法を語るときは注意してくださいね。
人に好かれる性質になるためには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?こちらの記事では、朗らかな性格になるための方法や特徴をご紹介しています。子どもとの接し方の参考にしてみましょう。
三つ子の魂百までの使い方④仕事の選び方に使う

使い方の4つ目は、仕事の選び方に使うものです。好きこそものの上手なれという言葉あるように、それぞれの性質に合った仕事についたときなどに使われることがあります。
例えば、「○○さん、小説家になったんだって。子どものときから本を読むのが好きだから納得だよね」のような発言に対して、「三つ子の魂百までって言うもんね」のような返し方ができます。
仕事の向き不向きは、人の性質によってそれぞれです。仕事を選ぶときは、性格に合ったものを探したほうが、楽かもしれませんね。こちらの記事などを参考にして、向いている仕事をチェックしてみましょう。
三つ子の魂百までの類語は?
三つ子の魂百までの類語①雀百まで踊り忘れず

類語の1つ目は、「雀(すずめ)百まで踊り忘れず」というものです。雀の様子を見てみると、餌などを探して、地面をちょんちょん飛び跳ねることがあります。「踊り」とは、この飛び跳ねる「癖」のことを表現しています。
幼いころに身についた習慣や癖は、一生なおらないことを意味します。とくに、若いうちの道楽を指していうことが多い類語ですね。また、「踊り」という言葉が転じて、小さいうちに覚えた芸や習い事は、一生忘れないことを意味することもあります。
子どもに、百まで忘れない踊りを身につけてもらうためには、習い事の選び方も大切ですね。こちらの記事では、子どもに人気の習い事を詳しくまとめています。費用も込みでチェックできるので、参考にしてみましょう。
三つ子の魂百までの類語②産屋の風邪は一生つく

類語の2つ目は、「産屋(うぶや)の風邪は一生つく」というものです。産屋は、出産のために使う小屋や部屋を指した言葉です。生まれたばかりのときに風邪をひくと、気管を悪くして、一生風邪をひきやすくなってしまうことからきています。
転じて、幼いうちにつけてしまった癖は、一生ついてまわるという意味の類語となります。ただし、性質ではなく、癖という点が重視されるので注意してくださいね。
三つ子の魂百までの類語③昔取った杵柄

類語の3つ目は、「昔取った杵柄(きねづか)」というものです。杵柄は、餅をつくための道具のことで、使いこなすには慣れと技量が必要です。若いうちに身につけた感覚や技は、たとえ年を重ねても忘れることはないということを意味する類語となっています。
こちらは、年をとった人限定で使える表現ですね。また、性質ではなく、感覚や技量にポイントが置かれている点が違うので注意しましょう。
【番外編】6つ子の魂百までの読み方と意味
6つ子の魂百までの読み方と意味①よく似た発音から派生した間違った表現

6つ子の魂百までの読み方と意味の1つ目は、「三つ子の魂百まで」の間違った表現ということについてです。「三つ子(みつご)」と「6つ子(むつご)」の発音を比べると、聞き間違いをしても不思議ではないほど似ていますね。
音が似ていて紛らわしいため、間違った表現として覚えられている可能性があります。「6つ子の魂~」は誤用となるので注意しましょう。
6つ子の魂百までの読み方と意味②アニメ『おそ松さん』が影響

6つ子の魂百までの読み方と意味の2つ目は、『おそ松さん』というアニメが影響して、三つ子の魂百までとの混同が進んだことについてです。『おそ松さん』は、赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』に登場した6つ子が、大人になったときの姿を描いたアニメとなっています。
「成長しても、やっぱりバカ」というキャッチコピーが用いられたこともあって、「三つ子の魂百まで」の意味と、若干かぶる点があります。キャッチコピーが影響してか、「6つ子の魂~」という表現が、アニメのショップやファンの間で多用される現象も起きました。
2015年に放送されて、かなりの人気を呼んだ作品であったことも、「6つ子の魂~」という表現が広がった要因だと考えられています。
三つ子の魂百までの精神で生き方をチョイス
三つ子の魂百までの本当の意味は、生まれ持った性質は、死ぬまで変わらないことだったんですね。類語に関しても、今回ご紹介したものの他に、豊富なバリエーションが存在します。どれも、子どものころからの性質や癖に言及したもので「一生変わらない」という点で一致しています。
英語表現でもバリエーション豊富なので、性質や癖が一生変わらないというのは、万国共通の概念なのかもしれませんね。変わらないというのであれば、自分の性質などを理解して、今後の生き方の参考にしてみませんか?性質に合った、好みの生き方を選んでいきたいですね。
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