「様方」とは?企業や個人などでの正しい使い方や書き方のマナーも解説!
皆さんは「様方」という言葉を聞いたことはありますか?個人宛てに使われる宛名の一種ですが、使用シーンが限られているため聞いたことがない人も多いでしょう。そこで今回は、「様方」の意味や使い方についてご紹介します!正しい書き方のマナーや注意点もまとめていますよ。
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目次
「様方」とは?
①様方は「さまがた」と読む
様方の読みは「さまがた」です。「ようかた」や「ようほう」、「さまほう」などとは読まないので注意してください。あまり使われない言葉なので、使ったことがない人も多いでしょう。しかしビジネスシーンで必要になることもあるので、きちんと正しい使用方法を理解しておきましょう。
②ハガキや手紙に書く宛名を意味する
様方とは、ハガキや手紙に書かれる宛名を意味する言葉です。手紙の受取人と、送り先の世帯主の苗字が異なる場合に使われる宛名です。
例えばAさんの家にBさんが居候している場合や、結婚して実家に里帰りしている人に手紙を送りたい時などに使用されます。以下に様方が使われるケースをまとめておきますので、参考にしてみてください。
- ・苗字が異なる世帯主の家に居候している場合
- ・結婚して実家に帰省している場合
- ・結婚前に彼氏の家に住んでいる女性
- ・二世帯家族の場合
- ・下宿をしている場合
「様方」が使われるケース
③配達員が迷わないように使われる
様方は、書類を配達する郵便局員の間違いを防ぐために使われる言葉です。住所が正しく記載されていても、受取人と世帯主の苗字が異なると配達員は混乱してしまいます。
受取人と世帯主の両方の苗字がポストや表札などに記載されている場合は、きちんと文書が届きます。しかし受取人の苗字が書かれていないと、手紙は宛先不明扱いとなって発送元に戻ってしまうのです。こういった間違いを避けるために、「様方」という宛名を使って混乱を防ぐのが一般的です。
「様方」の正しい使い方
①世帯主に対して使う
「様方」は、手紙やハガキを送る家の世帯主に対して使われる宛名です。様方は実際に文書を受け取る相手につける敬称ではないので、注意してください。
封筒には先に世帯主の名前+様方を書き、その後に受取人の名前を書くのがマナーです。この名前を書く順番を間違えるとマナー違反になり、失礼になってしまうので気をつけましょう。
②個人宅に使う
「様方」という宛名は、個人宅に文書を送付したい時に使える敬称です。受取人と苗字が異なる世帯主の家に文書を送りたい時にしか、様方は使えません。個人宅ではなく企業やホテルなどに文書を送りたい時は、様方ではなく他の宛名を使うことになります。
③「様」と組み合わせて使う
「様方」という宛名は、「様」と一緒に使うのがマナーです。同じ言葉を同時に使うことになるため間違われやすいですが、「様」をつけないと失礼になります。様は、文書を送りたい受取人の名前を後につけてください。
「様方」の書き方のマナーとは?
「様方」を手紙やハガキなどに使うときは、書き方にいくつかマナーがあります。書き方をきちんと把握しておかないと、失礼になってしまうので注意が必要です。以下に様方の書き方のマナーについてまとめているので、是非参考にしてください。
①文字の大きさ
「様方」を封筒に書くときは、字の大きさに気をつけてください。住所や受取人の名前、世帯主の苗字などが同じ大きさだと、わかりにくいですし失礼に当たります。文字は、大きい方から「文書の受取人の名前+様」、「世帯主の名前+様方」、住所の順番に書いてください。
受取人の名前を一番大きく書くことで、世帯主の名前はあくまで住所の一部だと明示できます。また配達員が混乱したり、同居人が間違えて開けたりするのを防げます。
②字の高さ
ハガキや封筒に「様方」を書くときは、字の高さにもルールがあります。住所や宛名を全て同じ高さで書くと、わかりにくい上にマナー違反になるので気をつけてください。高い方から住所、世帯主の名前+様方、受取人の名前+様の順番に書きましょう。
③横書きの場合
横書きで「様方」を使うときは、住所と世帯主、受取人の順番に右下がりに書いていくのがマナーです。また住所と世帯主を同じくらいの位置に書き、少し下がったところに宛名を書く方法もあります。
横書きの場合、世帯主と受取人の名前があまりに離れすぎていると、全体のバランスが悪くなってしまいます。右下がりに書くことを意識しつつ、受取人の名前より少し左から書くようにしてみてください。
④縦書きの場合
縦書きで「様方」を使う際は、住所、世帯主、受取人の名前の順番に左下がりで書いていきます。それぞれ1文字分ほど空間を開けて書いていくと、全体が整って見えますよ。
また縦書きの場合は、住所、世帯主、受取人をそれぞれ別の列に書くのが一般的です。しかし、住所のすぐ後に続けて世帯主の名前を書いてもマナー的に問題ありません。どちらの場合も、住所から受取人の名前にかけて左下がりに書くようにしてください。
⑤ビジネスの場合
ビジネスで様方を使う際は、なるべく縦書きで書くようにしてください。様方は基本的に、縦書きでも横書きでも使える宛名です。しかしより丁寧な印象を与えるのは、縦書きの方だといわれています。ビジネス文書を送るときや個人宛に礼状を送付する際は、なるべく縦書きで書くようにしましょう。
またこちらに、封筒を縦書きする時の書き方・マナーがまとめられた記事を載せておきます。履歴書の宛名や住所、漢数字などの書き方が詳しく解説されています。縦書きの仕方がよくわからないという方は、是非こちらの記事にも目を通してみてくださいね。
⑥年賀状の場合
「様方」は、年賀状でも使うことができます。「A様方 B様」と書くと、Aさんという個人宅にいるBさんに年賀状を送るという意味になります。また連名で年賀状を送りたいのなら、「A様方 B様 C様」と書いてください。
⑦弔電の場合
様方は、弔電でも使うことができる敬称です。弔電とは、お通訳や葬儀に参列できない時に送る電報のことです。通常弔電は喪主宛に送るのが基本ですが、受取人としか面識がない場合は「様方」を使います。例えば受取人の母親が亡くなった時は喪主名に様方を、受取人に様をつけて送ります。
またこちらに、弔電の意味や読み方についてまとめられた記事を載せておきます。お通夜や葬儀にいけない時の電報の送り方や、香典の金額といったマナーが紹介されています。お悔やみの際のマナーについて知りたいという方は、是非こちらの記事にも目を通してみてくださいね。
「様方」を使うときの注意点とは?
「様方」を使って宛名を書く際には、いくつか注意点や意識したいポイントがあります。間違った書き方をすると、世帯主や受取人に不快な思いをさせてしまう危険があります。しっかり注意点に目を通して、どのように書けば良いのか確認してください。
①フルネームで書く
「様方」を使用するときは、世帯主も受取人もフルネームで書くようにしましょう。世帯主の名前を苗字だけにしても間違いではないのですが、失礼に当たる可能性があります。きちんとフルネームで書くことで、世帯主に失礼がなく良い印象を与えられますよ。
②個人以外には「気付」を使う
「様方」は個人以外の宛名には使えないので、企業や団体に文書を送るときは「気付」を使ってください。気付は団体や組織を通して、個人宛てに文書を届けたいときに使用できる敬称です。「絶対にこの人に届けてほしい」という強い意思を表すことができるので、必要に応じて使いましょう。
気付を使った宛名の書き方には、様方と大きな違いはありません。受取人が属している組織や団体名の後ろに「気付」を、受取人の名前に「様」をつけます。また以下に気付が使える場面をまとめていますので、是非参考にしてみてください。
- ・ホテルに滞在している場面
- ・企業に属する個人に文書を送る場面
- ・入院中の人に手紙を送る場面
- ・コンビニ受け取り
気付を使う場面
③受取人と世帯主が同じ苗字の場合は使わない
「様方」は、受取人と世帯主の苗字が同じときには使うことができません。様方は、手紙やハガキなどの文書を送る人が混乱しないように使われる宛名です。世帯主と受取人の苗字が偶然同じなら、配達員が混乱しないので「様方」は使わなくて良いのです。
④自分の住所を書くときは「様方」とは書かない
自分の住所を書くときは、「様方」という表記を使わないように注意しましょう。例えばあなたがAさんの家に居候しており、友達に住所を教える場面になったとします。その時は「A様方 B」とは書かず、「A方 B」と書いてください。
⑤受取人の名前が真ん中にくるように書く
封筒の宛先に「様方」を使う場合は、受取人の名前が中央にくるように書いてください。縦書きの場合でも横書きのときでも、封筒の真ん中に宛名を書くよう意識しましょう。こうすることでより丁寧な印象になりますし、全体のバランスも綺麗に見えます。
「様方」の英語表現とは?
外国に住んでいる人や留学中の方に「様方」を使いたいときは、どのように表現すれば良いのでしょうか。以下に、様方を使った英語表現をまとめています。日本語のときとは書き方や順番が異なるので、しっかりとチェックしてください。
①様方はC/Oで表される
「様方」は、英語表現で「c/o」で表されます。これは「care of」の略で、世帯主の名前の前につける言葉です。日本語では「世帯主+様方」と表記されますが、英語では「c/o+世帯主」になるので気をつけてください。
また日本語の場合とは、受取人と世帯主の名前の順番も逆になるので注意が必要です。先に受取人の名前を書いてから、「c/o+世帯主の名前」を記載しましょう。
②気付の場合はATTNを使う
外国企業宛てに「気付」を使いたい時は、「ATTN」という表現を使用します。これは「attention」の略で、大文字でも小文字でも間違いにはなりません。ただし日本語とは違い、気付を「c/o」と表記してもOKです。
「様方」以外の宛名に使える表現とは?
「様方」以外にも、宛名に使われている表現は多数あります。それぞれの宛名で意味や使うシーンが異なりますので、しっかりと把握しておくことが大切です。以下に様方以外の宛名について解説していますので、是非参考にしてみてください。
①様
「様」は、性別や社会的地位、年齢などに関係なく使える敬称です。「氏名+様」のような形で個人名の後につけることができ、相手を敬う気持ちを表せます。書き言葉としてだけでなく、話し言葉としてもよく使われます。
また様は「部長」や「社長」など、敬称が含まれている役職名にはつけられないので注意してください。役職名や肩書きを書くときは、「部長 A様」のように氏名の後に様を記載するのが正しい使い方です。
②各位
各位とは、たくさんの人に宛てたメールや手紙で使える敬称です。「皆様方」「皆様」と同じ意味になり、宛名に含まれている一人一人を敬っていることを表せます。宛先の人数が多く、一人一人の名前を書いて敬うことができない場合に使える表現です。
また各位には「様」という敬いの意味も込められているので、「各位様」と書くと二重敬語になります。「企業様各位」「お客様各位」などとは記載できないので注意しましょう。
③殿
「殿」とは、社会的立場が上の人が目下の相手に使用する宛名となります。商用や公用の場面では「殿」を使うのがマナーなので、「〇〇課長殿」「〇〇部長殿」と表記できます。ただし「殿」は目上の相手に使うと失礼になります。取引先や上司宛ての文書には使わないよう、十分に気をつけてください。
④御中
「御中」は、企業や役所、学校などの団体や組織宛てに使える敬称です。団体そのものではなく、会社や組織に属している人を敬う時に使用することができます。企業や団体の後に添えて「〇〇御中」と書くのが正しい使い方です。
またこちらに、御中の書き方がまとめられた記事を載せておきます。封筒の係・行・宛などを消す方法や、横書きの際の書き方などが詳しくまとめられていますよ。御中をビジネス文書で使いたいけれど、どうすればいいかわからず悩んでいる方は、こちらの記事も読んでみてください。
様方の使い方や意味を知りましょう!
「様方」は宛名に使われる言葉の一種で、文書を送付したい相手と世帯主の苗字が違うときに使われます。個人宅に文書を送りたい時だけに使われる宛名で、企業や団体宛には使えないので注意しましょう。
「様方」の記載がないときちんと文書が届かず、相手に迷惑をかけてしまうこともあります。今回紹介した詳しい意味や書き方のマナー、注意点などを参考にしながら、様方を使いこなせるようになってください。
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