英雄色を好むの意味とは?ことわざの語源や類語と使い方や例文も

「英雄色を好む」ということわざがありますが、いったい何のことを意味しているのでしょう。少し分かりにくい表現なので、語源からハッキリと調べてみたいですね。類語や使い方、例文などをあわせて、英雄の実態についてチェックしてみましょう。

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英雄色を好むの意味や語源とは?

英雄色を好むの意味とは英雄は女好きな傾向にあるということわざ

隠れて手をつなぐ男女

英雄色を好むの意味の1つ目は、英雄は女好きな傾向にあるという、ことわざだということです。英雄と言われると、武勇に優れて、戦争などで活躍した人を連想してしまいます。もちろん、こちらの意味もありますが、優れた実力を持ち、非凡なことをなしとげた人のことも意味します。

つまり、現代社会において、仕事で高い実力を発揮する人にも「英雄」という表現は当てはまるというわけですね。また、「色」という言葉は、目に見えるカラフルなもの以外に、色情や恋愛といった、女性との性愛に関することを意味します。

英雄のように、高い実力を持つ人は、精力が強いため総じて女好きになると言われています。歴史的に見ても、高い地位についた人は、多くの愛人を囲っています。徳川の歴代将軍が持っていた大奥が良い例ですね。

英雄色を好むには英雄は女好きでも許されるという意味も

ベッドでキスする男女

英雄色を好むの意味の2つ目は、英雄は女好きでも許されるという意味も持つことです。高い実力を示している人は、女性にモテるのは仕方がないと捉えられる傾向にあります。また、カリスマ性なども備えているため、人を惹きつける魅力も持っていることを理由の一つです。

戦乱の時代では、自分の血を継ぐ子どもを一定数確保しておく必要がありました。跡継ぎがいなければ、英雄が固めた地盤が揺らいでしまうためです。今とは比べ物にならない権力も有していたため、好みの女性を集めることに対して、誰も反対しなかったという背景もあります。

現在は、奥さん以外の女性と関係を持つことは認められていませんね。しかし、有名人の男性が浮気をした場合「英雄色を好む」という表現が使われます。「世間に名が知られているほどの男性なので、浮気をしても許される」「浮気をしてもしょうがない」という意味で使われることがあります。

英雄色を好むの語源①詳しい語源は不明

クエスチョンマークに囲まれる女性

英雄色を好むの語源の1つ目は、詳しい語源は不明だということです。古くからいろいろな人物が引き合いに出されますが、その中で最も古いのが、古代ローマの政治家兼、軍人として活躍した「ガイウス・ユリウス・カエサル」です。元老院議員の妻の3分の1を寝取ったという逸話が残されています。

「賽は投げられた」や「ブルータスお前もか」という有名な言葉を後世に残すほど、影響力のあった人物です。世界三大美女にも数えられている、エジプトのクレオパトラも、愛人の一人でした。名言の数や女性遍歴をみると、意外と語源はカエサルだったのかもしれませんね。

また、モンゴルの初代皇帝の「チンギス・ハン」も有名です。中国から東ヨーロッパまでを征服し、当時の世界人口の半分を統治した人物です。広大な地域を制服した結果、オックスフォードの遺伝子学の研究チームが、世界中で最も多く子孫を残した人物という結論を出しました。男系の子孫だけでも1600万人はいるようです。


英雄色を好むの語源②福沢諭吉の時代には存在した

手水を使う女性

英雄色を好むの語源の2つ目は、福沢諭吉の時代には、日本にすでに存在していたということです。いつの時代から日本で使われるようになったのかは定かではありませんが、1800年代には、すでに現在と同じ意味で使われていました。「心身屈強な者は必ず色に溺れる」と、福沢諭吉が口にすると、説得力がありますね。

福沢先生浮世談(1898)〈福沢諭吉〉「或は又英雄(エイユウ)色(イロ)を好(コノ)むと云ひ心身屈強な者は必ず色に溺れると斯う云ふ」
引用元: コトバンク

英雄が好むのは、どんな女性となるのでしょうか。気立てのいい女性ほど、好まれるのかもしれませんね。こちらの記事では、気立てのいい女性の特徴といっしょに、意味や語源も紹介しています。あわせてチェックすると、面白いですよ。

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英雄色を好むのニュアンスは?肯定?否定?

ニュアンス①実力と魅力を認めることわざで肯定

会議で話す男性

ニュアンスの1つ目は、実力と魅力を認めることわざとして使われるため肯定しているというものです。英雄という表現を使うため、優れた実力を持ち、非凡なことをなしとげたことを認めていることは間違いありませんね。また、女性にモテるので羨ましいという意味も含んでいることわざです。

「優れた実力を持ち、女性にモテる人なのですごい!」という肯定的なニュアンスで使うことができます。確かに、仕事で成功して女性にモテたいというのは、多くの男性に共通する夢なのかもしれません。

ニュアンス②弁護することわざで肯定

レンガの壁にもたれる男性

ニュアンスの2つ目は、浮気した男性を弁護することわざとして使われることがあるため、否定しているというものです。よく見られる例が、有名人の浮気ですね。有名人は、スポーツや芸能など、いずれかの分野で優れた才能を発揮しています。

そんな有名人が浮気したことに対して、「英雄色を好むと言うからね」と、コメントする人もいます。有名人なのだから浮気ぐらいしても不思議ではないという、肯定的なニュアンスからくるものだと考えられています。どちらかというと、そんな英雄の姿に憧れる、男性からの意見が多いのかもしれません。


ニュアンス③言い訳することわざで肯定

女性を慰める

英雄色を好むのニュアンスの3つ目は、浮気の言い訳とすることわざとして使われることがあるため、当事者は肯定しているというものです。浮気をしていることがバレた直後に、「英雄色を好むと言うじゃないか」と言われると、「男なんだからしょうがない、大目に見ろ」という意味を含んでいるように聞こえますね。

この場合は、言っている本人は、肯定的なニュアンスとして捉えていると考えられます。浮気される立場の、女性からの意見としては、イラッとすることわざですね。

英雄色を好むの使い方や例文は?

使い方や例文①褒め言葉として使う

拍手する人々

使い方や例文の1つ目は、褒め言葉として使うものです。語源を見て、「英雄=高い実力を持つ人」、「色を好む=女性にモテる人」と解釈できるためです。「高い実力があって、女性にモテる人ですね」という意味であれば、間違いなく褒め言葉となりますね。

例えば、「英雄色を好むと言うけれど、うちの社長は、まさにそのタイプだね。仕事には精力的だし、いつも美人がそばにいる」のような例文が考えられます。男性の場合、一度は言われてみたい、憧れの言葉かもしれません。

使い方や例文②性癖を批判するために使う

よそ見をする男性

使い方や例文の2つ目は、性癖を批判するために使うものです。こちらの使い方の場合「女好き」という意味を全面的に出すことで、相手の性癖を否定的に捉えているのだと伝えることができます。実力は認めても、性癖が許容できない場合に使えます。

例えば、「◯◯さんが、また女性とトラブルを起こしている。英雄色を好むとはいえ、あの女癖の悪さだけはどうにかしてほしい」のような使い方が考えられます。どんなに仕事ができても、女癖が悪すぎると問題ですよね。

使い方や例文③女色を擁護するために使う

バラを捧げる男性

使い方や例文の3つ目は、女色を擁護するために使うものです。女色とは、女性との情事を意味する言葉となります。浮気や、同時に複数との女性と関係を持つことに対して、肯定的である場合に使われます。また、実力の高さと比べたら、女性との問題など取るに足らないことだと考えている場合にも使うことができます。

例えば、「英雄色を好むと言うからね、付き合う女性の2人や3人いても不思議じゃないよ」のような使い方が考えられます。実力が高ければ、モテて当然というニュアンスですね。

使い方や例文④浮気の言い訳として使う

カップルを睨む女性

使い方や例文の4つ目は、浮気の言い訳として使うものです。例えば、「しょうがないじゃないか、英雄は色を好むものなんだよ」のような使い方が考えられます。浮気がバレて、とっさの一言として出てきた言葉かもしれませんが、当人の実力によっては火に油を注ぐことになりそうです。

自分で自分のことを「英雄」と表現しているため、実力がなければ、「お前が言うな!」という反感を招きかねません。また、実力があっても、自分を英雄呼ばわりするのは、あまり好ましくありませんね。

英雄色を好むの類語は?

類語①英雄色に迷う

女性を抱きしめる

類語の1つ目は、「英雄色に迷う」です。意味としては、ほぼ同義になる類語ですね。しかし、少しだけ批判的なニュアンスが強くなっているように感じられます。どちらかと言うと、女好きのあまり、色ごとに溺れていっている様子が窺える類語となっています。

ちなみに、美しさのあまり、王様などの地位の高い男性をたぶらかし、国を傾ける美人のことを「傾国の美女(けいこくのびじょ)」と言います。英雄の天敵のような存在かもしれません。

類語②英雄酒を好む

レストランで会話する男女

類語の2つ目は、英雄酒を好むです。類語としては、女好きよりも酒好きというイメージとなりましたが、高い実力を持つ人は酒も飲めるということですね。勝利の美酒という言葉もあるので、勝利を重ねるたびに、美味しいお酒を飲んでいたのかもしれません。

ちなみに、とても豪勢で性的に乱れた宴の場のことを「酒池肉林(しゅちにくりん)」言います。はるか昔、殷(いん)という国の王様が準備した宴で、池を酒で満たし、肉を林につるして、裸の男女が追いかけまわっていたという故事に基づくものです。女と酒を好む英雄が、最終的に行いそうな宴ですね。

男女関係を表すために使えそうな言葉や類語は、たくさんあります。こちらは、関係をもつれさせないために注意しておきたい、心の機微についてまとめた記事です。類語などとあわせて、使い方を確認してみましょう。

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英雄色を好むを実践した日本の歴史上の人物は

日本の歴史上の人物①豊臣秀吉

傘をさした着物の女性

英雄色を好むを実践した、日本の歴史上の人物の1人目は、豊臣秀吉です。女癖が悪いことで有名で、正室の寧々の他に、10人以上もの側室がいました。正室や側室以外にも、手をつけた女性は300人以上とも言われます。あまりの浮気グセのひどさに、寧々が織田信長に手紙で愚痴っていたという逸話も残されています。

ちなみに、この手紙に対して、信長からは「秀吉にはもったいないほどの美人なのだから、正室としてどっしり構えていればいい」という返事があったと言われています。しかし、秀吉の女癖の悪さは治らず、天下統一を果たしてからは、好き放題やっていたんですね。

日本の歴史上の人物②徳川家斉

川の前で傘をさした着物の女性

英雄色を好むを実践した、日本の歴史上の人物の2人目は、徳川11代将軍となる徳川家斉です。大奥を抱えたことで有名な徳川家ですが、家斉の側室は16人以上にものぼったと伝えられています。そのため、53人もの子宝に恵まれましたが、子どもが多すぎて養育費で幕府の財政を圧迫させたとも言われています。

精力を増強させることにも余念がなく、オットセイの陰茎を粉末にしたものを飲むなどして励んでいたとされる人物です。色を好むのもほどほどにしてほしいと、関係者は頭を悩ませていたことでしょう。

英雄色を好むは現代では否定的なので安心

語源や出典などが、ハッキリとしない「英雄色を好む」は、古くからの英雄の行動によって出来上がったことわざだと考えられます。武勇に優れて、権力を手にした男性の影には、多くの女性の姿があったことが窺われます。

しかし、セクハラなどの概念が確立してきた現代社会においては、浮気や複数の女性と関係を持つことに対して厳しい風潮になりつつあります。浮気した男性を擁護するような使い方をした場合、否定的に捉えられることが多くなりましたね。これからは、徐々に封印されていく言葉なのかもしれません。


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