高校を転校・編入する方法は？手続きや編入試験の面接での理由の答え方も

転校と編入の違いは?

転校と編入の違いは高校に在籍しているかどうか

高校生が別な高校に移るときには、「転校」と「編入」という方法があります。転校とは、いま高校に在籍している生徒が別な学校に移るという意味です。転校にあたっては、在籍校と新しい高校とでのやり取りを含めた手続きが発生します。

転校すると、それまで在籍していた高校で取得した単位が認定されます。しかし転校の時期によっては、一学年下のクラスでやり直す可能性もあります。

一方の編入は、一度高校を退学した人が別の学校に再入学することです。この場合は、退学した高校と再入学する学校とでのやりとりはありません。ただし、高校に在籍しない空白期間が生まれるため、編入後に1年生からやり直しになるケースもあります。

高校へは編入より転校がおすすめ

まだ高校に在籍していて、転校か編入かを選べるのであれば、転校することをおすすめします。在籍する高校できちんと単位が取得できていれば、3年間で卒業できる可能性が高いからです。

一度高校を退学してしまうと、どうしてもブランク期間が生まれます。それが理由で高校卒業までに余計な年数が必要になるだけでなく、履歴書に「高校中退」と書かなければならなくなります。賞罰の事実を記入するのは、履歴書を書く際のルールです。そしてそれが、マイナスに作用することも少なくありません。

高校を転校・転入する方法｜必要な手続きは？

転校と編入に必要な手続き①転校先・編入先への問い合わせ

転校と編入に必要な手続き1つ目は、転校先・編入先への問い合わせです。転校する場合は、希望の高校に空きがあるかどうかの確認を兼ねて、必要書類を問い合わせましょう。

その前後に在籍している高校に、転校の意思を伝えます。在籍校に必要な書類を用意してもらうのに、長ければ1カ月ほどかかるので、早めに伝えることをおすすめします。

編入も高校2年生で退学した場合、1年生のときに取得した単位が認定されることがあります。まず、希望する編入先に問い合わせをして、かつての在籍校に書類を用意してもらう必要があるかどうかを確認しましょう。

転校と編入に必要な手続き②転校に必要な書類

転校と編入に必要な手続き2つ目は、転校先・編入先に提出する書類の準備です。一般的に高校を転校する際に必要とされる書類には、「成績・単位修得証明書」「転学に関する照会」があります。学校によっては「健康診断書」を求められることもあります。

出願の時点で「入学願書」「作文」「証明写真」「受験料の振り込み証明書」の提出を求められます。どのタイミングで何の書類を提出しなければならないかを把握したうえで、準備してください。

転校と編入に必要な手続き③編入に必要な書類

転校と編入に必要な手続き3つ目は、編入にあたって必要な書類についてです。高校に編入する際に一般的に必要とされる書類には、「成績・単位修得証明書」「在籍証明書」があります。

学校によっては「健康診断書」を求められることもあります。出願の時点では、「入学願書」「作文」「証明写真」「受験料の振り込み証明書」が必要なのは転校時と変わりません。

高校によって入学手続きは異なる

転校または編入のために出願し、試験に合格すると、入学手続きをすることになります。出願書類を提出するだけでなく、入学金と授業料を払い込まなければなりません。その際、普通高校か通信制高校かで違いがあるのです。普通高校の場合は年間の授業料が決まっています。その場合は指定された金額を納入します。

しかし通信制高校は、単位制を取り入れているところが多いです。そのため、入学時に自分が取得しようと考えている単位によって、納入金額が変わります。出願をする前に、納入金についてしっかり確認しておくことをおすすめします。また、手続きに必要な書類もチェックしましょう。

高校を転校・転入する方法｜編入試験の面接での理由の答え方例5選

面接試験では必ず理由を聞かれる

高校の編入試験を受ける際には、面接試験が設けられています。高校は義務教育ではないので、転入あるいは編入させるのにふさわしい生徒といえるかどうかを、面接官が見極めるために行います。そのため、面接試験ではその学校を志望した理由とともに、転校・編入したい理由を必ず聞かれるので準備が必要です。

編入試験の成績が良くても面接で失敗してしまうと不合格になる可能性もあるので、面接をクリアするための方法として、理由を説明するときのポイントを抑えて答えてください。

編入試験の面接での理由の答え方①引っ越しの場合はストレートに伝える

保護者の転勤や離婚などにより、高校生でも引っ越しを余儀なくされることがあります。その場合は、「保護者の仕事の都合で引っ越すことになったから」とそのまま伝えましょう。家族での移住に伴う転校は、高校側も比較的スムーズに受け入れてくれます。

編入試験の面接での理由の答え方②経済的な理由の場合は工夫が必要

私立高校に通っている高校生の場合、保護者の経済状況の悪化で公立高校への転校を検討するケースも見られます。しかし公立高校側は経済的な理由だけでは転校を認めてくれないようです。というのも、奨学金制度の利用やアルバイトで学費を稼ぐなどの方法があるからです。その点を考慮して、伝えるかどうかを検討しましょう。

編入試験の面接での理由の答え方③学校を変わることでのメリットを伝える

難関大学を志望している、あるいは部活動で全国大会に出場したいなど、いま在籍している高校で叶わない夢を実現する方法として転校を希望する高校生もいます。特に公立高校から私立高校への転校の場合は、学校側も受け入れやすい理由です。その場合は、その目標を達成する自分の力をアピールすることも必要です。

編入試験の面接での理由の答え方④いじめが原因の場合は伝え方に注意

高校の転校や中退の理由の多くに、いじめをはじめとする人間関係の悪化があります。しかし転校したい生徒が、面接時にいじめが理由で転校したいと伝えるのは得策ではありません。その場合、出願している高校が在籍校に問い合わせをする可能性が高いからです。在籍校が事実を否定すると、編入試験に落ちることがあります。

編入試験の面接での理由の答え方⑤その学校を選んだ理由を明確にする

高校を中退した後、編入試験を受ける場合には「なぜその学校を選んだのか」という理由を明確にする必要があります。一度高校を中退している生徒を受け入れるにあたっては、真面目に勉強を続け卒業できるかどうかを、面接官がチェックするからです。その際、どこでもなく志望校がよいと思った理由をアピールしてください。

また、面接時はマナーを守ることも大切です。面接官の目を見て話せるかどうかも、きちんとチェックされています。面接時の入退室やノックの回数などについては、以下の記事を参考にしてください。

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高校を転校・転入するためにかかるお金は？

入学検定料は2,200～30,000円と幅がある

転校・編入を問わず、試験を受ける手続きをする際には、必ず受験料がかかります。出願書類を郵送する際、台紙に振り込み証明書を添付するケースがほとんどです。受験料は高校によって異なりますので、募集要項を取り寄せて確認しましょう。

気になる入学検定料ですが、公立・私立のほか学校によっても違います。公立高校は平均で2,200円、国立高校なら平均9,800円、私立高校は15,000～30,000円と幅があります。

入学手続きの際に必要なお金

編入試験に合格したら、入学手続きをする際に学費の払い込みをしなければなりません。学費には「入学金」「授業料」「施設設備費」「教材費」などがあります。高校によっては「生徒会費」や「教育運営費」などが必要になりますので、詳細は募集要項等で確認してください。同時に期日までに入学手続書類を提出してください。

高校を転校したい場合の親を説得する方法は？

高校を転校したい場合の親を説得する方法①理由を明確に伝える

自分が転校したいと思っていても、親に納得してもらえなければ出願することすらできません。そこで、高校を転校するために親を説得したいなら、その理由を明確に伝えることから始めましょう。「校風が合わなくて勉強に集中できない」「勉強についていけない」「学校でいじめられている」など、具体的に説明します。

ただし、自分なりに理由となっている出来事を解消する努力をしたことが前提です。「自分なりにがんばったけれど、どうしようもない」という状況であれば、親も納得してくれるはずです。

高校を転校したい場合の親を説得する方法②将来のビジョンを説明する

転校したい理由を伝える際には、転校後のビジョンについても説明することが大切です。転校先としてどの高校を考えているのか、その高校が在籍校とどう違うのか、新しい環境で学ぶことで将来どんな進学や就職を考えているのかなど、自分の考えを伝えるのです。考えに筋が通っていれば、きっと耳を傾けてくれるはずです。

高校を転校したい場合の親を説得する方法③志望校の資料を読んでもらう

親に転校を切り出すときには、志望校の資料を用意しておくことをおすすめします。あらかじめ自分でも目を通しておき、その志望校のどんなところに魅力を感じたのか、在籍校と違ってどんなことができるのか、その学校で何をどんなふうに学びたいのかなど、自分なりに考えていることをアピールするのです。

その際、在籍校では実現できないことができると伝えると、より親の心を動かしやすいはずです。また、親は資料だけでは判断できないものなので、一度一緒に学校見学に行ってほしいとお願いするのもおすすめです。イベントでなくても、高校側に問い合わせれば対応してもらえるのが一般的です。調べてみましょう。

高校を転校したい場合の親を説得する方法④通信制高校のメリットを伝える

高校生の中には、普通高校から通信制高校への転校を考えている人もいることでしょう。通信制高校は通学の必要はありませんが、学習の進捗は自己管理しなければなりません。そのため、親に自己管理ができないと思われている高校生は、大反対されることが予想されます。それをはね返す方法として、説得材料を用意します。

例えば通信制高校の中には美容師や介護初任者研修を養成するコースが併設され、高校卒業以外の資格がとれるところもあります。自分の将来やりたい仕事に関連していれば、早く一人前になるために通信制高校に通いたいとアピールできます。親にわかってもらえるように、自分が通信制高校に通うメリットを伝えましょう。

通信制高校も含めて転校先の違いを理解して選択しよう!

今回は、高校を転校・編入する方法についてお話ししました。転校と編入の違いや入学にあたっての手続き、必要な費用について理解したうえで、親と話し合う必要があります。後悔しない選択ができるように、きちんと情報収集し自分の将来を熟考したうえで親と話し合うことをおすすめします。