卒論の謝辞の例文と書き方は?文系・理系や修論・論文のテンプレも

卒論や修論で必ずと言っていい程掲載されている「謝辞」ですが、その正しい書き方を知っていますか?謝辞とは、研究の協力者に対するお礼の言葉のことで、レポートにも使われることがあります。今回は、そんな謝辞について、正しい書き方のポイントや例文をまとめましたので、是非参考にしてみてください。

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卒論の謝辞とは?

謝辞とは研究の協力者や指導教員へのお礼の言葉である

お礼

謝辞とは、研究の協力者や指導教員へのお礼の言葉のことです。ゼミ担当の教授は、自分の研究をしながら、その合間に未熟な私達への知識の糧となるよう、指導してくださっているのです。忙しい中指導していただいているということを実感し、本来は日頃より感謝するべきなのです。

大学生の4年間、大学院を含めると6~10年間にも及ぶ勉強の成果が、卒業論文や修士論文、博士論文なのです。自分の研究の集大成を披露する際、何より支えてくださっているのは自分のゼミ担当の先生ですから、論文の中で担当教員へ向けた謝辞を書くことは、当たり前の礼儀となるのです。

レポートや論文の巻末に載せられることが多い

仕事

卒論・修論やレポートでは、謝辞は巻末に載せられます。謝辞を書く位置に特に決まりはないのですが、基本的には、論文の考察や総評の次のページに記載されます。参考・引用文献を一番最後に記載している場合は、その直前に記載し、「総評」「謝辞」「参考・引用文献」の順番でまとめましょう。

謝辞を記載する位置や書き方は、前年度の先輩の研究論文や、引用・参考文献に使用した論文やレポートを参考にするのが、一番手っ取り早く、確実です。独自の書き方にこだわらない限りは、先輩の書き方を真似、あるいはそのまま利用しましょう。もしそれができない場合は、これから記載する例文を参考にしてみてください。

レポートや修論・卒論の謝辞はほとんどテンプレ化されている

仕事

レポートや修論・卒論の謝辞はほとんどテンプレ化されています。研究内容は個人個人で違いますが、「ゼミ担当の教授にお礼を言う」という点は同じなので、どの謝辞も同じような書き方になっています。これは全く悪いことではありません。謝辞自体が形式的なものなので、むしろ簡潔に書いた方が好まれます。

レポートや修論・卒論の謝辞のテンプレは、「本研究に際し、終始ご懇意なるご指導ご鞭撻を賜りました○○教授に深く感謝いたします。」です。「研究で指導してくれた先生に感謝する」という流れを、敬語表現にした形です。このテンプレの流れに沿っているならば、多少言葉が変わっても全く問題はありません。

卒論の謝辞の書き方のポイントは?

卒論の謝辞の書き方のポイント①正しい敬語を使う

ビジネス

卒論・修論の謝辞の書き方のポイントその1は、「正しい敬語を使う」ことです。形式的で簡潔なものであるとはいえ、しっかりとした敬語の使い方ができている必要があります。尊敬語・丁寧語・謙譲語を間違えないように使い、謝辞を書きましょう。

謝辞に欠かせない感謝の言葉である「ありがとうございます」は、多様な表現方法があります。以下に関連記事として、「誠にありがとうございましたの意味は?敬語の言い換えやメールで使い方も」という記事を載せていますので、参考にしてみてください。


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誠にありがとうございましたの意味は?敬語の言い換えやメールで使い方も

「誠にありがとうございました」という表現は接客などでよく使われる敬語表現で「どうもありがとう」「本当にありがとう」というような表現を丁寧に言い換えした表現...

卒論の謝辞の書き方のポイント②名前と役職をはっきり書く

パソコン

卒論・修論の謝辞の書き方のポイントその2は、「名前と役職をはっきり書く」ことです。どこの誰に感謝を表しているのかを示すために、学部・学科名、役職(教授、准教授、講師など)、名前(フルネーム)できっちりと書きましょう。もちろん、一字一句間違えないように気を付けましょう。

人によっては、大学名や学部・学科名を記載しないこともあります。もし前年度の先輩の論文にこれらが書かれていなかったら、その様式で通るということなので、書いても書かなくても良いです。今までの先輩の卒論・修論やレポートを参考にしてみてください。

卒論の謝辞の例文【学士の場合】

理系卒論の謝辞の書き方例文①先生・教官のみの場合

理系
「本研究を行うにあたり、終始懇切なご指導を頂きました、○○大学○○学部教授 ○○先生に深く感謝します。」

理系卒論の謝辞の書き方例文その1は、「本研究を行うにあたり、終始懇切なご指導を頂きました、○○大学○○学部教授 ○○先生に深く感謝します。」です。こちらは、シンプルな形なのでテンプレとして使いやすい表現です。謝辞として適している表現といえるので、○○の部分に対応する語を適宜当てはめて使いましょう。

このテンプレの例文で使われている敬語である、「頂く」の正しい使い方について、以下に参考記事として「『していただく(して頂く)』の例文3選!類語や敬語の言い換えも」を載せていますので、類似する単語と合わせて是非参考にしてみてください。

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「していただく(して頂く)」の例文3選!類語や敬語の言い換えも

「していただく」という「してもらう」の敬語表現は様々なシーンで使われますが「して頂く」の漢字表現との違いや「してくださる」等の派生表現との使い分けについて...

理系卒論の謝辞の書き方例文②先生・教官のみの場合

理系
「本研究にあたり、終始熱心なご指導を頂いた、○○学部○○教授、○○助手に感謝の意を表します。」

理系卒論の謝辞の書き方例文その2は、「本研究を行うにあたり、終始熱心なご指導を頂いた、○○学部○○教授、○○助手に感謝の意を表します。」です。シンプルに書くのが鉄則なので例文は似たような形となります。ここでは、助手への謝辞も教授とまとめて書いていますが、この形でも問題ありません。

理系卒論の謝辞の書き方例文③助手へのお礼を加える場合

仕事
「常に温かくご指導してくださいました、○○助手に深く感謝いたします」

理系卒論の謝辞の書き方例文その3は、「常に温かくご指導してくださいました、○○助手に深く感謝いたします」です。謝辞を書く際には、一番お世話になったであろうゼミ担当の教授を一番初めに書きます。助手や共同研究者への謝辞は、その後について述べましょう。


文系卒論の謝辞の書き方例文①先生・教官のみの場合

仕事
「本卒業論文を作成するにあたり、終始ご指導いただいた○○先生に、厚く感謝を申し上げます。」

文系卒論の謝辞の書き方例文その1は、「本卒業論文を作成するにあたり、終始ご指導いただいた○○先生に、厚く感謝を申し上げます。」です。シンプルな形の謝辞であれば、文系卒論も理系卒論も同じ例文を使えばいいですが、場合によっては、文系と理系で冒頭部分の書き方が違ってくることがあります。

文系の卒論は、ほとんどの場合理系のような「実験」という工程がありません。なので、冒頭が「本実験」ではなく、「本研究」や「本卒業論文」になるというのが理系卒論の謝辞との大きな違いになってきます。その他、共同研究者や査読などでお世話になった方へのお礼の書き方は、理系卒論の謝辞の書き方と同じです。

文系卒論の謝辞の書き方例文②先生・教官のみの場合

仕事
「この研究を遂行するにあたり、終始温かいご指導をいただいた○○教授に深く感謝いたします。」

文系卒論の謝辞の書き方例文その2は、「この研究を遂行するにあたり、終始温かいご指導をいただいた○○教授に深く感謝いたします。」です。文系卒論は、理系卒論のように実験を行って得られた数値を評価するのではなく、様々な文献から自分の考えをまとめるので、膨大な量の文字との戦いになります。

なので、もちろん多くの誤字脱字や文法表現の間違いなどが生じ、それらを厳しくチェックしてもらうはずです。心当たりのある人は、冒頭部分で丁寧なご指導をいただいた旨を記載するのも良いでしょう。

文系卒論の謝辞の書き方例文③実験協力者へのお礼も追加する場合

仕事
「また、研究を進めるに際して、被験者として快くご協力いただきました、○○の皆様に対しましても、心より感謝申し上げます。」

文系卒論の謝辞の書き方例文その3は、「また、研究を進めるに際して、被験者として快くご協力いただきました、○○の皆様に対しましても、心より感謝申し上げます。」です。これは、実験を行う研究テーマの場合に使われる謝辞です。文系では、心理学を専攻している場合に使うことがあります。

心理学における実験は、必ずと言っていいほど、実験に協力していただいた被験者が存在するので、被験者に対しても謝辞を述べましょう。万が一、被験者の方が名指しや会社名の記載を希望されない場合は、それらを記載せず「被験者」のみで結構です。

卒論の謝辞の例文【修士の場合】

理系修論の謝辞の書き方例文①査読の教授を加える場合

仕事
「また、本論文の校閲をしていただきました、○○教授、○○教授に深く感謝申し上げます。」

理系修論の謝辞の書き方例文その1は、「また、本論文の校閲をしていただきました、○○教授、○○教授に深く感謝申し上げます。」です。最初はテンプレ通りに担当教官や教授にお礼を書いた後、査読がある場合は、これに続いて査読担当へも謝辞を入れましょう。

この例文で使われている敬語である、「ご指導」や「賜り」の正しい使い方について、以下に参考記事として「『賜りますよう』の使い方や意味は?ご理解やご指導の敬語や類語も」を載せています。敬語の意味をしっかりと理解することは社会に出ても役に立つので、良い勉強の機会として、合わせて参考にしてみてください。


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「賜りますよう」の使い方や意味は?ご理解やご指導の敬語や類語も

賜りますようという言い回しはビジネスでよく使われる敬語表現ですが、ここではその意味や読み方から応用的な使い方まで幅広く紹介していきます。類語表現や「賜りた...

理系修論の謝辞の書き方例文②先生・教官のみの場合

理系
「本研究を行うにあたり、終始熱心なご指導を頂いた、○○学部○○教授、○○助手に感謝の意を表します。」

理系修論の謝辞の書き方例文その2は、「本研究を行うにあたり、終始熱心なご指導を頂いた、○○学部○○教授、○○助手に感謝の意を表します。」です。シンプルに書くのが鉄則なので、例文はどれも似たような形となります。構成さえ合っていれば、自分の好みで言葉を付け加えたり、言い換えたりしても大丈夫です。

さらに、外部研究機関や企業と共同研究した際は、その方々に対しても感謝の意を表しましょう。上記例文の後に、「また、調査の実施及び分析にあたり、○○株式会社の○○課長、同課の○○氏にはひとかたならぬお世話になりました。ありがとうございました。」のように付け加えるのが最適です。

理系修論の謝辞の書き方例文③同期や後輩を加える場合

仕事
また、共同で研究を行った大学(大学院)~さんには、日々多くの刺激と示唆を得させていただきました。感謝の意を表します。

理系修論の謝辞の書き方例文その3は、「また、共同で研究を行った大学(大学院)○年生の○○さんには、日々多くの刺激と示唆を得させていただきました。感謝の意を表します。」です。査読や共同研究などでお世話になった方々へのお礼は、「先生・教官の場合」の例文の後に付け加えます。

共同研究を行った同期に対しての謝辞は、上記例文のように、日頃よりお世話になっている旨を表しましょう。実際にそうでなくても、共同実験者がいる場合は謝辞で記載するのがマナーです。もし、同期に実験協力者がいないのなら、書く必要はありません。

文系修論の謝辞の書き方例文①先生・教官のみの場合

ビジネス
「本稿の執筆に際し、丁寧なご指導を頂いた、○○大学の○○教授に感謝の意を表します。」

文系修論の謝辞の書き方例文その1は、「本稿の執筆に際し、丁寧なご指導を頂いた、○○大学の○○教授に感謝の意を表します。」です。同じ研究室の生徒やゼミ生に、何か意見をもらったりなどでお世話になった場合には、その方々にも謝辞を述べましょう。

文系で修士課程まで進学し研究を行うということは、それだけ多くの文献や知識に出会うということなので、国語力が優れている人が多いです。その状態でもまだ不完全な点があり、綿密に修正して修論を完成させているので、より丁寧な内容であることが伺えます。そういう意味でも「丁寧な指導」は過言ではないと思います。

文系修論の謝辞の書き方例文②先生・教官のみの場合

仕事
本修士論文の作成にあたり、~に、終始ご懇意なるご指導ご鞭撻を賜りました。心より感謝申し上げます。」

文系修論の謝辞の書き方例文その2は、「本修士論文の作成にあたり、○○大学○○学部○○学科教授○○先生に、終始ご懇意なるご指導ご鞭撻を賜りました。心より感謝申し上げます。」です。文系理系問わず、修論での謝辞は、多少堅苦しいくらいの敬語を使うくらいが丁度いいです。卒論謝辞よりも丁寧な敬語を使いましょう。

文系修論の謝辞の書き方例文③同期や後輩を加える場合

文系
「研究を進めるにあたり、被験者として快くご協力いただきました、~に対しましても、厚く感謝申し上げます。」

文系修論の謝辞の書き方例文その3は「研究を進めるにあたり、被験者として快くご協力いただきました、○○大学○○学部○○ゼミの皆様に対しましても、厚く感謝申し上げます。」です。被験者など、実験協力してくれた方へのお礼は、教授、助手やその他教員、被験者、の順番に記載しましょう。

心理学専攻で研究を行っている場合には、実験プロセスがあるので、実験に協力していただいた被験者に対しては、必ず謝辞を述べましょう。この時、書き方に関しては「先生・教官のみの場合」のテンプレ通りに書いて問題はありません。適宜名前と役職を書き換えて使いましょう。

卒論の謝辞で書き方の注意点は?

注意点①名前の漢字を間違えないようにする

仕事

修論・卒論やレポートの書き方の注意点その1は、「名前の漢字を間違えないようにする」ことです。名前を間違えないようにするというのは当たり前のことですが、あまり真面目にやってこなかった人など、お世話になった先生の名前の漢字がわからないことも可能性としてはあり得ます。

長らくお世話になっておきながら、担当教員の名前もちゃんと知らないというのは恥ずかしいですし、礼儀という観点からも絶対に間違えないようにしましょう。わからない場合は他のゼミ生に聞いたり、大学のポータルサイトや学科ページにて写真付きで記載されていることもありますので、そちらで確認しましょう。

注意点②修論・卒論の謝辞はできるだけ簡潔に書く

ビジネス

修論・卒論やレポートの謝辞の書き方の注意点その2は、「修論・卒論の謝辞はできるだけ簡潔に書く」ことです。修論・卒論やレポートの謝辞は礼儀の一種なので、長文で書く必要はありません。メインの論文の方が重要なので、長文の謝辞を考えて書く時間があるなら論文の見直しをしましょう。

注意点③3文程度で収まるように書く

パソコン

修論・卒論やレポートの謝辞の書き方の注意点その3は、「3文程度で収まるように書く」ことです。「誰にどうしてもらったことを感謝した」というのを書くだけなら、長々と書くことはないはずです。共同研究者が多くいる場合は、その分文章が長くなるのは仕方がないことですが、本来は2文3文程度で収まるものです。

何より、「謝辞を添削してもらう」というのは、何だか微妙な気持ちになりますよね。もし自分が指導教員だったとして、生徒が書いた謝辞に文法的なミスがあった場合、なかなか指導し辛いものを感じませんか?こうした余計なリスクを背負うより、テンプレに沿った書き方でスマートに締めくくった方が楽だと思います。

謝辞を正しい書き方で書きましょう

卒論・修論やレポートの最後に謝辞を書く場合には、様式を守って丁寧な敬語で簡潔に書く必要があります。ですが、論文を書いている時には、謝辞の丁寧な書き方まで手が回らないのが普通です。謝辞は全く同じ例文を使っても問題ありませんので、時間がない場合は今回掲載した例文を参考にしたり、そのまま使ってください。


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