五月雨の正しい読み方って知ってる?具体的な季節とメールの五月雨式とは
五月雨とは梅雨の時期の雨のことで、の読み方は「さつきあめ」別名では「さみだれ」です。俳句では夏の季節をあらわす季語として使われます。今回は五月雨の使い方や例文、五月雨式のメールの意味、五月雨と皐月雨の違いなどについてお伝えしていきます。
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目次
五月雨の漢字の読み方と意味は?
五月雨の漢字の読み方は「さつきあめ」で別名は「さみだれ」
五月雨の漢字の読み方は、「さつきあめ」で別名の読み方は「さみだれ」です。「さつきあめ」は五月を「さつき」と呼ぶことから、「さつきあめ」と読みます。「さみだれ」は別名で当て字ですが、俳句の季語や文学などでよく使われる別名の読み方です。
五月雨を「さつきあめ」と読むか、別名の「さみだれ」と読むかは状況や前後の文脈で判断します。しかし絶対な基準はないので、おおむねの雰囲気で判断すると良いでしょう。確実な読み方を知りたい場合は、文章や俳句を作った人に問い合わせるのが一番確実です。
五月雨の漢字の意味は梅雨の雨という意味
五月雨の漢字の意味は、梅雨の雨という意味です。5月から6月ごろに降る雨という意味で、さらさらと細かく降る雨のことを言います。一気に大量に降る嵐のような雨というより、しとしと降る雨や霧状に降る雨を表現するときに使う漢字です。
天気を表現するときにも使われますが、主に文章や俳句など情緒的な表現をするときに多用される表現になります。俳句の季語にもなっているので、季節をあらわす言葉としても使われる言葉です。しっとりとした雰囲気を表現するときに使われます。
五月雨の使い方と例文
五月雨の使い方と例文①五月雨が降り続く
五月雨の使い方と例文の1つ目は、「五月雨が降り続く」を使った例文です。梅雨の雨はいつまでも降り続いて、やむことがありません。その様子をあらわすときに「五月雨が降り続く」という表現を使うことが多いです。
- ・梅雨の時期は五月雨が降り続く
- ・五月雨が降り続くので外出も億劫だ
- ・五月雨が降り続くので庭に水たまりができる
五月雨の使い方と例文
五月雨の使い方と例文②五月雨の時期は
五月雨の使い方と例文2つ目は、「五月雨の時期は」を使った例文です。五月雨の時期とは、梅雨の時期を指します。梅雨の時期特有の出来事を説明するときに、五月雨の時期という言葉を使うことが多いです。
- ・五月雨の時期はどうしても蒸してしまう
- ・雨が降り続くのは五月雨の時期だから仕方がない
- ・五月雨の時期は外出が億劫になる
五月雨の使い方と例文
五月雨の使い方と例文③五月雨式に
五月雨の使い方と例文の3つ目は、「五月雨式に」を使った例文です。五月雨式とは、連続的に何かを行うことです。行動のほか、会議やメールといったビジネスシーンでもよく使われます。五月雨式という言葉が出てきたら、連続して何かを行うことと理解すると良いでしょう。
- ・五月雨式に会議が続いている
- ・五月雨式のメールで申し訳ありません
- ・質問が五月雨式で申し訳ありません
五月雨の使い方と例文
俳句の季語である五月雨は俳句で言うといつの季節を指すの?
俳句の季語である五月雨の指す季節は梅雨の時期
俳句の季語である五月雨の指す季節は、梅雨の時期を指します。5月ごろ降る雨を指すのかと思ってしまいますが、五月雨の5月は陰暦の5月のことで、実際現代多く使われている太陽暦では6月ごろのことです。つまり梅雨の時期の雨です。
五月雨とよく似た言葉に「五月晴れ」という言葉もありますが、こちらも主に6月の晴れ間のことを指しています。つまり梅雨の晴れ間のことであり、現代の5月の晴れ間のことではないこともあります。しかし一般的に5月の晴れ間を指すこともあるので、文脈や雰囲気で読み取ることが必要です。
俳句の季語である五月雨は夏の季語
俳句の季語である五月雨は、夏の季語になります。夏を表現するときに使う季語になるので、春の俳句を作るときに誤って使わないよう気を付けてください。五月晴れも同様に夏の季語となります。夏の季語をあらわす言葉として、カエルやセミなどもあげられます。
五月雨のほか夏の雨をあらわす季語として、走り梅雨や戻り梅雨、通り雨などもあります。雨の季語はたくさんあるので、季節を間違えないよう確認してから使いましょう。ちなみに夕立や白雨、にわか雨などは夏の盛りの雨の季語です。
五月雨の言葉が含まれた有名な俳句は?
五月雨の含まれる俳句①五月雨を集めて早し最上川
五月雨の含まれる俳句の1つ目は、「五月雨を 集めて早し 最上川」です。松尾芭蕉の有名な俳句になります。梅雨の時期で増水した最上川の様子が目に浮かんでくるようです。とても有名な俳句なので、一度はどこかで耳にしたことがあるのではないかと思います。
五月雨の含まれる俳句②五月雨にざくざく歩く烏哉
五月雨の含まれる俳句の2つ目は、「五月雨に ざくざく歩く 烏哉」です。小林一茶の残した俳句になります。俳句中の「烏哉」は「からすかな」と読みます。梅雨の雨の中をざくざくと歩いているカラスの様子が目に浮かんでくる句です。自然のありようを歌った歌が素晴らしい小林一茶らしい俳句でしょう。
五月雨の含まれる俳句③うきくさも沈むばかりよ五月雨
五月雨の含まれる俳句の3つ目は、「うきくさも沈むばかりよ五月雨」です。江戸中期の俳人、与謝蕪村が詠んだ一句になります。梅雨の降り続く雨に打たれて池の浮草もずっと沈んでいる情景が目に浮かんできます。自然のありようや季節の移ろいを読む歌が多い与謝蕪村ならではの俳句です。
五月雨の含まれる俳句④五月雨や鏡曇りて恨めしき
五月雨の含まれる俳句の4つ目は、「五月雨の含まれる俳句」です。明治の文豪夏目漱石の俳句になります。梅雨の時期に鏡が曇ってしまい、なんとも鬱陶しい気分になっている状況が浮かびます。確かに湿度が高いと、不快な感情が生まれやすいと思いいたる一句です。
メールの五月雨式とはどういったことをいうの?
メールの五月雨式とは続けざまにメールすること
メールの五月雨式とは続けざまにメールすることを指します。五月雨式とは、降りやまない梅雨の時期の雨のような様子を指している用語です。ひとつにまとまっていないで連続してくるメールのことを五月雨式のメールと呼びます。
連続でメールをすると確認に必要な時間を多く必要とするので、あまり好ましくないメールの送り方となります。なので、連続でメールを送らなくてはいけない場合は「申し訳ありません」などのお詫びとともに送る多いでしょう。
メール以外で使われる五月雨式
メール以外でも五月雨式という単語が使われることがあります。ビジネスシーンでは連続して会議を行うことを五月雨式の会議と表現することも多いです。そのほか、五月雨式の訪問や、五月雨式の電話、五月雨式の依頼といった具合に、連続した何かを行う様子を表します。
- ・五月雨式の会議
- ・五月雨式の電話
- ・五月雨式の訪問
- ・五月雨式の依頼 など
メール以外で使われる五月雨式
五月雨と同じくらいの季節を指す他の言葉は?
五月雨の季節を表す言葉①風薫る(かぜかおる)
五月雨の季節を表す言葉の1つ目は、「風薫る(かぜかおる)」です。5月から6月の若葉が青々と茂るなか吹く、さわやかな風をイメージした言葉となります。初夏ごろの気持ちの良い陽気をあらわす言葉です。
- ・5月の風薫る良い陽気の日だ
- ・風薫る季節にはアウトドアがおすすめだ
- ・ようやく風薫る季節になってきた
風薫るの例文
五月雨の季節を表す言葉②青嵐(あおあらし)
五月雨の季節を表す言葉の2つ目は、青嵐(あおあらし)です。青嵐とは、新緑の時期を過ぎ青々と茂る歯を揺らす風のことを指します。青い葉をうねらせながら吹く風に、心地よさを感じる様子を表現した言葉です。
- ・葉の緑も濃くなって青嵐が気持ちが良い
- ・もう青嵐が吹く季節になってきたのか
- ・青嵐が吹くと夏の始まりが来たと実感する
青嵐の例文
五月雨の季節を表す言葉③薄暑(はくしょ)
五月雨の季節を表す言葉の3つ目は、「薄暑(はくしょ)」です。やや汗ばむようになってきた初夏の気温や気候を表します。薄暑の時期を過ぎると、酷暑の時期です。薄暑という言葉を使うことで、まだそれほど暑くはないころの気候を表現できます。
- ・ついこの間までは花吹雪だったがもう薄暑の時期だ
- ・薄暑の時期には着るものに迷うことが多い
- ・薄暑の時期は風邪をひきやすい
薄暑の例文
五月雨の季節を表す言葉④麦秋(ばくしゅう)
五月雨の季節を表す言葉の4つ目は、「麦秋(ばくしゅう)」です。麦の穂が垂れて収穫が近い様子を表した言葉になります。麦秋は何となく秋をイメージした言葉のように思いますが、実際は初夏のころを指した言葉です。
- ・麦秋の時期は青々とした若葉がよく見える
- ・麦秋の時期は麦畑が美しく輝く時期だ
- ・冬が過ぎようやくさわやかな麦秋が訪れた
麦秋の例文
五月雨の季節を表す言葉⑤立夏(りっか)
五月雨の季節を表す言葉の5つ目は、「立夏(りっか)」です。日本の古来からある節季の二十四節季のひとつで、太陽暦だと5月の初旬から中旬ごろの時期を指します。立夏を過ぎると本格的に夏が始まるという一区切りの時期です。軽く汗ばむ日が増えてきます。立夏を過ぎると夏の準備が始まります。
- ・立夏を過ぎると夏が訪れる
- ・立夏の時期は若葉が美しい
- ・立夏が来るとアウトドアの時期が来たなと思う
立夏の例文
五月雨と皐月雨に違いはあるの?
五月雨と皐月雨の違いは漢字が違うが読み方は同じ
五月雨と皐月雨の違いは漢字が違うだけです。五月雨も皐月雨も読み方は「さつきあめ」「さみだれ」で共通し、意味も梅雨の時期の降り続く雨ということで同じです。漢字が違いますが、「皐」の字は単体で「さつき」と読むことができます。
五月雨と書くよりも、皐月雨と書いた方が雰囲気として恰好がつくような感じもします。アーティストや俳句では、こちらの「皐月雨」を用いることも多いです。雰囲気や好き嫌い、そのほか読む相手に合わせて使う漢字を変えても良いのではないでしょうか。
五月雨と皐月雨は別名やひらがなで表記されることもある
五月雨と皐月雨は、別名やひらがなで「さみだれ」や「さつきあめ」「さみだるる」などといった言葉で表記されることもあります。文章の持つ雰囲気や前後の文脈、ニュアンス、俳句の印象によっても、表記の仕方は異なるでしょう。
ひらがなで「さみだれ」と書かれた方が、雰囲気が柔らかくなりしっとりとした情景を表現しやすくなります。ふわっとした雰囲気を出した文章や俳句にしたい場合は、ひらがなで「さみだれ」や「さつきあめ」と表記しても良いのではないでしょうか。
また、下記の記事は「つるべ落とし」という言葉の意味について書かれた記事です。つるべ落としは俳句では秋の季語となります。夏の季語以外に秋の季語も知りたい方には、おすすめの記事です。使い方やそのほかの季語などについても紹介されているので、ぜひあわせてご覧ください。
五月雨は5月の雨ではなく梅雨の降り続く雨を表現した言葉
五月雨はその漢字から5月ごろの雨だと思われることが多い言葉です。しかし五月雨の五月は陰暦の5月を指しており、太陽暦では6月ごろにあたります。梅雨の時期に長く降り続く雨のことを五月雨というので、間違えないように気を付けましょう。
また、下記の記事は「山滴る」の意味について書かれた記事です。夏の季語を表わす単語なので、五月雨以外にも夏にまつわる言葉を知らいたい方は、あわせて読んでみてください。装うや山眠るといった俳句で使う季語などもあわせて紹介されているので、ぜひご覧ください。
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